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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №157 [ことだま五七五]

    読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆3月15、22、29日放送分
 
         川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
3月15日の放送です。

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桜もちらほらと?

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)がキャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。

エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
https://fm839.com/program/p00000281
放送の音源・・・https://youtu.be/TQhgk6yS0iI

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「フランスに明太フランスあるかしら」(ユリコ大柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は240句の投稿がありました!
・お返しはお金にしてと言う娘(東孝案)
・ 2センチの段差も怖いお年頃(柳王・春爺)
・フルコース今年限定花粉症(大名人・ポテコ) 
・親が着る子供のジャージリサイクル(名人・キジバト交通) 
・とりあえず気に入っている現在地(カラリ) 
・味噌汁も健康のためアメリカン(名人・グランパ) 
・マスク無し挨拶された誰だっけ(名人・まご命) 
・メルカリに早くもマスク大バーゲン(とんからりん) 
・愛知る者は憎しみを知る(柳王・平谷五七五)
・惚れた妻婆になったがまぁかわい(名人・どんぶらこ)
・低コスト切り離せない高リスク(せ・ら・び)
・散歩道お地蔵さんの顔も春(名人・やんちゃん)

☆タケシのヒント!
「やんちゃん、これで5回目の秀逸、大名人昇進です。おめでとうございます。いつも同じはずのお地蔵さんの顔まで春らしいという発見が面白いですね。映像が見えてくるようです。」
・立ち止まり地球の声を聞いてみる(りん)
・投稿句ペッパーミルで願かける (名人 ・せきぼー)
・見たこともない少女だがおめでとう(そうそう)
・あほの顔イケメンにするサングラス(バレリア)
・醤油ではなくて社会をなめている(名人 ・おむすび)
・被災地の苦しみ今もこれからも(高橋永喜)
・兄ちゃんの第二ボタンが…!!!(名人・わこりん)
・ブランコはタイムカプセル幼き日(大名人・じゅんじゅん)
・11時誰も帰らぬドーム内(ベルマーレあんちゃん)
・春だものボリューム上げてヴィバルディ(柳王・すみれ)
・クリーニング予約取れない歯医者さん(柳王・アンリ)
・心にはあの日のままのカレンダー(新大名人・ワイン鍋)
・マスク取りストリーキング思い出し(大名人・マルコ)
・愛菜よりもよく見るCM家族葬(柳王・恋するサボテンちゃん)
・嫌だねぇヌードバーかと思ったよ(大柳王・けんけん)
・気にかかるボトルとアテとかおるさん(くろぽん)
↓呑喰処「かおる」のホームページです!↓
https://www.kaoru-sagamihara.com/
・ファンブック自分のページつい見ちゃう(しゃま)
・老衰という幸せな死亡記事(翔のんまな)
・卒業の日の黒板に翼の絵(柳王・荻笑)
・偏差値は一番高いチェコ選手(大柳王・ユリコ)
・こんなにも表情豊か人の顔(名人・soji)
・ぼうちゃんのブログに載って二度嬉し(大名人・はる)
↓ぼうちゃんのブログです↓
https://ameblo.jp/banryuu-bouchan/
・つまらない事を考えぬようラジオ(名人・ぼうちゃん)
・仕上げは胡椒 イタリア料理(柳王・里山わらび)

◎今週の一句・散歩道お地蔵さんの顔も春(名人・やんちゃん)
◯2席・醤油ではなくて社会をなめている(名人 ・おむすび)
◯3席・嫌だねぇヌードバーかと思ったよ(大柳王・けんけん)

【お知らせ】
昨年末から編集作業を行ってきた、毎日新聞の朝の顔「仲畑流万能川柳」の
交流誌「仲畑流万能川柳ファンブック」118号(3月号)、
完成しました。今号の目玉は、なんといっても、ヒットメーカー対談!!
今最も注目の女性作家のおひとり、このラジオ万能川柳でもおなじみの、海老名市のしゃまさん登場!!
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【編集後記】
ファンブック118号が完成したばかりですが、
もう次号の編集に着手しています。
コロナも収まりつつあり、各地の川柳会も復活傾向。
全国からのリポートが楽しみです。(タケシ拝)

○22日の放送です

 
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ピンク色のファンブック!
放送の音源・・・https://youtu.be/cFLup_gwsEg

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「見るたびに笑えるCM鼻うがい」(のりりん名人)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は202句の投稿がありました!
・掲載に勝る妙薬ない作句(大名人・龍龍龍)
・国変えるまずは統一地方選(刑事コロンダ) 
・どうせなら楽しいことで疲れたい(名人・グランパ) 
・一儲け明太フレンチ流行らせて(名人・パリっ子)
・昇進の喜び分かち合うワイン(新大名人・やんちゃん) 
・おもろいねバッジとられりゃ逮捕状(大名人・東海島田宿)
・ペッパーポーズ球児がやると不謹慎(ベルマーレあんちゃん)
・渋滞にわざとはまった桜みち(名人・せきぼー)
・落合は新宿?野球?いや相撲(名人・居酒屋たつみ)
・ 句読点なくても読みやすいマンガ(たごティ)
・政治家の働き方を直しましょう(初投稿・東洋はじめ)
・私の顔が許さぬノーマスク(大名人・美ら小雪)
・大盛りが食えなくなって老いを知る(高橋永喜)
・優勝予想できない大相撲(柳王・アンリ)
・ラジ川で知名度アップ相模原(名人・まご命)
・しゃまさんの顔の色かとファンブック(柳王・かたつむり)
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・子が来ると財布散財甘い母(大名人・ポテコ)
・川柳は心の遊びガッテンだ〜 (大名人・じゅんじゅん)
・水曜のドキドキ感で寿命伸び(柳王・すみれ)

☆タケシのヒント!
「ちょっとオーバーな表現がユニーク。そう言っていただくと、オオタニサンのようにヘルメットを投げ捨てて、スタジオまで駆けつけた甲斐があります(笑)。」

・デパ地下もそろそろ試食出るだろか(大名人・ワイン鍋)
・メキシコに勝って兜の緒を締めよ(柳王・春爺)
・もう少し科学ゆっくり進歩して(名人 ・おむすび)
・結局は逢うことになる長電話(翔のんまな)
・解説をまったくできぬ元力士(柳王・平谷五七五)
・ラジ川会昼なら相模出掛けます(くろぽん)
・告白のチャンスもありそ巣立ちの日(大名人・はる)
・サッカーに野球に将棋子が迷う(柳王・里山わらび)
・歩きたいワイン片手に目黒川(名人・キジバト交通)
・ラジ川のファミ会したいなぁかおるで(しゃま)
・あと10日間あるのに心大山へ(大柳王・けんけん)
・ヌートバーロスが早くも懸念され(名人 ・のりりん)
・電気つけるとチャリーンと音がする(大柳王・ユリコ)
   (添削例)チャッリーンと音する電気つけるたび
・しゃまさんの素顔を見たらあら!タイプ(名人・ soji)
・ポテチほど売られていない芋けんぴ(名人 ・ぼうちゃん)
・妻の風呂のぞける猫がうらやまし(そうそう)
・クセになる「かおる」のモツ煮ナポリタン(大名人・咲弥アン子)

◎今週の一句・水曜のドキドキ感で寿命伸び(柳王・すみれ)
◯2席・サッカーに野球に将棋子が迷う(柳王・里山わらび)
◯3席・渋滞にわざとはまった桜みち(名人・せきぼー)

【編集後記】
去年から、桜の切り花を買ってきて、
家の中に飾っています。
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家の中はやっぱり暖かいんですねえ。
蕾がどんどん花開いていきます。
「咲き急ぐなよ、咲き急ぐなよ」。桜に声をかける日々です(笑)。(タケシ拝)

○3月29日の放送  

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今週末は待望の小田急沿線会!!

放送の音源・・・https://youtu.be/z3lRUmt8vAc

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「賞味期限まだあるようでないようで」(翔のんまなさん)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は229句の投稿がありました!
・キラキラと春の陽射しを泳ぐ幸(カラリ)
・久し振り酒の匂いに酔う桜(東孝案)
・もうダメだ9回裏で出かけなきゃ(アバ) 
・ ひとくち目アンには届かないアンパン(大名人・龍龍龍)
・春彼岸眠った土は目を覚ます(初投稿・町田綾) 
・これからは野球ファンへと戻ります(名人 ・おむすび) 
・大相撲小粒になった力士たち(初投稿・鈴木洋一) 
・エッチ好きだけどエッチ句嫌い妻(名人・どんぶらこ) 
・3と7なんで好きなの日本人(名人・グランパ) 
・たっちゃんの呼称が効いたチーム愛(名人・せきぼー) 
・頼むから学べよ男子夜の技(柳王・平谷五七五)
・口だけはあれこれします選挙前(名人・まご命) 
・カッキ〜ン僕はやっぱり野球党(大名人・東海島田宿) 
・湘南賞青柳さんよねづさん(辰五郎)
・ファンブック届き掲載句に付箋(高橋永喜)
・戦争は桜咲いても終わらない(柳王・アンリ) 
・漢字なら似たようなもん髪と髭(名人・わこりん) 
・女将だと勘違いするかおるの名(名人 ・ soji) 
・他人の句読んで娘が号泣し(大名人・美ら小雪) 
・ネタ帳が増えるばかりで句ができぬ(大名人・マルコ) 
・ていねいに名を書く新しいノート(柳王・荻笑)
・フル充電させてくれたよWBC (柳王・恋するサボテンちゃん)
・そういえば僕より顔の広い犬(翔のんまな)
・雨粒と相撲を取って負ける花(大名人・ワイン鍋)
・紅白に高齢者枠あったなら(大名人・じゅんじゅん)
・ジモティに「制服ください」あふれてる(柳王・入り江わに)
・好物はポテサラもつ煮ナポリタン(くろぽん)
・必勝のしゃもじなくても世界一(せ・ら・び)

☆タケシのヒント!
「首相の必勝しゃもじのネタは多く来たのですが、WBCと組み合わせた、この句がピカイチでした。ストレートに批判するだけでは句になりにくいですね。」
・4年ぶり花見のゴザを抱きしめる(柳王・里山わらび)
・詰め放題袋破れてもう一つ(鈴木則子)
・小田急会毎日天気調べさせ(しゃま)
・脚本賞あげたい野球の神様に(大名人・ 咲弥アン子)
・ホントはね一人になると泣いてます(大柳王・けんけん)
・AVの真似はボクにはできません(そうそう)
・ぼうちゃんよこっちじゃメジャーよ芋けんぴ(名人・のりりん)
・美味いぜよ土佐の揚げたて芋けんぴ(大柳王・ユリコ)

◎今週の一句・必勝のしゃもじなくても世界一(せ・ら・び)
◯2席・4年ぶり花見のゴザを抱きしめる(柳王・里山わらび)
◯3席・もうダメだ9回裏で出かけなきゃ(アバ)

【質問】
仲畑流万能川柳ファンブック118号のヒットメーカー対談について、
タケシ師匠が「注目の女性作家の一人」と言っていただいて、とても嬉しかったです。
質問ですが川柳作家とはいつから言っていいのでしょうか?
やっぱり句集を出してでしょうか?(しゃまさん)  
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【編集後記】
最高のカタチで終わったワールドベースボールクラシックから
1週間たちましたが、まだまだ余韻が残っていますね。
今週末からはプロ野球もメジャーリーグも開幕します。
侍戦士たちの活躍が今から楽しみです。(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 



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郷愁の詩人与謝蕪村 №3 [ことだま五七五]

蕪村の俳句について 2

         詩人  萩原朔太郎

 蕪村は不遇の詩人であった。彼はその生存した時代において、ほとんど全く認められず、空しく窮乏の中に死んでしまった。今日僕らは、既に忘れられて名も知れなくなってしまった当時の卑俗俳諧はいかいの宗匠たちが、俳人番附ばんづけの第一席に名を大書し、天下に高名を謳うたわれている時、わずかその末席に細字で書かれ、漸く二流以下の俳人として、影薄く存在していた蕪村について考える時、人間の史的評価や名声やが、如何いかに頼りなく当あてにならないかを、真に痛切に感ずるのである。すべての天才は不遇でない。ただ純粋の詩人だけは、その天才に正比例して、常に必ず不遇である。殊に就中なかんずく蕪村の如く、文化が彼の芸術と逆流しているところの、一ひとつの「悪あしき時代」に生れた者は、特に救いがたく不遇である。
 蕪村の価値が、初めて正しく評価され、その俳句が再批判されたのは、彼の死後百数十年を経た後世、最近明治になってからのことであった。明治以後、彼の最初の発見者たる正岡子規、及びその門下生たる根岸派の俳人に継ぎ、殆ほとんどすべての文壇者らが、こぞって皆蕪村の研究に関心した。蕪村研究の盛んなことは、芭蕉研究と共に、今日において一種の流行観をさえ呈している。そして世の定評は、芭蕉と共に蕪村を二大俳聖と称するのである。
 しかしながら多くの人は、蕪村について真の研究を忘れている。人々の蕪村について、批判し定評するところのものは、かつて子規一派の俳人らが、その独自の文学観から鑑賞批判したところを、無批判に伝授している以外、さらに一歩も出ていないのである。そしてこれが、今日蕪村について言われる一般の「定評」なのである。試みにその「定評」の内容をあげて見よう。蕪村の俳句の特色として、人々の一様に言うところは、およそ次のような条々である。

一、写生主義的、印象主義的であること。
一、芭蕉の本然的なのに対し、技巧主義的であること。
一、芭蕉は人生派の詩人であり、蕪村は叙景派の詩人である。
一、芭蕉は主観的の俳人であり、蕪村は客観的の俳人である。

 「印象的」「技巧的」「主知的」「絵画的」ということは、すべて客観主義的芸術の特色である。それ故に以上の定評を概括すれば、要するに蕪村の特色は「客観的」だということになる。そしてこれが、芭蕉の「主観的」に対比して考えられているのである。
 ところで芸術における「主観的」「客観的」もしくは「主情主義的」「主知主義的」ということは、本来何を意味するものだろうか。これについて自分は、旧著『詩の原理』に詳しい解説を述べておいた。約言すれば、すべての客観主義的芸術とは、智慧を止揚しようしたところの主観表現に外ほかならない。およそ如何なる世界においても、主観のない芸術というものは存在しない。ただロマンチシズムとリアリズムとは、主観の発想に関するところの、表現の様式がちがうのである。それ故に本来言えば、単なる「叙景詩」とか「叙景派の詩」なんていうものは実在しない。もしあるとすればナンセンスであり、似而非の駄文学だぶんがくにすぎないのだ。いわんや俳句のような抒情詩――俳句は抒情詩の一種であり、しかもその純粋の形式である。――において、主観は常にポエジイの本質となっているのである。俳句のような文学において、主観が稀薄であるとすれば、そのポエジイは無価値であり、その作家は「精神に詩を持たない」似而非詩人である。
 ところで一般に言われる如く、蕪村が芭蕉に比して客観的の詩人であり、客観主義的態度の作家であることは疑いない。したがってまた「技巧的」「主知的」「印象的」「絵画的」等、すべて彼の特色について指摘されてるところも、定評として正しく、決して誤っていないのである。しかしながら多くの人は、これらの客観的特色の背後における、詩人その人の主観を見ていないのである。そしてこの「主観」こそ、正まさしく蕪村のポエジイであり、詩人が訴えようとするところの、唯一の抒情詩じょじょうしの本体なのだ。人々は芭蕉について、一茶について、こうした抒情詩の本体を知り、その叙景的な俳句を通して、芭蕉や一茶の悩みを感じ、彼らの訴えようとしている人生から、主観の意志する「詩」を掴つかんでいる。しかも何と不思議なことに、人々はなお蕪村について無智であり、単に客観的の詩人と評する以外、少しも蕪村その人の「詩」を知らないのである。そしてしかも、蕪村を讃して芭蕉と比肩し、無批判に俳聖と称している。「詩」をその本質に持たない俳聖。そして単に、技巧や修辞に巧みであり、絵画的の描写を能事としている俳聖。そんな似而非詩人の俳聖がどこにいるか。

 こうした見地から立言すれば、蕪村の世俗に誤られていること、今日の如く甚だしきはないと言える。かつて芥川竜之介君と俳句を論じた時、芥川君は芭蕉をあげて蕪村を貶けなした。その蕪村を好まぬ理由は、蕪村が技巧的の作家であり、単なる印象派の作家であって、芭蕉に見るような人生観や、主観の強いポエジイがないからだと言うことだった。友人室生犀星君も、かつて同じような意味のことを、蕪村に関して僕に語った。そして今日俳壇に住む多くの人は、好悪の意味を別にして、等しく皆同様の観察をし、上述の「定評」以外に、蕪村を理解していないのである。
 蕪村を誤った罪は、思うに彼の最初の発見者である子規、及びその門下生なる根岸派一派の俳人にある。子規一派の俳人たちは、詩からすべての主観とヴィジョンを排斥し、自然をその「あるがままの印象」で、単に平面的にスケッチすることを能事とする、いわゆる「写生主義」を唱えたのである。(この写生主義が、後年日本特殊の自然主義文学の先駆をした。今日でもなお、アララギ派の歌人がこの美学を伝承しているのは、人の知る通りである。)こうした文学論が如何に浅薄皮相であり、特に詩に関して邪説であるかは、ここで論ずべき限りでないが、とにかくにも子規一派は、この文学的イデオロギーによって蕪村を批判し、かつそれによって鑑賞したため、自然蕪村の本質が、彼らのいわゆる写生主義の規範的俳人と目されたのである。
 今や蕪村の俳句は、改めてまた鑑賞され、新しくまた再批判されねばならない。僕の断じて立言し得ることは、蕪村が単なる写生主義者や、単なる技巧的スケッチ画家でないということである。反対に蕪村こそは、一つの強い主観を有し、イデアの痛切な思慕を歌ったところの、真の抒情詩の抒情詩人、真の俳句の俳人であったのである。ではそもそも、蕪村におけるこの「主観」の実体は何だろうか。換言すれば、詩人蕪村の魂が咏嘆し、憧憬し、永久に思慕したイデアの内容、即ち彼のポエジイの実体は何だろうか。一言にして言えば、それは時間の遠い彼岸に実在している、彼の魂の故郷に対する「郷愁」であり、昔々しきりに思う、子守唄の哀切な思慕であった。実にこの一つのポエジイこそ、彼の俳句のあらゆる表現を一貫して、読者の心に響いて来る音楽であり、詩的情感の本質を成す実体なのだ。以下その俳句について、個々の評釈を述べると共に、この事実を詳しく説いて見たいと思う。

『郷愁の詩人 萩原朔太郎』 青空文庫



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №156 [ことだま五七五]

      読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆3月1、8日放送分

      川柳家・コピーライター  水野タケシ


川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ、エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
3月1日の放送です。
  
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気温急上昇!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)がキャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
https://fm839.com/program/p00000281

放送の音源・・・https://youtu.be/jhoHgr4kQTE
【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「噛み合わせゆるい入れ歯と夫婦仲」(春爺柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は230句の投稿がありました!
・送られた雪の写真で温まる(大名人・美ら小雪)
・くしゃみ2度悪口花粉どっちかな(大名人・ポテコ)
・どうしたのあさひろさんの句を見ない (東孝案)
・ボツ続き届いてないと思ってる(大名人・龍龍龍)
・オール電化ランプに替えてしのぐ日々(初投稿・亀井千代蔵) 
・消えました確かに何か浮かんだが(カラリ)
・責任をとっていたなら妻九人(名人・どんぶらこ)
・どっちがいいかパンダは言えず(大名人・東海島田宿)
・わたくしの食べているもの猫またぎ(柳王・平谷五七五) 
・着替えして今の私と別れかな(バレリア) 
・番号で呼び出されてる待合室(とんからりん) 
・思い出を母と語りし雛飾る(名人・やんちゃん) 
・フライングしそう桜と春の空(名人・せきぼー) 
・学校へ行きたい日には兄が熱(名人・わこりん) 
・通るたび挨拶したくなるポスト(柳王・すみれ)
・右大臣しろざけのませた私です(柳王・入り江わに) 
・悩みあり昼寝をしたら消えるほど(大名人・じゅんじゅん)
・「やや多い」もう知ってるよ花粉症(名人・ワイン鍋) 
・ノラだって避難場所とか決めてそう(大名人・はる) 
・眩しさや孫に眼科をすすめられ(初投稿・鈴木麻美) 
・呼んでいる梅に菜の花青い空(柳王・里山わらび) 
・誰もいぬスナック菓子をくれる人(たごティ) 
・VARそれでも誤審あるだろう(ベルマーレあんちゃん) 
・亡き母に呼ばれたのかないかりんご(大名人・咲弥アン子)
・継ぎ足しのタレを真似たかあの温泉(大柳王・ユリコ) 
・血のめぐり良くなる記事はないやろか (翔のんまな)
・ファンブック春風に乗り各家へ(しゃま) 
・キャンプ後は元の静かな宮崎に(名人・のりりん)
・秀逸を寝て待ってたら春となり(名人・パリっ子)
・わこりんちゃん卒業式はいつですか? (柳王・かたつむり)  

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・奇跡です角曲がったら友がいた(大柳王・けんけん)

☆タケシのヒント!
「読む方まで楽しくなってくる、心浮き立つ、春らしい一句です。春です。3月です。ちょっとそこまで歩いてみませんか。」

・コンビニはガムより増えたグミの数(柳王・アンリ)
・青春にピタリ重なるサルマタケ(柳王・フーマー)
・行きつけの店でバイトを始めた子(名人・ぼうちゃん) 
・ユヅからのgiftをもらい幸せじゃ(名人・メン子)
・驚いた相模大野の賑やかさ(名人・soji)

◎今週の一句・奇跡です角曲がったら友がいた(大柳王・けんけん)
◯2席・継ぎ足しのタレを真似たかあの温泉(大柳王・ユリコ)
◯3席・右大臣しろざけのませた私です(柳王・入り江わに)

【お知らせ】
先日、このラジ川でも大人気の埼玉のsojiさんが来て下さった、
私の義理の従兄のお店、「呑喰処かおる」を紹介させていただきます。

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【放送後記】
いつも以上に速い1月2月でした。
3月はどうなるかな?とりあえず花粉症をなんとかしなければ。(タケシ拝)

○3月8日の放送

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春めいていきました!!

放送の音源・・・https://youtu.be/GW4ok2Wh7Lc

【あさひろさんのボクのボツ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「老々が判定受けて陽陽介護」(あさひろ名人)

(皆さんの川柳)※敬称略   今週は225句の投稿がありました!
・診察の待ち時間にはラジ川を(大名人・ポテコ)
・タケシ師匠減らないボトル入れといて(名人・パリっ子) 
・花粉症愛され始めて6年目(カラリ) 
・投票に行って未来を生きやすく(刑事コロンダ) 
・血圧が上がらぬ野球してほしい(大名人・東海島田宿) 
・侍にブラボー超えを期待する(名人・せきぼー) 
・励まされ慰められた12年(名人 ・ やんちゃん) 
・雨上がり水玉模様杉花粉(名人・キジバト交通) 
・おばあちゃん話しかけているセルフレジ(じゅんちゃん) 
・お弁当作ってお花見美味なり(初投稿・青木美穂) 
   (添削例)始まるよお弁当作りから花見
・卒業をします来週金曜日(名人・わこりん) 
・苦にならぬように楽しみ句を作る(高橋永喜) 
・垂れ落ちたお乳も尻も俺のもの(名人・どんぶらこ) 
・何もない後ろを向いてみたってね(柳王・平谷五七五)
・12年あの教訓は忘れまい(ベルマーレあんちゃん) 
・ラジ川の皆さん楽しく柳活中(柳王・すみれ) 
・卒業が出来たらいいな花粉症(柳王・アンリ)
・人生の階段子らと登る春(大名人・美ら小雪)
・副大臣誰だか知らぬがいるんでしょ(せ・ら・び)
・相談も話せば回答おのずから(大名人・じゅんじゅん) 
・水道管壊れたけどふきのとう(たごティ) 
・散歩道わたしの標本木はこれ(名人・ワイン鍋) 

☆タケシのヒント!
「ワイン鍋さん、5回目の秀逸、大名人昇進です。おめでとうございます。「わたしの標本木」に共感しました。私も標本木があって、満開になると、ワンカップを飲み飲みお花見しています。」

・バンジーよりマスクを外す勇気くれ (柳王・恋するサボテンちゃん) 
・通院のできる体に感謝です(翔のんまな)
・実家出て孤独を知ったワンルーム(初投稿・梅津晧童)
・送別会ちょっと寂しい酒の味(そうそう)
・カレンダー埋まり始めて日々楽し(くろぽん)
・飛ばしますミサイルじゃなくオオタニサン(柳王・入り江わに)
・ファンブック春のメッセージャー役し(しゃま)
・近くなら私も「かおる」に行きたいな(名人・のりりん)
・外したいマスク外せぬの花粉症(名人・soji)
・干からびたヘソの緒3つ見つめてる(大柳王・けんけん)
・異次元を総理に示す大谷ショー(柳王 ・フーマー)
・静岡会で湘南賞をお二人に(辰五郎)
・あの場所へ連れ戻されて行く一分(柳王・かたつむり)
・新入社配属ガチャが待っている(大名人・マルコ)

◎今週の一句・散歩道わたしの標本木はこれ(名人・ワイン鍋)
◯2席・励まされ慰められた12年(名人・ やんちゃん)
◯3席・何もない後ろを向いてみたってね(柳王・平谷五七五)

【お知らせ】
毎日新聞の朝の顔「仲畑流万能川柳」の2022年度の年間大賞が4日土曜日に発表されました。
過去最高のハガキ15万6526枚、投句にして62万6000句の中から選ばれたのは、
2022年の年間大賞は福岡市の朝川渡さんの「こんなときこそ川柳を詠みましょう」。

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【編集後記】
毎日新聞の仲畑流万能川柳の年間賞の発表があり、
確定申告も終えました。やっと2022年が終わったようで、
ホッとしています。さあ、2023年も頑張るぞ!(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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郷愁の詩人与謝蕪村 №2 [ことだま五七五]

蕪村の俳句について

       詩人  萩原朔太郎

  君あしたに去りぬ
  ゆうべの心千々ちぢに何ぞ遥はるかなる。
  君を思うて岡の辺べに行きつ遊ぶ。
  岡の辺べなんぞかく悲しき。

 この詩の作者の名をかくして、明治年代の若い新体詩人の作だと言っても、人は決して怪しまないだろう。しかもこれが百数十年も昔、江戸時代の俳人与謝蕪村によって試作された新詩体の一節であることは、今日僕らにとって異常な興味を感じさせる。実際こうした詩の情操には、何らか或る鮮新な、浪漫的ろうまんてきな、多少西欧の詩とも共通するところの、特殊な水々しい精神を感じさせる。そしてこの種の情操は、江戸時代の文化に全くなかったものなのである。
 僕は生来、俳句と言うものに深い興味を持たなかった。興味を持たないというよりは、趣味的に俳句を毛嫌いしたのである。何故なぜかというに、俳句の一般的特色として考えられる、あの枯淡とか、寂さびとか、風流とかいう心境が、僕には甚だ遠いものであり、趣味的にも気質的にも、容易に馴染なじめなかったからである。反対に僕は、昔から和歌が好きで、万葉や新古今しんこきんを愛読していた。和歌の表現する世界は、主として恋愛や思慕の情緒で、本質的に西洋の抒情詩とも共通しているものがあったからだ。
 こうした俳句嫌いの僕であったが、唯一つの例外として、不思議にも蕪村だけが好きであった。なぜかと言うに、蕪村の俳句だけが僕にとってよく解り、詩趣を感得することが出来たからだ。今日最近にいたって、僕は漸ようやく芭蕉や一茶いっさの句を理解し、その特殊な妙味や詩境に会得えとくを持つようになったけれども、従来の僕にとって、芭蕉らの句は全く没交渉の存在であり、如何いかにしてもその詩趣を理解することが出来なかった。それ故に僕にとって、蕪村は唯一の理解し得る俳人であり、蕪村の句だけが、唯一の理解し得る俳句であったのだ。
 この不思議なる事実。僕があらゆる俳句を理解し得ず、俳句を本質的に毛嫌いしながら、一人例外として蕪村を好み、彼の俳句だけを愛読したという事実は、思うにおそらく、蕪村の情操における特異なものが、僕の趣味性や気質における特殊な情操と密に符合し、理解の感流するものがあったためであろう。そしてこの「蕪村の情操における特異性」とは、第一に先まず、彼の詩境が他の一般俳句に比して、遥かに浪漫的の青春性に富んでいるという事実である。したがって彼の句には、どこか奈良朝時代の万葉歌境と共通するものがある。例えば春の句で

  遅き日のつもりて遠き昔かな
  春雨や小磯こいその小貝ぬるるほど
  行く春や逡巡しゅんじゅんとして遅桜おそざくら
  歩行歩行ありきありきもの思ふ春の行衛ゆくえかな
  菜の花や月は東に日は西に
  春風や堤つつみ長うして家遠し
  行く春やおもたき琵琶びわの抱だきごころ

 等の句境は、万葉集の歌「うらうらと照れる春日に雲雀ひばりあがり心悲しも独し思へば」や「妹いもがため貝を拾ふと津の国の由良ゆらの岬みさきにこの日暮しつ」などと同工異曲の詩趣であって、春怨思慕(しゅんえんしぼ)の若々しいセンチメントが、句の情操する根柢こんていを流れている。さらにまた左の如き恋愛句において、こうした蕪村の青春的センチメントが、一層はっきりと特異に感じられるのである。

  白梅しらうめや誰たが昔より垣の外そと
  妹(いも)が垣根三味線草さみせんぐさの花咲さきぬ
  恋さまざま願ねがいの糸も白きより
  二人してむすべば濁る清水かな

 蕪村の句の特異性は、色彩の調子トーンが明るく、絵具が生々なまなましており、光が強烈であることである。そしてこの点が、彼の句を枯淡な墨絵から遠くし、色彩の明るく印象的な西洋画に近くしている。

  陽炎(かげろう)や名も知らぬ虫の白き飛ぶ
  更衣(ころもがえ)野路のじの人はつかに白し
  絶頂の城たのもしき若葉かな
  鮒鮓(ふなずし)や彦根ひこねの城に雲かかる
  愁ひつつ岡に登れば花いばら
  甲斐ヶ嶺(かいがね)や穂蓼(ほたで)の上を塩車(しおぐるま)

 俳句というものを全く知らず、いわんや枯淡とか、洒脱しゃだつとか、風流とかいう特殊な俳句心境を全く理解しない人。そして単に、近代の抒情詩や美術しか知らない若い人たちでも、こうした蕪村の俳句だけは、思うに容易に理解することができるだろう。何となれば、これらの句には、洋画風の明るい光と印象があり、したがってまた明治以後の詩壇における、欧風の若い詩とも情趣に共通するものがあるからである。
 僕が俳句を毛嫌いし、芭蕉も一茶も全く理解することの出来なかった青年時代に、ひとり例外として蕪村を好み、島崎藤村しまざきとうそん氏らの新体詩と並立して、蕪村句集を愛読した実の理由は、思うに全くこの点に存している。即ち一言にして言えば、蕪村の俳句は「若い」のである。丁度万葉集の和歌が、古来日本人の詩歌の中で、最も「若い」情操の表現であったように、蕪村の俳句がまた、近世の日本における最も若い、一ひとつの例外的なポエジイだった。そしてこの場合に「若い」と言うのは、人間の詩情に本質している、一の本然的ほんぜんてきな、浪漫的な、自由主義的な情感的青春性を指しているのである。

 芭蕉と蕪村とは、この点において対蹠的たいせきてきな関係を示している。もちろん本質的に言うならば、芭蕉のポエジイにもまた、真の永遠的の若さがある。――すべての一流の芸術は本質的に皆若さを持っている。その精神に「若さ」を持たない芸術は、決して真の芸術ではない。特に詩においてそうである。――しかしながら芭蕉は、趣味としての若さを嫌った。西行さいぎょうを好み、閑寂かんじゃくの静かさを求め、枯淡のさびを愛した芭蕉は、心境の自然として、常に「老ろう」の静的な美を慕った。「老ろう」は彼のイデア――美しきものの実体観念――だった。それ故に彼の俳句は、すべての色彩を排斥して、枯淡な墨絵で描かれている。もちろん僕らは、その墨絵の中に訴えられている、詩人の深い悩みと感傷とを感ずる故に、それは決して非情緒的ではないけれども、趣味としての反青春的風貌ふうぼうを感ずるのである。しかるに蕪村は、彼のあらゆる絵具箱から、すべての花やかな絵具を使って、感傷多き青春の情緒を述べ、印象強く色彩の鮮やかな絵を描いている。
 それ故に芭蕉の名句は、多く皆秋の部と冬の部とに類属している。自然がその艶麗えんれいな彩筆を振ふるう春の季節や、光と色彩の強烈な夏の季節は、芭蕉にとって望ましくなく、趣味の圏外に属していた。これに反して蕪村の名句は、多く皆春と夏とに尽くされている。だがこの観察は、蕪村俳句のより本質的な点からみて、皮相な一面観にしかすぎないのである。むしろ蕪村の本質は、冬の詩人とさえ言わるべきだ。しかしこの解釈は、後に「春風馬堤曲しゅんぷうばていのきょく」で反説しよう。

『郷愁の詩人与謝蕪村」 青空文庫


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №155 [ことだま五七五]

     読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆2月15、22日放送分

       川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
2月15日の放送です。

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モノマネの採点は65点!(あさひろさんあるある)

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/BnZODOjIKIc

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「園に来た鬼にサンタの面影が」(里山わらび柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は235句の投稿がありました!
・くしゃみでたそろそろ春のおとずれか(初投稿・アバ)
・ボツのツボ楽しみに聴くボツの人(東孝案)
・本日を以て無「色」のサラリーマン(辰五郎) 
・異次元の息子対策しています(アカエタカ) 
・ラジ川の師匠の口癖「はいはいハイ」(せ・ら・び)
・セバスチャンの野毛を想って梯子酒(名人 ・パリっ子) 
・老いも若きも男はみんなモテたがる(柳王・平谷五七五)
・甘いもの今日でやめると今日も言う(名人 ・グランパ) 
・久喜例会真ん前席はsojiさん(くろぽん)
・降り積もる雪より重い妻の腰(名人・やんちゃん)
・オフレコと言ったでしょ妻プンプンし (大名人・東海島田宿) 
・sojiさん弟子一号は私です(名人・居酒屋たつみ)
・泣く人もハグする人も春の駅(名人・どんぶらこ)

☆タケシのヒント!
「出会いと別れの季節ならではの句です。聴く人の想像力に訴えかけてきますね。映像が見えてくるようです。」

・義理チョコを食べて虫歯になる不幸(柳王・アンリ)
・タケシ著の基本書今や座右の書(高橋永喜)
・タラちゃんの後継ぎどうする決まらない(名人・キジバト交通)
・顔を出す卒業式がスリリング(名人・せきぼー)
・旅先のコンビニにある地方色(大名人・マルコ)
・平凡な今日一日の有り難さ(たごティ)
・ウンチって返す大好き言うパパに(名人・わこりん)
・常夏のような2月の扇風機(大名人・美ら小雪)
・これっぽっちの雪で騒いでごめんなさい(名人・ワイン鍋)
・久しぶり変わらへんねと嘘をつく(翔のんまな)
・春の雨心の声を聴いている(柳王・すみれ)
・ヤバイのは出生率より未婚率(柳王・入り江わに)
・降り積もる関東に雪俺にチョコ(柳王・恋するサボテンちゃん)
・雪の中届ける人の温かみ(柳王・里山わらび)
・実写よりアニメがヒットする映画(クッピー)
・愚痴という自慢話は聞きとうない(大名人・じゅんじゅん)
・(没のツボ)このレベルでも没ですか (そうそう)
・節電に猫も協力膝の上(大柳王・ユリコ)
・スマホから添削のよう変換され(しゃま)
・タラちゃんと聞いて心に残る声(名人・のりりん)
・耐震の基準は金という怖さ(柳王・フーマー)
・軍よりも救援隊が要る地球(名人・ぼうちゃん)

◎今週の一句・泣く人もハグする人も春の駅(名人・どんぶらこ)
◯2席・降り積もる関東に雪俺にチョコ(柳王・恋するサボテンちゃん)
◯3席・節電に猫も協力膝の上(大柳王・ユリコ)

【質問】
最近、燃え尽き症候群というか(がんばりすぎちゃう性格で、新聞川柳も人の5倍はやっている自
信があります)、限界を感じてというか、ボツでへこんで堪えてしまいます。
こういう時はどう気持ちを立て直したら良いのでしょうか?休んだ方が良いのでしょうか?
とことん凹んだ方がいいのでしょうか?(しゃまさん)

【放送後記】
寒い朝ですが、真冬の寒さとはどこか違う気がします。
三寒四温の季節、来週は「四温」に当たってほしいなあ。(タケシ拝)

◆2月22日の放送

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寒い!寒い!寒い!
放送の音源・・・https://youtu.be/Xeu8dq8szdg

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「じいちゃんの膝には猫は座らない」(おむすび名人)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は252句の投稿がありました!
・世話しても私の予定無視されて(大名人・ポテコ)
・人の名は忘れ寝食忘れない(名人・グランパ) 
・戦車より重機を送ろう人道支援(アバ) 
・あら不思議十人十色秀逸句(せ・ら・び)

※あなたが決める!!「川柳パリ会」2022年最優秀句は以下からご投票ください!!
・羽生さんのアンテナですと先手打つ(名人・せきぼー) 
・ Fカップ口説き肩揉み五十年(名人・どんぶらこ) 
・バチバチの妻と与正の飛翔体(外科系)
・ラジ川の事も一行日記閉づ(柳王・すみれ) 
・総理には耳のつまりも気にかかる(大大名人・東海島田宿) 
・シャンシャンよニーハオなんて分かるかな (柳王・鵜野森マコピイ)
・暖かくなる程加速脱マスク(とんからりん) 
・この家が私にとって保健室(名人・わこりん)
・気にならぬ言って育毛励む父(名人 ・まご命) 
・アン子さんやっぱあたしはいかりんご(くろぽん)
・徘徊と間違えられて犬を飼う(柳王・入り江わに)
・あ〜ついに減量ですねこの納豆(大名人・じゅんじゅん) 
・血管がピクピクしてる死体役(たごティ)
・鉄郎の夢の続きが見たかった(名人・おむすび) 
・巨星逝く出発進行スリーナイン(名人・キジバト交通) 
・すぐわかる妻と花粉来る気配(柳王・恋するサボテンちゃん)
・投句して交流できますねラジ川(名人・ワイン鍋) 
・平成の写真でさえもセピア色(名人 ・ぼうちゃん) 
・チャンスだと気づいた人に来るチャンス(翔のんまな)
・ 他人(ひと)句で名前呼ばれて俺はボツ(名人 ・ soji) 
・「飛んでくる」スギのことかとホッとする(柳王・里山わらび)

☆タケシのヒント!
「ミサイルと花粉のタイムリーな組み合わせが秀逸ですね。私も花粉症ですが、ミサイルとは比較になりません。」

・ボツだっていいんだよねと言い聞かせ(柳王・平谷五七五) 
・会話ふうだけど互いの独り言(大名人・はる)
・久しぶり腕試しでのラジ川に (ベルマーレあんちゃん)
・波平より師匠は髪は5倍あり(しゃま)
・イロゴトシいう名の馬も走ります(大柳王・ユリコ) 
・タラちゃんのモノマネ師匠は下手でチュね(名人・のりりん)
・今君が生きているから叶う夢(そうそう) 
・H3嗤うがごとく北が撃つ(柳王・フーマー) 
・気球から平和の種を撒いて欲し(大柳王・けんけん) 
・メーテルに抱かれていそう零士さん(柳王・かたつむり)
・目覚めても出るに出れない心地よさ(東孝案)

◎今週の一句・「飛んでくる」スギのことかとホッとする(柳王・里山わらび)
◯2席・気球から平和の種を蒔いて欲し(大柳王・けんけん) 
◯3席・総理には耳のつまりも気にかかる(大名人・東海島田宿)

【話題】
ラジオ万能川柳でも有名な、イタリア在住ウクライナ人の日本文化研究家のバレリアさんから、
あさひろさんと私宛に、絵葉書が届きました。

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ちょうど今週の24日がロシアによるウクライナ侵攻から1年ですので、
今週ご紹介するのが良いと思って今日持って来ました。
絵葉書には、ウォー・エンジェル、つまり、戦場の天使でが描かれています。

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【放送後記】
沈丁花がようやくほころび始めました。
気がつけば来週はもう3月。1月2月、早かったなあ。(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 



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郷愁の詩人与謝蕪村 №1 [ことだま五七五]

 序

          詩人  萩原朔太郎

 蕪村(ぶそん)や芭蕉(ばしょう)の俳句に関しては、近頃(ちかごろ)さかんに多くの研究文献が輩出している。こうした時代において、著者の如く専門の俳人でもなく、専門の研究家でもない一詩人が、この種の著書をあらわすということは、無用の好事的(こうずてき)余技の如く思われるが、決してその然(しか)らざる必然の理由があるのである。というのは、従来世に現われている蕪村論や芭蕉論は、すべていわゆる俳人の書いたものであり、修辞や考証の解説上で、専門的に入念を極めた絶好の書であるけれども、俳句そのものの本質しているリリックの真精神を意外に忘却しているものが多いのである。特に蕪村の俳句にいたっては、子規以来単なる写生主義ということで定評づけられ、一(ひとつ)もその真の詩的精神――俳句のエスプリする哲学原理――を批判されてない。俳壇のいわゆる俳人たちは、彼らの宗匠的(そうしょうてき)主観に偏して、常に俳句を形態上のレトリックでのみ皮相な手法的技巧観で鑑賞するため、句が詩情している本質のポエジイと、その背後にある主観の貫ぬく哲学とを、ややもすれば閑却無視することになるのである。つまり彼らは、俳句が抒情詩(じょじょうし)であることの本義を忘れて、単にこれを形態上のレトリックでのみ、皮相に解釈しているのである。
 著者は専門の俳人ではない。しかし元来「詩」というものは、和歌も俳句も新体詩も、すべて皆ポエジイの本質において同じであるから、一方の詩人は必ず一方の詩を理解し得べきはずであり、原則的には「専門」ということはないはずである。専門というべきものは、単に修辞の特殊的な練習にのみ存しおり、鑑賞上には存在の区別がないはずである。しかも今日の日本では、僕らのいわゆる詩人(新詩人)が、他の伝統詩の歌人や俳人に比して、比較的に自由な新しい鑑賞眼を所有している。すくなくとも僕らの詩人は、より因襲のない自由な立場で、古典の詩を新しく本質的に鑑賞し得る便宜を持っている。
 著者は昔から蕪村を好み、蕪村の句を愛誦(あいしょう)していた。しかるに従来流布(るふ)している蕪村論は、全く著者と見る所を異にして、一も自分を首肯(しゅこう)させるに足るものがない。よって自(みずか)ら筆を取り、あえて大胆にこの書をあらわし、著者の見たる「新しき蕪村」を紹介しようと思うのである。もとより僕は無学にして文献に暗く、考証等に笑うべき蒙失(もうしつ)があるかも知れない。しかし著者の意はその辺の些事(さじ)になくして、蕪村俳句の本質を伝えれば足りるのである。読者乞(こ)う。これを諒(りょう)してこれを取読せよ。
 附録の「芭蕉私見」は、全く文字通りの一私見にすぎない。蕪村とちがって、芭蕉の研究は一般に進歩しており、その本質の哲学や詩精神やも、既にほぼ遺憾いかんなく所論し尽つくされてる観がある。著者としても、さらに蛇足(だそく)を加える余地がないので、単に蕪村との比較を主とし、かつその句に自己の主観的評釈を附した。ここで特に「主観的」と言ったのは、新詩人としての僕の見方が、一般俳壇人のそれに比して、多少新しく変ったところがあるかも知れないと思ったからだ。
 なお「蕪村論」は、先年著者の個人雑誌『生理』に連載して、一部読者の好評を博したものであり、附録「芭蕉私見」は、他の雑誌に掲載したものに、多少別に筆を加えたものである。
昭和十一年一月


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №154 [ことだま五七五]

       読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆2月1、8日放送分

       川柳家・コピーライター  水野タケシ


川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
2月1日の放送です。

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雪こそ降らねど今朝も寒い

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
https://fm839.com/program/p00000281
放送の音源・・・https://youtu.be/vTvRacQUlDc

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「肥満でも寒さに弱く夏が好き」(東孝案さん)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は251句の投稿がありました!
・10キロの渋滞生きた心地せず。(カラリ)
・知らぬ間に他人になっていたニ人(翔のんまな)
・私の句書くの忘れた?あさひろさん(名人・パリっ子) 
・大寒に早く見たいよキャンプイン(柳王・恋するサボテンちゃん) 
・異世界の入り口だった洗濯機(バレリア) 
・湯たんぽのこの温さならまだ夜中(たごティ) 
・あたくしもsを押したらsoji出た(くろぽん) 
・あーこれが浮気なんだね角煮まん(名人・せきぼー) 
・おじさんもスッピンみられ恥ずかしい(名人・金星玉三郎) 
・「記念日」とあり懸命に思い出す(柳王・荻笑)
・年重ね幸福感の増す夫婦(名人 ・ やんちゃん) 
・政治家の学び直しが最優先(せ・ら・び)

☆タケシのヒント!
「国会でも話題のリスキリング(学び直し)を題材にした句です。でも学び直した方が良いのは、国民よりも、政治家さんたちの方では、という皮肉。共感です。」

・物価高日本列島凍りつく(じゅんちゃん)
・ケーキより甘いんだからお母さん(名人・わこりん) 
・幸せを呼ぶおめでとうありがとう(大名人・美ら小雪) 
・さあ五類なったら俺は生きてるか(高橋永喜) 
・年明けてあっという間にもうにニ月(柳王・アンリ) 
・刑務所が更生の場になってない(名人・おむすび) 
・ラジ川で励み高知家佳作賞(名人 ・まご命) 
・寒いけど日脚にだんだん春気配(名人・ワイン鍋)
・如何に老わすコーヒーまでの恋の人(柳王・すみれ)
・学校で回転寿司のお作法を(名人 ・居酒屋たつみ) 
・タケシ師匠チョーヤバイかも生放送(大名人・じゅんじゅん) 
・変わらなきゃ生き残れない国とオレ(大名人・マルコ) 
・姪っ子が喜ぶ今年うさぎ年(りん)
・回覧板うわさ話も付いて来る(名人・グランパ) 
・呼んだってこだま返らぬ青い空(大柳王・けんけん)
・しゃまさんのネタパクったの私です(名人・ soji) 
・Sと打ちゃ人には言えぬの単語出る(大柳王・ユリコ) 
・グランパさん書けない事って何ですか (名人・のりりん) 
・ 5月8日御破算と言う脱マスク (柳王・春爺) 
・座っているだけでも大変そう将棋(名人・ぼうちゃん) 
・優しいねェみやげ気遣う岸田さん(柳王・里山わらび) 
・顔の良い奴から外していくマスク(そうそう) 
・プランター野良のトイレになっていた(大名人・はる) 
・テロリスト身近にいるという恐怖(クッピー) 

◎今週の一句・政治家の学び直しが最優先(せ・ら・び)
◯2席・湯たんぽのこの温さならまだ夜中( たごティ)
◯3席・あーこれが浮気なんだね角煮まん(名人・せきぼー)

【お知らせ】
もう少し早くご紹介したかったんですけれども、私の義理の従兄が脱サラして、
自宅を改装して、長年の夢だった居酒屋を開店しました。
場所は、相模原南区御園4丁目で、店名は「呑喰処かおる」といいます。
やっと軌道に乗ってきたということで、本日ご紹介させていただきます。
料理はどれも本当においしいです。

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https://www.kaoru-sagamihara.com/blog

【放送後記】
「寒い、寒い」とつぶやいていたら、
宮崎県日南市ののりりんさんから、
「日南はもう20℃!」とメールをいただきました。
調べると、日南はもう毎日15℃以上あるのですね。
寒いのが苦手な私、日南に引っ越そうかしらん。(タケシ拝)

◆2月8日放送

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放送の音源・・・https://youtu.be/rXntDZzcsrc

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「白鵬の偉大さガクト来て痛感」(しゃまさん)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は251句の投稿がありました!
・記憶無い一日経つと更に無い(大名人・ポテコ)
・ボツのツボ三度選ばれボツ名人(東孝案)
・定年後趣味は料理と決められる(柳王・恋するサボテンちゃん)
・さあ仕事シルバー部隊今日も行く(カラリ)
・復活の静岡会を3月に (辰五郎) 
・湯たんぽを抱いて日差しを追いかける(とんからりん)
・せ・ら・びの句応援するが嫉妬する(名人・パリっ子)
・閣は内民は外なのわが国は(せ・ら・び)
・世の中の悪をネットが加速させ(名人 ・おむすび) 
・荒井さん隣家だったらイヤだなあ(柳王・平谷五七五)

☆タケシのヒント!
「差別発言をした元秘書官のことを詠んだ句です。類句も届いたのですが、平谷さんの方が五七五にきっちり収まっていたので採りました。さすが五七五さんですね。」

・試作チョコ食べて食べてと超モテ期(名人・せきぼー) 
・昔美女今は息子で国滅ぶ(横山閲治郎) 
・平和な日縁側に母猫も居て(名人・やんちゃん)
・このナース夫(つま)にもこんなやさしいか(名人 ・グランパ)
・アナがいてなぜAIがニュース読む (大名人・東海島田宿) 
・人により高さが違う見えぬ壁(大名人・美ら小雪)
・少子化は男そん女ひじゃ終わらない(名人・わこりん) 
・イチゴ狩りヘタの数だけある笑顔 (柳王・アンリ) 
・妻躊躇寂し嬉しの一人旅(初投稿 ・藤田雅士) 
・警察が見つけてくれたボロいチャリ(たごティ) 
・老いてこそパソコンスマホ要るんちゃう(高橋永喜)
・寒い日もああ幸せなこたつむり(名人・どんぶらこ) 
・ふわふわの朝の白息手でキャッチ(秀クリーム) 
・聞かされて句になる愚痴はありがたい。(名人・ワイン鍋) 
・蛇口から立春の水ほとばしり(翔のんまな)
・満月の響きが届く私の目(バレリア) 
・ちゃぶ台が活躍してる朝ドラに(大名人・じゅんじゅん) 
・こんにちは子らに声かけ不審者に(大柳王・ユリコ)
・聞く耳も見る眼もないか岸田さん (soji)
・テレビ消しラジオで脳は若返り(大名人・咲弥アン子)
・土曜日が祝日すごい損した気(新大柳王・入り江わに) 
・ハンドクリームすり込む一日の終わり(名人・ぼうちゃん)
・ sojiさんファンの一号はわたしよ(しゃま)
・異次元と言ってもきっと変わらない(名人・居酒屋たつみ) 
・あの人に会いたくないのきっと泣く(大柳王・けんけん)
・球春で今だけ元気日南市(名人 ・ のりりん)

◎今週の一句・荒井さん隣家だったらイヤだなあ(柳王・平谷五七五)
◯2席・聞く耳も見る眼もないか岸田さん(名人・ soji)
◯3席・人により高さが違う見えぬ壁(大名人・美ら小雪)

【お知らせ】
大変お待たせいたしました。
タウンニュース・オール相模原の2022年年末号の特別企画として
「除夜の鐘」と「初詣」をテーマにした「年越し川柳」を募集していましたが、
市内はもとより福岡県や埼玉県、熊本県などから168句の応募をいただきました。
ありがとうございます。
そして2月2日に秀逸作品を発表いたしました。

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【放送後記】
少しずつ春めいてきましたね。
目に入る花の種類も増えてきました。
ジョギングの時は近くの百華道(遊歩道)をコースに入れるようになりました。
沈丁花の強い香りが待ち遠しいです。(タケシ拝)

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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 





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日めくり汀女俳句 №115 [ことだま五七五]

十二月二十九日~十二月三十一日

     俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月二十九日
行人(ゆくひと)に歳末の街楽(がく)変り
         『春雪』 歳末=冬

 あと三日で二十世紀も終わる。新しい世紀に何が起きるのか、やっぱり少しでも長く生きて世の移り変わりを見てみたいという気持ち、同時に、これ以上悲惨で残酷な事件や出来事は見たくないという気持ちも強い。
 今の若者は理解し難いという声もある。事件が起きる度に、戦後の精神教育の不毛を嘆く声もあがる。でも私が若者のとき、戦後のアプレゲールと言われた世代だ。そんな立並なものじゃなかった。楽をして済むならそうしたいと思い、大人なんて判らずやのうるさい存在と思った。大人になりたくなかった。それでも、やっぱり大人にはなってしまった。

十二月三十日
歳晩(さいばん)の月の明さを身にまとひ
          『春暁』 歳晩=冬

 一年間汀女の句を読み続けてみて、改めてこの人の感性の細やかさ、豊かさに突き当たった。
 不肖の嫁は何一つ知らず、そこに大きな岩があるから、ぶつかってやろうと不敵な思いを抱いていたのに、いつのまにかその岩に抱きすくめられていた。
 「一枝さん、余計な事ばかりほじくり出してね、私はそっとしておこうと思ったのに」
 生きていたら叱られそうである。「でもお姑(かあ)さん、今のあなたは何が出てさても、何を書かれても小ゆるぎもしない、大きな岩ですよ。それだけに私もぶつかり甲斐がありました。これからもぶつかっていきますよ。。

十二月三十一日
春暁や今はよはひをいとほしみ
        『芽木威あり』 春暁=春

 クリスマスや正月のリースにローズマリーを使うことを教えてくれたのは「熊本日々新聞」の記事だった。
 -年間、汀女を通して私は素顔の熊本を知った。汀女は一生かけて故郷の野や水や、木
や花を愛した人だった。女性には珍しいくらい感傷や思い入れのない人だが、生まれ育っ
た土地への愛情は強烈である。幼き日の種(くさ)ぐさ、父母を語る時の情愛の深さ、江津湖は汀女俳句の源泉だったとあらためて思う。
 一年間私のつたない文章を読んでくださった方たち、そして熊本に深い感謝の念を抱きつつこの稿を終わりにする。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №153 [ことだま五七五]

    読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆1月18、25日放送分

        川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
1月18日の放送です。

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寒中お見舞い申し上げます

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)がキャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、毎週水曜日9時5分から放送しています。

エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/AcAZi3n_EG4

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「母さんの愛は深くて温かい」(やんちゃん名人)

(皆さんの川柳)※敬称略   今週は243句の投稿がありました!
?・大山に祈願しないと載らぬ彼(大名人・ポテコ)
・もう二度と美女と言われる日はなくて(カラリ)
・ボツになる選者が採らなかっただけ(大名人・龍龍龍)
・子だくさん引越し先は東京都(とんからりん)?
・日めくりの厚さに油断させられる(翔のんまな)
・金星をねらって今日もラジセンへ(金星玉三郎)
・いつから緊張感のないお腹(名人 ・グランパ)?
・あの世へはも一度燃える恋をして(名人・どんぶらこ)?
・岸田さんパリに来たけど土産無し(名人・パリっ子)?
・二度見した目玉飛び出る電気代(名人 ・やんちゃん)?
・正月が明けてヤバいぞ増えた肉(柳王・入り江わに)?
・時々は自分を褒めてから眠る(柳王・すみれ)?
・一週間いると孫でもストレスに(アカエタカ)?
・子に読んであげた絵本にもらう夢(名人 ・せきぼー)?
・産声がブラボーとなる都民の子(せ・ら・び)
・ 初場所に白いドレスの美女見えぬ(大名人・東海島田宿)
・ヒーローはたいてい初代がかっこいい。(名人 ・おむすび)
・亡き犬のぬくもり思い出す真冬(高橋永喜)

☆タケシのヒント!
「川柳は、こころの風景のアルバム。そんなことを再認識させてくれる一句です。奥様と共に飼っていた犬ちゃんなら、奥様にもこの句、そして川柳の魅力が伝わるのではないでしょうか。」

・YMO今聴いたって未来的(たごティ)?
・自分より嬉しい孫の誕生日(柳王・アンリ)?
・グランドゴルフ横目でチラリまだ早い(名人・まご命)?
・返納し夕陽に歩く帰り道(柳王・里山わらび)
・ウイルスに犯されたのよこのスマホ(大名人・じゅんじゅん)?
・一介の家事もクリエイティブの余地(名人・ワイン鍋)?
・聞き上手驚き方がうまい母(柳王・荻笑)?
・ビリビリと電気が走ったライディーン(名人 ・キジバト交通)
・立ち会いの変化またして来たコロナ(しゃま)?
・探している時は見つからないレンコン(名人・ぼうちゃん)?
・十両は朝飯前か朝乃山(名人・ soji)?
・布団から突き出た妻の白い脚(そうそう)
・誰のやろサイン見ながら食ううどん(大柳王・ユリコ)?
・大谷さぁん来て欲し来てね宮﨑に(名人・のりりん)
・外国へ行けばドヤ顔岸田さん(柳王・フーマー)?
・年賀状当たりの知らせ嬉しいな(大名人・はる)
・ エフサガを聴いて始まる休み明け(名人・メン子ちゃん)?
・君は今どんな世界をいきている?(柳王・平谷五七五)

◎今週の一句・亡き犬のぬくもり思い出す真冬(高橋永喜)
◯2席・日めくりの厚さに油断させられる(翔のんまな)
◯3席・布団から突き出た妻の白い脚(そうそう)

【質問】
例えばタケシ師匠が川柳の選をするとき、どのような観点で選をされていますか?
また選をするためにはどのような研修が必要ですか?(離らっくすさん)

【放送後記】
年賀状はやめてしまった私ですが、
投稿用に年賀はがきは買います。
切手が当たるからです。今年は、な、なんと8セットも当たりました。
今年は何か良いことがありそうです。ムフフ(タケシ拝)

○1月25日の放送

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大雪になるかもしれずオンラインによる放送になりました
放送の音源・・・https://youtu.be/5-Z7fAC632M

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「神さまは仕事始めの初詣」(りんさん)
(皆さんの川柳)※敬称略 今週は268句の投稿がありました!
・服選び決め手はポケットの多さ(大名人・龍龍龍)
・窓窓にやさしい灯り夕間暮れ(カラリ)
・親は子を子は親思う寒さかな(柳王・すみれ)
・自分史に書けない事が二つ三つ(名人・グランパ)
・やるんなら先に家計の防衛費(初投稿・松本実)
・コロフルはなんだかちょっと美味しそう(大名人・美ら小雪)
・自腹なら5回も接種しただろか(大名人・東海島田宿)
・うちの猫夜中に出て行く闇バイト(桐山榮壽)
・子は増えぬ未婚対策何もせず(じゅんちゃん)
・おでん鍋覗く頭がごっつんこ(名人・やんちゃん)
・自転車で密なし出社FMさがみ(名人・まご命)
・オヤジギャグチェーン巻いても滑ります(柳王・恋するサボテンちゃん)
・飼い犬に悪かったねと謝る日(柳王・平谷五七五)
・化粧品マスク外して高くつく(名人・キジバト交通)
・箸よりもお酒が進む鍋料理(柳王・アンリ)
・靴下の破れる箇所にブレがない(たごティ)
・ワールドニュースに今日も無力感(大名人・マルコ)
?・美しい世界を見よや赤子の目(柳王・入り江わに)

☆タケシのヒント!
「わにさん、10回目の秀逸、大柳王昇進です。おめでとうございます これは私の代わりにつぶやいてくれたような一句ですね。コロナも戦争もない世の中を早く孫に見せてあげたい!」

・やってますうがい手洗い皿洗い(翔のんまな)
・カネの切れ目が2類の切れ目(名人・ワイン鍋)
・戻したい日常よりも支持率を(初投稿・銅男)
・肌をさす夜空にドンとオリオン座(大名人・じゅんじゅん)
・ピカピカの強い幕下夢を撒く(柳王・里山わらび)
・好きな人できて大ウソつきになる(柳王・荻笑)
・「た」と打てばタケシ「あ」にすりゃあさひろさん(名人・soji)
・散歩道二人で歩き置いてかれ(大名人・ポテコ)
・Sと打ちゃsojiに変わるわがスマホ(しゃま)
・バカだねぇ私の事を案じてサ(大柳王・けんけん)
・戸締まりと火の元という合言葉(名人・ぼうちゃん)
・ホラーより怖い電気の請求書(大柳王・ユリコ)
・大寒波カイロと気合い準備する(大名人・はる)
・寒波よりこちらが欲しいカンパ金(柳王・フーマー)
・寒いけどトイレじゃお尻出している(名人・のりりん)
・私より形がいいね琴の若(柳王・かたつむり)
・ボリュームが上がるボタンよ右乳首(そうそう)
・詐欺事件受け子ばかりが捕えられ(クッピー)

◎今週の一句・美しい世界を見よや赤子の目(柳王・入り江わに)
○二席・箸よりもお酒が進む鍋料理(柳王・アンリ)
○三席・靴下の破れる箇所にブレがない(たごティ)

【質問】
本家万能川柳で五七五とは別に七七の句が稀に掲載されますが、
七七の句はいったい何なのでしょうか。川柳の一種でしょうか。
五七五とはどんな関係なんでしょうか。(離らっくすさん)

【放送後記】
大雪になるかもしれないということで、
今朝はオンラインでの放送になりました。
というわけで、あさひろさん手書きの原稿で選句をしたのですが、
これだけだと、みなさんからのメールの「添え書き」が読めない。
みなさんの添え書きが「元気のモト」なので、来週はやっぱり
スタジオに行きたいなあ!!(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」


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日めくり汀女俳句 №114 [ことだま五七五]

十二月二十六日~十二月二十八日

      俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月二十六日
大安好日餅のうまさに工夫あり
        『薔薇粧ふ』 餅=正月

 結婚してから私は、夫が、何を作ってもうまい、うまいと言うので驚いた。料理は好き
だが、そんなに手放しではめられると、ホントかなという気もした。しかし何年かたって
汀女を傍らから眺め、この人は料理や食物に特に興味のある人ではないと思った。それよ
りもずっと惹きつけられるものがあったのだ。ただ一つ、私の夫が「お袋の味」と称するもの、小麦粉とカレー粉を水で溶き適当な硬さにし、塩こしょうで味付けした中にコンビーフ、コーン、タマネギを加え油で揚げる。汀女フリッターは意外においしい。わが家の定番。

十二月二十七日
母に似る山茶花に歩を進むれば
        『芽木威あり』 山茶花=冬

 汀女の生きている頃の下北沢の家は、暮れから正月にかけて目の回るような忙しさと慌
ただしさだった。そばにいた義姉や義妹はさぞ大変だったろう。大晦日ぎりぎりになって、思い出したように身のまわりの片付けを始めるのも恒例。納戸に積まれたお歳暮を「好きな物を持って行きなさい」と汀女は言ぅ。何も手伝いせずにこんな時だけ欲しい物を貰うのは気がひけた。玄関を出ようとすると、ばたばたと駆けてきて、「ちょっとメロンがあるのよ。持って行きなさい」。言い方はいつも命令調だった。
 
十二月二十八日
遮断機に誰も一列年暮るる
         「山粧ふ」 年暮る=冬

 正月料理の中でも、黒豆は私の得意品目。 三十年以上前の、そこの所だけ茶色いしみと手ずれでぼろぼろになったノートを引っ張り出し、その年々の覚え書をみる。今年は二十七日に水につけたが、もう一日早い方がいいとか、水が多過ぎて味が薄過ぎる、とか、毎年違う所が素人の面白さ。二、三年前から藁灰であくをとる方法を友人から教わった。この方が上品で薄味、気に入っている。
 二十年越の黒豆得意というのが何人かいて、それぞれ楽しみに待っていてくれる。持って行ったり、宅急便で出したり、これも又 年の暮の忙しさの中の楽しみである。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №182 [ことだま五七五]

      読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆1月4、11日放送分

        川柳家・コピーライター  水野タケシ


川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
1月4日の放送です。

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明けましておめでとうございます!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
https://fm839.com/program/p00000281
放送の音源・・・https://youtu.be/3uEjnX7D7QM

【年末特番、出演者の一句おさらい】
◯カオリン
・骨折ってバリアフリーのありがたさ
◯メン子
・この場所に戻ってこれて嬉しいべ
◯澤奈央子
・お二人の前でドキドキ澤奈央子
◯あさひろ
・感染数今日の数字の一は我
◯タケシ
・走り切るあなたの声に背を押され

(皆さんの川柳)※敬称略 今週は234句の投稿がありました!
・市営地下鉄50周年ユーミンも(名人・パリっ子)
・異次元にしましょう出産一時金(せ・ら・び)
・ゴール決めたように走り出した猫(桐山榮壽) 
・一年の連休調べお正月(大名人・東海島田宿)
・今シーズン蟹がないのか妻うるさい(柳王・恋するサボテンちゃん)
・密なのにマスクかけずにセンター街(名人・キジバト交通)
・ 一ミリを大切にする年にする(名人・せきぼー) 

☆タケシのヒント!
「ワールドカップの「三笘の1ミリ」を思い出しました。「大切に」や「丁寧に」を「1ミリ」と表現したところ、お見事ですね。」

・あらいやだこんな初夢見るなんて(柳王・かたつむり) 
・今日からは気持ち新たに初日記(名人・やんちゃん) 
・上るより下りるが大変人生は(柳王・平谷五七五) 
・晴れた日はみな縁側に集合す(りん) 
・本日も感謝をたたえベッドイン(カラリ) 
・ 一月一日ラジ川始め粛々と(くろぽん) 
・うさぎ年わたし最強中学生(名人・わこりん)
・ジジババが紅白で振るペンライト(大名人・美ら小雪)
・走り飲み子守りで師匠三が日(名人・soji) 
・目が覚めた令和5年になっていた(名人・おむすび)
・コンビニの暮れ正月のゴミ案ず(名人・ぼうちゃん) 
・穏やかに明けて感謝の初詣(大名人・はる) 
・子が来たら家事と寝不足楽ちんに(大名人・ポテコ) 
・駅伝の結果も知らず出す川柳 (柳王・アンリ) 
・気づいたら出せない天地逆賀状(大名人・龍龍龍)
・載ったって解ってもらえなく辛い(高橋永喜) 
・相模原訪ねてみようかな今年(名人・ワイン鍋) 
・自分史を訥々語る五七五(右田俊郎) 
・昭和の子凧に羽子板独楽回し(柳王・里山わらび)
・新年の抱負トイレに貼ってみた(大名人・じゅんじゅん) 
・半額のしめ縄飾る大晦日(名人・のりりん) 
・ 良く書ける 5枚目あたり年賀状(大柳王・けんけん) 
・おみくじが気にいらなくて引き直す(初投稿・ ツイッター川柳部) 
・お正月孫はほくほく富裕(ふゆ)休み(名人・まご命)
・紅白はいつからこんなふうだっけ(じゅんちゃん) 
・初詣今年は平和だけ願い(大柳王・ユリコ )
・サボテンちゃん自身素敵で句も素敵(しゃま) 
・孫が来る今日がわが家のお正月(柳王・フーマー) 
・正月に浸る間もなくさあ仕事(クッピー )

◎今週の一句・ 一ミリを大切にする年にする(名人・せきぼー)
◯2席・あらいやだこんな初夢見るなんて(柳王・かたつむり) 
◯3席・良く書ける5枚目あたり年賀状(大柳王・けんけん)

【お知らせ】
「タケシの万能川柳」でお世話になっている
タウンニュース中央区版&緑区版&南区版では現在、
「除夜の鐘」または「初詣」で句を募集しています!!
選者は、水野タケシ。2月2日(木)発行のタウンニュースで紹介します。
選ばれた3名様には開運川柳賞品を進呈します。

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【放送後記】
明けましておめでとうございます!!
2023年も初回の放送からたくさんのご秀作ありがとうございます!!
今年もこのスタジオで、あなたの川柳をお待ちしています!!
ますます川柳でつながりましょう!!(タケシ拝)

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あけまちて おめでとござまちゅ!

◆1月11日の放送です

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早くも花粉症!?

放送の音源・・・https://youtu.be/fRAMmoJcey8

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「欲しいもの今年も元気と世界の平和」(すみれ柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は208句の投稿がありました!
・主婦業に飽きてきました40年(カラリ)
・手で割ってボロボロになる鏡餅(東孝案) 
・宝船顔を家族に編集す(りん)
・七草の名前言えども見て言えぬ(せ・ら・び)
・窓開く鼻につつんと寒い朝(桐山榮壽)
・賀状まだ書けてるんだと一安心(大名人・龍龍龍)
・故郷に罪はないのに赤字路線(大名人・マルコ)
・感謝です健康だから句が出来る(名人・グランパ)
・政治家が賃上げせよと民脅し(大名人・東海島田宿)
・ 四日酔いだった正月三が日(そうそう)
・旅行中うちの歯磨き恋しくて(名人・せきぼー)
・中学になっても私イヤイヤ期(名人・わこりん)
・子は増える夫も家事をするならば(大名人・美ら小雪)
・式典にパンチで参加懐かしい(名人・キジバト交通)
・味見兼ねまずはマイチョコだけを買う(まれし)
・宅配の偽りメール良く届く(名人・まご命)
・趣味合わぬ妻の川柳不要論(高橋永喜)
・三が日一升瓶が二本空き(柳王・アンリ)
・ラジ川の再放送を待ってます(大名人・じゅんじゅん)
・夢多き親子三代初詣(ふうれんもうろう)
・爆破物探す人らも怖かろう(名人・ワイン鍋)
・受信料元取る大河ドラマ観る(名人・ぼうちゃん)
・笑ってたシルバー川柳ほぼ日記 (大名人・はる)

☆タケシのヒント!
「年が経つのは早いですね。他人事と笑っていたシルバー川柳が、今や自分の日記のよう。自分を客観視した発見が良いですね。多いに共感しました。」

・元日に立てた目標もうヤバイ(名人・soji)
・大相撲番付上位急募中(大名人・里山わらび)
・立ち上がる用事何だろまた座る(くろぽん)
・ここは何処?妻を追いかけ下着売り場(柳王・恋するサボテンちゃん)
・晴れ着美女アレレ男子もいるんだね(大柳王・けんけん)
・よく食べてよく働いてよく眠る(柳王・平谷五七五)
・ラジ川を推し活にして3年目(しゃま)
・賑やかな正月後の淋しさよ (大名人・咲弥アン子)
・一度見たエロ広告に追われてる(大柳王・ユリコ)
・県知事のコトでまたまたお騒がせ(名人・のりりん)
・新年会コロナ報告ばかり聞き(柳王・フーマー)
・気の利いた台詞を言えぬ孫愛し(翔のんまな)
・神様は誰にお願いするんです?(柳王・かたつむり)

◎今週の一句・笑ってたシルバー川柳ほぼ日記(大名人・はる)
◯2席・大相撲番付上位急募中(大名人・里山わらび)
◯3席・気の利いた台詞を言えぬ孫愛し(翔のんまな)

【放送後記】
ジョギング日和が続いていたのですが、
おかしいな?花粉症ぽい、ということで、早くも薬をのみはじめました。
今年は物凄い量の花粉が飛ぶとか。
花粉症の方はどうぞ早めにご準備を!!(タケシ拝)

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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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日めくり汀女俳句 №113 [ことだま五七五]

十二月二十三日~十二月二十五日

    俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月二十三日
母恋しかき餅あぶる長火鉢
      『芽木威あり』 火鉢=冬

 「あなたのおふくろの味って何だった?」
 弟にきくと、やや間があって「何だろう ね。麦こがしかなあ」おぼつかない答えで笑ってしまった。そう、私も母の昧って何だろうと考えてみても、突嗟には浮かんでこない。母が料理を作らなかったわけではない。煮ものも揚げものもひと通り作ってくれたのに、特に舌の先に覚えていないのは、少し申しわけなかった。只、父の味は明確に記憶にある。父の煮た魚の煮つけ、美味しかったと思うのだ。辛さと甘味がほどよく調和し、魚の鮮度がひと噛みしただけで舌先に伝わってきた。おふくろの味ならぬ父の味の豊かさである。

十二月二十四日
ボーナスや今宵も大都霧深め
       『紅白梅』 ボーナス=冬

 ボーナスという言葉がありがたい重い響きを持っていたのは、いつ迄くらいだろうか。
今年も、不況はいちだんときびしい。クリスマスの飾りは華やか、盛り場はにぎわっていても、人の心には荒れた風が吹いている。
 ボーナスの入った給料袋を持って、夫達が家路をいそいだのは、ずーっと昔の話。思いがけぬ臨時収入が、心を豊かにふくらませた。
 今、クリスマスイルミネーションは華やかに彩られ、素適な店も増え、欲しい物は手に入る。連日テレビでは料理の名店を紹介している。町も人も一段と綺麗になったのに、何故か昔のような心のぬくもりが今三なのだ。

十二月二十五日
人参も太りゐし傷つきながら
        『薔薇粧ふ』 人参=冬

 汀女のことを書き出す前から、私は、汀女の句を「台所俳句」と呼ぶことに違和感があった。若いころはおぷい紐で子供を背にくくりつけてということもあったらしいが、生活の場と作句の場はたまたま場所は同じでも、汀女はいわゆるぬかみそくさい奥さんとは程遠い。高級官吏夫人だったからとか、手伝いが常時いたという話ではない。普通の主婦が持つ台所への興味など、あまりなかった気がする。食事を作ることが好きで、食べることが楽しくてというタイプではない。汀女にとって、台所はいつも仮の居場所にすぎなかった。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読むラジオ万能川柳 №151 [ことだま五七五]

          読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆12月21、28日放送分

         川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
12月21日の放送です。

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来週は2時間の年末特番!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/sJqHhDn9Gdk

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「新大河森保殿の11人」(ひー君)

(皆さんの川柳)※敬称略 今週は178句の投稿がありました!
・平和より金カネかねと流れ星(りん)
・元旦に靴をおろしたあの昭和(柳王・春爺) 
・未練あり元妻に出す年賀状(東孝案)
・遠目にはなだらか登りゃ険し山(大名人・龍龍龍) 
・アスリートバラエティーには出なくても(せ・ら・び) 
・3人前作って3日食べる独り(名人・グランパ) 
・やめようね気を引くためのため息は(カラリ)
・テレビ無い我が家は良かぜラジオだぜ(名人・どんぶらこ)
・ケアハウス隣はメモリアルホール(翔のんまな)
・青春を吉田拓郎ありがとう(桐山榮壽)
・十億は誰の手にそう我の手に(大名人・東海島田宿)
・流星群さえも戦下じゃ恐ろしい(須賀毅)
・億の出た売り場が町の一等地(名人・せきぼー)
・少しずつ効果が出たよ美人の湯(名人・やんちゃん) 
・こんなんで一年以上持つ不思議(高橋栄喜) 
・サンタさん物いらんから平和くれ(名人・わこりん) 

☆タケシのヒント!
「わこりん節炸裂、まさに実感と共感の一句です。わこりん、来年も大人を驚かす川柳、楽しみにしていますよ。」

・少しずつする日のびてく大掃除(柳王・アンリ)
・北海道スニーカーでは転びます(名人・ぶたのはなこ)
・相模原新名所になるくじ売り場(名人 ・居酒屋たつみ)
・生活の防衛予算欲しい暮れ(名人・まご命)
・ありがとう菜園野菜超うまい(くろぽん)
・ゆず入れてバブまで入れてあったまる(名人・ワイン鍋)
・訃報欄自分の歳とつい比較(柳王・里山わらび)
・青春はダイヤル回すときの音(大名人・じゅんじゅん)
・マッチングアプリに負けた仲人業(大名人・マルコ)
・あぁ母乳出そうと猫を抱き上げる(大柳王・ユリコ)
・新人にこの席譲り冬眠す(大名人・不美子)
・楽になる嫌いな人と会わなくし (柳王・平谷五七五)
・年賀状大人の冬の宿題終え(しゃま)
・アルゼンチンすごいな優勝?いやタトゥー(名人 ・のりりん)
・半額のタイムセールを待つ殺気(柳王・入り江わに)
・名人は申告制と教えられ(名人・ soji)
・夜までに間に合うのかな昼の月(大柳王・けんけん)
・上手いこと忘れますよね議員さん(そうそう)
・コロナ禍も蹴っているよな近所の子(柳王・かたつむり)

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・すき焼きの買い物を忘れてた玉子(名人・ぼうちゃん)

◎今週の一句・サンタさん物いらんから平和くれ(名人・わこりん)
◯2席・半額のタイムセールを待つ殺気(柳王・入り江わに)
◯3席・青春を吉田拓郎ありがとう(桐山榮壽)

【お知らせ】
今年最後のお知らせです!!今年もやりますよ!!
「そこで一句!川柳でふりかえるこの一年」
12月28日(水)8時から10時まで生放送!!
現在、あなたの今年を振り返る1句(締切27日火曜日朝8時。賞品がありますので、ご住所も)と「(番組ラストに)電話をかけてきてもいいですよ~」という方を募集中!!

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【放送後記】
今年もあと10日。というのに、
仕事が山積みで、まるで「年末感」がありません。
来週のラジ川年末特番が終われば、少し、ゆっくりできるのかな?
お風呂に入って、熱燗のんで、あ~、早くゆっくりしたい……
って、すっかり、爺さまですね(苦笑)。(タケシ拝)

◆12月28日の放送

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今年も1年間ありがとうございました!!

今回は年末最後の放送、朝8時から2時間の特番です!!
(皆さんの「今年を振り返る川柳」)※敬称略  今週は165句の投稿がありました!
・13人結局名前覚えれず(せ・ら・び)
・昔で言うチョベリグッドな年でした(名人・おむすび)
・想定外それでも幸をさがしてる(柳王・かたつむり)
・アマビエと作戦会議兎さん(桐山榮壽)
・何だって侵攻理由になると知る(大名人・龍龍龍)
・気がつけばじわりIT包囲網(翔のんまな)
・上がったり下がったりした株と円(名人・グランパ)
・ 喜寿だって惚れたらやはり狂う恋(名人・どんぶらこ)
・来年は夢を見せてよ番長よ!(名人・パリっ子)
・動物の愛に負けます人間は(柳王・平谷五七五)
・お鶴(つう)殿の18人の本できた!(大名人・マルコ)
・久々の人にも会えた年の暮れ(大名人・はる)
・孫連れて初の体験セルフレジ(名人・まご命)
・結果より勝る感動ありがとう(大名人・じゅんじゅん)
・佳句入選よっしゃ国民文化祭(名人・せきぼー)
  ※沖縄で行われた国民文化祭の川柳の祭典
・全世界戦(いくさ)なき事祈願する(くろぽん)
・仲良くとメモを遺して義母は逝き(大柳王・ユリコ)
・「素敵です」僕ではなくて川柳が(柳王・恋するサボテンちゃん)
  ※しゃまさんの返信ツイートでの一句
・武器の名をいろいろ知った年終わり(バレリア)
・4月から川の字出ず寂しいな(大名人・ポテコ)
  ※息子さんが3月から独り暮らし
・せち料理839を聴きながら(柳王・重田愛子)
・この歳で二枚もらった表彰状(柳王・アンリ)
・還暦の服デザインをした今年(柳王・入り江わに)
・賞品で竹中農場にんじんを(名人・居酒屋たつみ)
・坂東の勝栗抹茶いしずえに(りんりん)
  ※かたつむりさんの妹さん。鎌倉殿のお菓子
・振りかえる頃は覚えてない前半(名人・ワイン鍋)
・湯たんぽを抱えて過ごす昼下がり(とんからりん)
・腹八分食費値上げでダイエット(名人・キジバト交通)
・赤ちゃんの笑顔囲んでみな笑顔(柳王・里山わらび)
  ※9月にお孫さん誕生
・プーチンと金正恩と習近平(名人・金星玉三郎)
・終活を教えグッズが増えていく(りん)
・ガソリン代加味し特売チラシ見る(名人・ぼうちゃん)
・あさひろさん師匠一人にしないでね(名人・soji)
・ラジ川と出会って俺は俺になる(高橋永喜)
・心ってラジオですぐにつながるね(しゃま)
・兵士たちだって戦いイヤだろう(大名人・不美子)
  ※来年から本気で小説に取り組む
・川柳を詠んで壊れず生きられた(大名人・咲弥アン子)
・涙ぐむ店長の手の温かさ(大柳王・けんけん)
  ※26日、ザ・ビッグ二本松店閉店
・あぁついに始まる親のプチ介護(名人・のりりん)
・孫越して話題もなしの老いた家(柳王・フーマー)
・猫がキター!幸せ二倍!夢五倍!(そうそう)
  ※そうそうさんの家に来た招き猫「八(はち)」君
・やせ薬効果見えずに70キロ(カラリ)
・つらい時嬉しい時も母が居る(名人・やんちゃん)
・年越しに今年も買ったカップそば(東孝案)
・有名人天に召される年の暮れ(柳王・春爺)
・大雪で再配できぬプレゼント(じゅんちゃん)
  ※広島の方
・それぞれの心に残るドロップス(あやや)
  ※佐久間ドロップス

○心のアシスタント・カオリンの一句
・骨折ってバリアフリーのありがたさ
○澤奈央子さんの一句
・お二人に会えてドキドキ澤奈央子
○あさひろさんの一句
・感染数今日の数字の一は我
○タケシの一句
・走り切るあなたの声に背を押され

〇3席
・赤ちゃんの笑顔囲んでみな笑顔(柳王・里山 わらび) 
〇2席
・ラジ川と出会って俺は俺になる(高橋永喜)
〇1席
・涙ぐむ店長の手の温かさ(大柳王・けんけん)
※川柳開運グッズをお送りしました。楽しみにお待ちくださいね!!

【放送後記】
今年も一年間本当にありがとうございました!!
子守りでのオンライン放送や一人喋りなど
いろいろありましたが、皆様のおかげで何とか走り切りました!!
新年は4日から生放送!!
来年も快作&怪作、心待ちにしています!!ますます川柳でつながりましょう!!
(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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日めくり汀女俳句 №112 [ことだま五七五]

十二月二十日~十二月二十二日

    俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月二十日
白菜の山に身を入れ目で数ふ
     「山粧ふ」 白菜=冬

 食いしんぼう一家というのは、私の生まれた家を指す。中でも筆頭は父。ご贔屓(ひいき)は蒲鉾で、頂き物はすぐ持っていって自分の部屋に。「おい、一寸こい、蒲鉾やるぞ」。
 声がかかって行ってみると、お皿の上に薄い切れはしが二枚惜しそうにおいてある。とれたての魚がくると、どてらを脱ぎ捨て、腕まくりして魚を調達するのは父。ぬかみそをかきまわしている最中に来客がきて、ぬかみそだらけで顔を出す父に、客はたいてい驚いた。父の舌はまろやかで、転がすように食べる。ひと味ひと味味わっているのが快かった。

十二月二十一日
湯ざめせし背に大いなる月かかる
        『紅白梅』 湯ざめ=冬

 アメリカ人が日本に観光にきて行きたい所に、温泉があるという。日本人のふろ好きは清潔好きもあるが、手軽に温泉に入れる楽しみもあるのかも。
 私は、女の癖に烏の行水の組、ぼちゃんと入ってざばっと出るという男の子みたいな入り方。娘が高校生のころ、「ママは入浴の作法を教えてくれなかったから修学旅行で恥かいたわ」と怒られた。シャワーで育った子供たち、温泉など興味ないだろうと思ったが、息子は休みがとれると、温泉へ出かけていく。今、温泉は若者の間で人気がある。息子は長湯である。

十二月二十二日
人影を得て枯芝の色新た
        『紅白梅』 枯芝=冬

 「13デイズ」という映画を見た。一九六二年キューバ危機の、大統領ケネディ、弟ロバート、側近オドネルたちの人間ドラマを、事実と資料に基づいて描いている。私はケネディの熱狂的ファンだった。就任演説の格調の高さ、理想にしびれた。アメリカ国民があの素晴らしい大統領をダラスの凶弾で失ったことを、どんなに口惜しく思っているかよく分かる。ケネディ兄弟の貫いた理想と正義を、必死になってつぶそうとしていた国内勢力の姿も見えてくる。
 今新しい大統領を迎えて、アメリカ国民はどんな思いでこの映画をみるのだろう。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №150 [ことだま五七五]

      読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆12月7、14日放送分

              川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳
12月7日の放送です。

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12月になってしまいました。。。。

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/FJAnYJMSINM

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「軽そうに『重く受け止め』なんて言う」(荻笑柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は224句の投稿がありました!
・切迫感顔に出せない松野さん(せ・ら・び)
・見放した医者を見返し80年(大名人・龍龍龍)
・ダメなのは政治家なのか国民か(名人・金星玉三郎) 
・雪降ったうっすら積もってすぐ消える(ぶたのはなこ)
・わこりんよ女子の歳には忖度を(名人・パリっ子)
・昼ごはん小遣い減らされダイエット(初投稿・いろは命)
・節電をするなら寝床をぬくぬくと(名人・キジバト交通) 
・負けられぬ一戦どちらかは負ける(翔のんまな) 
・「うるせえよ」静かにしなよ図書館で(初投稿・本日初投稿) 
・パソコンを立ち上げすぐに投稿す(初投稿・りん) 
・眠れないやってみたいな朝寝坊(じゅんちゃん)
・膨大な時間の中で溺れてる(カラリ) 
・お隣りも灯りがついた午前四時(柳王・重田愛子)
・若さゆえなんて言わない若者は(大名人・マルコ) 
・ふところもカイロが欲しい歳の暮れ(名人・まご命) 
・悔しさも意味あるものと知る涙(大名人・美ら小雪)
・毎日が普通でいれるありがたみ(名人・やんちゃん) 
・サッカーに人気とられてしまうかも(名人・おむすび)
・秀才がいても政治はこんなもの(高橋永喜) 
・虐待をしつけと思う勘違い(柳王・アンリ) 
・私って人の世話する為生まれ(大名人・ポテコ) 
・ブラボーをまた聞きたくて早起きし(柳王・かたつむり) 
・楽しそう見てる私も楽しいよ(大名人・じゅんじゅん) 
・スケボーはやめてサッカーさせようか(名人・ワイン鍋) 
・ ユニクロを着こなすシニア挑戦中(くろぽん)
・好き嫌い激しいけれど人が好き(柳王・平谷五七五) 
・使えないマイナポイント離島では(そうそう)
・新しい景色十分見えました(大名人・ はる)
・行く度に値上げに出会い目が飛び出(大名人・不美子)
・歯車の月間賞に心跳ね(しゃま) 
・保育士も保育士ならば園も園(名人・のりりん) 
・カタールの時間で生活する夫(大柳王・ユリコ)
・悔しさの種がいつかは花咲かす(大名人・咲弥アン子)
・寝不足の赤い目君も観たんだね(大柳王・けんけん) 
・火曜日はなぜかみんながテレワーク(soji)
・暖房を入れて気になるウクライナ(大名人・里山わらび)

☆タケシのヒント!
「里山わらびさん、これで7つ目の秀逸、柳王に昇進です。おめでとうございます。W杯の陰で忘れがちなウクライナですが、暖房つけるその一瞬に思い出したと作者。ウクライナに寄り添う作者に強く共感しました。」

◎今週の一句・暖房を入れて気になるウクライナ(大名人・里山わらび)
◯2席・カタールの時間で生活する夫(大柳王・ユリコ)
◯3席・悔しさの種がいつかは花咲かす(大名人・咲弥アン子)

【お知らせ】
今年6月1日から7月いっぱいまで募集していました、
第49回沼津市芸術祭 文芸部門「ぬまづ文芸」が発刊になりました!!
受賞された皆様、おめでとうございます!!

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今年で49回目となる「ぬまづ文芸」は、県内外はもちろん、
遠くは、国外からも作品が届くほど、
文芸好きな方々から熱く支持されています。
そして、川柳部門は不肖・水野タケシが選者をしております。

【放送後記】
いや~、サッカー日本代表、初の8強なりませんでしたね~、残念!!
でも、ドイツとスペインに勝利して、たしかに「新しい景色」を見せてくれました!!
ありがとう、日本代表!ありがとう、森保監督!!
4年後が今から楽しみです!!(タケシ拝)

◆12月14日の放送 

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 ビュンビュン時が過ぎていきます。。。。

放送の音源・・・https://youtu.be/z3f0TT_pNcY

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「歌うまいけれど母さん顔うざい」(わこりん名人)

(皆さんの川柳)※継承略  今週は196句の投句がありました。
・ PKで負ける悔しさニ倍増し(柳王・春爺)
・友の名が夢の中でも出てこない(東孝案) 
・サッカーネタ賞味期限もニ日ほど(初投稿・ひー君) 
・コンビニにすべてお任せ年賀状(とんからりん) 
・断捨離で自分のアホさ振り返る(大名人・龍龍龍)
・腫れ物に触るが如き救済法(せ・ら・び)
・不幸かも何を食べても美味い俺(名人・どんぶらこ) 
・スゴイ子を産んでしまったかもしれぬ(大名人・美ら小雪)
・ジェット機の影を映してビルの恋(カラリ)

☆タケシのヒント!
「映像的で、読む人の想像力を刺激する句です。「ビルの恋」が意外性があって、インパクトがありますね。」

・仏像は上半身ハダカです(柳王・平谷五七五) 
・防衛費結局頼る消費税(まれし) 
・節電は早寝早起きラジ投句(じゅんちゃん)
・優しくて気づかいできる孫が好き(名人・やんちゃん) 
・駄句ばかりでも名人ですと自己申請(名人・居酒屋たつみ) 
・クロアチア生まれだったらおむすびっチ(名人・おむすび)
・温厚というても我慢してるだけ(翔のんまな)
・猫あやす妻のお尻と雪景色(そうそう) 
・試供品配ってるような武器援助(大名人・マルコ) 
・オンエアを今か今かと待つが没(名人・まご命)
・入選と同じ嬉しさ没の壺(柳王・重田愛子)
・夢が翔ぶオラさヤッパシ歌手になる(大名人・じゅんじゅん)
・起き抜けの洗面きゅっとなる心臓(名人・ワイン鍋)
・ギンナンが箸から逃げたピクニック(秀クリーム)
・緩く巻き血圧測るおじいちゃん(りん)
・着々と増税ニュース増えてきた(大名人・東海島田宿)
・ノートを換え景色変わるか岸田さん(新柳王・里山わらび)
・ 575と数え気づけば年の暮れ(柳王・恋するサボテンちゃん) 
・ファンブック布教のように友に見せ(しゃま) 
・孫登場歴史感じるファンブック(大名人・不美子)
・戦ってわざと読めなくしたのかな(soji) 
・「戦」果て来年は「和」に決まりだね(大柳王・けんけん)
・月ベンチャー荒らさないでよオレの土地(柳王・フーマー)
・何の声調べてみたらハクビシン(柳王・アンリ) 
・アニキからパワーもらった子供たち(名人・キジバト交通) 
・ギリギリだ多分私が最後の句(柳王・入り江わに) 

◎今週の一句・ジェット機の影を映してビルの恋(カラリ)
◯2席・断捨離で自分のアホさ振り返る(大名人・龍龍龍)
◯3席・試供品配ってるよな武器援助(大名人・マルコ)

【お知らせ】
10月から編集作業を行ってきた交流誌「仲畑流万能川柳ファンブック」117号(12月号)、無時完成いたしました!!ありがとうございます、ありがとうございます!!
あさひろさんにも、先ほどプレゼントさせていただきましたが、いかがですか?

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今号の目玉は、なんといっても、
昨年11月27日に開催された、万能川柳30周年記念トークイベント、
仲畑さんと糸井重里さんのスペシャル対談そのパート4!!完結編!!
今回は、言葉が思い浮かばないときのプロの解決法などなど教えてくださいました!!

【放送後記】
最近、あちらこちらでお名前を拝見する
「せ・ら・び」さん、パリっ子さん主宰の
「川柳パリ会」の方、つまり、フランス在住の方なのですね!!
作品は若々しいのですが、お名前の「せ・ら・び」は
「人生はこんなものさ」「仕方ない」の意味。
どんな方かと、ムフフと想像しています。(タケシ拝) 

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クビがすわりそうでちゅ!
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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日めくり汀女俳句 №111 [ことだま五七五]

十二月十七日~十二月十九日

     俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月十七日
夫(つま)と子をふっつり忘れ懐手
          『春雪』 懐手=冬

 この句を見ていて思うことがある。汀女は ふっつりと忘れることができるタイプだったのだろうか、それとも、そうやって宣言しないとぐずぐずと糸を引いてしまう方だったのだろうか。
 私は汀女は切り替えのすぱっといく女性だったと思う。だからこそいくらかの後ろめたさをこめたおもいが、いい句になったのだろう。
 女は誰しも、時に一人の気ままな存在になってみたいという、ひそかな野望?を抱きながら、家事をしているのかも知れない。
 「これは面白いですね」と虚子が柔和な笑顔で、直接はめてくれたそうである。

十二月十八日
冬帽子大人の話ききたき子
         『薔薇粧ふ』 冬帽子=々

「今日、お弁当なんだよ」。小学一年と二年の近所の女の子が、目を輝かせて可愛い袋を振ってみせた。「あのね校舎直しててね。給食室使えないの」。送りに出てきたママに、「お弁当、大変ね」と声をかけると、「子供が大喜びなんです」。「でも寒い時冷たいお弁当いやじゃないの」「それがいまホカロンを下へ敷くから温かいんです」
 冷飯が嫌いでお弁当嫌いになった私、今はそういう手があるのかと。それぞれに工夫をこらしたお洒落(しゃれ)な弁当袋も一寸羨ましい。私も、今ならお弁当嫌いにならなかったのに。

十二月十九日
いつしかに悔(くい)も残らず菊枯れし
           『春暁』 枯菊=冬

 二〇〇〇年の暮、日一日と、二十世紀が終ゎりつつある、という実感はなかった。いつもの年末である。人が慌ただしく働いている時に、さからって遊びに行ったりのんびり何もしないというのも一寸いい。そののんびり時間がいつもに増して豊かに感じる。
 主婦というのは、さしたる用事もないのにせわしく追い回され、気ぜわしい思いを捨て切れない。一寸向きを変えて立ち止まり、流れに抗してみると、急に新鮮な時間がある。
小春日和の一日、大掃除したいのを我慢、庭の掃除もやめ、本を読んだり映画をみたり、まわりの色が違ってくる。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №149 [ことだま五七五]

           読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆11月16、30日放送分

           川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
11月16日の放送です。

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初の一人喋り!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/WkC0VAHpS6Q

【あさひろさんのボツのツボ】
今週はあさひろさんがお休みのため、残念ながら、お休み。

(皆さんの川柳)※敬称略 今週は193句の投稿がありました!
・また冬が金はないのにやって来る(せ・ら・び)
・あの笑顔思い浮かべて書く賀状(翔のんまな)
・超嬉しいリアル開催のさがみはらフェスタ(白ポロ)
・二つ目の戦争出遭わぬこと祈る(大名人・龍龍龍)
・ノルマ消え年賀ハガキを買い忘れ(とんからりん)
・じいじいが拓郎の子かあいみょんは(桐山榮壽)
・溶かしたい575で脳の錆(名人・グランパ)
・すずめたちコロナと知ってかディスタンス(初投稿・大木桂子)
・不幸にも次の総理が浮かばない(大名人・東海島田宿)
・小さい子居ないがクルマの中点検(居酒屋たつみ)
・2万歩を歩ける脚を誉めてやる(大名人・マルコ)
・ラジ川に送る楽しさ脳トレに(じゅんちゃん)
・お月様浮気な彼にお仕置きを(名人・パリっ子)
・手伝うじゃなくて共によ子育ては(大名人・美ら小雪)
・一発芸ママのためいき真似します(名人・わこりん)
・夢よりもローンがデカい奨学生(名人・まご命)
・ブログまだ?無理な話よ今日火曜(くろぽん)
・半分は本気なんです老いの恋(名人・やんちゃん)
・いい便り夜のキチンにスイカの香(バレリア)
・雪かきのスコップ品薄早すぎる(ぶたのはなこ)
・がきデカの愛読者かな葉梨さん(柳王・フーマー)
・ねぎワカメ合わせ味噌入れ妻介護(大名人・じゅんじゅん)
・悩んだが打つことした4回目(名人・ワイン鍋)
・青と赤白黒つかぬ米選挙(大名人・里山わらび)
・この紅葉年の頃なら熟女かな?(柳王・かたつむり)

☆タケシのヒント!
「「川柳は人生を楽しむための道具」というのが万能川柳のココロなのですが、この句はまさにその言葉を体現したような句です。私も帰り路は、熟女と思いながら、紅葉を愛でたいと思います。」

・私より主婦向きと知る定年後(大柳王・けんけん)
・地元では県優勝もセールあり(大名人・はる)
・ちょい太め長生きすると聞き喰らう(高橋永喜)
・1日の中に四季ありオロオロし(大名人・不美子)
・キャアそんな見つめないでとお月様(そうそう)
・消えゆくものはメルカリに出る(大名人・咲弥アン子)
・恋の詩も川柳の目でつい読む秋(しゃま)
・忘れそでギリギリ思い出す締め日(名人・のりりん)
・ここだけのハナシで辞任する羽目に(大柳王・ユリコ)
・副反応覚悟の同士並ぶ列(名人・ぼうちゃん)
・ベランダに潜む怖さを忘れてる(柳王・アンリ)

◎今週の一句・この紅葉年の頃なら熟女かな?(柳王・かたつむり)
○2席・半分は本気なんです老いの恋(名人・やんちゃん)
○3席・一発芸ママのためいき真似します(名人・わこりん)

【お知らせ】
来週23日は勤労感謝の日でお休み、ということで、
オハヨー乳業「ロイテリヨーグルト」の「歯と口の健康川柳」募集のお知らせです。
皆さん、11月8日は語呂合わせで「いい歯の日」だって知っていましたか?
このいい歯の日に合わせて、オハヨー乳業のロイテリヨーグルトでは現在、
「歯と口の健康川柳」を募集中です!!選者はもちろん不肖・水野タケシです!!

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↓こちらからご投稿いただけます↓
ohayo@shiburadi.com

【放送後記】
ラジオ万能川柳がスタートして6年半、
初めての「一人喋り」でしたが、いかがでしたでしょうか。
ラジオは2番組担当していますが、どちらも相手がいるので、
今回の一人喋りは大変新鮮で、刺激でした。
初体験て、なんでも、良いものですね。(タケシ拝)

◆11月30日の放送

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3週間ぶりの通常放送
放送の音源・・・https://youtu.be/i_qKAhh4-ZE

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「事もなげに『痛いですよ』とインフル注射」(重田愛子柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略  今週は249句の投稿がありました!
・崑ちゃんに負けてなるかよスクワット(柳王・春爺)
・本人の喪中はがきが増えてきた(東孝案) 
・失恋し万能薬を飲んで寝る(初投稿・とらちゃん) 
・長生きをしそうで急にケチとなり(翔のんまな)
・婆ちゃんへ孫の手紙に詐欺注意(名人・やんちゃん) 
・釣りを取り買ったジュースを忘れちゃい(名人・グランパ)
・孫よりも妻の笑顔が宝物(名人・どんぶらこ)
・川柳ができるの風呂と皿洗い(柳王・入り江わに)
・だからって俺が大臣でも困る(柳王・荻笑) 
・聖人と君子だけでは国滅ぶ(名人・パリっ子) 
・句が出来たトイレを出ると忘れてる(柳王・恋するサボテンちゃん) 
・名を変えてあの手この手の詐欺メール(大名人・はる)
・折りそうだ岸田内閣骨密度(柳王・平谷五七五) 
・この中に婿殿がいる感染数(柳王・かたつむり) 
・窓口で説教垂れる高齢者(名人・キジバト交通) 
・アディショナルタイム主審をめちゃマーク(名人・せきぼー) 
・先どうぞ言える娘に子が育ち(大名人・美ら小雪) 
・女子という母さん今年49 (名人・ わこりん)
・鳥に餌やるホロドモール忌(バレリア) 
・日本語で歌っているが分からない(名人・おむすび) 
・お土産に紅葉の葉っぱくれた孫(柳王・アンリ) 
・歌うこと好きで夢見るコンサート(大名人・じゅんじゅん) 
・一面は敗れるの文字各紙とも(つや姫) 
・見なきゃ勝ち見たら負け次どうしましょ(せ・ら・び) 
・かといって前の総理に戻るのも(名人・ワイン鍋)
・お家でも綺麗にしてねサポーター(ふうれんもうろう) 

☆タケシのヒント!
「川柳らしい一句、いわゆる、うがちの効いた句です。日本人サポーターのゴミ拾いも話題のサッカーW杯ですが、案外、お家は掃除していなかったりして(苦笑)。」

・サッカーの熱気ニンマリ岸田さん(大名人・里山わらび) 
・梅干しと言って一口米を食べ(くろぽん) 
・長いなあラジセンの無い一週間(soji) 
・涙ぐむ阿火で心配錣山(しゃま) 
・前回は師匠ひとりでドッキドキ(名人・のりりん) 
・ウクライナごめんと見てるW杯(大名人・不美子)
・感激の涙流して今罵倒(横山閲治郎)
・縄文人から受け継いでいるどんぐり(名人 ・ぼうちゃん) 
・一点のゴールのための4年間(大名人・咲弥アン子)
・ネコに貸し出掛けられない膝枕(そうそう)

◎今週の一句・お家でも綺麗にしてねサポーター(ふうれんもうろう)
◯2席・孫よりも妻の笑顔が宝物(名人・どんぶらこ)
◯3席・先どうぞ言える娘に子が育ち(大名人・美ら小雪)

【お知らせ】
このラジオ万能川柳でも告知させていただきました、
歯と口の健康を整える、オハヨー乳業・ロイテリヨーグルトが企画した
「歯と口の健康川柳」、28日に入選作品を発表しました!!
1カ月という短い告知機関だったのですが、
岡山県立瀬戸南高校の皆さんの300句を超える川柳を含む、
1071句もの川柳をご投稿いただきました!!
オハヨー乳業の担当者さんも大変喜んでしました!!本当に、本当にありがとうございます!!

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【放送後記】
歯と口の健康をととのえるオハヨー乳業のロイテリヨーグルトの
「歯と口の健康川柳」、1071句ものご投稿ありがとうございました!!
初めて拝見するお名前(ペンネーム)の方ばかりで、こちらもビックリ!!
皆さん、どこでこのコンテストの情報を得たのでしょうか?(タケシ拝)
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130-5.jpg
水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 



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日めくり汀女俳句 №110 [ことだま五七五]

十二月十四日~十二月十六日

   俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月十四日
大石の座はまづ決まり冬日和
       『紅白梅』 冬日和=冬

 父尾崎士郎の「人生劇場」の冒頭に、こんな文章が出てくる。
 「まったくあいつは「吉良だ」ということになると旅に出てさ、肩身の狭い思いをしなければならなかった時代がある」。
 十二月十四日の討ち入りの前後になると、私は父の故郷愛知県吉良を思い出す。歴史の眼が開かれ、吉良上野介が領内では名君であったことも知られ、赤穂市と吉良町で友好関係も生まれている。ただ、今もなお、芝居もテレビでも大石内蔵助に対し吉良は悪役である。日本人の忠臣蔵熟は消えそうもないから、吉良上野介の悪役は続くのだ。

十二月十五日
枯蔓(かれづる)の引きのこりたる虚空かな
           『薔薇粧ふ』 枯蔓=冬

 いつも犬の散歩道にしている静かな住宅街の細い道に、警官が立っていた。何でこんな所にと思い、先へ行くと私服の刑事らしいのが四、五人。すわ何事とおばさんは色めき立った。
 次の日、テレビのニュースも出て、たちまち奥さんたちも知るところオウムの元幹部がこの辺に引っ越してきた。その騒ぎと知れた。小学校は集団登下校するとか、署名運動を起こすとか、あっという間のつむじ風。その場所と目と鼻の先に父が「人生劇場」を執筆した旧居跡がある。七十年たった今、もう少しましなことで知られてほしかった。

十二月十六日
毛皮店鏡の裏に毛皮なし
       『春雪』 毛皮=冬

 毛皮のコート一枚も持っていない。経済的な理由も一つだが、あまり好きでない。同じように、宝石にも関心がない。私が気がついた時、汀女も指に一つも指輪をはめていなかった。何もはめていない指が、とても清々しく美しかった。心に宝石を持っている人は何もまとう必要はない、なんてキザなことを思ったりした。
 指輪は嫌いだが、イヤリングは好き。夜店で買った五百円の小さいガラス玉を耳につけていると、「すてきなダイヤ」と言われた。私は、えっと思い、以来それに決めた。

『日めくり汀女俳句』 邑書林



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №148 [ことだま五七五]

         読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆11月2、9日放送分

       川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳
11月2日の放送です。  

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ロイテリヨーグルトとともに

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/bimO3a33tZk

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「4Kで観るか行こうか紅葉山」(マルコ大名人)

(皆さんの川柳)※敬称略 今週は168句の投稿がありました!
 ・酷暑から急に富士山雪景色(柳王・春爺)
・自信ない人はマスクを付けたまま(東孝案) 
・歩幅減り縮んだことを知る散歩(大名人・龍龍龍)
・居酒屋でくしゃみ3回色眼鏡(名人 ・まご命)
・駅ピアノ言いたいことを音に変え(新柳王・恋するサボテンちゃん) 
・物価高買い物カゴに愚痴も入れ(名人・やんちゃん)
・愛しきは妻の乳房と笑い声(名人・どんぶらこ) 
・宿題と聞くと娘は歌い出す(大名人・美ら小雪) 
・ラジ川のつぶやき北から南から(柳王・重田愛子) 
・バイキングカロリー表示おせっかいあ(名人・グランパ) 
・児童らの顔が見られる給食時(大名人・東海島田宿) 
・読まれない句を増やすのが我が使命(居酒屋たつみ) 
・神よりも自分に誓うこと大事(高橋永喜)

☆タケシのヒント!
「高橋さん、はじめての秀逸です。おめでとうございます。自分を信じて、自信を持って、これからも川柳作り、楽しく頑張ってくださいね。」

・親よりも爺婆目立つ七五三(柳王・アンリ) 
・タケシさん何で教えてくれなかったの? (恵庭弘) 
・歩道橋錆びてて揺れて肝だめし(名人・ワイン鍋) 
・じいじいは普通のかつらハロウィーン(桐山榮壽) 
・後世に残る一句を作りたい(名人・おむすび) 
・オリ・ツバメ首を洗って待っておれ(名人 ・パリっ子) 
・税金がシャワーのように降るゴーツー(くろぽん)
・ゆっくりと手をつないでく老いの道(柳王・平谷五七五) 
・手が荒れて指紋認証またエラー(柳王・荻笑) 
・夜泣きにも効くらしいのよロイテリ菌(大柳王・ユリコ) 
・若者も転倒怖いと知った事故(大名人・不美子) 
・お祭りがこんな事件になるなんて(しゃま) 
・紅葉に私も染まる散歩道(大名人・咲弥アン子)
・癖になりメールも赤ちゃん言葉でちゅ(名人・のりりん) 
・借りたならきっちり返すオリックス(soji) 
・枯れ葉踏む音を聞きたくて踏む枯れ葉(大柳王・けんけん) 
・ギャランドゥ腹毛の意味はありません(そうそう)
・5回目のワクチン終えて日が暮れて(大名人・じゅんじゅん)
・村神を村人にしたオリックス(柳王・フーマー) 
・葉が落ちて小鳥の遊ぶ様が見え(柳王・かたつむり) 
・お孫さんいらっしゃるのかそうそうさん(名人・ぼうちゃん) 
・ぼんやりと過ごしていたら霜月に(大名人・はる) 
・飛び石でほっと一息文化の日(柳王・入り江わに) 

◎今週の一句・神よりも自分に誓うこと大事(高橋永喜)
◯2席・借りたならきっちり返すオリックス(soji) 
◯3席・駅ピアノ言いたいことを音に変え(新柳王・恋するサボテンちゃん)

【お知らせ】
さあ、11月に入りました!!
皆さん、11月8日は語呂合わせで「いい歯の日」だって知っていましたか?
このいい歯の日に合わせて、オハヨー乳業のロイテリヨーグルトでは現在、
「歯と口の健康川柳」を募集中です!!選者はもちろん不肖・水野タケシです!!
オハヨー乳業のロイテリヨーグルトは、母と口の健康にコミットするヨーグルトです。

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【放送後記】
食欲の秋ですね!!
皆さん、秋の味覚を楽しんでいますか?
私は、ありがたいことに、今年は松茸をいただくことができました!!
しかし、しかし、秋刀魚はまだ。
高価でも、小さくてもいいから、なんとか秋のうちにいただきたいなあ。(タケシ拝)

◆11月9日の放送  

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晩秋らしい気持ちのいい陽気!
放送の音源・・・https://youtu.be/TpaUIIQTE5M

【あさひろさんのボツのツボ】
先週ご紹介できなかった句から、あさひろさんイチ推しの句をご紹介!!
「泣く美人議員を好きになる夫」(ユリコ大柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略 今週は171句の投稿がありました!
・飲み忘れゴミ箱あさり確かめる(東孝案)
・あのボトルあるはずなのに店がない(翔のんまな)
・やりきれん将棋倒しで死ぬなんて(大名人・龍龍龍)
・四十肩終えて料理の腕上がる(もふもふ)
・寒くなりあまり気にせぬ温暖化(名人・グランパ)
・付き合いもお酒も人肌がいいね(名人・やんちゃん)
  ※(添削)人肌がいいねお酒も付き合いも
・ミサイルだ机の下だ他あるか(名人・せきぼー)
・飛んで行くミサイル通過見てるだけ(じゅんちゃん)
・ハロウィンにちんぷんかんぷん母卒寿(せ・ら・び)
・正恩ちゃん無駄打ち止めて勿体無い(名人・パリっ子)
・号外でアイドル脱退平和かな(柳王・恋するサボテンちゃん)
・いい人と出会いたいなあこれからは(柳王・平谷五七五)
・副反応なくて寂しい中高年(ふうれんもうろう)
・デカイ胸揺すって笑う退院日(名人・どんぶらこ)
・忘れずにラジ川応募月曜日(名人・まご命)
・マスクする自由もあると思います(名人・ワイン鍋)
・負けないとつぶやいてみる辛い時(大名人・じゅんじゅん)
・「知らんけど」大賞ちゃうか知らんけど(大名人・里山わらび)
・楽しみのその日必ずやって来る(名人・おむすび)
・宝くじ当たらず今の幸がある(高橋永喜)
・本音言う酔いがさめたら借りた猫(くろぽん)
・ 七十年逆さに見てた抽象画(soji)

☆タケシのヒント!
「70年というのが、実にどーもバカバカしくて面白いですね。70年間、その絵に慣れ親しんできたんですから、もうこのまま逆さに飾っておきましょう(笑)。

・今年まだワールドカップのお楽しみ(大名人・咲弥アン子)
・食の秋体重計が通信簿(しゃま)
・見ていると幸せ猫の毛づくろい(大名人・不美子)
・流行語半分以上わからない(名人 ・ぼうちゃん)
・打ち上げはミサイルでなく居酒屋で(居酒屋たつみ)
・皆既月食次まで地球耐えてるか(名人・のりりん)
・マスクって息苦しいとツイッター(大柳王・ユリコ)
・「出陣じゃあ」地味な岐阜市が全国区(柳王・フーマー)
・見えません一番見たい注意書き(大柳王・けんけん)
・ミサイルが平和な旗日おびやかし(紗月めい)
・散歩しておしゃべり出来る幸せ感(柳王・春爺)
・句作り中使い切るペンああ快感(柳王・かたつむり)
・ハイボール半年ぶりの味に酔い (柳王・アンリ)
・ピンチよりチャンスに慣れていないのよ(柳王・荻笑)

◎今週の一句・七十年逆さに見てた抽象画(soji)
◯2席・マスクって息苦しいとツイッター(大柳王・ユリコ)
◯3席・デカイ胸揺すって笑う退院日(名人・どんぶらこ)

【質問】
宿題も塾も毎日嫌がる娘に何か良い方法はないですか?(美ら小雪さん)

【放送後記】
11月の中旬を過ぎると怒涛の「選句月間」がスタートします!!
あんまり重ならないでほしいなあと思いつつ、皆さんの作品を拝見するのが
大好きなので、今からワクワクしています!!
皆さんも、どうぞ楽しんで、どんどんご投句くださいね!!(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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日めくり汀女俳句 №109 [ことだま五七五]

十二月十一日~十月十三日

     俳句  中村汀女・文  中村一枝

十二月十一日
耳立ちし黒犬坐る大根畑(だいこばた)
          『紅白梅』 大根=冬
 ペットのミダックスの人気が高い。わが家にも三年前まで、スタンダードグックスの雌がいた。彼女で三代目だったが、すっかりダックスファンになっていた。もともとドイッの猟犬で、あの長い体を武器に、横穴にもぐり込んでアナグマを追い出す。賢さと怜利さ、さらに勇敢さと野性味を持つ。今は室内犬としての、ミニが全盛だが、本来スタンダードの質実剛健さこそ取り柄なのだ。あの足の短さでと思うほどよく走り、テニスをしていると途中でポールをうばい取る精惇さ。愛玩犬だけにしておくのは惜しい。

十二月十二日
さし寄せし暗さ鏡に息白し
       『春雪』 息目し=冬

 師走に繁盛するもの、美容院。
 美容院は、女性にとって一種のリラクゼーション。美容院選びには、それぞれの好みがはっきり。「今度来た男の子何とかってカリスマに似てない。カットの手つきも」と若い女の子。おばさまの品定めはまた別に何てったって清潔さよ。タオルもブラシもいつも新品同様よ」「がさつだけど速いの。それでいてツポはわかってる。ベテランだわ」「話が面白くてね。あっと言う間に終わっちゃう」。美容師心得、心理療法士であり、はなし家でもある。話題は常に新鮮にして豊富。口の固いことも。

十二月十三日
お城裏雨に流るる落葉坂
       『薔薇粧ふ』 落葉=冬

 熊本の銀杏がようやく黄ばんできたと「熊本日々」に。熊本は南なんだと実感した。暖かかった秋が終わり、強い北風が乾いた歩道を吹き抜けてゆく。今年も暖冬だと、予報は告げている。いかに暖冬でも冬は冬。また暖かい日向や、暖房のぬくもりが恋しい季節が始まる。
 出先の駅前で匂いに誘われ、焼き芋を買った。一本七百円には、えっ、と目をむいたが、電車に乗っている間中、焼き芋の匂い。身の置き場に窮した。家に帰って食べたが、案に相違して不味かった。この気持ちのやり場のなさよ。

『日めくり汀女俳句』 邑書林


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