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郷愁の詩人与謝蕪村 №27 [ことだま五七五]

秋の部 4

        詩人  萩原朔太郎

恋さまざま願(ねが)いの糸も白きより

 古来難解の句と評されており、一般に首肯(しゅこう)される解説が出来ていない。それにもかかわらず、何となく心を牽(ひ)かれる俳句であり、和歌の恋愛歌に似た音楽と、蕪村らしい純情のしおらしさを、可憐(かれん)になつかしく感じさせる作である。私の考えるところによれば、「恋さまざま」の「さまざま」は「散り散り」の意味であろうと思う。「願の糸も白きより」は、純潔な熱情で恋をしたけれども――である。またこの言葉は、おそらく蕪村が幼時に記憶したイロハ骨牌(かルタ)か何かの文句を、追懐の聯想(れんそう)に浮(う)かべたもので、彼の他の春の句に多く見る俳句と同じく、幼時への侘わびしい思慕を、恋のイメージに融(と)かしたものに相違ない。蕪村はいつも、寒夜の寝床の中に亡き母のことを考え、遠い昔のなつかしい幼時をしのんで、ひとり悲しく夢に啜すすり泣いていたような詩人であった。恋愛でさえも、蕪村の場合には夢の追懐の中に融け合っているのである。

小鳥来る音うれしさよ板庇(いたびさし)

 渡り鳥の帰って来る羽音(はおと)を、炉辺(ろへん)に聴(き)く情趣の侘(わび)しさは、西欧の抒情詩、特にロセッチなどに多く歌われているところであるが、日本の詩歌では珍しく、蕪村以外に全く見ないところである。前出の「愁ひつつ丘に登れば花茨」や、この「小鳥来る」の句などは、日本の俳句の範疇(はんちゅう)している伝統的詩境、即ち俳人のいわゆる「俳味」とは別の情趣に属し、むしろ西欧詩のリリカルな詩情に類似している。今の若い時代の青年らに、蕪村が最も親しく理解しやすいのはこのためであるが、同時にまた一方で、伝統的の俳味を愛する俳人らから、ややもすれば蕪村が嫌われる所以(ゆえん)でもある。今日「俳人」と称されてる専門家の人々は、決してこの種の俳句を認めず、全くその詩趣を理解していない。しかしながら蕪村の本領は、かえってこれらの俳句に尽(つ)くされ、アマチュアの方がよく知るのである。

うら枯やからきめ見つる漆(うるし)の樹(き)

 木枯しの朝、枝葉を残らず吹き落された漆の木が、蕭条(しょうじょう)として自然の中で、ただ独り、骨のように立っているのである。「からきめ見つる」という言葉の中に、作者の主観が力強く籠(こ)められている。悲壮な、痛々しい、骨の鳴るような人生が、一本の枯木を通して、蕭条たる自然の背後に拡ひろがって行く。


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読むラジオ万能川柳 №181 [ことだま五七五]

           読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆3月27日放送分

          川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
3月27日の放送です。

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タウンニュースの反町隆史こと、齊藤明編集長も参加

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。

エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/kQBrSZcWXus

先週のボツの中からあさひろさんイチオシの句をご紹介!!
 あさひろさんのボツのツボ
「オゲレツな議員も言わば多様性」(ユリコ大柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は248の投句がありました。ありがとうございます!
・一人でもバスに乗れたと喜ぶ娘(大名人・美ら小雪)
・気付かずに踏んで枯らした福寿草(初投稿・玄米飯) 
・ロマンスの神様だってかかる詐欺(矢部暁美) 
・幸せは友の便りと膝の猫(とんからりん) 
・おかしいなタバコ買わずに金増えず(相模のトムクルーズ) 
・同じ穴ムジナが裁く政倫審(名人・パリっ子)
・狙われるほどのお金は持ってない(名人・おむすび)
・手術後に一番痛い麻酔痕(大柳王・入り江わに)
・政治家は忘れることも仕事です(じゅんちゃん)
・通訳とギャンブラーの二刀流(桐山榮壽)
・まだいける夫が撫でる薄い髪(大名人・やんちゃん)
・大相撲裸を観れる場所終わり(大柳王・平谷五七五)
・開花待つ春を告げたいリポーター(ココナッツ)
・ヴェネツィアのショーウインドーから春始め(名人・バレリア)
・開幕日一平ちゃんの大暴投(シゲサトシ)
・悪役の笑顔やさしく春に消え(柳王・東海島田宿)
・大銀杏無いのが強い大相撲(柳王・アンリ)
・「のむうつかう」今じゃ薬・針・サプリ(遊子)
・あさひろさん忘れちゃダメよボツのツボ(名人・大和三山)
・西門の屋台が待っている桜(大名人・せきぼー)

☆タケシのヒント!
「せきぼーさん、7回目の秀逸で柳王昇進です。おめでとうございます。西門は相模原の桜の名所で、エフエムさがみも近くにあります。ちょうど今日開花でしょうか。5年ぶりの桜祭りが楽しみです。」

・酒を飲み踊る母さんまじキモす(名人・わこりん)
・女湯の話題オオタニ尊富士(柳王・荻笑)
・聴いてればわかるラジ川休みの日(柳王・ぼうちゃん)
・ 二人は良い一人の桜もっと良い(大柳王・すみれ)
・春うらら染井吉野のファンブック(大柳王・里山わらび)
・おすすめ記事が全部オオタニ(大名人・ワイン鍋)
・おむすびは箸で食べると旨くない(大名人・不美子)
・生きるぞと確信できたのよあの日(大名人・じゅんじゅん)
・指折って数えて眠る小田急会(しゃま)
・ナンパ術1、2が無くて3に褒め(名人・くろぽん)
・2週間寂しかったとナンパする(ナンパも大名人・soji)
・友情も見て感動をしてたのに(大柳王・ユリコ)
・もう心小田急線に乗ってます(大柳王・けんけん)
・私らも依存症だねラジ川の(名人・のりりん)
・寝る前に浮かぶ川柳オモんない(全裸川柳家・そうそう)
・賞味期限気にせぬ嫁に教えられ(柳王・咲弥アン子)

◎今週の一句・西門の屋台が待っている桜(大名人・せきぼー)
◯二席・ 2週間寂しかったとナンパする(ナンパも大名人・soji)
◯三席・幸せは友の便りと膝の猫(とんからりん)

【お知らせ】
こどもタウンニュース相模原版、3月8日号が発行され、
 恒例の第4回さがみっ子川柳入選20句が発表されました!!
今回のお題は「ちょっと自慢したいこと」。
秀逸は、大野台小学校の5年生、大屋小太朗さんの
「にらめっこすぐ負けるんだすごいでしょ」。
大屋さん、おめでとうございます!!  

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【編集後記】
放送の前に、エフエムさがみで、おなじみタウンニュースの齊藤明編集長と打ち合わせ。
朝が強い(夜弱い?)、というのが私たちの共通点なのです。
今年も相模原からいろいろ仕掛けますよ~~!!お楽しみに!!(水野タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/



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こふみ会へGO七GO №129 [ことだま五七五]

こふみ句会へGO七GO  №129
「雛」「黄砂降る」「合格」「春暁」 
                                 俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和6年3月の句会≫の案内状が送られました。

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こふみ会の皆さま

こんにちわ。今日は、天からのお祝いか、春の陽気に恵まれました。
3月のこふみ会、幹事は下戸が務めさせていただきます。

兼題は、弥生さんにご協力いただいた以下の4題

ポピュラーすぎてこふみ会で取り上げられなかった…という大穴の季語。雛といっても、古雛、土雛、雛の宴 、雛流し、雛納め… バラエティーにとんでおりますので自由に創作の翼を広げてください。 

黄砂降る
これは変換できないほど古い漢字でつちふる「霾」という季語があるのですが、現代では黄沙降るとなります。 「霾」  はよなとも読み、黄砂で曇った空を「よな曇り」「よなぼこり」などといいます。

合格
お孫さんが「合格」のシーズンを迎える方もいらっしゃるのではないでしょうか。おめでたい句ができるとよいですね。

春暁
 「春暁(しゅんぎょう)」は 、夜中が過ぎてまだ暗いうち、夜が明けようとするころを指します。「 春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは…」の時間帯のことです。

 締め切りは、3月10日(日)といたします。
 投句は、下戸まで 

それでは、ふるって創作ください。よろしくお願いいたします。

大取喜想次

※3月17日(日)までに選句のメールを下戸まで返信お願いします。

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案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は16名64句。

【雛】    
1   お雛さま作ってあげると言ひし母(華松)
2    石段を雛壇にして鎮守神(すかんぽ)
3    久々に家族揃いぬ雛の宵(玲滴)
4    めでたきや身重のように女雛座し(八傘)
5    忘れ雛 妻の居ない妻の部屋(鬼禿)
6    幼な子のくちびる紅き雛祭り(なつめ)
7    残光や雛(ひいな)の紅のなまめきて(虚視)
8    桧扇を 失くした女雛の 指の科(しな)(紅螺)
9    右大臣同い歳かな雛祭り(蕃茹)
10    雛飾る先に逝ってもいいですか(矢太)
11    簡潔で凛々しき美なり雛飾り(下戸)
12    真夜ひそと遠世語りのひいなかな(弥生)
13    いつまでも女の子です雛飾る(尚哉)
14    雛の段そこだけ時の止まりおる(茘子)
15    住み変わり今マンションに祖母の雛(一遅)
16    雛は今日高砂におり巣立ちゆく(兎子)

【黄砂降る】        
17    黄砂降る大陸の悪意でもあるまいに(矢太)
18    阿佐ヶ谷のベランダの上黄砂降る(下戸)
19    大陸の思い運んで黄砂降る(玲滴)
20    蒙古より友きたるるか土ぐもり(茘子)
21    黄砂降る日 ゴビの砂漠の 民想う(紅螺)
22    黄砂降る愛車を動かす暇なし(兎子)
23    太陽を暈しにじませ黄砂降る(華松)
24    黄砂降る呼ぶは匈奴かフン族か(尚哉)
25    通天閣折れし黄砂の降り止まず(すかんぽ)
26    楼蘭の風引き連れて黄砂降る(虚視)
27    霾(つちふる)やはるか敦煌の幻影(鬼禿)
28    黄砂降るあなたの国から便りのように(一遅)
29    主亡き屋根また白く黄砂降る(蕃茹)
30    黄砂来る舌打ちできぬ地球の理(八傘)
31    フビライの国遥かなり黄砂降る(弥生)
32    さよならの校庭に風よなぼこり(なつめ)

【合格】                 
33    枝くぐり 合格祈願の 絵馬の数(紅螺)
34    80過ぎやっと気が付く「不合格」(鬼禿)
35    合格のLINEが伝ふ別れ際(蕃茹)
36    合格も不合格にも春は来ぬ(なつめ)
37    齢八十は取りあえず合格点でしょうね(矢太)
38    合格者発表板から離れる子(八傘)
39    合格にぎこちないハグ父娘(尚哉)
40    遠き甥合格の報に月日感ず(兎子)
41    あした発つ合格通知抱きしめて(一遅)
42    合格の通知や風の冷き日(虚視)
43    合格の祝いにじいじの形見分け(玲滴)
44    合格子弾む高田馬場をかな(すかんぽ) 
45    早咲きも遅咲きもあるさ受験生(茘子)
46    合格のことだけ1000日考えた(下戸)
47    合格を共に喜ぶ友がいて(華松)
48    口開けて安堵の寝息合格子(弥生)

【春暁】                 
49    春暁や淡きおそれのひたひたと(虚視)
50    春暁の湯船に浮かぶ乳ふたつ(矢太)
51    春暁や東の空がロゼワイン(下戸)
52    春暁の窓を火球の横切れり(すかんぽ)
53    春暁に 微かな光珠洲の海(鬼禿)
54    春暁に恥ずかし夕べの酔いの果て(一遅)
55    春暁や静寂(しじま)に一点窓明かり(尚哉)
56    春暁や コトリと朝刊 届く音(紅螺)
57    クルマ行くハイヒール来る刻春暁(八傘)
58    脈数え春暁を待つ個室かな(華松)
59    春暁の匂う窓辺に猫が待ち(蕃茹)
60    春暁やまずはコーヒー豆を挽く(なつめ)
61    なりやまぬ砲火春暁をおびやかす(玲滴)
62    病室を出る日が我の春暁となり(兎子)
63    春暁や真白き今日に待つはなに(弥生)
64    みんな夢春暁の海十三年(茘子)

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【天句の鑑賞】

●霾(つちふる)やはるか敦煌の幻影(鬼禿)
【弥生選】現実的には黄砂は困りものですが、中国史を専攻した私にとっては敦煌の幻影を追うロマンを掻き立ててくれるものでもあります。

●春暁や淡きおそれのひたひたと(虚視)
【一遅選 】人には誰しも理由のわからぬ不安や絶望があります。春暁にはそんな悪魔も訪れそうです。

●80過ぎやっと気が付く「不合格」(鬼禿)
【下戸 選】「君は人生をどう生きたか」 と問いかけてくる。 ジブリの続編のよう な名句 。私のオスカーを捧げます 。

●桧扇を失くした女雛の 指の科(しな)(紅螺)
【蕃茄選】雛壇全景から女雛の小さな手へと、視点が一瞬で移動する感覚に、詠んだ瞬間思わず唸りました。お見事です。
【華松 選】十二単の要を失った空手を、指の科と捉える感性が素敵です。
【玲滴 選】桧扇を持たぬ女雛の指の白さやかすかなそり、気付けばなんとなまめかしい。はっとする一瞬でした。

●春暁やコトリと新聞届く音(紅螺)
【茘子選】朝の静寂の中に、この小さな音。実際は聞いたことがなく想像の上の音かもしれない。
●合格にぎこちないハグ父娘(尚哉)
【八傘 選】どんなぎこちなさなんだろとか、どこでだからだろうとか、母はとか、想像が舞いあがって楽しめます。

●春暁の湯船に浮かぶ乳ふたつ(矢太)
【紅螺 選】きっと、秘湯の宿でしょうね。しらじらと明けそめる時刻の露天風呂!いい
ですね!
【虚視】立ちこめる湯気の中に人の姿はなく浮遊する二つの乳房。作者の意図とは違うかも知れませんが見事な春暁の具現化。

●いつまでも女の子です雛飾る(尚哉)
【すかんぽ選】痛快!そうでなくっちゃ。

●忘れ雛妻の居ない妻の部屋(鬼禿)
【 矢太 選】未だ居る妻のことをつい想ってしまった。いいやつだったなあ。
●真夜ひそと遠世語りのひいなかな( 弥生)
【尚哉 選】・・・「遠世」がとても効いています。時空の奥行を感じます。
【なつめ選】人間が寝静まった真夜中にお雛様は何を語るのでしょうか。お雛様がいつも
笑っていられる世でありますように。

●春暁の匂う窓辺に猫が待ち (蕃茄)
【兎子 選】ぱっと、あくびする猫が思い浮かびました。春を待っているのか、恋を待っ
ているのか。つらいことの多い日々に、休止符のような句、だと感じました。

●合格も不合格にも春は来ぬ(なつめ)
【鬼禿 選】こういう句がいい。当たり前のことを普通にいう句。

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【今月の天地人】

今月の天は紅螺 さんです。 4 人 の 天を 集めて 48 点 を獲得しました。
惜しくも40 点 で 地、尚哉 さん。
人は 鬼禿 さん 、 なつめさん、弥生さんが 31 点で並びました。
皆さん、 おめでとうございます。

天句  33点  緋扇を 失くした女びなの 指の科 (紅螺)
地句  21点  合格にぎこちないハグ父娘  (尚哉)
人句  19点  春暁の湯船に浮かぶ乳ふたつ (矢太)
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【幹事よりひと言】

みなさんの個性がさく裂した春 3 月のこふみ会。お楽しみいただけましたでしょうか。
阿佐ヶ谷のベランダに降る黄砂は、渋谷にも、軽井沢にも宮崎にも降ります。病院の屋根にも、タワマンの窓にも、事務所のルーフバルコニーにも降ります。いろんな場所で、大陸から運ばれてくる黄色い砂に、みんなが想いを 1 つにできるのは「こふみ会」のおかげですね。 では、来月 の 幹事 様 へ、 バトンをお渡しいたします。( 下戸)


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郷愁の詩人与謝蕪村 №26 [ことだま五七五]

秋の部 3

           詩人  萩原朔太郎

秋風や干魚(ひうお)かけたる浜庇(はまびさし)

 海岸の貧しい漁村。家々の軒には干魚がかけて乾(ほ)してあり、薄ら日和(びより)の日を、秋風が寂しく吹いているのである。

秋風や酒肆(しゅし)に詩(し)うたふ漁者(ぎょしゃ)樵者(しょうしゃ)

  街道筋(かいどうすじ)の居酒屋などに見る、場末風景の侘(わび)しげな秋思である。これらの句で、蕪村は特に「酒肆」とか「詩」とかの言葉を用い、漢詩風に意匠することを好んでいる。しかしその意図は、支那の風物をイメージさせるためではなくして、或る気品の高い純粋詩感を、意識的に力強く出すためである。例えばこの句の場合で、「酒屋」とか「謡(うた)」とかいう言葉を使えば、句の情趣が現実的の写生になって、句のモチーヴである秋風(しゅうふう)落寞(らくばく)の強い詩的感銘が弱って来る。この句は「酒肆に詩うたふ」によって、如何いかにも秋風に長嘯ちょうしょうするような感じをあたえ、詩としての純粋感銘をもち得るのである。子規しき一派の俳人が解した如く、蕪村は決して写生主義者ではないのである。

月つき天心(てんしん)貧しき町を通りけり

 月が天心にかかっているのは、夜が既に遅く更ふけたのである。人気(ひとけ)のない深夜の町を、ひとり足音高く通って行く。町の両側には、家並(やなみ)の低い貧しい家が、暗く戸を閉とざして眠っている。空には中秋(ちゅうしゅう)の月が冴さえて、氷のような月光が独り地上を照らしている。ここに考えることは人生への或る涙ぐましい思慕の情と、或るやるせない寂寥(せきりょう)とである。月光の下もと、ひとり深夜の裏町を通る人は、だれしも皆こうした詩情に浸るであろう。しかも人々はいまだかつてこの情景を捉(とら)え表現し得なかった。蕪村の俳句は、最も短かい詩形において、よくこの深遠な詩情を捉え、簡単にして複雑に成功している。実に名句と言うべきである。

『郷愁の詩人与謝蕪村』 青空文庫


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №180 [ことだま五七五]

       読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆3月6日、13日放送分

           川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」、
3月6日の放送です。
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週末はJUNJUNさんのデビューリサイタル!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/0LjQoystXI0

 あさひろさんのボツのツボ
「朝ドラのスズコーに返事するオラ」(かたつむり柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は194の投句がありました。ありがとうございます!
・スマホ鳴り猫がコタツを飛び出した(東孝案)
・シャンソンはポッチャリ系がよく似合い(名人・くろぽん) 
・冬なのか季節が狂う春うらら(初投稿・相模のトムクルーズ) 
・恋という不治の病に浸る夜(矢部暁美) 
・桜餅毎回聞くね葉食べれる? (ココナッツ) 
・明日の朝までには帰る浮かれ猫(初投稿・阿部文彦)
・うるう日に祝砲・空砲駆け抜ける(名人・せ・ら・び)
・岸田さん大好きですね「スピード感」(大柳王・平谷五七五)
・しょっぱさと甘さの恋と桜餅(大名人・やんちゃん)
・頭みな日に回っててキーウの春(初投稿・アイワゾウィ)
・摂ってますビタミンSとドヤ顔で(名人・大和三山)
・デコピンに聞きたい事がわんさかと(大名人・せきぼー)
・パリコレも顔負け鳥たちの衣装(柳王・ぼうちゃん)
・さあ俺も10万GETペンとメモ(名人・高橋永喜)
・政倫審腹を切らずに白を切る(じゅんちゃん)
・ヤンキーが照れくさそうに席譲る(シゲサトシ)
・やることはやっていたんだ大谷君(遊子)
・ツバメの句手のひらで読むビタミンS(柳王・かたつむり)  
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・ボランティア行けずに探す募金箱(柳王・恋するサボテンちゃん)
・最高値知らないとこで更新し(名人・おむすび)
・ボツだって嬉し娘が載ったなら(大名人・美ら小雪)
・さまざまなドラマ持ち寄る同窓会(とんからりん)
・千葉市はねトマトの支出1位です(名人・居酒屋たつみ)
・政倫審とても仕立ての良いスーツ(大名人・ワイン鍋)
・sojiさん句集感想でも泣かせ(しゃま)
・老女優高まる胸で初舞台(大名人・じゅんじゅん)
・じゅんじゅんさん祈っています大成功(大柳王・けんけん)
・もうナンパ君が最後とするナンパ(ナンパも名人・soji)

☆タケシのヒント!
「sojiさん、5回目の秀逸、ナンパも大名人に昇進です。おめでとうございます。ナンパネタも行き着くところまで行って、来週はどんなナンパネタになるのでしょうか。今から楽しみです!」

・ 1パー(%)でこの目の痒み本番は… (名人・のりりん)
・母さんの子に また生まれ変わっても(柳王・咲弥アン子)
・折り紙の花も花瓶に生けてやる(初投稿・ぱんまろ)
・4月からあなたにチェルシーあげれない(大柳王・ユリコ)
・梅ふふむ習い浮かんだ胸ふふむ(名人・パリっ子)
・花粉症歯医者さんには向いてない(柳王・アンリ)
・水割りにもう変わったよ福岡は(全裸川柳家・そうそう)
・たこ焼きのタコになるとは知らぬタコ(名人・翔のんまな)

◎今週の一句・もうナンパ君が最後とするナンパ(ナンパも名人・soji)
◯二席・ボランティア行けずに探す募金箱(柳王・恋するサボテンちゃん)
◯三席・政倫審腹を切らずに白を切る(じゅんちゃん)

【お知らせ】
毎日新聞をお読みの方はご存じと思いますが、
3月2日土曜日に、仲畑流万能川柳の2023年の年間賞が発表されました!!
ハガキで15万407通、句数にして約60万の投句があった中から大賞に選ばれたのは、
奈良県生駒市の大ベテラン、鹿せんべさんの「低級な人でも乗れる高級車」
「低級な人でも乗れる高級車」でした!!
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【編集後記】
毎日新聞の仲畑流万能川柳も3月2日(土)、
昨年の年間各賞が発表されました。
受賞の皆さん、本当におめでとうございます!!
2024年の年間賞はラジ川ファミリーだといいなあ!!(水野タケシ拝)

○3月13日の放送
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UNJUNさんのデビューリサイタルの模様も!

放送の音源・・・https://youtu.be/Bf2zIHGreyQ

あさひろさんのボツのツボ
今週はなし!!ごめん!!

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は218の投句がありました。ありがとうございます!
・ミニトマト食べてやったぜ偉いだろ! (名人・わこりん)
・本当に川で洗濯してた母(東孝案)
・永遠に定年ないの妻の家事(柳王・ポテコ)
・強面可愛い犬を連れ散歩(相模のトム・クルーズ)
・ホワイトデー天使ちょっぴり動きます(恋愛名人見習い・名もなき天使)
・しゃまさん句集まるで宝石箱のよう(大柳王・すみれ)
・来年と思っていたらもう明日(大柳王・平谷五七五)
・自分にもできると思ったかめはめ波(シゲサトシ)
・うちの子はピッコロさんが好きでした。(柳王・はる)
・美女よりも女盛りの私見て(大名人・やんちゃん)
・子が巣立ち妻はランチに俺ナンパ(名人・まご命)
・小田急に乗れるチャンスの沿線会(柳王・東海島田宿)
・高校へ病倒してリチャレンジ(名人・大和三山)
・クリアして戻した人生夢で見る(初投稿・辰巳清治)
・チワワ飼い付き合い下手に友が出来(とんからりん)
・鳥山さんバイちゃするには早すぎる(名人・おむすび)
・不適切学び直して議員さん(ココナッツ)
・留守電の咳払いで父と知る(遊子)
・震災に生まれた孫の反抗期(柳王・かたつむり)

☆タケシのヒント!
「かたつむりさん、10回目の秀逸で大柳王昇進です。おめでとうございます。『震災』と『反抗期』の取り合わせが新鮮。あの日を思えば、生きてるだけで丸儲けですよね。」
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・親子でも詠んでみたいが詠まぬ吾子(名人・居酒屋たつみ)
・賃上げのニュース消してる自営業(大名人・ワイン鍋)
・総理には文句言えるが上司には(名人・金星玉三郎)
・ムードより如何に安いか三年目(矢部暁美)
・人生の宝の中で歌う幸(大名人・じゅんじゅん)
・マスクゴーグルいっそきっぱり宇宙服(大柳王・里山わらび)
・お騒がせ議員見るのも気恥ずかし(名人・せ・ら・び)
・575万柳入選おめでとう(名人・くろぽん)
・初舞台どうだったかなぁじゅんじゅんさん(しゃま)
・私にも来ましたクシャミ目の痒み(大柳王・けんけん)
・大名人お祝いしてとするナンパ(ナンパも大名人・soji)
・海外じゃ岸田氏よりも鳥山氏(名人・のりりん)
・JUN JUNのシャンソン聴けるCDで♪(柳王・咲弥アン子)
・チェルシーがとんでもない値で売られてる(柳王・フーマー)
・おめでとうの門出の先にある格差(大名人・マルコ)

◎今週の一句・震災に生まれた孫の反抗期(柳王・かたつむり)
◯二席・来年と思っていたらもう明日(大柳王・平谷五七五)
◯三席・留守電の咳払いで父と知る(遊子)

【お知らせ】
毎日新聞の朝の顔・仲畑流万能川柳、
その年に一度の集い「強運会」が5年ぶりに行われます。
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【編集後記】
JUNJUNさんの感動のデビューリサイタルの模様を少しですが放送させていただきました。
ディレクターの近藤さん、ご尽力本当にありがとうございます!!
忘れられない放送となりました!!(水野タケシ拝)  
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」http://ameblo.jp/takeshi-0719/


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郷愁の詩人与謝蕪村 №25 [ことだま五七五]

秋の部 2 

             詩人  萩原朔太郎


おのが身の闇(やみ)より吠(ほ)えて夜半(よわ)の秋

  黒犬の絵に讃(さん)して咏(よ)んだ句である。闇夜(やみよ)に吠える黒犬は、自分が吠えているのか、闇夜の宇宙が吠えているのか、主客の認識実体が解らない。ともあれ蕭条(しょうじょう)たる秋の夜半に、長く悲しく寂しみながら、物におびえて吠え叫ぶ犬の心は、それ自ら宇宙の秋の心であり、孤独に耐え得ぬ、人間蕪村の傷ましい心なのであろう。彼の別の句

愚ぐに耐えよと窓を暗くす竹の雪

 もこれとやや同想であり、生活の不遇から多少ニヒリスチックになった、悲壮な自嘲的(じちょうてき)感慨を汲(く)むべきである。

冬近し時雨(しぐれ)の雲も此所(ここ)よりぞ

 洛東(らくとう)に芭蕉庵を訪ねた時の句である。蕪村は芭蕉を崇拝し、自分の墓地さえも芭蕉の墓と並べさせたほどであった。その崇拝する芭蕉の庵(いおり)を、初めて親しく訪ねた日は、おそらく感激無量であったろう。既に年経て、古く物さびた庵の中には、今もなお故人の霊がいて、あの寂しい風流の道を楽しみ、静かな瞑想(めいそう)に耽(ふけ)っているように見えたか知れない。「冬近し」という切迫した語調に始まるこの句の影には、芭蕉に対する無限の思慕と哀悼(あいとう)の情が含まれており、同時にまた芭蕉庵の物寂(ものさび)た風情が、よく景象的に描き尽つくされている。さすがに蕪村は、芭蕉俳句の本質を理解しており、その「風流」とその「情緒」とを、完全に表現し得たのであった。

『郷愁の詩人与謝蕪村』 青空文庫


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №179 [ことだま五七五]

    読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆2月21日、28日放送分

         川柳家・コピーライター  水野タケシ


川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
2月21日の放送です。
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しゃまさんの川柳文庫「ビタミンS」を手に!! 

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから↓
https://fm839.com/program/p00000281
放送の音源・・・・https://youtu.be/1D0qe0XCf7g?si=JvlmKZGtLfGLyZoI

 あさひろさんのボツのツボ
「だとしても騒ぎすぎでしょ8センチ」(すみれ柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は175の投句がありました。ありがとうございます!
・嫁小言「わかったわかった」聞かぬ義父(ちち)(大名人・ポテコ)
・脱け殻の様な布団に泣く夜明け(矢部暁美) 
・お洒落して主(ぬし)より目立ちお犬様(ゆかいな仲間) 
・義理と言いもらったチョコはハート型(恋愛名人見習い・名もなき天使) 

☆タケシのヒント!
「当ラジオ万能川柳の人気者の1人、名もなき天使さん、初めての秀逸です。おめでとうございます。『う〜ん
女性の心はわかりません』と句の余白にメッセージ。現在進行形の恋愛模様、臨場感がありますね。」

・ムズムズと律儀に来たな花粉症(名人・キジバト交通)
・花粉症生ゴミよりもティッシュの山(ココナッツ) 
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横須賀市市民大学の様子

・大臣の器でないとわかる人(柳王・東海島田宿) 
・sojiさん覚醒前夜二刀流(名人・パリっ子) 
・自民党おれも欲しいよ還付金(じゅんちゃん) 
・北の熊どういう最期迎えるか(シゲサトシ) 
・ため息がお金になればいいのにな(名人・大和三山) 
・主力車は軽でも罪は重たいぞ(名人・まご命) 
・ファンブック次号は4句載る快挙(大名人・高橋永喜) 
・繋がって繋がって又繋がった(大柳王・けんけん) 
・ 20度を超えて2月にボケの花(柳王・はる)
・コイバナのジャンル確定天使さん(遊子) 
・うろたえちゃあかんあかんとうろたえる(名人・翔のんまな) 
・一番星隣の星で僕はいい(柳王・恋するサボテンちゃん)
・こだわりは何なのだろうもうバツ2(とんからりん) 
・髪型でやってる感を出す総理(柳王・アンリ) 
・おっぱいにあせもが出ちゃうまだ2月(柳王・かたつむり)
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・年取ると大切なのは友ばかり(名人・居酒屋たつみ)
・卵ない生活にもう慣れちゃって(大名人・ワイン鍋) 
・半分こする相手いるあたたかさ(なつ) 
・詰め替えをするのはいつも同じ人(柳王・ぼうちゃん) 
・裏金の次のニュースはボランティア(大柳王・里山わらび) 
・独りだよ生まれるときも死ぬときも(大柳王・平谷五七五)
・社告出て新聞を買い占め回り(しゃま)
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・第二ボタン卒業式で逆ナンパ(ナンパも名人・soji) 
・ 句ができぬこれはビタミンS不足? (柳王・荻笑) 
・支持ないが粛清がないだけましか(大柳王・入り江わに) 
・岸田サンだんだん哀れに見えて来た(名人・のりりん) 
・納税の呼びかけまずは党内で(大柳王・ユリコ)
・どうやって帰る日決める白鳥は(柳王・咲弥アン子) 
・マツケンに負けぬ衣裳でコンサート(大名人・じゅんじゅん) 
・パンイチでいたいくらいの暑さです(名人・わこりん)
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わこりんのサインとわこりんの好きな自作川柳(美ら小雪さん提供)

・ 一割台しょぼいバッター替えられず(柳王・フーマー)

◎今週の一句・義理と言いもらったチョコはハート型(名もなき天使) 
◯二席・裏金の次のニュースはボランティア(大柳王・里山わらび)
◯三席・ため息がお金になればいいのにな(名人・大和三山)

【質問リターンズ】
川柳の公募が最近たくさんありますが、落選した句を他の公募に出してもいいものなのでしょうか?
私は、推敲して読み直してから応募することはあるのですが、
元々の発想が同じだとどうしても類句になってしまいます。師匠の考えをお聞かせください。

【編集後記】
政治ネタが燃え盛っています。
確定申告のシーズン、政治とカネには本当に腹が立ちますね。
「熱しやすく冷めやすい」と言われがちな私たちですが、
この熱い怒りは次の選挙まで絶対に忘れずにいましょう。(水野タケシ拝)

〇2月28日の放送
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むせました〜(涙)
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やさしいかたつむりさん、ありがとう!m(__)m
放送の音源・・・https://youtu.be/8oRGx4Sysos


 あさひろさんのボツのツボ
「調べてみてやっと分かったABC」(名もなき天使さん)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は179の投句がありました。ありがとうございます!
・プロ目指し海越え学ぶスラッガー(新名人・せ・ら・び)
・手探りの恋は駆け引き武者修行(矢部暁美)
・コロナ禍でひっそり消えた友ひとり(とんからりん)
・孫娘なかなかのハンサムボーイ(ゆかいな仲間)
・大谷の明るい話題聞き飽きた(東孝案)
・カブったと言って揃いのモノ渡す(恋愛名人見習い・名もなき天使)
・最高値オレの暮らしに変化なし(シゲサトシ)
・健康はラジ川投句ナンパ爺(名人・まご命)
・恋バナに聞き耳立てる熟女会(大名人・やんちゃん)
・ミサイルが落ちた村にも梅ふふむ(名人・バレリア)
・寒暖差おじさんギックリイタタタタ(名人・金星玉三郎)
・スマホ画面広告の×小さくて(柳王・ぼうちゃん)
・卓球の未来明るい15歳(柳王・はる)
・公開か非公開かでああのん気(柳王・東海島田宿)
・もう誰も乗せてやれない新幹線(大名人・高橋永喜)
・しゃまさんに近づくように句集買い(名人・居酒屋たつみ)
・月裏でひとり焼肉かぐや姫(柳王・恋するサボテンちゃん)
・花粉症医者もくしゃみが止まらない(名人・翔のんまな)
・クラス替えポニーテールは前の席(遊子)
・「お先へどうぞ」レジ譲られただけ春(大柳王・すみれ)
・わこりんちゃんサイン下さい飾ります(柳王・かたつむり)
・植物も自律神経乱れそう(大名人・ワイン鍋)
・人間は神にも悪魔にもなって(大柳王・平谷五七五)
・ばあちゃんの自慢を暗記してる孫(大柳王・入り江わに)
・最高値遠く見上げる岸田株(大柳王・里山わらび)
・アンコールみんなで歌うろくでなし(大名人・じゅんじゅん)
・ 13になったらトマト食う多分(名人・わこりん)
・ググったら知り得て嬉しアサギマダラ(名人・くろぽん)
・十回は荻笑さんのところ聞き(しゃま)
・たつみさんお祝いします誕生日(ナンパも名人・soji)
・もし私花が咲くならきっと今(大柳王・けんけん)
・プーチンが「プーチン」やめれば来る平和(大名人・不美子)
・ちょっとだけじらし季節は春になり(名人・のりりん)

☆タケシのヒント!
「2月も終わり、ということで、春らしく明るく楽しい一句を秀逸に選びました。『もう少しで』という時が一
長く感じるんですよね。」

・しゃま・わこりん・アン子今週LEVELアーップ!(柳王・咲弥アン子)
・ 横ちんと友を呼んだらざわつかれ(大柳王・ユリコ)
・温もりを感じる美女の尻の後(全裸川柳家・そうそう)

◎今週の一句・ちょっとだけじらし季節は春になり(名人・のりりん)
◯二席・「お先へどうぞ」レジ譲られただけで春(大柳王・すみれ)
◯三席・公開か非公開かでああのん気(柳王・東海島田宿)

【お知らせ】
「貧困さんいらっしゃいなら出れるのに」「貧困さんいらっしゃいなら出れるのに」
「会社ではなくて変えたいのは上司」「会社ではなくて変えたいのは上司」
「ダイエットほうれい線を二重にし」「ダイエットほうれい線を二重にし」
の川柳で知られ、このラジオ万能川柳でも大人気の作家に一人、しゃまさんが、
仲畑流万能川柳文庫40「ビタミンS」を刊行しました!!
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【編集後記】
24日(日)から花粉症で目がかゆい、かゆい!!
私を含めて、そんな方も多いのでは??
でも、まだ、今シーズンの1パーセントの花粉しか飛んでいないとか。
この先一体どうなっちゃうの!?(涙)助けて~~!!(水野タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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こふみ会へGO七GO №128 [ことだま五七五]

「立春」「日向ぼこ」「鱈」「手袋」 

                         俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和6年2月の句会≫の案内状が送られました。

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おはようございます。
きょうから2月。春のきざしもありますが、
もう一枚、更に重ね着をするという、如月です。
まだまだ寒い日が訪れます。お気をつけて。
さて、今月の幹事は、一遅が務めさせていただきます。

兼題は
①立春 
陰暦の暦では節分の次の日、正月のこと。今年は2月4日です。
今年は特に、あらためて正月をしたい気分ですね。

②日向ぼこ 
小春日和の午後、厚着の背中が熱くなるほど暖かな日があります。
そんな日は、できるだけ、からだを動かしましょうか。

③鱈 
冬の魚の代表。魚屋の店先にもきれいな切り身が並んでます。
白子は、茹でても焼いても美味。熱燗徳利がすぐにからっぽ。

④手袋 
落し物か忘れ物か、路傍の片手袋を見つけ撮影する知人がいますが、
手袋には、なぜかドラマが宿りますね。

と、ちょっとイメージを付けさせていただきました。
それでは、ふるって、一遅アドレスまで、ご投句ください。
締め切りは、2月10日(土)の深夜までといたします。

                       以上。森田一遅

◆24日(土)までに選句のメールを一遅にください。

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案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は16名64句。

【立春】
1. 芽出たいな裏返しても立春大吉(八傘)
2. 春立って指揮者小澤の旅立ち(鬼禿)
3. 立春に湯気たちのぼる醸造所(紅螺)
4. 立春やあなたかわりはないですか(矢太)
5. 顔ぶれの変わり行く町春立ちぬ(弥生)
6. 立春すぎ冬が閉じ込めに来たとは(兎子)
7. 昨日より一日老いて春立ちぬ(虚視)
8. 立春の響きが嬉し空仰ぐ(華松)
9. 立春や昨夜の豆で燗一合(一遅)
10.手を広げ抱く命あり春立ちぬ(なつめ)
11.立春のバイクどどどと始動せり(すかんぽ)
12.気にかけし数値みてをり春立ちぬ(尚哉)
13.街も人もオブラートの中春立つ日(茘子)
14.ピンポンの球になりたや今日立春(下戸)
15.コーヒーの香り揺らぎて春たちぬ(玲滴)
16.春立つや乾杯照らす赤提灯(蕃茄)

【日向ぼこ】
17.父遺愛の揺り椅子揺らし日向ぼこ(弥生)
18.日向ぼこ指の間から宇宙(そら)をみる(矢太)
19.先生のYシャツの匂い日向ぼこ(下戸)
20.日向ぼここのままいって終いたい(鬼禿)
21.宿の無き猫定席で日向ぼこ(虚視)
22.武器棄てて一緒にどうぞ日向ぼこ(すかんぽ)
23.香ばしき子犬の匂ひ日向ぼこ(なつめ)
24.日向ぼこ隣に死ぬる祖母も来て(茘子)
25.窓ごしに富士見る余生日向ぼこ(一遅)
26.日向ぼこ猫の流儀を倣いとす(尚哉)
27.南向き暑いくらいの日向ぼこ(華松ょ
28.人形の日向ぼこにはふさわしい(兎子)
29.日向ぼこ逸材2歳母の膝(八傘)
30.棟梁がお昼休みの日向ぼこ(紅螺)
31.野良猫に頭(こうべ)を垂れて日向ぼこ(蕃茄)
32.日なたぼこ背中ける子の足の裏(玲滴)

【鱈】
33.鱈を摺る竹輪になあれとただに摺る(尚哉)
34.鱈の身のほんのり赤く新所帯(一遅)
35.鱈干すとう便りも途絶え北国の友(弥生)
36.鱈船の吹雪背負って帰り来ぬ(茘子)
37.鱈さばくかっての己を裁くごと(鬼禿)
38.シェフひとり名もなき鱈と皿の上(下戸)
39.棒鱈のほろり優しき母の味(なつめ)
40.つんつんと突けば波打つ鱈の腹(すかんぽ)
41.鱈鱈鱈海を隠して干し上がる(虚視)
42.鱈睨む鱈には鱈の怒りあり(矢太)
43.鍋か揚げムニエルもいいね鱈わらう(兎子)
44.鱈の身を一枚二枚とはがしてる(華松)
45.厳寒の海を泳ぎて鱈鍋に(玲滴)
46.善哉や鱈でちりちりダイヤモンド婚(八傘)
47.鍋つつく隣は鱈より白き指(蕃茄)
48.先生が鱈のアク取り懇々と(紅螺)

【手袋】
49.手のかたち残し手袋冷えゆくや(虚視)
50.手袋の物欲しさうな脱がれやう(すかんぽ)
51.手袋を外して繋ぐ君の手と(なつめ)
52.手袋と生き別れたり山手線(下戸)
53.失くなった片手袋の孤独(鬼禿)
54.公園のベンチの手袋誰を待つ(茘子)
55.手袋をつなぐ紐編む母遥か(弥生))
56.きのうから手袋の中身がみつからぬ(矢太)
57.片手袋ドラマありけむ橋の上(尚哉)
58.くず毛糸で少女手袋編む夜更け(紅螺)
59.手袋や尾を振る犬が咥え持ち(蕃茄)
60.ちっこい手袋ゆび3本でVサイン(八傘)
61.南吉の狐の親子は手袋買いに(玲滴)
62.手を入れる片方のみの手袋に(華松)
63.今日は手袋がほしい探すがない(兎子)
64.手袋の両手ほっぺに通学路(一遅)

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【天句の鑑賞】

◆先生のYシャツの匂い日向ぼこ(矢太)
鑑賞短文=父でもなく「先生のYシャツ」と詠まれたことで、石鹸の香りが漂いそうな清廉さと温かみを感じました。(なつめ選)

◆手袋と生き別れたり山手線(下戸
鑑賞短文=「生き別れ」の大げさ感に俳諧味があっていいですね。手袋は自分の分身なので、「生き別れ」が効いています。(すかんぽ選)

◆ピンポンの球になりたや今日立春(下戸)
鑑賞短文=生命たちの歓ぶ有り様。ピンポンときましたか。まいりました。(八傘選)

◆香ばしき子犬の匂ひ日向ぼこ(なつめ)
鑑賞短文=可愛い子犬と柔らかな陽射、香ばしい匂いに包まれ、ぽっと胸の中に光が射したような気持ちになりました。ボクサーを飼っていた時がありましたが、、ぐっすり眠ると、とても香ばしい良い匂いになりました。(虚視選)

◆手を広げ抱く命あり春立ちぬ(なつめ)
鑑賞短文=自然界に諸々の生命が芽吹く、その息吹を一身に浴びて駆けてくる「命」、春たつ喜びにあふれるようです。(玲滴選)

◆棒鱈のほろり優しき母の味(なつめ)
鑑賞短文=懐かしい棒鱈の料理はまさしく母の味。思わず往事がよみがえりました。(弥生選)

◆顔ぶれの変わりゆく町春立ちぬ(弥生)
鑑賞短文=歳々年々人不同、町も同じですね。さらりと変化を詠む手腕に脱帽です。(華松選)
鑑賞短文=すぐに能登の被災地を連想させますね。避難して離れてしまった人たちは、もう帰らないのか・・・。(尚哉選)

◆手のかたち残し手袋冷えゆくや(虚視)
鑑賞短文=まさに写実ですね。素晴らしい!(茘子選)

◆昨日より一日老いて春立ちぬ(虚視)
鑑賞短文=「春立ちぬ時ゆったりと矢の如く」の拙句を鑑賞返句としたい。(矢太選)

◆日向ぼこ隣に死ぬる祖母も来て(茘子)
鑑賞短文=この季語で私も「このまま逝って~」と詠みましたが、「死ぬる祖母」と添い寝とは大胆。それでいてスーとする明るさ。恐れいりました。(鬼禿選)
鑑賞短文=亡くなったおばあちゃんが、ふと隣にいるような、長閑な、穏やかな、そして少しだけ寂しい景色が素敵です。(兎子選)

◆立春のバイクどどどと始動せり(すかんぽ)
鑑賞短文=春が来て、風を切って疾走するバイク。躍動感に心躍ります。(紅螺選)

◆手を入れる片方のみの手袋に華松
鑑賞短文=片方の手袋に大小2つの手を入れる親子か、はたまた恋人同士か、それとも片方だけになった手袋に手を入れるのかも。片方の手袋から始まる物語に、想像が尽きません。(蕃茄選)

◆鱈の身のほんのり赤く新所帯(一遅)
鑑賞短文=新しい所帯の初々しさ鱈の身によって表わされていて、なんだか新鮮な気分になりました。(下戸選)

◆きのうから手袋の中身がみつからぬ(矢太)
鑑賞短文=手袋の中身?は手?別役実の戯曲を見るような不条理、新たな俳句の地平です。(一遅選)
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【今月の天地人】

【天句】    23点  顔ぶれの変わりゆく街春立ちぬ   弥生
【地句】    19点  羊のかたち残し手袋冷えゆくや   虚視
【人句】    18点   昨日より一日老いて春立ちぬ   虚視
        18点   武器捨てて一緒にどうぞ日向ぼこ    すかんぽ

【総合天】52点 虚視さん
     代表句=羊のかたち残し手袋冷えゆくや
【総合地】43点 なつめさん
     代表句=手を拡げ抱く命あり春立ちぬ
【総合人】38点 下戸さん
     代表句=ピンポンの球になりたや今日立春

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【幹事よりひと言】
面白く幹事をさせていただき、ありがとうございました。
「立春」のスタート感をどのように伝えようか・・皆さまそれぞれの工夫が面白かったです。
「日向ぼこ」は、日の匂い、猫や犬、夢のような幻想のような情景も飛び出し、楽しめまし
た。「手袋」では、片方にイメージがだいぶいきましたが、ちょっと幹事の兼題コメントが
余計なことだったのかと反省しています。 常勝の虚視さんが天、なつめさん、下戸さんとこ
のところの流れは変わりませんでした が、なつめさんと下戸さんは、4句のうち3句に天が
入るという効率の良さ。もう一句あればパーフェクトですかね? 最後にもう一度、こふみ会
は、幹事をするのがいちばん面白い。これ、今回の結論でした。ありがとうございました。
一遅


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郷愁の詩人与謝蕪村 №24 [ことだま五七五]

秋の部 1

          詩人  萩原朔太郎

門(かど)
を出て故人に逢あひぬ秋の暮

  秋風落寞(らくばく)、門を出れば我れもまた落葉の如く、風に吹かれる人生の漂泊者に過ぎない。たまたま行路(こうろ)に逢う知人の顔にも、生活の寂しさが暗く漂っているのである。宇宙万象の秋、人の心に食い込む秋思の傷みを咏(えい)じ尽(つく)して遺憾なく、かの芭蕉の名句「秋ふかき隣(となり)は何をする人ぞ」と双壁(そうへき)し、蕪村俳句中の一名句である。
  この句几董(きとう)の句集に洩(も)れ、後に遺稿中から発見された。句集の方のは
     門を出れば我れも行人(ゆくひと)秋の暮
であり、全く同想同題である。一つの同じテーマからこの二つの俳句が同時に出来たため、蕪村自身その取捨に困ったらしい。二つとも佳作であって、容易に取捨を決しがたいが、結局「故人に逢ひぬ」の方が秀(すぐ)れているだろう。

秋の燈(ひ)やゆかしき奈良の道具市

  秋の日の暮れかかる灯(ひ)ともし頃ごろ、奈良の古都の街はずれに、骨董(こっとう)など売る道具市が立ち、店々の暗い軒には、はや宵の燈火あかりが淡く灯(とも)っているのである。奈良という侘(わび)しい古都に、薄暗い古道具屋の並んだ場末を考えるだけで寂しいのに、秋の薄暮の灯ともし頃、宵の燈火(あかり)の黄色い光をイメージすると、一層情趣が侘しくなり、心の古い故郷に思慕する、或る種の切ないノスタルジアを感じさせる。前に評釈した夏の句「柚ゆの花やゆかしき母屋もやの乾隅(いぬいずみ)」と、本質において共通したノスタルジアであり、蕪村俳句の特色する詩境である。なお蕪村は「ゆかしき」という言葉の韻に、彼の詩的情緒の深い咏嘆(えいたん)を籠(こ)めている。

飛尽(とびつく)す鳥ひとつづつ秋の暮

  芭蕉の名句「何にこの師走(しわす)の町へ行く鴉(からす)」には遠く及ばず、同じ蕪村の句「麦秋(むぎあき)や何に驚く屋根の鶏(とり)」にも劣っているが、やはりこれにも蕪村の蕪村らしいポエジイが現れており、捨てがたい俳句である。

『郷愁の詩人与謝蕪村』 青空文庫



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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №178 [ことだま五七五]

        読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆2月7日、14日放送分

         川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
2月7日の放送です。
アイフォン不調のため写真はなし(ごめんなさい)

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから↓
放送の音源・・・https://youtu.be/3n5Vgaf4g5g

 あさひろさんのボツのツボ
「恵方巻き恵方向かなきゃただの巻き」(荻笑柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週はの投句がありました。ありがとうございます!
 ・チョコを買う松竹梅と3ランク(とんからりん)
・おそろいのキーホルダーを渡せない(恋愛名人見習い・名もなき天使) 
・皆様の清き選句を心待ち(名人・パリっ子) 
・痛いとこばかりが増えて金増えぬ(名人・金星玉三郎)
・当てられた豆をつまみに妻と酒(大名人・やんちゃん) 
・先頭に立って裏金隠してる(横山閲治郎) 
・食料の残り調べる雪予報(大名人・せきぼー) 
・まく人もまかれる鬼も4年ぶり(シゲサトシ) 
・うへへへへ嬉し卓球初勝利(名人・わこりん) 
・わこりんの素直な句から学んでる(名人・居酒屋たつみ) 
・文春の会社理念はなんですか (名人・おむすび) 
・よく通る道をそれたら非日常(柳王・ぼうちゃん) 
・震えつつついで装い渡すチョコ(なつ)
・野党とて油断ならない裏の金(柳王・東海島田宿) 
・どこでもドアあっても使わぬ気がしてる(柳王・恋するサボテンちゃん) 
・パレードに元気もらって相模原(新大柳王・すみれ) 
・後ろ髪引かれて介護から帰る(大名人・高橋永喜) 
・豆撒いて豆乳飲んで鬼払う(名人・キジバト交通) 
・推し活や推しも推されも還暦だ(桐山榮壽) 
・重機かな?思えばウチの室外機(大名人・ワイン鍋) 
・失言は推しのサインの麻生さん(せ・ら・び) 

☆タケシのヒント!
「せ・ら・びさん、3回目の秀逸で名人昇進です。おめでとうございます。『うがち(深読み)』の句ですが、それがバレちゃっているところが、麻生さんらしいというか。案外いい人なのかも。知らんけど。」

・冷え込みに夏の猛暑を懐かしむ(大柳王・里山わらび) 
・振り向けばナンパの主は逃げていき(名人・くろぽん)
・毎日がお赤飯だな句が詠める(大名人・不美子) 
・天使さんその囁きは悪魔だよ(ナンパも名人・soji) 
・5次会も行くつもりです小田急会(しゃま) 
・子が育ちハグできるのはダンナだけ(大柳王・入り江わに) 
・書いてあるその顔にもう何もかも(大柳王・けんけん) 
・裏側で支払ったのネ保釈金(名人・のりりん)
・空位なら私になるわよミス日本(大柳王・ユリコ) 
・久喜川で咲いてたピンクのくろぽんさん(柳王・咲弥アン子)
・ドロボウを追いかける俺でも全裸(全裸川柳家・そうそう) 
・つけまつ毛ドバッと決めて初舞台(大名人・じゅんじゅん)
・福は内〜福は内〜とそればっか(柳王・かたつむり)
・恵方呑みここはやっぱり鬼ころし(柳王・フーマー) 

◎今週の一句・失言は推しのサインの麻生さん(せ・ら・び)
◯二席・毎日がお赤飯だな句が詠める(大名人・不美子) 
◯三席・震えつつついで装い渡すチョコ(なつ)

【お知らせ】
相模原市の中央区にお住まいの方はご覧になった方もいると思うんですけれども、
先週のタウンニュースの中央区版に「タケシの万能川柳」が
10周年を迎えたという記事が出ました。
タイトルは「『居場所』川柳コーナーが10周年」。
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【編集後記】
久しぶり、本当に久しぶりの大雪です。
調べたら、2018年1月22日以来。
寒いのが苦手な私は、去年の酷暑を忘れて、
もう夏を懐かしがっております。勝手だね!(水野タケシ拝)

○2月14日の放送
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暖かくなってきました!!

放送の音源・・・https://youtu.be/jI90qOiZ1Yw

 あさひろさんのボツのツボ
「さよならと微笑む君の精一杯」(矢部暁美さん)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は185の投句がありました。ありがとうございます!
・雪降ってあわてふためく東京都(ぶたのはなこ)
・手羽先をけばさきと言う老いた母(初投稿・ゆかいな仲間)
・本命の手作りよりも義理が良い(大柳王・入り江わに)

※投票した人にも大チャンス!オタク川柳にご投票願います!!
「宗教の勧誘に勝つ萌え語り」です!
↓こちらからどうぞ↓
・泌尿器科なぜ選んだかこの美女医(大名人・龍龍龍)
・春を待つ街がゆっくり蕩け出す(矢部暁美)
・記憶ないってそんなのいいからはよ辞めて(新名人・せ・ら・び)
・本名や義理ではなくて感謝チョコ(シゲサトシ)
・医者帰り薬の袋ひとかかえ(じゅんちゃん)
・迷わずに選んだあなただけのチョコ(大名人・やんちゃん)
・おじょうちゃん麦チョコひとちゅありがとね(大名人・せきぼー)
・記憶ない駄目なら次は入院だ(名人・まご命)
・楽しいか効率ばかり求めてさ(大名人・高橋永喜)
・ 十五の子夢に向かって春の宵(名人・大和三山)
・黒星のひとつでニュース藤井君(とんからりん)
・手作りのチョコの相手は友ばかり(名人・わこりん)
・暖かさ桜の開花早めそう(柳王・アンリ)
・バレンタイン白旗を上げ帰宅する(柳王・恋するサボテンちゃん)
・パーティー券どんな名前に替えるのか (遊子)

☆タケシのヒント!
「実に深い深い一句、また次の抜け道を見つけるのでしょうね。監視しましょう。そして次は絶対、選挙に行きましょう!

・選挙中お札入った握りめし(名人・くろぽん)
・女性なら声かけたいね天使さん(ナンパも名人・soji)
・友の文また読み返す冬日向(大柳王・すみれ)
・お花見は泊まりにするか思案中(大名人・ポテコ)
・プレシーズン大谷にもう飽きている(大名人・ワイン鍋)
・大当たり私をひいておめでとう(なつ)
・大谷はいじめ抜きます下半身(大柳王・平谷五七五)
・書籍代三千万の心読む(柳王・東海島田宿)
・盛りあがる緊張感で身を細め(大名人・じゅんじゅん)
・天使さん恋のチョコの句待ってます(しゃま)
・川柳の本も買ったかニ階さん(大柳王・ユリコ)
・ありがとう何で涙が出るんだろ (大柳王・けんけん)
・年一度にぎわう球春日南市(名人・のりりん)
・混浴を毎日妻に断られ(全裸川柳家・そうそう)
・新名人せ・ら・び足音背後まで(先輩名人・パリっ子)
・自分用チョコのつもりで肉を買う(柳王・フーマー)
・ご主人の手際の良さと能弁と(名人・居酒屋たつみ)
・師匠枯れても私は枯れず(柳王・咲弥アン子)

◎今週の一句・パーティー券どんな名前に替えるのか(遊子)
◯二席・手作りのチョコの相手は友ばかり(名人・わこりん)
◯三席・ 十五の子夢に向かって春の宵(名人・大和三山)

【お知らせ】
昨年10月から行ってきました横須賀市民大学の「やさしい!楽しい川柳入門」も
この2月をもって終了となります。参加してくださった皆さん、ほんとにありがとうございました。
「やさしい!楽しい川柳入門」はいったん2月で終了しますが、さらにパワーアップして、
5月から全10回でまた行う ことに なりました。
 興味 のある 方はお早めに 、公益 財団法人横須賀市 生涯 学習 財団 まで 
ご連絡 お願い いたします。
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【編集後記】
朝晩の寒暖差はありますが、やっと春らしく暖かくなってきました。
「ああ、いい気分だなあ」と思うと、やってくるのが花粉ですね。
私はこれからオンラインで耳鼻科にかかる予定です。
花粉症でなかったころの春が懐かしいなあ。(水野タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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郷愁の詩人与謝蕪村 №23 [ことだま五七五]

夏の部 8

       詩人 萩原朔太郎

五月雨(さみだれ)や御(みず)の小家(こいえ)の寝覚(ねざめ)がち

「五月雨や大河(たいが)を前に家二軒」という句は、蕪村の名句として一般に定評されているけれども、この句はそれと類想して、もっとちがった情趣が深い。この句から感ずるものは、各自に小さな家に住んで、それぞれの生活を悩んだり楽しんだりしているところの、人間生活への或るいじらしい愛と、何かの或る物床(ものゆか)しい、淡い縹渺(ひょうびょう)とした抒情味である。

百姓(ひゃくしょう)の生きて働く暑さ哉(かな)

 「生きて働く」という言葉が、如何(いか)にも肉体的に酷烈(こくれつ)で、炎熱の下に喘(あえ)ぐような響(ひびき)を持っている。こうした俳句は写生でなく、心象の想念を主調にして表象したものと見る方が好いい。したがって「百姓」という言葉は、実景の人物を限定しないで、一般に広く、単に漠然たる「人」即ち「人間一般」というほどの、無限定の意味でぼんやりと解すべきである。つまり言えばこの句において、蕪村は「人間一般」を「百姓」のイメージにおいて見ているので、読者の側から鑑賞すれば、百姓のヴィジョンの中に、人間一般の姿を想念すれば好いのである。もしそうでなく、単なる実景の写生とすれば、句の詩境が限定されて、平面的のものになってしまうし、かつ「生きて働く」という言葉の主観性が、実感的に強く響いて来ない。ついでに言うが、一般に言って写生の句は、即興詩や座興歌と同じく、芸術として軽い境地のものである。正岡子規(まさおかしき)以来、多くの俳人や歌人たちは伝統的に写生主義を信奉しているけれども、芭蕉や蕪村の作品には、単純な写生主義の句が極めて尠(すくな)く、名句の中には殆(ほと)んどない事実を、深く反省して見るべきである。詩における観照の対象は、単に構想への暗示を与える材料にしか過ぎないのである。

花茨(いばら)故郷の道に似たる哉(かな)

 「愁ひつつ丘に登れば花茨」と類想であって、如何(いか)にも蕪村らしい、抒情味(じょじょうみ)に溢(あ)ふれた作品である。この句には「かの東皐(とうこう)に登れば」という前書が付いているが、それが一層よく句の詩情を強めている。

『郷愁の詩人与謝蕪村』 青空文庫


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №177 [ことだま五七五]

    読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆1月17日、24日、31日放送分

          川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
1月17日の放送です。

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じゅんじゅんさんのコンサートのポスターandタウンニュースの反町隆史こと齊藤記者と

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
https://fm839.com/program/p00000281
送の音源・・・https://youtu.be/4LCVl0MN7vQ

あさひろさんのボツのツボ
「もう十日生きた今年もおめでとう」(龍龍龍大名人)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週はの197投句がありました。ありがとうございます!
・4日間息子の良さを再確認(柳王・ポテコ)
・さりげないボディタッチにドキドキし(恋愛名人見習い・名なき天使)
・大晦日みんなで笑う年にしょ(大柳王・平谷五七五)
・一週間ぶりの入浴聞き安堵(大名人・龍龍龍)
・こま犬もマスクを取って笑ってる(シゲサトシ)
・足りるかなトカゲのしっぽ準備する(柳王・東海島田宿)
・日が落ちて共通テスト終えた列(とんからりん)
・視察行く現地で一夜寄り添って(じゅんちゃん)
・幸せを感じる日々の当たり前(大名人・やんちゃん)
・本当に親父の息子なんやうか(名人・おむすび)
・手の数より句の数多い千手様(名人・バレリア)
・朝市の復興を待ついつまでも(名人・大和三山)
・餅っ腹ジャージはいてのテレワーク(初投稿・ココナッツ)
・カラス鳴く「アホー」「バカー」ときこえる日(柳王・荻笑)
・疑えばみんな怪しい人ばかり(名人・翔のんまな)
・バンクシー手本にしただけなのになぁ(遊子)
・命二つあったら懸けるこの恋に(大名人・マルコ)
・奇跡では無いよ訓練した成果(名人・高橋永喜)

☆タケシのヒント!
「高橋さん、5回目の秀逸で大名人昇進です。おめでとうございます。年始のJALの脱出劇を詠んだ句。新幹線の運転手を訓練する立場ににもあった作者ならではの句で、説得力があります。」

・同じ手が弔意ミサイル打つ矛盾(大柳王・入り江わに)
・窓ガラスプチプチ貼って冬ごもり(柳王・かたつむり)
・子がそっとつないでくれた手が温い(大名人・美ら小雪)
・句作りを励ます友の初便り(柳王・すみれ)
・子と共に共通テスト受ける朝(新柳王・はる)
・しみじみとぬるめの燗で偲ぶ夜(大柳王・里山わらび)
・飲んだこと無いのに賀状「また飲もう」?(大名人・ワイン鍋)
・天使さんいいなぁ私は飲めずフラれ(しゃま)
・次々と風邪がうつってあぁ家族(柳王・ぼうちゃん)
・もう犬は裸で散歩出来んのか (ナンパも名人・soji)
・はるサンに憧れ優しい句を目指す(名人・のりりん)
・頼ってよ諭され母はしばし休日(大名人・じゅんじゅん)
・泣かないで息子囁く千の風(大柳王・けんけん)
・狭すぎる視野が邪魔する反抗期(初投稿・矢部暁美)
・アハハハもジーンもウフフもあった久喜(柳王・咲弥アン子)
・四国中央市がトップニュースとは(大柳王・ユリコ)
・二時間で何を見て来た岸田さん(柳王・アンリ)
・2ページ目までは毎年きれいな字(全裸川柳家・そうそう)

◎今週の一句・奇跡では無いよ訓練した成果(名人・高橋永喜)
◯二席・次々と風邪がうつってあぁ家族(柳王・ぼうちゃん)
◯三席・子がそっとつないでくれた手が温い(大名人・美ら小雪)

【質問リターンズ】
本家万能川柳でやラジ川で五七五とは別に七七の句が稀に掲載されますが、
七七の句はいったい何なのでしょうか。川柳の一種でしょうか。
五七五とはどんな関係なんでしょうか?

【編集後記】
1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、といいますが、
ほんとに月日がたつのは早いですね。
仕事、仕事、仕事でちょっとお疲れモード。
いつもより多めに寝るようにしています。
被災している方も一日も早くゆっくり眠れるようになるといいなあ。

1月24日の放送

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じゅんじゅんさんのライブポスターとドリンク、
謎のあさひろさん

放送の音源・・・https://youtu.be/vGw6_6gA7GM

さひろさんのボツのツボ
「探し物見つけられない特技かも」(カラリさん)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は208の投句がありました。ありがとうございます!
・道徳の研修すべき自民党(東孝案)
・手相を見るフリして触る彼女の手(恋愛名人見習い・名もなき天使)
・グループは派閥でないと言い逃れ(刑事コロンダ)
・ボツのツボ自信作載り甘苦い(大名人・龍龍龍)
・尿道が凍結してるような朝(大名人・せきぼー)
・ボディタッチからの妄想止まらない(名人・大和三山)
・誰よりも上手に踏める地団駄は(矢部暁美)
・ビンのフタ少し夫に似て頑固(大名人・やんちゃん)
・最初から用意されてるしっぽ役(シゲサトシ)
・全員で派閥やめれば怖くない(初投稿・徳田みき子)
・限られた人生いがみ合う愚か(新大名人・高橋永喜)
・酔わないな思っていたらノンアルや! (遊子)
・「いいね」押す「まあまあいいね」とは言えず(柳王・恋するサボテンちゃん)
・待つという夢ある言葉あたためる(柳王・すみれ)

☆タケシのヒント!
「すみれさん10回目の秀逸、大柳王昇進です。おめでとうございます。春を待ち望む句が少しずつ増えてきました。つらいことの多い日々ですが、明日を信じて、春を信じて、前向きに生きていきましょう。」

・被災地で遊ぶな飛び交う流言飛語(とんからりん)
・責任は派閥に秘書に死んだ人(大名人・ワイン鍋)
・エコバック底には玉ネギの皮が(柳王・ぼうちゃん)
・ギシギシと音させているストレッチ(大名人・じゅんじゅん)
・雨の日に蟻の心配してる孫(柳王・アンリ)
・こんなにも耳が喜ぶ君の声(なつ)
・困ったな左持思って口は右(新柳王・はる)
・夢拓く月へSLIMの第一歩(大柳王・里山わらび)
・水も湯もひねり出てくる便利な世(名人・くろぽん)
・天使さん教えて欲しい恋のテク(しゃま)
・能登だけは今だけ願う温暖化(大柳王・平谷五七五)
・梅が咲く早春の陽を輪島にも(大名人・不美子)
・透明になったら全裸で歩きます(大柳王・荻笑)
・募金した帰りラーメン食べていこ(大柳王・けんけん)
・じゅんじゅんに出来るだろうかファンクラブ(ナンパも名人・soji)
・少しずつ春は近づいてるんだね(柳王・咲弥アン子)
・ラジ川でヤなこと句にし笑う技(名人・のりりん)
・仁王様なんでそなたは花乳首(大柳王・ユリコ)
・大感謝売名行為ボランティア(柳王・春爺)
・まっちゃんは悪くないです!知らんけど(大名人・美ら小雪)
・俺の句の横に「全裸」とメモがあり(全裸川柳家・そうそう)
・火八時ギリギリに出すドキドキ感(名人・パリっ子)

◎今週の一句・待つという夢ある言葉あたためる(柳王・すみれ)
◯二席・責任は派閥に秘書に死んだ人(大名人・ワイン鍋)
◯三席・こんなにも耳が喜ぶ君の声(なつ)

【お知らせ】
先週もお話ししましたが、タウンニュース・オール相模原版の
月末バラエティ「タケシの万能川柳」が、おかげさまで明日1月25日号で満10周年を迎えます。
ありがとうございます。ありがとうございます。
ということで先週、タウンニュースの齋藤明編集長が取材に来てくれて、
番組にも出演してくれました。齋藤編集長ありがとうございました。

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【編集後記】
「花粉症が来た!」という句友の話に影響を受けたか(受けやすいタイプなんですぅ)、
その話を聞いたとたんに、私も花粉症にかかったような……。
というわけで、今回はオンラインで受診し、薬を届けてもらいました。
リアルだったら半日仕事。これからはオンラインが増えそうです。(水野タケシ拝)

◆1月31日の放送

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今朝は少し暖かい相模原

放送の音源・・・https://youtu.be/9SFqpqfYIY0

あさひろさんのボツのツボ
「気付いたかブロッコリーのポテンシャル」(ユリコ大柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は230の投句がありました。ありがとうございます!
・押し倒せとカンタンに言う友がいる(しかも女) (恋愛名人見習い・名もなき天使)
・中身より読めぬ漢字に手が止まる(せ・ら・び) 
・教養じゃなくてモラルが欠けている(名人・おむすび) 
・妙子様切手シートが大当たり(柳王・かたつむり) 

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・花乳首グーグル検索最上位(名人・パリっ子) 
・冷蔵庫片付けるよにご飯食べ(大柳王・平谷五七五)
・セルフレジ迷うシニアで列をなす(ココナッツ) 
・裏金もみんなでもらえば怖くない(初投稿・小島操) 
・あと少し終わる1月早いなぁ(大名人・やんちゃん)
・想像の春めぐらせて暖を取る(大名人・せきぼー) 
・ね安倍さん今ごろ空でなに思う (シゲサトシ) 
・母の香の毛布内緒の宝物(名人・大和三山) 
・食洗機中を片づけるのは人(柳王・ぼうちゃん)
・安全の神話崩すな新幹線(大名人・高橋永喜)
・「うわ揺れた」騒げどたかが震度4 (大名人・ワイン鍋)
・無派閥が集まり作る新派閥(名人・まご命)
・叫び撮るパレード目線独り占め(柳王・ポテコ)
・嫁からのセーター色良しあったかい(名人・くろぽん)

☆タケシのヒント!
「いろいろあった1月ですが、こういう幸せな句で締めくくりたいです。お嫁さんからのプレゼント、というところがなお良いですね。読み手までほのぼの、心あたたかくなる句です。」

・カレンダー2キロ少なく書く体重(大名人・じゅんじゅん)
・裏金で買えばいいのにトイレカー(柳王・フーマー)
・こんなにも重い一月あったろか(大柳王・里山わらび)
・パリっ子さんパリの句会に奔走中(柳王・東海島田宿)
・sojiさん今やナンパは全国区(しゃま)
・震度3でもこんなに怖い(大柳王・けんけん)
・ありがとう万能川柳熊本会(辰五郎)
・半世紀手配写真はもう別人(名人・のりりん)
・昼寝する仏像の横マリア像(秀クリーム)
・孫が泣く一〇六歳のお葬式(柳王・はる)
・このトシになると楽しい片想い(柳王・咲弥アン子)
・ユリコさん衝撃的なあの一句(ナンパも名人・soji)
・ABC 順に昭和は恋進め(大柳王・ユリコ)
・新任が鬼の役する幼稚園(柳王・アンリ)
・人生をどこに忘れたテロリスト(大名人・マルコ)
・生きるってことの大変さを思う(全裸川柳家・そうそう)
・縄文の世に学んでる平和な世(名人・わこりん)
・子の水にそっと混ぜてるカモミール(大名人・美ら小雪)

◎今週の一句・嫁からのセーター色良しあったかい(名人・くろぽん)
◯二席・縄文の世に学んでる平和な世(名人・わこりん)
◯三席・裏金で買えばいいのにトイレカー(柳王・フーマー)

【質問リターンズ】
皆さんどのように句作りしていますか?楽しい句の作り方、教えてくださいね。

【編集後記】
いやなことが多かった1月が終わって2月が来ます。
2月は何事もないといいな。そろそろ私の好きな沈丁花も香るころ。
被災地のためにも早く春が来てほしい。(水野タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 

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こふみ句会へGO七GO №127 [ことだま五七五]

「福寿草」「冴ゆる」「風花」「春隣」 

                              俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和6年1月の句会≫の案内状が送られました。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
この2024年は辛く悲しい年明けとなりました。
ニュースを見るたびに胸が締めつけられます。
1日でも早く被災地の方々に平穏な日常が戻ることを祈るばかりです…。

それでは、兼題を発表致します。
今回は12月の総合天に輝きました虚視さんにご提案いただきました。
ありがとうございます。

①福寿草
②冴ゆる
③風花
④春隣

◆投句締切は、15日16日です。
それ以降の予定は随時ご報告致します。

寒の入りを迎えました、お風邪など召されませんようにご自愛くださいませ。

                             なつめ

◆選句の締切は1月24日(水)とさせていただきます。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は16名64句。

【福寿草】
01   福寿草小篭の中のさんざめき (紅螺)
02   福寿草小さき笑顔の続く世の(なつめ)
03   硝子越し昭和の香り福寿草(茘子)
04   陽のかげり少し閉じゆく福寿草(虚視)
05   福寿草15センチほどめでたけれ(一遅)
06   この正月福寿草の句は詠めぬ(鬼禿)
07   転び泣く吾子が守りし福寿草(蕃茹)
08   迷わずに咲いてしまった福寿草(矢太)
09   喃語(なんご)言ひ初む眩しき朝や福寿草(弥生)
10   寄り添ふて家族のやうな福寿草(すかんぽ)
11   おろし髪銀に光りて福寿草  (下戸)
12   福寿草色も姿も満点ぞ(華松)
13   光満つ大地かきわけ福寿草(玲滴)
14   七芽あり値もめでたきや福寿草(八傘)
15   ひび割れたアスファルトの底福寿草(兎子)
16   福寿草人を選んで咲くといふ(尚哉)

【冴える】
17 天空の四十五階月の冴ゆ(弥生)
18 富士の山ここぞとばかり冴ゆるかな(華松)
19 受験後の薄明冴ゆる帰り道(蕃茹)
20 元旦の冴ゆる歓喜は夕四時まで(鬼禿)
21 冴ゆる日はくつした重ねて堀炬燵 (下戸)
22 鶴亀を舞えば鼓の音冴ゆる(紅螺)
23 月冴ゆるけもの道まで無口なり(なつめ)
24 月冴ゆる被災の民の祈り受け(一遅)
25 山嶺のジグザグ傷や富士冴ゆる(すかんぽ)
26 月冴えて青龍刀の如空を切る(茘子)
27 月冴ゆるかくも地球の乱るるに(矢太)
28 高層ビルまた生まれては風冴ゆる(兎子)
29 闇冴ゆる聖書は星を数えよと(八傘)
30 月光の街なめつくし冴えわたる(虚視)
31 酔い覚めて後悔ばかり月冴ゆる(尚哉)
32 風うなる夜空にスバル冴え冴えと(玲滴)

【風花】
33 風花や好き好ききらいきらい好き(虚視)
34 闘球の熱に風花踊ってる(兎子)
35 風花の中を猟師の飛びだせり(すかんぽ)
36 風花す両手で暖とるカップ麺(八傘)
37 風花や元気でいるよと母の声(なつめ)
38 風の花空(くう)より湧いて空に帰す(尚哉)
39 風花や未だ大地は眠れるに(矢太)
40 憂うしか出来ぬこの手に風花。(鬼禿)
41 風花の舞う中老女同期会 (玲滴)
42 黙々と重機はすすむ風花の下(一遅)
43 風花やいつのまにやら許してる(下戸) 
44 舌先で風花受ける京の女(ひと)(茘子)
45 風花やお前の郷もあの山か(蕃茹)
46 風花は頬をかすめて失せにけり(華松)
47 誰も見ぬ山頭火像風花す(弥生)
48 風花は坂行く友の肩に降る(紅螺)

【春隣】
49 校庭に謎の足あと春近し(すかんぽ)
50 たおやかに乙女となりて春隣(弥生)
51 縁側の陽ざしの温もり春隣(玲滴)
52 義理チョコのほろにが甘し春隣(茘子)
53 老犬の手綱も長き春隣(蕃茹)
54 髪切って合わせ鏡の春隣(紅螺)
55 春隣に先駆け花粉が舞い始め(華松)
56 しゃなしゃなり三毛の窓辺は春隣(八傘)
57 踏ん張って再出発の朝春隣(一遅)
58 もうすこし歩きましょうか春隣(虚視)
59 カフェで聞く少女の恋バナ春隣(兎子)
60 リュックして高尾山口春隣 (尚哉)
61 たぶん夜半に裸足でくるよ春隣(矢太)
62 うつらうつ背中の寝息春隣(なつめ)
63 春隣今年はいきなり夏隣(鬼禿)
64 うれしさとさみしさが母春隣(下戸)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
【天句の鑑賞】
●月冴ゆるかくも地球の乱るるに  矢太
鑑賞短文=天空の純性と地上の汚性との対比規模がお見事です。(八傘)
鑑賞短文=疫病があり、戦争があり、これ以上の苦しみはないだろう、と思って年が明けたら、またもや天災が起こる。乱るる地球を、凛とした月が見下ろしている。スケールの大きさ に感服です。(兎子)
鑑賞短文=戦争・異常気象・地震などなど、この星のなんと乱れていることか。46億年間も不動の月、その光をひときわ眩しく思える秀句です。(すかんぽ)

●月冴ゆるけもの道まで無口なり  なつめ
鑑賞短文=風もなく、音もしない森閑とした世界。すばらしい叙景です。(尚哉)
鑑賞短文=「うまい」一言。この作者に今年も差し上げそうです。(鬼禿)

●闇冴ゆる聖書は星を数えよと     八傘
鑑賞短文=俳句って、こんなに悠大な哲学を詠むことも出来るんだ。と感じ入りました。(矢太)

●風花の中を猟師の飛びだせり    すかんぽ
鑑賞短文=劇的な光景、緊張感が素適です  (紅螺)

●風の花空(くう)より湧いて空に帰す  尚哉
鑑賞短文=まさに風花は「空」そのものという存在ですね。
情景を描かず、風花についてだけが返って様々な光景を呼び起こしています。
投句一覧の中で真っ先に目に飛び込んできました。(虚視)

●黙々と重機はすすむ風花の下  一遅
鑑賞短文=作者の祈りが伝わってきます。田畑を農機が動く日常が戻りますように。(華松)

●風花やいつのまにやら許してる  下戸
鑑賞短文=雪がふっと消えるように、胸のわだかまりもどこかに。誰を許したのでしょうか。詠みかえすうちに、自分の心にあった拘りが解ける心地がしました。(蕃茄)

●舌先で風花受ける京の女(ひと)  茘子
鑑賞短文~ビジュアルショックですね。映画のワンシーンのよう。
        京の女(ひと)の舌先で溶けた風花はしあわせものだわ。(下戸)

●風花は頬をかすめて失せにけり  華松
鑑賞短文=はかない風花を見事にとらえておられます。手に受けても儚く消えて行く風花です。(弥生)

●たおやかに乙女となりて春隣  弥生
鑑賞短文=季(とき)は春、人も春、しかもたおやかに。どこを切っても春で、 読む者をやさしい気持ちにしてくれました。(玲滴)

●もうすこし歩きましょうか春隣  虚視
鑑賞短文=さりげない言葉の中に情景が、隣で歩く人の姿が自然に浮かび上がる。心温まる句です。(茘子)
鑑賞短文=人の温もり、安心感。こんな時だからこそ、心に沁みました。(なつめ)

●うれしさとさみしさが母春隣  下戸
鑑賞短文=元気でいてくれるうれしさ、老いてゆくさみしさ、母を描いて見事な春隣です。(一遅)

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【今月の天地人】

【天句】    33点  月冴ゆるかくも地球の乱るるに   矢太
        33点  もうすこし歩きましょうか春隣   虚視
【地句】    21点  月冴ゆるけもの道まで無口なり   なつめ
【人句】    16点   風花は頬をかすめて失せにけり   華松
        16点   たおやかに乙女となりて春隣     弥生

【総合天】58点 虚視
【総合地】43点 矢太
【総合人】29点 なつめ
【総合人】29点 紅螺
     代表句=髪切って合わせ鏡の春隣

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【幹事よりひと言】

元旦の悲しい出来事を思うと今月は作句も選句も難しいことでした。
それでも俳句の世界では心を寄せ、祈り、希望を見出すことができるのだと改めて思いました。
被災地の皆さまに1日でも早く平穏な日常が戻る事を祈ります。
                                                         なつめ


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郷愁の詩人与謝蕪村 №22 [ことだま五七五]

夏の部 7

        詩人  萩原朔太郎

草の雨祭の車過すぎてのち

 京都の夏祭、即ち祇園会(ぎおんえ)である。夏の白昼(まひる)の街路を、祭の鉾(ほこ)や車が過ぎた後で、一雨さっと降って来たのである。夏祭の日には、家々の軒に、あやめや、菖蒲(しょうぶ)や、百合(ゆり)などの草花を挿して置くので、それが雨に濡れて茂り、町中が忽たちまち青々(せいせい)たる草原のようになってしまう。古都の床しい風流であり、ここにも蕪村の平安朝懐古趣味が、ほのかに郷愁の影を曳ひいてる。

夕立や草葉を掴つかむ群雀むらすずめ

  急の夕立に打たれて、翼を濡(ぬ)らした雀たちが、飛ぼうとして飛び得ず、麦の穂や草の葉を掴んでまごついているのである。一時に襲って来た夕立の烈(はげ)しい勢(いきおい)が、雀の動作によってよく描かれている。純粋に写生的の絵画句であって、ポエジイとしての余韻や含蓄には欠けてるけれども、自然に対して鋭い観照の目を持っていた蕪村、画家としての蕪村の本領が、こうした俳句において表現されてる。

紙燭(しそく)して廊下通るや五月雨(さつきあめ)

  降り続く梅雨季節。空気は陰湿にカビ臭く、室内は昼でも薄暗くたそがれている。そのため紙燭を持って、昼間廊下を通ったというのである。日本の夏に特有な、梅雨時(つゆどき)の暗い天気と、畳の上にカビが生えるような、じめじめした湿気と、そうした季節に、そうした薄暗い家の中で、陰影深く生活している人間の心境とが、句の表象する言葉の外周に書きこまれている。僕らの日本人は、こうした句から直ちに日本の家を聯想(れんそう)し、中廊下(なかろうか)の薄暗い冷たさや、梅雨に湿った紙の障子や、便所の青くさい臭(におい)や、一体に梅雨時のカビ臭(くさ)く、内部の暗く陰影にみちた家をイメージすることから、必然にまたそうした家の中の生活を聯想し、自然と人生の聯結する或るポイントに、特殊な意味深い詩趣を感ずるのである。しかし夏の湿気がなく、家屋の構造がちがってる外国人にとって、こうした俳句は全然無意味以上であり、何のために、どうしてどこに「詩」があるのか、それさえ理解できないであろう。日本の茶道(さどう)の基本趣味や、芭蕉俳句のいわゆる風流やが、すべて苔(こけ)やさびやの風情を愛し、湿気によって生ずる特殊な雅趣を、生活の中にまで浸潤させて芸術しているのは、人のよく知る通りであるけれども、一般に日本人の文学や情操で、多少とも湿気の影響を受けてないものは殆ほとんどない。(すべての日本的な物は梅雨臭(つゆくさ)いのである)特に就中(なかんずく)、自然と人生を一元的に見て、季節を詩の主題とする俳句の如き文学では、この影響が著しい。日本の気候の特殊な触感を考えないで、俳句の趣味を理解することは不可能である。かの湿気が全くなく、常に明るく乾燥した空気の中で、石と金属とで出来た家に住んでる西洋人らに、日本の俳句が理解されないのは当然であり、気象学的にも決定された宿命である。

『郷愁の詩人与謝蕪村》 青空文庫



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読むラジオ万能川柳 №176 [ことだま五七五]

        読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆1月10日放送分

        川柳家:コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」、
1月10日の放送です。

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2週間ぶりの生放送!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。

エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/BQLs8krQk_M

 あさひろさんのボツのツボ
「来年は大柳王に鬼笑う」(咲弥アン子柳王)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は231の投句がありました。ありがとうございます!
・寒くてもラグビーを見て熱くなる(白ポロ)
・賀状辞退世間が狭くなっていく(とんからりん)
・喜寿迎え仕事ラジ川超楽し(名人・くろぽん) 
・昇り竜あやかりたいな支持欲しい(刑事コロンダ)
・改革が必要なのは人である(名人・おむすび)
・本年もラジ川参加できるかな(カラリ) 
・毎日がつながっている五七五(大柳王・平谷五七五)
・初点滴はずしちゃならんと手が震え(大名人・龍龍龍)
・無い品は店で一番美女に聞き(全裸川柳家・そうそう) 
・欲を捨て新年目指す涅槃域(名人・金星玉三郎) 
・お腹から笑ったラジオ生トーク(大名人・やんちゃん) 
・起震車の揺れ思い出す震度7 (柳王・東海島田宿)
・初春やお節一日食う一瞬(大柳王・入り江わに) 
・じゃがバタが大吉だった初詣(大名人・せきぼー) 
・大変な幕開けだけど負けないで(大名人・はる) 

☆タケシのヒント!
「はるさん、7回目の秀逸です。柳王昇進です。おめでとうございます。熊本地震を経験されたはるさん。それだけに説得力が違いますね。日本人みんな負けずに支え合いましょう。」

・寒空にせめて鎮まれ能登の海(シゲサトシ) 
・ラジ川がはじまりやっと明ける年(名人・大和三山) 
・五七五風呂場にメモは必需品(名人・高橋永喜) 
・紀信さんたくさん夢をありがとう(柳王・アンリ) 
・二百句に食いついてくれメン子ちゃん(ナンパも名人・ soji) 
・宇宙より遠い場所になった輪島(柳王・恋するサボテンちゃん)
・角の家代替わりかな国旗出ず(遊子) 
・何できるはずもないのに作業服(大名人・ワイン鍋) 
・とりあえず呼び捨てで呼ぶ仲になり(恋愛名人見習い・名もなき天使) 
・投句すりゃ正月気分が抜けますか (大名人・じゅんじゅん) 
・青学の凱旋うれし相模原(大柳王・里山わらび) 
・痛すぎる尿管結石病院代(名人・のりりん) 
・soji師にナンパのテクの弟子入りし(しゃま) 
・カラオケで終わりカラオケで始まり(名人・わこりん) 
・良い年になりそう元旦掲載句(大名人・美ら小雪)
・幸せと平和同義語かも知れぬ(大名人・不美子) 
・大晦日には笑えてる年であれ(柳王・咲弥アン子) 
・早く早く助けてあげて雪が降る(大柳王・けんけん) 
・初売りのチラシを見ても気が乗らぬ(柳王・春爺) 
・万博の予算回して復興に(柳王・フーマー)
・家族集い川柳談義お正月(柳王・すみれ) 

◎今週の一句・大変な幕開けだけど負けないで(大名人・はる)
◯二席・改革が必要なのは人である(名人・おむすび) 
◯三席・じゃがバタが大吉だった初詣(大名人・せきぼー)

【お知らせ】
昨年9月末から編集作業を行ってきた
交流誌「仲畑流万能川柳ファンブック」121号(12月号)、現在配本中です!!
今号の目玉は、なんといっても、もちろん、ヒットメーカー対談!!
今回は、ラジオ万能川柳でも大人気のユリコ大柳王が登場!!
毎日新聞の仲畑流万能川柳では美酒乱々さんで知られています。

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【編集後記】
今年最初の生放送でした!!
しっかしこの2週間、本当にいろいろなことがありましたね。。。。
つらいニュースも多く、テレビのニュースを見ないようにしていたこともありました。
これ以上つらいことが起きないようにと祈りつつ、本年もよろしくお願いいたします。ふー
(水野タケシ拝)
===================================
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」  http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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郷愁の詩人与謝蕪村 №21 [ことだま五七五]

の部 6

        詩人  萩原朔太郎

更衣(ころもがえ)野路(のじ)の人はつかに白し

 春着を脱いで夏の薄物にかえる更衣(ころもがえ)の頃(ころ)は、新緑初夏の候であって、ロマンチックな旅情をそそる季節である。そうした初夏の野道に、遠く点々とした行路の人の姿を見るのは、とりわけ心の旅愁を呼びおこして、何かの縹渺(ひょうびょう)たるあこがれを感じさせる。「眺望」というこの句の題が、またよくそうした情愁を表象しており、如何(いか)にも詩情に富んだ俳句である。こうした詩境は、西洋の詩や近代の詩には普通であるが、昔の日本の詩歌には珍しく、特に江戸時代の文学には全くなかったところである。前出の「愁ひつつ丘に登れば花茨いばら」や、春の句の「陽炎(かげろう)や名も知らぬ虫の白き飛ぶ」などと共に、西欧詩の香気を強く持った蕪村独特の句の一つである。
  因(ちな)みに、蕪村は「白」という色に特殊な表象感覚を有していて、彼の多くの句に含蓄深く使用している。例えば前に評釈した句、

白梅(しらうめ)や誰(た)が昔より垣の外(そと)
白梅(しらうめ)に明(あ)ける夜ばかりとなりにけり

 などの句も、白という色の特殊なイメージが主題になって、これが梅の花に聯結(れんけつ)されているのである。これらの句において、蕪村は或る心象的なアトモスフィアと、或る縹渺とした主観の情愁とを、白という言葉においてイメージさせている。

更衣(ころもがえ)母なん藤原氏(ふじわらうじ)なんめり

 平安朝の文化に対して、蕪村は特殊の懐古的憧憬(しょうけい)と郷愁とを持っていた。それは彼の単なる詩人的エキゾチシズムと見るよりは、彼の生活していた江戸時代の文化情操が、町人的卑俗主義に堕していたことで、蕪村の貴族主義と容(い)れなかった上に、彼自身が京都に住んでいたためと思われる。この句もやはり、そうした主観的郷愁の一咏嘆(いちえいたん)であるが、特に心の詩情を動かしやすく、ロマンチックで夢見がちな初夏の季節を、更衣(ころもがえ)の季題で捉とらえたところに、句の表現的意義が存するのである。こうした平安朝懐古の句は、他にも沢山作っているので、参考のため、次に数句を提出しよう。

折釘(おれくぎ)に烏帽子(えぼし)かけたり宵の春
春の夜に尊き御所(ごしょ)を守もる身かな
春雨や同車の君がさざめ言(ごと)
ほととぎす平安朝を筋(すじか)ひに
さしぬきを足で脱ぬぐ夜や朧月おぼろづき

 引例を見ても解るように、特に春の句においてそれが多いのは、平安朝の優美でエロチックな文化や風俗やが、春宵の悩ましい主観において、特にイメージを強く与えるためなのだろう。芭蕉における木曾義仲(きそよしなか)の崇拝や、戦国時代への特殊な歴史的懐古趣味を、一方蕪村の平安朝懐古趣味と比較する時、両者の異なる詩人的気質が、おのずから分明して来るであろう。
(備考。この句の第三句は、多くの句集に「なりけり」となってるが、平安朝の言葉をもじった「なんめり」の方が、この場合ユーモラスで面白い。)

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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №175 [ことだま五七五]

   読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆12月20日、27日放送分

       川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
12月20日の放送です。

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う、ぅ・・寒くなってまいりました!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。

エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/1zXWhwXErQE

 あさひろさんのボツのツボ
「歳とって知った力のありがたさ」(おむすびさん)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は194句の投句がありました。ありがとうございます!
・柔道は第一畳純和風(初投稿・花井志満子)
・政治より裏金作り最優先(名人・まご命) 
・ポンポンと玉子みたいに出て来る句(カラリ) 
・敵味方双方に来るクリスマス(シゲサトシ)
・新しい言葉学べるクロスワード(大名人・龍龍龍)
・年賀状をもらって嬉しい崎陽軒(名人・キジバト交通) 
・ドジャースに似ているけれどドラゴンズ(柳王・東海島田宿)
・ 二割引き悩んでいたら横取られ(とんからりん) 

☆タケシのヒント!
「実感と共感の句、『悩んでいたら』が肝ですね。意外と買わないで正解だったのかも。年末も前向きでいきましょう。」

・川柳も笑顔も素敵ユリコさん(名人 ・大和三山) 
・負けたけどがんばったからほうびくれ(名人 ・わこりん)
・娘よりどっと疲れた初試合(大名人・美ら小雪)
・質問に答えないのは認めている(名人・おむすび) 
・蓮舫氏いまが吠えどき辻元氏(名人・高橋永喜)
・甘酒で母の温もりしみじみと(じゅんちゃん) 
・ミサイルを飛ばす笑顔の君がイヤ(大柳王・平谷五七五)
・年の暮黒豆を煮る母の夢(柳王・すみれ) 
・当たるかな今年はイブに有馬記念(柳王・アンリ) 
・立ち呑み屋なのに19時開店たぁ(辰五郎) 
・人よりも温かかったよセルフレジ(柳王・恋するサボテンちゃん)
・火の玉になったら何ができるのか(大名人・ワイン鍋)
・年忘れいいえ年中もの忘れ(大柳王・里山わらび) 
・虫いたが食われてなさそブロッコリー(名人 ・くろぽん)
・ナンパ師はテクがトークと学ばされ(しゃま) 
・予報士の手も震えてる寒い朝(大名人・はる) 
・値上げ聞き年賀じまいに書き直す(大柳王・入り江わに) 
・温もりを求めて今日も行くナンパ(ナンパも名人・soji) 
・サンタさん世界平和をくださいな(紗月めい) 
・ハナなんかすすったりして「休みます」(柳王・荻笑) 
・やっぱりね値上げの波がハガキにも(大柳王・けんけん) 
・蒸発をしたかと覗く酒の瓶(全裸川柳家・そうそう)
・おばちゃんは気になる天使さんの恋(柳王・咲弥アン子)
・さあ寝ろとクマに届けるこの寒さ(大柳王・ユリコ) 
・願い込め10年日記買う傘寿 (大名人・じゅんじゅん) 
・鉄人よさらばどすこい大相撲(柳王・フーマー) 
・寺尾ちゃんとちゃん付けで呼んでいた母(柳王・かたつむり) 

◎今週の一句・ 二割引き悩んでいたら横取られ(とんからりん)
◯二席・人よりも温かかったよセルフレジ(柳王・恋するサボテンちゃん)
◯三席・予報士の手も震えてる寒い朝(大名人・はる)

【お知らせ】
早いもので今年も最後のお知らせです!
9月末から編集作業を行ってきた
交流誌「仲畑流万能川柳ファンブック」121号(12月号)、現在配本中です!!
先週あさひろさんにも差し上げましたが、いかがでしたか?
今号の目玉は、なんといっても、もちろん、ヒットメーカー対談!!
今回は、ラジオ万能川柳でも大人気のユリコ大柳王が登場!!
毎日新聞の仲畑流万能川柳では美酒乱々さんで知られています。

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【編集後記】
今年最後の通常放送でした!!
今年一年も本当にありがとうございました!!
来週27日は朝8時から「川柳で振り返る2023年」&「川柳で振り返るあなたの一年」を
お送りします。いつも以上に笑いの絶えない放送にいたします!!
どうぞ暖かくしてお聞きくださいね!!(タケシ拝)

〇27日の年末特番、2部の放送
 
 
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今年も4人でお送りします!!

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は150句の投句がありました。ありがとうございます!
・振り返る暇も無いほど熱かった(あやや)
・ラジ川のデビューがオレの大ニュース(名人・大和三山)
・ラジ川に皆勤のボク褒めてやる(名人・翔のんまな)
・この年はチョベリグッドな年でした(名人・おむすび)
・家計危機値上げラッシュに減るおやつ(柳王・ポテコ)
・政界のキャッシュレス化は無理ですか(大名人・マルコ)
・ボツのツボ五度も選ばれ大名人(東孝案)
・オオタニが投げた打ったにみな感動(名人・グランパ)
・アレアレでアレアレしちゃい負けちゃった(名人・パリっ子)
・災害級暑さに勝って歩き出す(柳王・春爺)
・頻尿で星の動きを見たキャンプ(せ・ら・び)
・見送って他の出来事みんな消え(大名人・はる)
・耐えました物価高にも猛暑にも(柳王・すみれ)
・比べずに私は私らしく生き(大名人・やんちゃん)
・あたたかく迎えてもらった初投句(シゲサトシ)
・中東に悲劇を戻す半世紀(全裸川柳家・そうそう)
・あぁついにグランドゴルフ誘い来る(名人・のりりん)
・税と悦似ている字だが反対語(柳王・ぼうちゃん)
・末っ子が結婚なんかバッタバタ(カラリ)
・列島に日傘が欲しいこの酷暑(名人・まご命)
・お正月笑顔いっぱい防空壕(名人・バレリア)
・歌うたう心熱くし語る夢(大名人・じゅんじゅん)
・手術より転ぶの痛い事学ぶ(柳王・アンリ)
・還暦が気に入ったからもう一年(大柳王・入り江わに)
・五七五これが私の生きる道(名人・高橋永喜)
・ふるさとのシャッター街いま空き地街(大名人・ワイン鍋)
・メデタイねボツを積み上げ祝1句(とんからりん)
・川柳を詠める平和のありがたみ(大柳王・里山わらび)
・二軒先二階さん似のジイが住み(大柳王・平谷五七五)
・甲子園まるで母校の目に涙(大名人・せきぼー)
・二百句でトイレ川柳初入選(ナンパも名人・soji)
・「締めくくり」それも官能ぽく聞こえ(大柳王・ユリコ)
・妙子さんブログそっと見励まされ(しゃま)
・特番を楽しむためにこの一年(大名人・不美子)
・私の今年の漢字「縁」「結び」(柳王・咲弥アン子)
・変わらない息子がいない事以外(大柳王・けんけん)
・危機感の無い政治家に危機感じ(刑事コロンダ)
・笑えたね今笑えてるよしよしと(柳王・かたつむり)
・物価高知らず知らずにダイエット(福良 満)
・干物の目齧り一本歯をなくす(柳王・フーマー)
・入院で医療者の過労知らされる(大柳王・龍龍龍)
・ラジ川が孤独部屋から連れ出した(遊子)
・年の瀬や裏金積もる雪積もる(桐山榮壽)
・歳を取り年年徐々に弱体化(名人・金星玉三郎)
・寝違えた振り返らずに前を向く(柳王・東海島田宿)

〇3席・笑えたね今笑えてるよしよしと(柳王・かたつむり)
〇2席・危機感の無い政治家に危機感じ(刑事コロンダ)
〇1席・お正月笑顔いっぱい防空壕(名人・バレリア)                          

【編集後記】
いろいろあって、何とか放送できた2時間の年末特番、
お楽しみいただけたでしょうか?
「特番を楽しむためのこの一年」(大名人・不美子さん)はじめ、
皆様に感謝申し上げます!!どうぞ良いお年を!!(タケシ拝)
===================================
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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こふみ会へGO七GO №126 [ことだま五七五]

こふみ句会へGO七GO  №126
「虎落笛」「湯豆腐」「鴛鴦」「大晦日」 
                        俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和5年12月の句会≫の案内状が送られました。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
みなさま、お知らせがたいへん遅くなりました。
先月の不手際からの挽回を期して、
私・尚哉と兎子さんの二人で、
再度、幹事を務めさせていただくことにします。

早速ですが、兼題を発表いたします。

  虎落笛(もがりぶえ・・・強い風により、電線などがヒューヒュー鳴る)
  湯豆腐(ゆどうふ)
  鴛鴦(おしどり、おし、思羽)
  大晦日(おおみそか、おおつごもり、大年)

この四題を、12月20日までに、
尚哉宛 nao@o-naoya.com に送ってください。
21日に、シャッフルしたものをお送りして、
選句の〆が27~28日ころ、
正月三が日には結果発表、といった段取りを考えています。
集計は、二人で別々に行って、答え合わせをするつもりです。
今回こそ間違いのないよう、細心の注意を払います。

また、オンラインに戻ることで、多くの方の参加が見込まれます。
一年の〆の句会、おおいに盛り上げてゆきたいと思っています。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
案内に応じて以下の毛があつまりました。参加者は15名60句。

【虎落笛】

01.寝る猫の逆毛立つなり虎落笛(蕃茄)
02.虎落笛天の啓示のように夜(兎子)
03.虎落笛響く大地は皆凍てて(茘子)
04.地球に満ちる母の嘆きや虎落笛(弥生)
05.虎落笛四分の二拍子三音階(尚哉)
06.熱いえし妻の寝息や虎落笛(鬼禿)
07.経年の家にこだます殯笛(華松)
08.虎落笛丸くなるなと諭す声(紅螺)
09.声は無く瞬く星や虎落笛(虚視)
10.虎落笛ガザの壁こそ超えてゆけ(矢太)
11.天煌き地は虎落笛人は情(じょう)(孑孑)
12.夜半に聞くガザの叫びか虎落笛(玲滴)
13.虎落笛鉛の色に染まる町(なつめ)
14.客ひとり女将ひとりや虎落笛(すかんぽ)
15.虎落笛猫は静かに箱の中(一遅)

【湯豆腐】

16.湯豆腐やほろ酔いのごと湯に揺れり(なつめ)
17.湯豆腐や踊るカツオに笑みの父(一遅)
18.湯豆腐を落として見合う沈黙や(華松)
19.はふはふと湯豆腐ほふり独り寝る(兎子)
20.亡き夫よひとり湯豆腐食べてます(弥生)
21.旅の宿独り湯豆腐連れは雪(茘子)
22.湯豆腐の最後の一勺わが余生(鬼禿)
23.胸騒ぐ日もありてゆらり湯豆腐(虚視)
24.湯豆腐も冷める男の長電話(孑孑)
25.湯豆腐を箸でつついて今日も独り(尚哉)
26.湯豆腐が腰くねくねとやつて来し(すかんぽ)
27.木の葉舞う季節今夜は湯豆腐で(玲滴)
28.汗を噴く湯豆腐ポン酢で整った(蕃茄)
29.湯豆腐や喪中の葉書三枚来(矢太)
30.ツーブロックの女と湯豆腐食べている(紅螺)

【鴛鴦】

31.鴛鴦が行ってボートは二人きり(孑孑)
32.おしの契り語れる人の京訛り(弥生)
33.おしどりや月崩しつつ進み行き(虚視)
34.鴛鴦は片羽になりても鴛鴦か(玲滴)
35.鴛鴦やややこしい綴りに訳やある(矢太)
36.鴛と鴦一羽と一羽で生きていく(兎子)
37.鴛鴦に重ねて想う父と母(茘子)
38.無口なり鴛鴦夫婦の裏おもて(鬼禿)
39.鴛鴦の鴦が先行く野川かな(尚哉)
40.思羽の夕陽に映える水面かな(なつめ)
41.鴛鴦の帯をもちつつ離婚かな(華松)
42.指さして鴛鴦の影追う少女(紅螺)
43.鴛鴦や互いの羽を褒め合いて(蕃茄)
44.この年で覚えられるか鴛鴦の文字(すかんぽ)
45.鴛鴦のケロリと嘘つく夫婦仲(一遅)

【大晦日】

46.大晦日ガザとの時差は七時間(鬼禿)
47.あのこともうっちゃってなんとか大晦日(矢太)
48.祠(ほこら)にも酒と蜜柑が大晦日(弥生)
49.日めくりが頭重たげ大晦日(尚哉)
50.なに吠える吠えずにおやり大晦日(孑孑)
51.ひとり居てテレビの中は大晦日(一遅)
52.わだかまり焚火にくべて大晦日(茘子)
53.こめかみの白髪みつけし大晦日(なつめ)
54.「天城越え」今年も聴いて大晦日(すかんぽ)
55.燃え尽きて負けを認めて大晦日(紅螺)
56.猫往きて大つごもりの独り蕎麦(玲滴)
57.雑踏の一点となり大晦日(虚視)
58.輪郭が朧になりて大晦日(華松)
59.蕎麦二つ話すことなき大晦日(兎子)
60.大晦日そびれしことごと数え止め(蕃茄)

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【天句の鑑賞】

●夜半に聞くガザの叫びか虎落笛(玲滴)
鑑賞短文=あの虎落笛でGAZAの悲惨な映像と重ねられた方。何もできない切なさが伝わってきました。3句の内率直なこの句を抜きました。(鬼禿)

●湯豆腐が腰くねくねとやつて来し(すかんぽ)
鑑賞短文=詠みたかったのはこうなんですが、及びませんでした。完敗。(孑孑)

●湯豆腐や喪中の葉書三枚来(矢太)
鑑賞短文=暖かい湯豆腐の湯気のそば、ポンと置かれた喪中の葉書。寂しさが際立つ風景を感じました。(兎子)
鑑賞短文=師走の身につまされる情景です。この齢になってこそ詠めもし、共感もできるのだと思いました。(玲滴)

●蕎麦二つ話すことなき大晦日(兎子)
鑑賞短文=大晦日でさえ淡々と過ごす、永年連れ添った夫婦の日常を切り取って見事です。
(一遅)

●経年の家にこだます殯笛(華松)
鑑賞短文=殯(もがり)の語源を調べていくと死という言葉に行き着きます。経年の家には沢山の生と沢山の死があるのでしょう。さらりと詠まれているようで、深い句だと思います。(弥生)

●日めくりが頭重たげ大晦日(尚哉)
鑑賞短文=頭重たげの一語に、一年間ありがとう、お疲れさま、との優しいお気持ちが伝わってきます。(華松)

●雑踏の一点となり大晦日(虚視)
鑑賞短文=足早に通り過ぎる人混みの中で、ただひとり立ち止まっているのか。
歳晩の慌ただしい時の流れが見えてきます。(すかんぽ)

●鴛鴦のケロリと嘘つく夫婦仲(一遅)
鑑賞短文=ケロリと嘘をつくことで夫婦円満。ケロリと嘘をつけるのは女性だろうなぁ。男は嘘をつく時どこかギクシャクしてしまう。(虚視)

●客ひとり女将ひとりや虎落笛(すかんぽ)
鑑賞短文=そう、そう、そう、情景が浮かびます。まさに北の酒場ですね。(茘子)

●旅の宿独り湯豆腐連れは雪(茘子)
鑑賞短文=独り旅の寂しさを感じられるように見えますが、湯豆腐の温かさと雪の冷たさの対比が潔く、実は独りを楽しんでいるのではないかと思えるのです。(なつめ)

●おしどりや月崩しつつ進み行き(虚視)
鑑賞短文=すごい!どなたの句ですか?これぞ名句と思いました。美しい情景が鮮やかに浮かびます。(紅螺)

●地球に満ちる母の嘆きや虎落笛(弥生)
字鑑賞短文=ガザの母、ウクライナの母を詠んだ。嗚呼。(矢太)

●雑踏の一点となり大晦日(虚視)
鑑賞短文=主観から俯瞰への視点変化で、師走の慌ただしさと焦燥感を
同時に表現していると感じました。映画のワンシーンのよう。(蕃茄)

●おしどりや月崩しつつ進み行き(虚視)
鑑賞短文=・・・・静寂のなかの、ひかりの動揺。たいへん細やかな句ですね。(尚哉)

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【今月の天地人】

【天句】31点 雑踏の一点となり大晦日 (虚視)
【地句】29点 おしどりや月崩しつつ進み行き (虚視)
【人句】20点 蕎麦二つ話すことなき大晦日 (兎子) 

【総合天】虚視さん 63点
     代表句=雑踏の1点となり大晦日
【総合地】すかんぽさん 28点
     代表句=客ひとり女将ひとりや虎落笛
【総合地】尚哉さん 28点
     代表句=日めくりが頭重たげ大晦日
【総合人】兎子さん 23点
     代表句=蕎麦二つ話すことなき大晦日

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【幹事よりひと言】

●みなさんから送られてきた句を初見したとき、「月を崩して」と「雑踏の一点」、まさにこの2作にやられました。おそらく、虚視さんなんだろうな、と思っていたら、やっぱり。ワンツーフィニッシュ、圧勝でしたね。おめでとうございます。
尚哉

●年末の慌ただしさと寂しさをかみしめながら、今回の虚視さんの2句を拝見して、俳句は心情であり景色なんだとあらためて思いました。おめでとうございます。
私も初めての「人」をいただき、嬉しい限りです。今後とも励みます。
兎子

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郷愁の詩人与謝蕪村 №20 [ことだま五七五]

夏の部 5

        詩人  萩原朔太郎

寂寞(じゃくまく)と昼間を鮓(すし)のなれ加減

  鮓は、それの醋(す)が醗酵(はっこう)するまで、静かに冷却して、暗所に慣ならさねばならないのである。寂寞たる夏の白昼(まひる)。万象の死んでる沈黙(しじま)の中で、暗い台所の一隅に、こうした鮓がならされているのである。その鮓は、時間の沈滞する底の方で、静かに、冷たく、永遠の瞑想(めいそう)に耽(ふけ)っているのである。この句の詩境には、宇宙の恒久と不変に関して、或る感覚的な瞳(め)を持つところの、一のメタフィジカルな凝視がある。それは鮓の素(もと)であるところの、醋の嗅覚や味覚にも関聯(かんれん)しているし、またその醋が、暗所において醗酵する時の、静かな化学的状態とも関聯している。とにかく、蕪村の如き昔の詩人が、季節季節の事物に対して、こうした鋭敏な感覚を持っていたことは、今日のイマジズムの詩人以上で、全く驚嘆する外(ほか)はない。

鮒鮓(ふなずし)や彦根(ひこね)の城に雲かかる

 夏草の茂る野道の向うに、遠く彦根の城をながめ、鮒鮓のヴィジョンを浮(う)かべたのである。鮒鮓を食ったのではなく、鮒鮓の聯想(れんそう)から、心の隅の侘(わび)しい旅愁を感じたのである。「鮒鮓」という言葉、その特殊なイメージが、夏の日の雲と対照して、不思議に寂しい旅愁を感じさせるところに、この句の秀(すぐ)れた技巧を見るべきである。島崎藤村(しまざきとうそん)氏の名詩「千曲川(ちくまがわ)旅情の歌」と、どこか共通した詩情であって、もっと感覚的の要素を多分に持っている。

麦秋(むぎあき)や何におどろく屋根の鶏(とり)

  農家の屋根の上に飛びあがって、けたたましく啼(な)いてる鶏は、何に驚いたのであろう。その屋根の上から、刈入時(かりいれどき)の田舎の自然が、眺望を越えて遠くひろがっているのである。空には秋のような日が照り渡って、地上には麦が実(みの)り、大鎌や小鎌を持った農夫たちが、至るところの畑の中で、戦争のように忙(いそが)しく働いている。そして畔道(あぜみち)には、麦を積んだ車が通り、後から後からと、列を作って行くのである。――こうした刈入時の田舎の自然と、収穫に忙しい労働の人生とが、屋根の上に飛びあがった一羽の鶏の主観の影に、茫洋(ぼうよう)として意味深く展開されているのである。

『郷愁の詩人与謝蕪村』 青空文庫


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読む「ラジオ万能川柳」プレミアム №174 [ことだま五七五]

     読む「ラジオ万能川柳」プレミアム☆12月6日、13日放送分

             川柳家・コピーライター  水野タケシ

川柳家・水野タケシがパーソナリティーをつとめる、
読んで楽しむ・聴いて楽しむ・創って楽しむ。エフエムさがみの「ラジオ万能川柳」
12月6日の放送です。

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とうとう12月!!

「ラジオ万能川柳」は、エフエムさがみの朝の顔、竹中通義さん(柳名・あさひろ)が
キャスターをつとめる情報番組「モーニングワイド」で、
毎週水曜日9時5分から放送しています。
エフエムさがみ「ラジオ万能川柳」のホームページは、こちらから!
放送の音源・・・https://youtu.be/sVE5Tibw2gk
入り江わにさんご提供。わにさん、ありがとうございます!!

 あさひろさんのボツのツボ
「丁寧に説明されても不信感」(せ・ら・びさん)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は207句の投句がありました。ありがとうございます!
・いい顔になってきました熱海富士(柳王・春爺)
・パパよりもママが多いぞ忘年会(とんからりん) 
・混浴で異常が起こり出られない(東孝案)
・座ったらすぐ眠くなるバス電車(カラリ) 
・婆ちゃんの元気家族の生きる糧(大名人・やんちゃん) 
・どこを見ても4Kボタンないわが家(柳王・東海島田宿)
・大義なく新党結成アレ目当て(せ・ら・び)
・晩秋を映し弾けたシャボン玉(シゲサトシ) 
・病気の子バイトデビューに感無量(大和三山) 

☆タケシのヒント!
「大和三山さん、これで3回目の秀逸、名人昇進です。おめでとうございます。読んでいる方まで胸が熱くなる一句です。親にとって、わが子の成長よりうれしいものはありません。病気のお子さんならなおさらですね。」

・テレビにてちょっと厳しい師匠知る(名人・居酒屋たつみ) 
・日大の良いとこ凄く有るのにな(名人 ・高橋永喜)
・デコボコは私も同じかりんの実(柳王・すみれ) 
・想うだけで終わった恋の一年目(あおちゃん) 
・チョコのあと食べたミカンに叱られる(大名人・せきぼー) 
・国民にキックバックは無いですか(柳王・アンリ) 
・おばちゃんが静かなときは要注意(名人・翔のんまな) 
・チラシ見て値上げの波で脳トレし(柳王・恋するサボテンちゃん) 
・AIにあの世はいいか聞いて見た(遊子) 
・もう師走待ち人は今どのあたり(大名人・ワイン鍋) 
・一文字に去年と同じ戦はイヤ(大名人・じゅんじゅん) 
・岸田さん人の言うこと気にしない(大柳王・平谷五七五) 
・白い鳥かと思ったらレジ袋(柳王・ぼうちゃん) 
・カレンダー今年何した俺に聞く(柳王・里山わらび) 
・純粋とsojiさんから知るナンパ(しゃま) 
・クリスマスまでに急いでするナンパ(ナンパも名人・soji) 
・GACKTいつ間違えるかな食べ比べ(秀クリーム) 
・転びたくないけどやっぱスッ転び(くろぽん)
・先週は救われましたボツのツボ(名人・のりりん) 
・あたたかいだけで幸せ冬の部屋(大名人・はる) 
・師じゃないが気持ちが走る師走かな(柳王・咲弥アン子) 
・ 0なのにひとつ増えるとすごいカネ(大柳王・けんけん) 
・じゃあいつか全裸句会もやりますか (全裸川柳家・そうそう) 
・猫好きにちゃんと配慮の大谷さん(大柳王・ユリコ)
・安楽も獲ったらどうやドラゴンズ(柳王・フーマー) 
・宅配が師よりも走る御歳暮で(大柳王・入り江わに) 

◎今週の一句・病気の子バイトデビューに感無量(大和三山)
◯二席・デコボコは私も同じかりんの実(柳王・すみれ) 
◯三席・チラシ見て値上げの波で脳トレし(柳王・恋するサボテンちゃん)

【お知らせ】
今年6月1日から7月いっぱいまで募集していました、
第50回沼津市芸術祭 文芸部門「ぬまづ文芸」が発刊になりました!!
受賞された皆様、おめでとうございます!!

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【編集後記】
今年もやりますよ!
年末恒例の、あなたの川柳で振り返る今年一年!
放送は27日(水)8時から10時。
あなたの今年を振り返る句の締め切りは、22日(金)朝8時。
今年もどなたかにお電話しますので、電話OKですよ、という方は投句時にお書き添えくださいね!(タケシ拝)

〇12月13日の放送

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通常放送はあと2回!!
放送の音源・・・https://youtu.be/sfBp5TJFNvw

 あさひろさんのボツのツボ
「コーヒーが旨くて上手く行く予感」(高橋永喜名人)

(皆さんの川柳)※敬称略
※今週は223句の投句がありました。ありがとうございます!
・嬉しいねちょっと一杯復活し(とんからりん)
・嘘つけず回答は差し控えてる(東孝案)
・ギリギリで一句投句のヒヤヒヤ感(大柳王・入り江わに)
・口説き方教えて欲しいsojiさん(名もなき天使)
・私って楽しそうでしょバカだから(カラリ)
・同期会禿げと白髪で競いあう(初投稿・いろは命)
・戦争に勝者はいない皆敗者(刑事コロンダ)
・十年の日記を買って楽天家(名人 ・バレリア)
・猫日和明日に幸あれ譲渡会(シゲサトシ)

☆タケシのヒント!
「初めから終わりまで猫愛にあふれる一句です。暖冬とはいえ冬は冬。猫たちの幸せを願わずにはいられません。」

・白菜と共に心も干している(大名人・やんちゃん)
・教え方妻より恐いわが娘(名人 ・まご命)
・銀行は有給取れぬ 十ニ月(名人・大和三山)
・チュッ♡をして熱があるよと言った彼(夫)(柳王・かたつむり)  

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・こう早く無くなるものか親と金(遊子)
・雨は雨晴れは晴れの日生きていく(大柳王・平谷五七五)
・招かれたオレが支払う歓迎会(大名人・じゅんじゅん)
・よく会うね良いお年をと言ったのに(大名人・せきぼー)
・何もない今年の一句落選し(柳王・恋するサボテンちゃん)
・炬燵など出したら怠けモードON(名人・高橋永喜)
・日溜まりはばあちゃん達をはじけさせ(大柳王・けんけん)
・ばあちゃんもドジャースを知る契約日(大名人・はる)
・磯野家の居間から見れる四季の花(柳王・ぼうちゃん)
・父さんの手土産今のテイクアウト(柳王・東海島田宿)
・あちこちの句会の笑顔ファンブック(大名人・ワイン鍋)
・効きそうな心のサプリ「まぁいいか」(大柳王・里山わらび)
・叶うならサンタになってウクライナ(名人・くろぽん)
・ゆり子さん真似て官能辞典買い(しゃま)
・パー券が金権政治支えてた(ナンパも名人・soji)
・みかん色表紙めくればピンク色(柳王・咲弥アン子)
・サッカーの用語と思ったキックバック(名人 ・のりりん)
・ペイと言や私世代はアダモちゃん(大柳王・ユリコ)
・川柳も思い浮かばぬこともある(全裸川柳家・そうそう)
・投句する娘の帰りを待ちながら(大名人・不美子)
・セルフレジ背後刺さってくる視線(柳王・フーマー)
・「あれ」と「それ」だけで会話をする夫婦(柳王・アンリ)
・車椅子足で軽やか母操作(柳王・ポテコ)

◎今週の一句・猫日和明日に幸あれ譲渡会(シゲサトシ)
◯二席・叶うならサンタになってウクライナ(名人 ・くろぽん)
◯三席・日溜まりはばあちゃん達をはじけさせ(大柳王・けんけん)

【お知らせ】
私が選者をつとめる「さがみっ子川柳」が載る、こどもタウンニュースタウンニュースの2023年12月号がこのたび発行されました。あさひろさんにもさしあげましたが、いかがですか?
今回のお題は「ちょっと苦手なもの・こと」。

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【編集後記】
今年の私の漢字は「祈」ですね。
といっても、自分のことを祈ることはあまりない。
祈るのは人のことばかりですね。
ラジオから聞こえるあさひろさんがまた鼻声。
2時間の年末特番があさひろさんと無事に放送できるよう、今から祈っています(笑)。(タケシ拝)
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水野タケシ(みずの・たけし)
1965年生まれ。コピーライター、川柳家。東京都出身。
ブログ「水野タケシの超万能川柳!!」 http://ameblo.jp/takeshi-0719/ 


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