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こふみ会へGO七GO №128 [ことだま五七五]

「立春」「日向ぼこ」「鱈」「手袋」 

                         俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和6年2月の句会≫の案内状が送られました。

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おはようございます。
きょうから2月。春のきざしもありますが、
もう一枚、更に重ね着をするという、如月です。
まだまだ寒い日が訪れます。お気をつけて。
さて、今月の幹事は、一遅が務めさせていただきます。

兼題は
①立春 
陰暦の暦では節分の次の日、正月のこと。今年は2月4日です。
今年は特に、あらためて正月をしたい気分ですね。

②日向ぼこ 
小春日和の午後、厚着の背中が熱くなるほど暖かな日があります。
そんな日は、できるだけ、からだを動かしましょうか。

③鱈 
冬の魚の代表。魚屋の店先にもきれいな切り身が並んでます。
白子は、茹でても焼いても美味。熱燗徳利がすぐにからっぽ。

④手袋 
落し物か忘れ物か、路傍の片手袋を見つけ撮影する知人がいますが、
手袋には、なぜかドラマが宿りますね。

と、ちょっとイメージを付けさせていただきました。
それでは、ふるって、一遅アドレスまで、ご投句ください。
締め切りは、2月10日(土)の深夜までといたします。

                       以上。森田一遅

◆24日(土)までに選句のメールを一遅にください。

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案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は16名64句。

【立春】
1. 芽出たいな裏返しても立春大吉(八傘)
2. 春立って指揮者小澤の旅立ち(鬼禿)
3. 立春に湯気たちのぼる醸造所(紅螺)
4. 立春やあなたかわりはないですか(矢太)
5. 顔ぶれの変わり行く町春立ちぬ(弥生)
6. 立春すぎ冬が閉じ込めに来たとは(兎子)
7. 昨日より一日老いて春立ちぬ(虚視)
8. 立春の響きが嬉し空仰ぐ(華松)
9. 立春や昨夜の豆で燗一合(一遅)
10.手を広げ抱く命あり春立ちぬ(なつめ)
11.立春のバイクどどどと始動せり(すかんぽ)
12.気にかけし数値みてをり春立ちぬ(尚哉)
13.街も人もオブラートの中春立つ日(茘子)
14.ピンポンの球になりたや今日立春(下戸)
15.コーヒーの香り揺らぎて春たちぬ(玲滴)
16.春立つや乾杯照らす赤提灯(蕃茄)

【日向ぼこ】
17.父遺愛の揺り椅子揺らし日向ぼこ(弥生)
18.日向ぼこ指の間から宇宙(そら)をみる(矢太)
19.先生のYシャツの匂い日向ぼこ(下戸)
20.日向ぼここのままいって終いたい(鬼禿)
21.宿の無き猫定席で日向ぼこ(虚視)
22.武器棄てて一緒にどうぞ日向ぼこ(すかんぽ)
23.香ばしき子犬の匂ひ日向ぼこ(なつめ)
24.日向ぼこ隣に死ぬる祖母も来て(茘子)
25.窓ごしに富士見る余生日向ぼこ(一遅)
26.日向ぼこ猫の流儀を倣いとす(尚哉)
27.南向き暑いくらいの日向ぼこ(華松ょ
28.人形の日向ぼこにはふさわしい(兎子)
29.日向ぼこ逸材2歳母の膝(八傘)
30.棟梁がお昼休みの日向ぼこ(紅螺)
31.野良猫に頭(こうべ)を垂れて日向ぼこ(蕃茄)
32.日なたぼこ背中ける子の足の裏(玲滴)

【鱈】
33.鱈を摺る竹輪になあれとただに摺る(尚哉)
34.鱈の身のほんのり赤く新所帯(一遅)
35.鱈干すとう便りも途絶え北国の友(弥生)
36.鱈船の吹雪背負って帰り来ぬ(茘子)
37.鱈さばくかっての己を裁くごと(鬼禿)
38.シェフひとり名もなき鱈と皿の上(下戸)
39.棒鱈のほろり優しき母の味(なつめ)
40.つんつんと突けば波打つ鱈の腹(すかんぽ)
41.鱈鱈鱈海を隠して干し上がる(虚視)
42.鱈睨む鱈には鱈の怒りあり(矢太)
43.鍋か揚げムニエルもいいね鱈わらう(兎子)
44.鱈の身を一枚二枚とはがしてる(華松)
45.厳寒の海を泳ぎて鱈鍋に(玲滴)
46.善哉や鱈でちりちりダイヤモンド婚(八傘)
47.鍋つつく隣は鱈より白き指(蕃茄)
48.先生が鱈のアク取り懇々と(紅螺)

【手袋】
49.手のかたち残し手袋冷えゆくや(虚視)
50.手袋の物欲しさうな脱がれやう(すかんぽ)
51.手袋を外して繋ぐ君の手と(なつめ)
52.手袋と生き別れたり山手線(下戸)
53.失くなった片手袋の孤独(鬼禿)
54.公園のベンチの手袋誰を待つ(茘子)
55.手袋をつなぐ紐編む母遥か(弥生))
56.きのうから手袋の中身がみつからぬ(矢太)
57.片手袋ドラマありけむ橋の上(尚哉)
58.くず毛糸で少女手袋編む夜更け(紅螺)
59.手袋や尾を振る犬が咥え持ち(蕃茄)
60.ちっこい手袋ゆび3本でVサイン(八傘)
61.南吉の狐の親子は手袋買いに(玲滴)
62.手を入れる片方のみの手袋に(華松)
63.今日は手袋がほしい探すがない(兎子)
64.手袋の両手ほっぺに通学路(一遅)

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【天句の鑑賞】

◆先生のYシャツの匂い日向ぼこ(矢太)
鑑賞短文=父でもなく「先生のYシャツ」と詠まれたことで、石鹸の香りが漂いそうな清廉さと温かみを感じました。(なつめ選)

◆手袋と生き別れたり山手線(下戸
鑑賞短文=「生き別れ」の大げさ感に俳諧味があっていいですね。手袋は自分の分身なので、「生き別れ」が効いています。(すかんぽ選)

◆ピンポンの球になりたや今日立春(下戸)
鑑賞短文=生命たちの歓ぶ有り様。ピンポンときましたか。まいりました。(八傘選)

◆香ばしき子犬の匂ひ日向ぼこ(なつめ)
鑑賞短文=可愛い子犬と柔らかな陽射、香ばしい匂いに包まれ、ぽっと胸の中に光が射したような気持ちになりました。ボクサーを飼っていた時がありましたが、、ぐっすり眠ると、とても香ばしい良い匂いになりました。(虚視選)

◆手を広げ抱く命あり春立ちぬ(なつめ)
鑑賞短文=自然界に諸々の生命が芽吹く、その息吹を一身に浴びて駆けてくる「命」、春たつ喜びにあふれるようです。(玲滴選)

◆棒鱈のほろり優しき母の味(なつめ)
鑑賞短文=懐かしい棒鱈の料理はまさしく母の味。思わず往事がよみがえりました。(弥生選)

◆顔ぶれの変わりゆく町春立ちぬ(弥生)
鑑賞短文=歳々年々人不同、町も同じですね。さらりと変化を詠む手腕に脱帽です。(華松選)
鑑賞短文=すぐに能登の被災地を連想させますね。避難して離れてしまった人たちは、もう帰らないのか・・・。(尚哉選)

◆手のかたち残し手袋冷えゆくや(虚視)
鑑賞短文=まさに写実ですね。素晴らしい!(茘子選)

◆昨日より一日老いて春立ちぬ(虚視)
鑑賞短文=「春立ちぬ時ゆったりと矢の如く」の拙句を鑑賞返句としたい。(矢太選)

◆日向ぼこ隣に死ぬる祖母も来て(茘子)
鑑賞短文=この季語で私も「このまま逝って~」と詠みましたが、「死ぬる祖母」と添い寝とは大胆。それでいてスーとする明るさ。恐れいりました。(鬼禿選)
鑑賞短文=亡くなったおばあちゃんが、ふと隣にいるような、長閑な、穏やかな、そして少しだけ寂しい景色が素敵です。(兎子選)

◆立春のバイクどどどと始動せり(すかんぽ)
鑑賞短文=春が来て、風を切って疾走するバイク。躍動感に心躍ります。(紅螺選)

◆手を入れる片方のみの手袋に華松
鑑賞短文=片方の手袋に大小2つの手を入れる親子か、はたまた恋人同士か、それとも片方だけになった手袋に手を入れるのかも。片方の手袋から始まる物語に、想像が尽きません。(蕃茄選)

◆鱈の身のほんのり赤く新所帯(一遅)
鑑賞短文=新しい所帯の初々しさ鱈の身によって表わされていて、なんだか新鮮な気分になりました。(下戸選)

◆きのうから手袋の中身がみつからぬ(矢太)
鑑賞短文=手袋の中身?は手?別役実の戯曲を見るような不条理、新たな俳句の地平です。(一遅選)
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【今月の天地人】

【天句】    23点  顔ぶれの変わりゆく街春立ちぬ   弥生
【地句】    19点  羊のかたち残し手袋冷えゆくや   虚視
【人句】    18点   昨日より一日老いて春立ちぬ   虚視
        18点   武器捨てて一緒にどうぞ日向ぼこ    すかんぽ

【総合天】52点 虚視さん
     代表句=羊のかたち残し手袋冷えゆくや
【総合地】43点 なつめさん
     代表句=手を拡げ抱く命あり春立ちぬ
【総合人】38点 下戸さん
     代表句=ピンポンの球になりたや今日立春

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【幹事よりひと言】
面白く幹事をさせていただき、ありがとうございました。
「立春」のスタート感をどのように伝えようか・・皆さまそれぞれの工夫が面白かったです。
「日向ぼこ」は、日の匂い、猫や犬、夢のような幻想のような情景も飛び出し、楽しめまし
た。「手袋」では、片方にイメージがだいぶいきましたが、ちょっと幹事の兼題コメントが
余計なことだったのかと反省しています。 常勝の虚視さんが天、なつめさん、下戸さんとこ
のところの流れは変わりませんでした が、なつめさんと下戸さんは、4句のうち3句に天が
入るという効率の良さ。もう一句あればパーフェクトですかね? 最後にもう一度、こふみ会
は、幹事をするのがいちばん面白い。これ、今回の結論でした。ありがとうございました。
一遅


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