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こふみ会へGO七GO №123 [ことだま五七五]

こふみ句会へGO七GO  №123
「新涼」「秋雨」「新蕎麦」「草の花」 
                            俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和5年9月の句会≫の案内状が送られました。

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東京で35℃が当り前の8月が終わりました。
そういえば熱帯夜も連日のことでしたね。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
残暑とはいえ空にはもう秋の雲が。
この9月は、こあみ句会の幹事をすかんぽが勤めさせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。

【九月の兼題】
①新涼、涼新た、秋涼し
②秋の雨、秋雨、秋霖
③新蕎麦、走り蕎麦
④草の花

【スケジュール】
●投句締切:16日(土)24時までに
 俳名を添えてすかんぽのアドレスにお願いします。
 iguana@love.email.ne.jp
●選句締切:25日(月)を予定しています。

移りゆく季節の詩情を愉しみましょう。
                               9月幹事 梶浦道成

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【当日寄せられた全作品】は下記のとおり。16名64句

【新涼】
01 ゆうまぐれ幽けき月や秋涼し   (虚視)   
02 酔い覚めの水のうまさや今朝の涼 (鬼禿)            
03 新涼の朝ひとり茶を濃く淹れる  (一遅) 
04 秋涼しだあれもいないテラス席  (弥生)   
05 ギブスとれ降り立つ庭に涼あらた (玲滴)   
06 新涼を探し探して夜の街     (兎子)   
07 前髪を切り揃えたり秋涼し    (なつめ)  
08 新涼や影の長さを競いつつ    (矢太)   
09 新涼やコムデギャルソン出番待ち (紅螺)   
10 この宵はハイフェッツ聴かむ涼新た(尚哉)   
11 カーテンの喜びようや秋涼し   (孑孑) 
12 涼新た青ストライプの伊達男   (下戸)  
13 街も人も優しくなりぬ秋涼し   (茘子)   
14 新涼に肩の力を抜いてみる    (華松)   
15 夜なべ置き撫でる猫の背秋涼し  (蕃茄)   
16 踊りだす街のスカート涼新た   (すかんぽ) 

【秋雨】
17 秋の雨三尺の顔を枕にす     (蕃茄)
18 秋雨や海賊船が湖をゆく     (すかんぽ) 
19 秋の雨時計の音に気づく夜    (茘子) 
20 秋雨や天から真っすぐ降りてくる (下戸)  
21 秋雨も無沙汰の友の声に晴れ   (孑孑)  
22 秋の雨今宵はどんな嘘にしよう  (尚哉)  
23 幕切れはあの決め科白秋雨降る  (紅螺)   
24 秋雨や長い道草喰ったもんだ   (矢太)  
25 秋の雨熱めのお湯に浸かりをり  (なつめ)  
26 通勤に潤い添える秋の雨     (兎子)
27 病院に友見舞う朝の霖雨かな   (玲滴)   
28 三叉路に別れがたくて秋の雨   (弥生)   
29 義足なで無い足かゆし秋の雨   (鬼禿)   
30 街の灯の車窓に流れ秋の雨    (虚視)   
31 秋の雨木々嬉しげに滴れリ    (一遅)
32 懐かしき声は空耳秋の雨     (華松) 

【新蕎麦】
33 時刻表にらみつつ食う走り蕎麦   (茘子)  
34 新蕎麦を指でつまむや若社長    (下戸)
35 ほそ川の新蕎麦食べに橋渡る    (紅螺)  
36 新蕎麦を求めて走る中央道     (兎子)  
37 新蕎麦や愚痴や悩みはさておいて  (弥生)  
38 新蕎麦をたぐってさぁまだまだ生きる(一遅)
39 欲張つて世にはばかつて走り蕎麦  (すかんぽ)
40 覚醒す塩新蕎麦にひとつまみ    (虚視)  
41 駆けめぐる七賢甲斐駒走り蕎麦   (鬼禿)  
42 新そばの香楽しむ今だけの贅    (玲滴)
43 待つ客の今か今かと走り蕎麦    (なつめ) 
44 ほろ酔いに未だ日暮れぬ走り蕎麦  (尚哉)  
45 新蕎麦や音でいただく国やよし   (孑孑)  
46 後悔を重ねて香る走り蕎麦     (矢太)  
47 新蕎麦や妻を誘いて一人酒     (蕃茄)  
48 三口分重ねて盛りし走り蕎麦    (華松)

【草の花】
49 土道は地図にない道草の花     (尚哉)
50 島の子や色とりどりの草の花    (下戸)
51 草の花俺より広い空を見る     (蕃茄) 
52 気まぐれな風に揺られし草の花   (なつめ) 
53 育ちすぎ穫り残されて草の花    (玲滴)  
54 草の花ひょいとしゃがんでかくれんぼ(華松)  
55 草の花バス待つ人はひとり     (一遅)  
56 名を呼べぬごめんなさいね草の花  (孑孑)  
57 ゆるゆると歩きて見ゆる草の花   (虚視)
58 マグカップひとつは摘んだ草の花  (すかんぽ)
59 我が一世草の花なる一世かな    (茘子)  
60 ビーグルのおしっこ笑ふ草の花   (矢太)  
61 廃業す更地一面草の花       (兎子)
62 孫9人 個性色々草の花      (鬼禿)
63 草の花摘めばどこかで爆ぜる種   (弥生)  
64 草の花瓶に活けてる老いた父    (紅螺)

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天句の鑑賞】
「天」に選んだ句とそれに関する鑑賞短文を簡潔に書くというこふみ句会の約束事。

◆我が一世草の花なる一世かな(茘子)
鑑賞短文=花の一世、名もなき一世、兎にも角にもやれやれ一世。(孑孑)

◆マグカップひとつは摘んだ草の花(すかんぽ)
鑑賞短文=山頂近くでしょうか、風の音が聞こえて来る様です。草の花を生ける句を作りたかったのですが、出来ませんでした。視点が素晴らしいですね。(虚視)

◆秋の雨今宵はどんな嘘にしよう(尚哉)
鑑賞短文=秋の雨は、人の心を不穏にする。苦い青春を思い出して、切なく寒い。(矢太)

◆新蕎麦をたぐってさぁまだまだ生きる (一遅)
鑑賞短文=新蕎麦の香り、勢い良くすする音、初物を味わう情景がパッと脳裏に広がりました。(審茹)

◆新涼の朝ひとり茶を濃く淹れる(一遅)
鑑賞短文=新涼にふさわしい清々しい一句。今朝の涼しさに、濃い目のお茶を淹れたくなりました。(下戸)
鑑賞短文=猛暑にあえいでいた夏のあいだ、ペットボトルの麦茶ですませていたのが、ふっと涼しくなった朝、久し振りにお茶をいれたくなりました。一人でも丁寧に・・・そんな気持ちに寄り添う句だと思います。(玲滴)

◆土道は地図にない道草の花(尚哉)
鑑賞短文=舗装路の照り返しになやまされたこの夏。土の道の優しさが見に染みます。
草の花が咲いていたらなおのこと。(弥生)
鑑賞短文=地図にない道、名を呼ばれない草花。どちらも儚く弱々しいイメージですが、実は強かに存在しているのです。(なつめ)

◆酔い覚めの水のうまさや今朝の涼(鬼禿)
鑑賞短文=一瞬の感覚で季節の変化を捉えていて素晴らしい!(茘子)

◆蕎麦や音でいただく国やよし(孑孑)
鑑賞短文=食べる音で季節を感じる日本の文化。蕎麦を知り尽くした作者の、なんと素晴らしい着眼点でしょう。(一遅)

◆島の子や色とりどりの草の花(下戸)
鑑賞短文=選句は自句と極めて違う句か似ている句を選んでしまいます。今回は後者私は孫9人でしたが、島の子の方がいい。明るいいい句です。(鬼禿)

◆新蕎麦や妻を誘いて一人酒(蕃茄)
鑑賞短文=・・・イキでオツです。焦点が「蕎麦」に結ぶのがいい。(尚哉)

◆秋雨や天から真っすぐ降りてくる(下戸)
鑑賞短文=まっすぐに降る雨は、向こう側に渡った人と、糸電話のように繋げてくれそうです。(華松)

◆秋の雨時計の音に気づく夜(茘子) 
鑑賞短文=外は静かな雨、物思う人、気づけば時計の針もすすんでいる。こんな夜、ありますよね。(紅螺)
鑑賞短文=秋の雨の穏やかなこと、ひそやかなこと、季節が変わったと実感できること。静かな句です。(兎子)

◆カーテンの喜びようや秋涼し(孑孑)
鑑賞短文=クーラーを切って久々に窓を開けた。カーテンが踊るように翻った。涼風の到来をカーテンで見事に表現した一句。「喜びようや」の擬人化も効果的です。(すかんぽ)

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≪今月の天地人≫

天=茘子さん 37点
  代表句=秋の雨時計の音にいづく夜
地=遅さん 35点
    代表句=新涼の朝ひとり茶を濃く淹れる 
人=孑孑さん 28点
    代表句=カーテンの喜びようや秋涼し
人=尚哉さん 28点
    代表句=土道は地図にない道草の花

≪今月の天地人句≫

【天句】秋の雨時計の音に気づく夜  (茘子)23
【地句】新涼の朝ひとり茶を濃く淹れる (一遅)21
【人句】酔い覚めの水のうまさや今朝の涼(鬼禿)18
【人句】カーテンの喜びようや秋涼し  (孑孑)18
【客句】廃業す更地一面草の花   (兎子)17

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≪幹事より、ひと言≫

今月は選が割れ、皆さんの句に万遍なく点が入りました。
そんな中で茘子さん・一遅さんの句が天を2名ずつ獲得、天句・地句に輝きました。
高得点者は茘子さん。天地人の選を6つも獲得し、安定した力を発揮。
一遅さんも天地人の選を6つ獲得したものの「秋雨」の句が天と地の差になりました。


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