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論語 №159 [心の小径]

四九六 子のたまわく、命(めい)を知らざれば以て君子為(な))ることなし。礼を知らざれば以て立つことなし。言を知らざれば以て人を知ることなし。

           法学者  穂積重遠

 孔子様がおっしゃるよう、「君子の身を修め世に処する道は、『知命』『知礼』『知言』の三重点に存する。天命を知って人事を尽くし、いかなる逆境に在っても天を怨みず、人を咎(とが)めず、信じかつ安んじて道を楽しみ得なくては、君子としての真価が保てぬぞ。礼を知らないと、進退度を失い品格備わらず、君子としての立場が守れぬぞ。言を知らないと、善悪正邪を弁ぜず、義理人情に通ぜず、よく人を知るの君子たり得ぬぞ。」

 開巻学而(がくじ)第二の第一章に述べたごとく、『論語』は「君子」に始まって「君子」に終わる、徹頭徹尾君子の教えだ。私が敢えてみずからはからず、一家一門の少年少女に紆り返し「子のたまわく」を押売りし、今また更におおけなくも書物にまでもしようというのは、ただただ新日本を真君子国たらしめ、新日本人を真君子人たらしめんの熱望の放のみ。

【新訳論語」 講談社学術文庫



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