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雑記帳2022-10-15 [代表・玲子の雑記帳]

2022-10-15
◆withコロナの暮らしが板について、屋外ではマスク着用も緩和されはじめた10月初め、信州美食紀行なるバスツアーがありました、

信州の秋の味覚といえばまずマツタケ。目指すは上田市富士山(ふじやま)にある鴻ノ巣です。1400万年前は海底だったというこの地は日本でも有数のマツタケの産地。9月から11月だけオープンするという松茸小屋「あぜみち山荘」で、マツタケのフルコースを頂きました。

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季節小屋なので、常設の料亭のようにはいかない
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小屋まではちょっとした山道を登っていく

※「あぜみち山荘」のまつたけのフルコース
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左・松茸なべ(うどん入り)、手前・香の物2種

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松茸どびんむし

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松茸姿焼き(焼くときは裂く)

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松茸飯

マツタケ飯はお替り自由とありましたが、鍋の中にはうどんもはいっているので、若い時ならいざ知らず、とてもそんなには食べられない。どうしたって、芥川龍之介の「芋粥」を思いだしてしまうのでした。もうちょっと若かったらという思いもありますが、松茸をおなか一杯食べるなんて贅沢は若い頃は思いもよらず、余裕が出来たころには食べられない、人生はそういうものかと、ほろ苦いお昼になりました。
周辺には別所温泉や無言館、上田城、信州の鎌倉と呼ばれる塩田平、観光には事欠きません。

松茸山を後にして向かうは小布施。長野県で一番小さい自治体なのに美術館は17館もあります。若者、女性に人気の観光地は、有数の栗の産地です。
江戸後期、葛飾北斎が高井鴻山の招きで小布施をおとずれ、此の地に4年ほど滞在して多くの絵をのこしています。

北斎館ではちょうそ「秋のお宝大放出」の企画展開催中。中でも祭り屋台の天井画が凄い。
幕府のきびしい統制の目を逃れて北斎は此の地でのびのびと筆をふるい、巨大な浮世絵を描きました。有名な八方睨みの鳳凰の天天井画のある岩松院には行けませんでしたが、北斎館で十分楽しむことができました。

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北斎の肉筆画
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祭り屋台の天井画の一つ
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祭り屋台

北斎を招いた高井鴻山は、小布施の豪農商として知られいますが、浅間山麓から出てきた高井家の先祖が財を築いたのは、どうやらお酒だったようです。。
鴻山は自身も筆をとり、絵や幟に字をのこしている。江戸末期の飢饉の折には蔵の米を放出して住民を救ったとか、明治政府に請われても郷里を離れなかったという逸話もあります。鴻山の邸は今、記念館になり、ちょうど「高井鴻山の馨しい世界」の企画展示中。屋台庫(くら)では彼が収集した作品の展示室になって、中に、伊藤若冲の『鶏百体図』も特別展示されていました。穀蔵には鴻山の自筆の山水画や花鳥風月が展示され、なかなかの粋人だったことが伺えます。鴻山はまた、佐久間象山とも親交がありました。

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栗の道沿いにある高井鴻山記念館
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記念館入口 左・屋台庫右は穀蔵
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高井鴻山馨しい世界のポスター

丘の上から夕暮れの田園景色を見おろしながら頂いた夕食は小布施の栗づくしのフランス料理でした。

※「メゾン・ド・ナチュール」メニューは小布施の栗づくし

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小布施のくりのみ園さんの卵を使った小布施栗のシホンサレ
 小布施栗のヴルーテ

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小布施の野菜を使ったたっぷりのサラダと山口県の萩より天然神経締めのサワラの一皿
信州中野の朝採トウモロコシのソース
栗のドレッシング

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ニュージーランド産穀物肥育牛サーロインステーキのキャベツ包み
小布施の赤ピーマンのソース
栗のリゾット添え

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小布施牛乳を使ったお庭のツミタテラベンダーのブラマンジェ
栗のスープ

ヴルーテソースは、家禽や魚介類の料理に供されるソースで、他のソースのベースとして使用される。アルマンド、ベシャメル、エスパニョールと並ぶフランス料理での4つの基本ソースの一つです。 

信州のもうひとつの味覚といえば、なんといっても蕎麦でしょう。
翌日は雨。晴れていれば雲海がみごとだというソラテラスもそこそこに、訪れた先は小諸懐古園のそばにあるお蕎麦屋さんです。小諸は信州蕎麦の城下町だそうな。

小諸と聞けば私たちの世代は島崎藤村の『千曲川旅情の歌』がすぐうかぶ。『小諸なる古城のほとり』はいまでもそらんじている。もっとも、5才離れた後輩からははなにもひっかけられないのですが、名前も「草笛」という店で、藤村も食べたかなあなんぞと思いながらいただいたのはクルミ蕎麦でした。以前、懐古園の中にある「小山敬三美術館」をたずねて「知の木々舎」に寄稿をお願いしたおり、館長の小林秀英さんがお昼にはぜひクルミ蕎麦を食べて行ってと勧めてくださったのを思い出しました。                        

クルミはもともと日本にあって縄文時代から食べられていたナッツです。その後、中東のイランから入ってきた種と交配しながら生産量を増やしてきました。小諸の近くの東御(とうみ)町が生産量日本一というクルミも、栗と同じように実は秋が収穫の季節なのだと思えば、収穫したばかりのクルミで蕎麦を食べるなんて、秋ならではの贅沢ですね。

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左は練クルミをいれたそばつゆ

信州の美食を訪ねて最後に訪ねたのは東御にあるアルカンヴィーニュです。
ご存知、エッセイストの玉村豊夫さんが長野に葡萄畑を買ってワイナリーを作るという話題が大きく取り上げられたときがありました。個人の趣味のように思っていたことでしたが、法人として経営基盤を確立して、日本にワインのある食卓風景を根付かせたいという壮大なプランでした。北アルプスと千曲川を望む丘の上に立つレストランは四季の野菜やハーブのガーデンが眺められるお洒落なサロン。栽培醸造経営講座の「千曲川ワインアカデミー」も開設しての多角経営も功を奏してか、若者に人気、玉村さんに憧れる若いスタッフも大勢いるようでした。
ここでは食事ではなくワインの試飲をさせてもらいました。

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手入れの行き届いた葡萄畑
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