私の中の一期一会 №264

　　二階元幹事長が「国葬はやるのが当り前、やらなかったらバカだ」と講演で発言

　　 ～旧統一教会の問題は究明し修正してやるべきだが自民党はビクともしない～

      　　　　アナウンサーキャスター　　藤田和弘

　まだ暑さが続く８月２４日、自民党の二階俊博元幹事長が東京都内で講演した。

　自民党議員の旧統一教会との関わりについて触れ、「“電報を打ってくれ”と言われりゃ打つんですよ。“応援してやろう”と言ってくれたら“よろしくお願いします”って言うのが合言葉だ。

　物を買いに来てくれたら“毎度有難うございます”と言うのと同じなんです」と自分の理屈を披露。

　支援者が旧統一教会関係者かどうか「瞬時には分かる訳がない」とも語ったが、瞬時なら兎も角長年癒着しておいて、「分からなかった」はないだろう。

「旧統一教会との関係は究明して、修正してやっていくべきだと思いますが、自民党はビクともしない！」と二階氏らしく強がりも見せた。　

　伝道の名のもとに霊感商法とか高額な献金を強要されるようで、中には家庭崩壊や破産に追い込まれる者が出てくる。

　旧統一教会と自民党の政治家の関りは、大きな社会問題として捉えられているのである。

「おい、本気かよ」と言いたくなる言葉が二階元幹事長の口から飛び出した。

「国葬はやるのが当たり前。やらなかったらバカだ」と・・・

　国葬については報道各社の世論調査を見ても全て「反対」が「賛成」を上回っている。

　国民の過半数を超える反対もあった。

　森友、加計学園の問題や桜を見る会の疑惑に真実を語らかった人への不信感は根強い。

　そんな人の葬儀に国民の血税を使われたくないと反対した人が多いのである。

　ネット上は“非難の声”で溢れた

「過半数の国民をバカ呼ばわりとは・・これが自民党の本音だろう」

「開き直るな！奢れる自民は久からず！」

「特権階級意識も大概にしろ！」

「こういう言い方でしか反論できないなら、お前のほうがバカだ」

「旧統一教会の問題が連日のようにクローズアップされ、内閣支持率が急落しているときに“自民党はビクともしない”なんて呆れてしまうよ」・・・

　岸田首相は３１日午前、首相官邸で記者会見し自民党と旧統一教会の癒着について「国民から懸念や疑念の声を頂いており率直にお詫び申し上げる」と陳謝。

　同時に、旧統一教会をめぐって、「当該団体との関係を断つことを基本方針として所属国会議員に徹底する」と説明した。　

　国葬に対する批判にも「真摯に受け止め、政権の初心に帰り丁寧な説明を尽くしたい」と述べた。

　テレビで中継される国会の場で、閉会中審査に出席して、質疑にお答えする場を設けるよう茂木幹事長に指示した。

　旧統一教会側は、自民党から一方的に“関係を断つ”と宣言されて黙っているかどうか分からない。　

　相手もしたたかだから、“ビクともしない”と言っていられないことになるかも知れませんよ、二階さん・・・

　すでに政府は２６日の閣議で式典にかかる経費として２億５０００万円を計上している。

　これは式典にかかる費用が２億５０００万円ということで、警護や外交に関連する経費は別である。

　一説には３５億円になるという報道もあって、これも底なしなのだろう。

　野党側は２億５０００万円のほかに警備などを含めた総額を明らかにするよう追及を強めている。

　松野官房長官は、葬儀の終了後に総額を発表すると述べている。

　政府は、国葬に関係する省庁の幹部が集まり国葬の詳細について発表した。

　葬儀実行幹事会によると

　9月２７日、午後２時から日本武道館で国葬が行われる。

　三権の長や国会議員、海外の要人、立法・行政・司法関係者、地方公共団体代表、各界の代表など最大で６０００人程度が参列する。

　一般の献花も午前１０時から午後４時まで、日本武道館の外に献花台が設けられる。

　国葬当日には、哀悼の意を表すため各府庁で弔旗を掲揚するとともに、葬儀中の一定時刻に黙とうすることを葬儀委員長の岸田総理が決定した。　

　岸田首相は、“国葬はやるのが当たり前、やらなかったらバカだ”という二階元幹事長の声を聞いたということだ。

　反対する国民の声は岸田首相の耳を通り抜けただけだったようである。