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私の中の一期一会 №256 [雑木林の四季]

   スキージャンプ女子。傷心の高梨沙羅に元気が戻ってきていないのが気懸かりだ
 ~「ジャンプという素晴らしい競技の場に立つために前進していきたい」とコメント~

     アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 スキージャンプ女子のW杯がオーストリアのヒンツェンバッハで25日の団体戦から再開されている。
 日本はアンカーの岩渕香里が2回目を飛び終えると、全員でテレビカメラに向かって「沙羅ちゃん元気?」と調整中の高梨沙羅に呼びかけたとスポーツ紙が伝えている。
日本は伊藤有希、岩佐明香,勢藤優香、岩渕香里の順で飛んで、合計746.1点で4位に終わった。
 高梨沙羅は代表チームに同行していなかった。
 日本チームは1回目を終えて3位につけていたが、スーツ違反で失格者が出たスロベ二アに35ポイント差で逆転されてしまった。
 岩渕香里は「4位という結果は受け止めなくてはならない。完ぺきとは言えないが全員でベストを尽くしている。エース不在だが、いい試合だったと思う」と胸を張った。
 北京五輪でスーツの規定違反による失格で、失意のどん底に沈んだエースへの呼びかけは、温かい心遣いだと記事は書いている。
 高梨沙羅は五輪が終わっても日本に帰ってきていない。 
 JOC理事でもある原田雅彦総監督が北京で「沙羅は元気になった.今後のW杯で元気な姿を見せたいと思っていると思う」と語ったが、心に負った深い痛手はそう簡単に癒えるものではないだろう。 
 日本スキー連盟は24日、「高梨沙羅の今後の大会出場は未定だ」と発表して、今後は出場予定が決まり次第発表する方針であることを明らかにした。
 岩渕香里は「沙羅とは同郷で、小さい頃から一緒に練習してきた。沙羅がいたから自分も頑張れたというのもある。
 他のたくさんの仲間も沙羅の影響を受け頑張るという気持ちになってきた。
 少しでも早くW杯に戻ってきてくれたら嬉しい」と語った。
 3月2日にノルウエーのリリハンメルでW杯個人の第14戦が行われる。
 高梨沙羅がリリハンメル大会に出場を予定していることが分かったという情報をネットで見た記憶があるが、全日本スキー連盟は沈黙のままである。
 一時は引退すら囁かれただけに、ホントにノルウエー大会から高梨が競技に復帰するのであれば嬉しいニュースになる。
 高梨沙羅はこれまでのW杯で、歴代最多の通算61勝を記録している。
 表彰台記録110回という偉業も成し遂げてきた。 
 高梨沙羅はまだ25歳で老け込む歳ではない。
 エースジャンパーの再起を心待ちしているファンは日本中、いや世界中にたくさんいる。
 ポーランドのメディアは「サラ・タカナシがヒンツェンバッハ大会の3連戦を欠場する」と残念がって伝えたそうだ。
 今シーズンのW杯は、オーストリアのマリタ・クラマーが10戦で6勝をマークする好調さで995ポイントを獲得、1位を独走中である
 2位は北京で銀メダルのカタリナ・アルトハウス(ドイツ)、3位と4位はスロベニア勢が続き、高梨は6位にいる。
 ポーランドのメディアは「欠場で差を縮めることが出来ずにシーズンが終わるとしたらザンネン」と嘆いている。
 25日から再開されたヒンツェンバッハ大会の団体戦から、1位を独走する20歳のマリタ・クㇻマーがW杯に戻ってきた。
 マリタ・クㇻマーは北京五輪の女子ジャンプでも金メダルの最有力候補に挙げられ、高梨沙羅の強力なライバルであった。
 ところが、マリタは思わぬ悲劇に見舞われた。
 北京に向かう直前のPCR検査で“コロナ陽性”が判明して“五輪不参加”を余儀なくされてしまった。
 北京で飛ぶことを念頭に4年間努力してきたのに、突然それが水泡となって消えてしまった。
 「心に穴が開く心境だった。最悪だった」と述懐している。
 スーツの規定違反が相次ぎ、オーストリアの仲間達も予想外な茶番に巻き込まれ5位に終わったことを嘆き、抜 き打ち検査には不信感を抱いたとコメントしている。
 五輪には参加できなかったマリタ・クラマーはW杯復帰について「調子は徐々に上がってきているが、精神的に 難しくモチベーションもそう簡単にはいかないだろう」と本音を洩らした。
 高梨沙羅は2011~12年シーズンから4度、年間優勝を果たしている。
 ここ10年は、常にトップジャンパーとして世界の女子ジャンプ界を牽引してきた実力者だ。
 サラ・タカナシの再起を期待して、「温かく優しい言葉で励ましてくれた各国、地域の選手やスタッフの皆さんにはホントに助けていただいた」と高梨は感謝している。
 高梨沙羅は北京五輪の閉会にあたって「たくさんの方々が純粋に喜び会えるスキージャンプという素晴らしい競技の場に立つために、現状を鑑み前進していきたい」とJOCを通じてコメントを出した。
 今シーズンのW杯も残り少なくなってきた。 
 3月2日     リリハンメル  (ノルウエー)
  5日,6日  オスロ      (ノルウエー)
 12日、13日 オーベルホフ  (ドイツ)
 19日、20日 ニジニタギル  (ロシア)
 26日、27日 チャイコフスキー(ロシア)
 残るは9試合いだが、ウクライナ情勢の緊迫化が続けば、ロシアの4試合は中止になる可能性が高い。
 「長いこと世界のトップクラスを維持してきた高梨沙羅。
 今シーズンの最終順位は何位でもいいではないか。
 無理して危険を冒すより、精神的に安定するまでゆっくり休んだほうがいい。
 五輪で失格した後、あの状態でも素晴らしいジャンプをみせてくれた。
 責任感の強さは敬服に値する。
 とに角、無理は禁物。
 長い目で見れば、ここで休むことは今後のために必要な休養なのではないだろうか」
 これは、ネットで見つけた高梨沙羅へのメッセージである。
 このメッセージを高梨が目にしたら、ホットした気持ちなっただろうと私は思った。
 W杯に早く戻って欲しいという気持は私にもあるが、“精神的に安定するまでゆっくり休め”というアドバイスは適格で素晴らしいと思っている。


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