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私の中の一期一会 №249 [雑木林の四季]

        日増しに高まるプロ野球・日本ハムの新庄剛志「ビッグボス」への期待
~記者会見で「新庄監督とかいらない。“ビッグボス”でお願いします。選手も」と発言!

          アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 札幌市内で行われた日本ハムファイターズの新監督就任会見は、「ユニークだった」の一語に尽きる。
新聞によれば、会見場にはテレビカメラが20台、詰めかけた報道陣は35社,記者119人が新監督の登場を待ち受けていた。
 ド派手な衣装で登場した新庄剛志新監督は、いきなり「選手兼監督という形で契約を結んでもらいました」と口を開いた。
 隣に座った川村球団社長が「いえ、いえ。監督だけです」と突っ込みを入れる。
「スミマセン、監督だけでした・・・」とまるで漫才のようなやり取りで「新庄劇場」の幕が上がった。
「これからは、顔を変えずにチームを変えていきます」と宣言して,ユーモアを交えながら多くの抱負を語った。
 日本ハムは、ここ3年はBクラスに低迷して経営的にも苦しい状況にある。
 プロ野球に限らないが、コロナの影響でファンは球場に足を運べなかったからだ。
「世の中は暗かった印象があるが、僕が帰ってきたからにはコロナはなくなり、球場は満員になります。そういう運命なんです、僕は」・・こんなことを真面目な顔して言い放つ監督なんか今まで何処にもいなかった。
 だが、大スター新庄剛志なら何かやってくれそうだと期待してしまうファンも多いのではないか。
来季の日本ハム戦は何処の球場も“チケット完売”になるかも知れない。
「監督って何だかイメージが堅い。これからは僕が監督像のイメージチェンジをする」という話も面白かった。
「皆さん、監督と呼ばないでください。新庄監督とかいらない。ビッグボス! ビッグボスでお願いします」
 インドネシアのバリ島でビッグボスと呼ばれていたからだという。
 選手にもビッグボスと呼ばせるらしい。
 この日から連日のように新庄劇場は「ビッグボス劇場」としてニュースに登場するようになった。
 新庄剛志は阪神からメジャーリーグに移籍、日本選手として初めてワールドシリーズの舞台を踏んだ一人である。
 帰国して、日本ハムファイターズに入団したが、この時「これからはセ・リーグでもメジャーでもない。パ・リーグです」とコメントして注目され、ファイターズの北海道定着に大きく貢献した実績が残っている。
 今回の会見では「これからはセ・リーグでもメジャーでもない。パ・リーグでもない。新庄剛志です!それしか浮かばない」と少し照れながら笑った。
 型破りな話ばかりではなく、「なるほど」と思わせる発言も幾つかしていた。
「ヒットを打たなくても、点は取れるのだぞ」という作戦面の面白さ、こんなやり方があるというのを発信していきたい。
 新庄はオールスターで、ホームスチールを成功させた唯一の選手だということをご存じだろうか。
 お祭りであるオールスターで、気を抜かず真剣にプレーするところは新庄の美点だ。
「優勝なんか、僕は一切目指しません」と真面目な顔して言う監督、いやビッグボスにはビックリだった。
 聞けば「高い目標を持ちすぎると、選手というものはうまくいかない。日々地味な練習を重ね。何気ない試合、何気ない1日を過ごし、勝った。勝った。また勝ったとなって。9月あたりに優勝争いをしていたら
さあ優勝を目指そう!となれば気合の入り方が違う。そういうチームを作りたい」と抱負を語った。
 稲葉篤紀GMはビッグボスの1学年下だが、日ハムではチームメイトだった。
「05年日本ハムに来た時、新庄さんがいた。自分は新庄さんに大きく変えて貰った。今のファイターズは真面目な選手ばかりなので、ビッグボスが来たことによって考え方が変わったり視野が広がったりするだろう。
ビッグボスはマイナスなことが大嫌い。常にポジティブだから、選手の中に新たな考えが生まれてくるのではないか」と期待を込めた。  
 発信力抜群のビッグボスだが、派手だった現役時代と違って,玄人好みのシブトイ野球を目指しているようにも見える。
ビッグボスは8日、就任後初めて沖縄の国頭で行われているファイターズの秋季キャンプを視察した。
 派手な赤いジャージ姿で球場に現れて取材陣などを驚かせた後、独自の練習法で選手の能力測定を行った。
 強い肩は重要な要素だが、試合で100メートル投げる場面は少ない。
 外野手がカットマンに送球する場合でもせいぜい50メートルまでだろう。
 低く強いボールを投げられると、走者は次の塁を狙い難い。
 いかに素早く、低いライナー性のボールを投げられるかが重要になると説いた。  
 車の屋根に昇って、棒で「この高さより低く投げろ」と言って送球練習を繰り返した。 
 若手の万波中正選手は「守備で低いスローイングを心掛けるようにと言われたことは印象的だった」と語り、ビッグボスがキャンプに合流してからチームの雰囲気が変わったと話している。
 万波はまた「言葉では楽しく練習しろと言われるが、野球の話をする時はすごく真面目な顔になる。メリハリというものも感じた」と述べ「選手の意識に変化が表れている」と語った。
 内野手がノックを受けた後、ビッグボス自らトンボでグランド整備をした。
 選手が次の練習に移るまで、少しでも休養させたいからだという。
 ノックを受けた選手に「トンボは持たせないでくれ」とコーチにも言ったという。
 コーチ役も兼任している稲葉GMは「3日間の視察はとても有効だった。ボスはいろいろアイディア出しながら、飽きさせないように考えていた。選手も話かけられると嬉しいらしく、目の色が変わるのが分かった」と満足そうに話した。
 新庄は阪神の選手だったころ、野村監督から“目立ちたがり屋の宇宙人”と呼ばれていた。
 野村さんは「新庄は常人離れした言動で周囲を驚かすが、これは彼のサービス精神からくるものですべて計算されている。
 プロ意識は人一倍で常に「見られている」ことを意識している。
ふざけているように見えるが、決して人を悪く言わない。常にポジティブだ。
人にワクワク感を与える超一流のエンターティナーだ」と評価していた。
天国の野村さんは「あいつは理論が全く通じない奴だったのになあ・・」とボヤいているかも知れない。
ビッグボス劇場は、連日満員御礼のようである。


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