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浜田山通信 №293 [雑木林の四季]

立憲敗北の理由

       ジャーナリスト  野村勝美

 日本共産党はいまも革新政党なのだろうか。今回の総選挙の結果を見てそんな疑問が浮かんだ。今回は立憲民主党など野党4党との合意が成立して立候補者の一本化ができ、それも立憲の候補に集中した。単純に立憲プラス共産の票を合わせれば、かなりの選挙区で野党合同が勝利するはずだった。しかし結果は立憲がなんと選挙前の109議席から13議席も減らして96議席。共産も12議席から2議席減らした。野党統一候補は明確に失敗だったのだ。失敗だったことを共闘した野党がどこも認めなかった。有権者の理解を得る努力が足りなかったことにした。
 しかし立憲の獲得票数を見ると、共産党支持者の票を得た以上にもともとの支持票を減らしている。共産党の票以上にもとの立憲票が減っている。共産党批判というか共産党嫌いの票が逃げ出したのだ。おそらくは逃げ出した立憲支持票をリベラル派というのだろう。彼らは体質的に共産党とは相容れない。
 枝野幸男代表は、共産党を革新派と思い続け共闘の対象と信じ続けた。だが有権者の思いは違っていた。リベラル派の思いは、共産党の思想行動とは相容れない。過去の世界中の共産主義運動や共産党のありようは、リベラルとは一致しない。旧ソ連をはじめ昔の共産主義国家のあり方は、リベラルの容認できないものだった。いまの中国共産党の、たとえばウイグル自治区や台湾対策などを見れば、とうていリベラルが中国共産党のやり方を認め同調するわけがない。
 中国共産党と日本共産党は違う、我々の主張は綱領や規約をよく読んでからにしてほしいと代々木の人たちは言う。誰が政党の綱領規約を読んでからものを言うか。まるで有権者が共産党の綱領や規約を知らないで何か言うことが悪いことのように言う。このような思いあがった考え方が、いつまでたっても共産党支持を増やせないのだ。
 メディアも、一部の昔からの反共産主義者は別として、日本共産党を革新派と思っている。だが、共闘した立憲の敗北は、何を意味するか。私は、日本共産党を革新派と思い込んだ立憲など野党にあると思う。立憲の支持派と共産党支持派は相容れないのだ。冷静に考えれば、リベラルが共産党といっしょになれるわけがない。
 私は共産党は自民党補完勢力と思ってきた。共産党がいれば、反共的有権者は自民党に投票する。反共産主義的考え方は長い間の反共産宣伝によって大衆に根付いてきた。共産党が強くなっては困ると有権者は思い、権力側はそれを利用した。一定数の共産支持者は、権力側には有用だったのだ。
 実際に共産主義的考え方や政党勢力は世界的に見て退潮した。権力は腐敗する。反権力も長くなれば腐敗するのだ。日本共産党はそこに気付いていない。どころか来年は創立100年とか。世の中大変化したのに一政党が100年も続いていることが異常なのだ。


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