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雑記帳2021-8-1 [代表・玲子の雑記帳]

2021-8-1
◆青山霊園には外人墓地があるのを知っていますか。

地下鉄千代田線乃木坂駅の近くにある青山霊園は、明治5年(1872)に日本最初の公営墓地として開かれました。広さは東京ドーム5.5個分。都心にあり、交通の便にすぐれていることから、大変な人気で、1区画440万円の墓地には、公募の度に10倍以上の応募があるそうです。開園当初は神道のみを受け入れていましたが、まもなく宗教を問わなくなりました。

一角に外人墓地があって、ここを巡れば何人もの興味深い人物に出逢うことができます。ガイドさんが最初に連れて行ってくれたのが、ジョセフ・ヒコ(浄世夫彦)の墓でした。
ジョセフ彦は日本名浜田彦蔵。13歳のとき、乗っていた漁船が嵐で難破、アメリカに渡って教育を受け、帰国して通訳も務めたという、ジョン万次郎とほぼ同じ時代を生きた人です。(万次郎のほうが帰国が10年早い)

時代は幕末、ペリーの日本来航とダブって帰国に際してはいろいろ紆余曲折ががあったものの、運よくスポンサーに恵まれて洗礼を受け、時の大統領リンカーンにも会って言葉をかわしたりもしています。アメリカの民主主義を肌身に感じ取ったことが、のちに日本で初めての新聞「海外新聞」の発行につながりました。彦は日本の「新聞の父」なのです。

日本人にとってジョセフ彦の名はジョン万次郎ほど知られてはいません。
帰国の時期や係わった人物・事件が万次郎を有名にしました。ジョセフ彦は主に貿易商人として活躍し、神戸に住んで多くの事業をてがけましたが、帰化したアメリカの国籍を終生変えることはありませんでした。そのことで日本人の偏見にさらされることも少なくなかったようです。アメリカ人ジョセフヒコとして、彼の墓は外人墓地にあるのです。

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ジョセフヒコの墓

ヘンリー・スペンサー・パーマーは日本初の近代的水道である横浜水道を完成させた、イギリス陸軍の工兵少将です。当時のお雇い外国人のひとりでした。
住民わずか数十名だった寒村が開港して外国人の居留地となった横浜にとって、水の確保は喫緊の課題でした。300年前に家康が幕府を開いて江戸のまちづくりに着手したのと同じです。海辺なので、掘れば塩分の混じった水の出てきたという状態も江戸そっくりです。相模川支流の道志川から引いた水道の巣水にはイギリスから取り寄せた蛇口が使われました。完成後も横浜港、横浜ドック、大阪水道、神戸水道、函館水道、東京水道など、日本の近代化に足跡を残しました。退職後は日本に落着き、日本人女性と結婚しています。

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パーマーの墓

お雇い外国人といえば、グイド・フルベッキの名に思い当たる人は多いのではないでしょうか。
ガイドさんはふれませんでしたが、ヘルマン・フルドリン・フェルベックは大隈重信の英語の先生です。余り知られていないものの、大隈重信の英語力は本場でも非常に高く評価されています。通訳を交えず対外交渉にあたり、長時間議論を戦わせてほぼ完ぺきな英語だったと相手が舌をまいたという話が伝わっています。佐賀藩士だった彼の英語能力を開花させたのは、当時長崎で私塾をひらいていたフルベッキだったのです。
その縁で、もともとは宣教師として来日したにもかかわらず、明治政府の下で、法律の整備や学校の設立にかかわりました。多くの政府要人と関係を持ち、東京大学の前身の開成学校で教師を務めたり、早稲田大学では開学の祖とも呼ばれています。彼の華々しい活躍は宣教師仲間からは大いに嫉妬されることになったのですが・・・

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フルベッキの墓

青山霊園には外人墓地のほかにも、多くの著名人や一族の墓があります。たとえば、斎藤茂吉や志賀直哉の一族の墓、乃木希典の乃木家の墓など。中でも大久保利通の墓は出色です。

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大久保利通の墓は鳥居の億に

維新の立役者、大久保利通は紀尾井坂で暗殺されました。西南戦争で亡くなった西郷隆盛と比べられることの多い人物ですが、生涯、友としては変わらず、最期の懐にも西郷からの手紙をしのばせていたそうです。明治政府の事業はほぼ大久保の借金で始められたので、死後莫大な借金の証文がでてきたといいます。大久保自身のくらしは贅沢なものではなかったようです。
神式の墓は、巨大な墓石を亀(贔屓)が背負っている形をしています。中国では碑文の石の下で支える亀を「贔屓」と呼んでいました。俗にいう「ひいき」の語源とされていますが、もちろん特定の人の肩を持つという意味上の語源ではありません。

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墓を背負っているのは亀(贔屓)

大久保が暗殺されたとき、乗っていた馬車を曳いていた馬も殉死(?)しました。大久保家ではその馬を供養して隣に墓を建てています。

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暗くて写真にはうまくとれなかったが、奥のほうが馬のレリーフのある墓

青山霊園を出て、外苑のイチョウ並木を横目に青山通り行くと、オリンピック開幕前の国立競技場が見えて来ました。
準備段階から出鼻をくじかれたTOKYO 2020ではありました。世界中の建築家が競った競技場のデザインは、採用されたのちにお金が掛かりすぎると白紙撤回され、隈研吾氏らのデザインに落ち着きました。高度成長を象徴する壮大な建築は、もはや時代暮れになっていたのでした。新しい競技場は高さを抑えて木材を多用し、外壁にも全国から集められた各県を代表する木が使われています。ゆったりとした観覧席は満員でなくても気にならない、まるで密を避けたコロナ禍を先取りしたようです。ご本人も「これからの建築は環境と調和したものでなければならなり」と言っています。一方で、競技場を「黄昏の時代の象徴」と言った建築批評家もいました。建築が時代を映すことを人々が改めて認識したことはレガシーになり得ると思います。競技場に限らず、現在の五輪の負の側面がさまざまな形で露呈されたこと、それこそがTOKYO 2020のレガシーではないでしょうか。ともあれ、アスリートには責任はなく、この稿がアップされる8月1日はオリンピックの真っ最中。人々がテレビ観戦に一喜一憂していることはまちがいないでしょう。

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競技場のコンクリートのように見えるポールは全国から寄せられた各県の木

この日は(7月10日)4回目の緊急事態宣言が出る直前、オリンピックミュージアムも中に入る事はできません。テレビで毎日目にする五輪のモニュメントだけは、写真を撮る家族連れでにぎわっていました。

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ミュージアム横の五輪のモニュメント

五色のモニュメントと並んで、競技場前の芝生には、近代オリンピックの父・クーベルタンと、少し離れて、嘉納治五郎の像がたっています。昨年の大河ドラマのおかげで、嘉納治五郎が柔道だけの人でないことが知られるようになりました。彼が日本に招致しようと奔走したオリンピックが、その後も政治に翻弄され、今や金まみれになった状態を見たら何と思うのでしょうか。

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嘉納治五郎の像

競技場を後にして明治通りへすすむ途中で立ち寄ったのは鳩森神社です。860年に慈覚大師(円仁)が正八幡宮として創建したという、鎌倉の鶴岡八幡宮よりもずっと古い八幡さまです。境内にある「千駄ケ谷の富士塚」は東京都の有形文化財になっています。本殿前には時節をうつして茅の環がたてられていました。この夏、須佐之男命を祭神とする神社は、コロナという疫病退散を願う恰好の場になるのでした。

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千駄ケ谷の富士塚
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鳩森神社の茅の環

鳩森神社のとなりには将棋会館。藤井聡太君の活躍でいちやく人気の出た将棋界です。将棋盤の脚にくちなしが使われているのは、「将棋刺しに口を出すな」という意味からだと教えてもらいました。

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将棋会館の2階は将棋道場になっている

TOKYO2020では、ソフトボールやサッカーで,日本はメキシコと対戦しました。目白通り、トルコ大使館の近くにメキシコ料理のレストラン「フォンダ・デ・ラ・マルガレーダ」があります。1993年にオープンしました。シェフがメキシコ人という店の内装もメキシコ風。これでも日本人向きにアレンジしたという、スパイシーな味とボリュームたっぷりの皿を堪能しました。

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前菜奥左 グアカモレ(アボガドのディップ)とトトポス(トルティーヤのチップ)
メキシコの代表的なアボガドのデイップ。チップにしたコーンのトルティーヤに漬けて食べる。トルテイーヤは世界遺産。メキシコはアボガドの生産量世界一です。
前菜右 ケセデイーヤ  大きめのタコスの皮にチーズを包んだメキシコのファストフード
前菜手前 プルポアルアビージョ(タコの唐辛子炒め) ニンニクたっぷり、辛い!
この3点だけでおなか一杯になりそう。

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コンソメデポジョ 鶏肉、アボガド、米、トマトのはいったコンソメ味のチキンスープ

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メイン左 ポジョコンモーレ 30種類のスパイスとチョコレートを使ったモーレソースで食べるグリルチキン
 メイン右 カマロネスアラテキーラ  エビにテキーラをきかせたクリームソースをかけている。ライスと混ぜて食べる

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デザート カサデフラン   卵、コンデンスミルクを使って焼き上げたたメキシコのホームメイドプリン




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