SSブログ

私の中の一期一会 №232 [雑木林の四季]

    総務省の接待スキャンダルに絡んだ山田真貴子内閣広報官は菅首相の守護神?
  ~首相記者会見で司会の山田広報官は、政権に批判的な社の記者は指名しないかも~
 
      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 26日夕方、NHKテレビを見ていた人は首相官邸で始まった菅首相のぶら下がり会見を生中継で見ることになった。
 大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡などの6府県では3月7日の期限を待たずに2月28日で緊急事態宣言を解除することに決まったことを説明するための会見が行われていた。
 ぶら下がり会見だからか・・何時も首相会見の進行役を務める山田真貴子広報官はその場にはいなかった。
 菅首相は1人で記者団と対峙していたのである。
「6府県では今月末をもって宣言を解除することに決めたが、引き続き緊張感をもって感染防止対策に全力をあげたい」と時々メモに目を落として、言葉を区切りながら発言していた。
 東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏については、「感染者は減っているが医療体制は依然として厳しい、飲食店の時短営業は徹底していきたい」などと説明が続く。
 宣言の解除をめぐって、記者から「専門家から再拡大の懸念も出ているようだが・・」と聞かれると「決めた基準はクリアしている」と少しだが苛立ちを見せた。
 都合の悪いことを聞かれると、すぐに顔や態度に出るのは安倍前首相と同じだがこの日、菅首相が冷静に見えたのはこのあたりまでだったかも知れない。
 取り囲む記者たちから、宣言で協力を求めた国民には丁寧な説明が必要なのに「何故今日、記者会見をやらなかったのか?」と聞かれると・・
 「今日こうして、ぶら下がり会見をおこなっているじゃないですか」と少しムッとしたように答えた。
 「高額な接待を受けた一人の山田真貴子広報官の問題が影響したのですか?」と追い打ちがかかる。
 「山田広報官は全く関係ない。昨日の国会で答弁されたのが事実じゃないでしょうか」と無表情に吐き捨てた。
 「山田広報官は続投で変りはないですか?」・・
 「政治責任は?」・・
 矢継ぎ早に記者の質問が飛んでくる・・〝宣言解除”から”総務省接待スキャンダル”に記者たちの関心が変異(?)していく。 
 首相は不機嫌な表情に怒りが加わっていたかも知れない・・・
 「記者会見のタイミングは、最後まで状況を見極めた上で判断し、緊急事態宣言全体についてきちんと会見すべきだ」と事前に決めあった通りの答弁であった。
 「正式な記者会見とぶら下がり会見はどう違うのですか?」と質問が出る。
 「それは皆さんが考えることじゃないのか。首都圏で解除の方向性はまだ出ていない。そういう中で内閣総理大臣として国全体の発言は控えるべきだと思う」とぶっきら棒に答える。
 「次の会見では最後まで、質問を打ち切らずに答えてもらえますか?」
 首相は「私には時間があるから・・大体、皆さんも出尽くしてるのでは?・・先ほどから同じような質問ばかリではないか」と苛立ちを隠さず、記者団とのヤリトリを打ち切った。
 ぶら下がり会見は18分ほどで終了した。
 官邸で首相記者会見を取り仕切る山田真貴子内閣広報官(60)は13年に、当時の安倍首相から女性で初めて首相秘書官に起用されて頭角を表し、菅政権では内閣広報官として重用されてきた。
 週刊文春によると、山田広報官は総務省審議官だった19年11月6日に、東北新社の関連会社で役員を務める菅首相の長男らから1人当たり7万円を超える接待を受けていた5人の内の1人であることが判明した。
 菅首相は「私の長男が関係して結果的に違反行為をさせてしまったことについては大変申し訳なく、国民の皆さんにお詫びしたい」と陳謝したが、山田真貴子氏については「真摯に反省しているので今後も職務の中で頑張って欲しい」と述べた。
 山田真貴子氏は月収の6割に当る70万5000円を自主返納したそうだが、、内閣広報官は続投に決まった。
 この人が名前を知られるようになったのは去年10月、菅首相が「NHKニュース9」に生出演した時、有馬キャスターから事前の打ち合わせにない厳しい質問をされ「答えられることと答えられないことがある」と答えに窮したことがあった。
 放送の翌日山田真貴子広報官はNHKの政治部長に電話をかけ、「総理、怒ってますよ。あんなに突っ込むなんて事前の打ち合わせと違う。どうかと思いますよ」と猛抗議したことが知れ渡った。
 有馬キャスターはこの3月で降板すると報じられたのは、この電話の後である。
  聞くところによると、山田広報官は会見に参加する記者たちから、事前に事細かに質問内容を聴き出し、官僚がそれを基に答弁書を作るのだ。
 会見では司会を務め、質問希望者がいるのを知りながら「次の日程がありますから・・」と会見を打ち切ってしまう。
 記者たちには悪評らしいが、ガースー首相にとっては最も頼りになる「守護神」と言えるだろう。
 ガースー首相はお得意のペーパーを棒読みするだけで記者会見は成立する。
 安倍政権時代と変わらぬ〝茶番首相会見”がガースー政権でも展開されているのである。
 「女性の広報官として期待している」と発言した菅首相について野党の小沢一郎議員は「こんな総理と、その奉仕者のような異様な人物の下で記者たちは、今後も首相会見など出来るのか?」と広報官続投に怒りをみせる。
 「政権に批判的な社は絶対に指名しないだろうし、まともな会見が成立する訳がない。国民の知る権利が奪われようとしている」とツイートは続いた。
 山田真貴子広報官が、国会で「同席したのが菅首相の長男とは分からなかった。たとえそうであっても私にとって大きな事実ではない」と発言したと知ったとき、「これは首相と打合せ済みの発言ではないか」と感じたことを思い出した。
 それは以下のような投稿を読んでいたからである。
 「官僚が利害関係にあるマスコミの顔と名前は絶対分っている筈だ。まして総理の長男に気付かないとか、いたかどうか分からないなんてあり得ない。5人しかいなかったのだから・・
 そんな人がいたかどうか憶えていないのに、〝事業に関する話しはしていない”って、そこだけは憶えているんだ。苦し紛れの答弁に笑っちゃう。
 ガースーさんも就任当時、パンケーキ好きで、国民に近いことをアピールしていたのにメッキが剥がれましたね。結局首相の器ではなかったということです。
 叩き上げと持ち上げたのはマスコミ。今となっては恫喝、いい加減などの資質が出ている。
 誰かと同じで、身内に甘く他人に厳しいなんて総理としては不適格です。
 早く衆院選をやって欲しい、新しい人に期待したいから」
 自民党の中堅議員が「日本学術会議の任命拒否問題、与党議員による緊急事態宣言下での銀座通い、そして接待スキャンダル・・こういうのはボディブローのように効いてくる」とタメ息をついていたという。
 山田真貴子広報官の広報官続投は、国会でしばらく尾を引くだろう。
 ガースー首相には身内からも冷たい風が吹き付けるかも知れない。自業自得だが・・

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。