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私の中の一期一会 №227 [雑木林の四季]

  〝経済対策”より「国民の命」が大切!・・心に響くメルケル首相の〝魂の演説”
~感染が拡大しないよう、”他人とのコンタクトを極力減らして欲しい”とメルケルさん~

      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 「心の底から申し訳なく思います。けれども私達が払う代償が1日590人の命だとしたら、それは到底容認できません・・・」
 ドイツでは12月9日、過去最多となる1日だけで590人の死者が確認された。
 これを受けたメルケル首相は、ドイツ連邦議会の演説で感情を露わにしながら〝コロナへの警戒を”国民に呼びかけたのである。
 英紙ガーディアンが伝えたところによると、メルケル首相は死亡者590人という事態に「あってはならないことだ」と述べ、より厳格なコロナ対策を行う必要があると強く国民に訴えた。
 「クリスマスまでまだ2週間ある。今以上に感染が拡大しないよう出来ることは全てやらなければならない」と国民に語りかけ、〝他人とのコンタクトを極力減らすように”と呼びかけた。
 欧米では、人々が屋外で一緒にホッとワインを楽しむクリスマスの時機ならではの習慣があるという。
 その習慣に理解を示しながら「ホントに申し訳ないが、その代償として1日590人が亡くなるようなことを受け入れることは出来ない」・・・
 地元メディアは、いつも冷静沈着なメルケル首相が、この日ばかりは拳を振り上げたり、両手を胸の前で合わせるなど、国民に懇願するようなジェスチャーを交えて熱弁を振るったと伝えた。
 クリスマスを控え、もし高齢者や持病を持つ人を尋ねる場合、「事前の最低1週間は他者との接触を控えるように」と細心の注意を払うよう呼びかけることも忘れなかった。
 「クリスマス前に多くの人と接触しその結果、祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことがあったてはならないのです」・・・
 原稿に目を落とすことなく、自分の言葉で国民に語り掛ける演説だったからこそ、海外の人々の心にも響いたのではないだろうか。
 ドイツでは、先月から全国の飲食店などを〝原則として営業禁止”とする措置がとられている。
 1日当たりの新規感染者が、ドイツ全土で2万人前後と言う高水準で推移しているのが実情だと報じられている。
 これまで営業を許されてきた小売店についても、科学者の提言に基づいて営業禁止にする厳しい対応が必要になるとみられていた。
 日本でも「第3波」の今、コロナ危機は深まるばかりで、下火に向かう気配は全くない。
 11月以降、国内の新規感染者数が「過去最多」を更新する日が多い。
 13日は全国で2387人の感染者が確認され、東京都では480人が感染した。
 東京の480人は日曜日としては過去最多で、重症者は前日より2人増えて70人となった。
 ここ1週間の感染者は平均で503人だと知ると、気持ちが暗くなるばかりだ。
 大坂府でも308人が感染した。1日当たりでみると、300人以上の感染は5日連続になるという。
 70代~90代の男女5人が亡くなったことも発表された。
 入院中の重症者158人と言うのも今までで一番多い。
 すぐに患者を受け入れられる重症病床は188あるそうだが、すでに使用率84.0%で〝逼迫”といえる状況になった。
 大坂府の12月の死者は13日までで87人になった。
 11月1カ月間での78人を、12月は半月足らずで早くも上回ってしまった。
  時事通信の報道によると、政府のコロナ対策分科会は尾身茂会長が9日に「感染急増を示す〝ステージ3”と思われる都道府県はGoToキャンペーン事業を中止すべきだ」という提言を政府に示した。
 しかし、加藤官房長官は記者会見で「現時点ではステージ3に該当する都道府県はない」と述べ、GoTo事業は継続する方針だと強調した。
 菅首相も参議院本会議で「GoToキャンペーンが感染拡大の主要な原因だというエビデンス(証拠)は、現在のところ存在しない」と答え、キャンペーンの見直しには消極的な姿勢を示してきた。
  毎日新聞と社会調査研究センターが12日に行った全国世論調査によると、菅内閣の支持率は40.6%であった。
 目立ったのは「不支持率」が49%もあったことである。
 先月の調査では57%だったから17ポイントもの急落だ。
 内閣発足後3カ月にして、早くも「不支持」が「支持」を上回る結果となった。
 支持率下落は、菅内閣のコロナ対策の迷走に原因があるのは明らかだろう。
 菅政権のコロナ対策を「評価した」のは、たったの14%だった。
 前回の34%も決して高いとは言えないが、その先月より20ポイントも落ち込んでいる。
 「評価しない」の62%は、国民の大多数が菅内閣のコロナ対策にも失望していることを表しているのだ。
 第3波の特徴は〝重症者の急増”だが、全国各地の医療機関で病床不足が懸念されており、「医療崩壊への危機感」は半端ではない。
 〝勝負の3週間”と言いながら効果的な感染防止など何もなかったのではないか。
 ネット番組に出演して「旅行などの移動では感染しないという提言を貰ってる」と嘯き経済優先の考えを変えなかった。
 15日の新聞朝刊一面に、「GoToトラベル全国停止」の文字が大きく踊っていた。
 政府は、GoToトラベル事業を今月28日から来年1月11日までの間、全国一斉に一時停止することを決定した。
 官邸で記者団に囲まれた菅首相は「専門家の方々から〝見直すべきだ”という提案をいただいた。新規の感染者が3000人を越える中、年末年始は集中的に対策を講じられると判断した」と一時停止の理由を語った。
 政府にとって、感染拡大は何としても乗り越えなければならない喫緊の課題だ。
 首相は、「年末年始の帰省は慎重に検討していただき、飲食についも基本的な予防対策の徹底を守るよう」国民に呼びかけていた。
 メルケル首相の演説は続く。
 「コロナの感染拡大は深刻な事態です。皆さんも深刻に捉えていただきたい。
  第2次世界大戦以来、我が国に〝社会全体の結束した行動”を求められたことはありませんでした。
 私達は今、急激な変化に晒されています。
 最もつらいのは、これまで当たり前だった〝人と人との付き合いが出来なくなっていること”でしょう。
 今後はどうなるのか。疑問や不安がいっぱいです。
 民主主義のもとでは、政府の決定の透明性と説明を尽くすことが必要です。
 国民が「自身の問題」と捉えてくだされば、この課題は必ず克服できるでしょう・・・」
 メルケルさんの一言、一言には、〝何としても国民の命を救いたい”というメッセージが込められているように思えた。
 来年、1月12日以降の〝トラベル事業”はどうなるのだろうか?
 〝それは、感染状況を踏まえての判断になる”とのこと。
 GoTo事業は、〝一時期の停止”であって〝中止”ではない。
 「国民の命を守る」と言いながら「GoToのせいじゃない」と言い張ってきた経緯がある。
 菅義偉とは、どういう神経の持ち主なんだろうか。
 メルケル首相の爪の垢でも煎じて、飲んでみたらどうだ・・

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