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祖道傳東Ⅱ №26 [文芸美術の森]

第二十六図 「越前立宗」

     
画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

26.jpg
《紙本墨画》 九〇×一二五 軸装

 道元禅師の深草輿聖寺での布教活動は、「馬車往来絶えず」ほどの輿盛をみせておりました。けれども道元禅師の本心は、安閑の地を他に求めて、如浄禅師の言われた「深山幽谷において、一箇半筒を教育する」にありました。
 この越前は、早くから藤原氏の荘園があって、とくに春日大社の荘園は崩川と呼ばれ、今日の九頭竜川流域の坂井平野でした。当時、坂井平野で収穫されたお米などは三国湊から敦賀の津、琵琶湖、大津を経て、京都・奈良に運ばれた水路が確立されていました。おそらく、道元禅師もこの水路を経ながら、如浄禅師の教えのとおり、深山幽谷の場所をここ越前に定めたものと思われます。
 道元禅師に多大な影響を与えた如浄禅師の言われる、「一箇半筒を接待して、わが宗を断絶させることのないようにして欲しい」と委嘱したことへの、実践でもあります。

『祖道傳東』大本山永平寺


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