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草木塔 №72 [ことだま五七五]

銃後 2

           俳人  種田山頭火

   戦死者の家

ひつそりとして八ツ手花咲く

   遺骨を迎ふ

しぐれつつしづかにも六百五十柱
もくもくとしてしぐるる白い函をまへに
山裾あたたかなここにうづめます
凩の日の丸二つ二人も出してゐる
冬ぼたんほつと勇ましいたよりがあつた
雪へ雪ふる戦ひはこれからだといふ
勝たねばならない大地いつせいに芽吹かうとする

『草木塔』 青空文庫


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