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草木塔 №70 [ことだま五七五]

柿の葉 21

               俳人  種田山頭火


 柿の葉はうつくしい、若葉も青葉も――ことに落葉はうつくしい。濡れてかがやく柿の落葉に見入るとき、私は造化の妙にうたれるのである。

 
    あるけば草の実すわれば草の実
 
    あるけばかつこういそげばかつこう
 
 そのどちらかを捨つべきであらうが、私としてはいづれにも捨てがたいものがある。昨年東北地方を旅して、郭公が多いのに驚きつつ心ゆくまでその声を聴いた。信濃路では、生れて始めてその姿さへ観たのであつた。

『草木塔』青空文庫

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