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祖道傳東Ⅱ №22 [文芸美術の森]

第二十二図 「持歸三宝」

     画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

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《紙本塁画》 九〇×二一五 軸装

 道元禅師は「身心脱落」の目的を果たして、五年ぶりに帰国することになりました。
 如浄禅師にお別れの挨拶を告げるため、夜半に大観堂に入り、芙蓉道楷の法衣、洞山良价(とうざんりょうかい)の宝鏡三昧、五位顕訣、如浄禅師の頂相(ちんそう)を授けられました。
 如浄禅師はこの時に、あなたは異国の人であるから、これを授けて信のしるしとします。国に帰って教化を布いて、人々のために尽くして下さいと言われました。
 さらに如浄禅師は道元禅師に対して、権力者の国王大臣に近づかないように、深山幽谷に暮らして、一人でも半人でも教育して、わが宗を断絶させることのないようにして欲しいと委嘱したことが、『建噺記』の記述に見られます。
 簡素で塵一つない清潔感の溢れるお堂で、道元禅師はお別れの言葉を述べています。傍らには、一緒に入宋を果たしながら、天童山の了然寮で亡くなった明全和尚の舎利が置かれています。修行の目的を成し遂げた感無量の表情が、すべてを物語っているようです。

『祖道傳東』大本山永平寺

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