SSブログ

私の中の一期一会 №216 [雑木林の四季]

    緊急事態宣言の全面解除は正しかったのか!東京の感染者、増加傾向が気になる
      ~菅官房長官は「直ちに再び宣言を出す状況にない」などと語っている~

       アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 政府が緊急事態宣言を全面的に解除してから今月の24日で1か月が経過した。
 東京都が発令した「東京アラート」も既に解除されているのに、このところの新たな感染者数は減るどころか増加傾向に転じてきているようにみえる。
 新聞によれば、この1か月間の全国の新規感染者数は1347人であった。
 目立ったのは、その半数以上にあたる748人を東京都だけで占めていたことである。
 クラスター(集団感染)とみられるケースも、全国の27カ所で発生していたことも分かった。 
 28日には、全国で113人の新たな感染者が確認されたが、そのうちの60人が東京の感染者だった。
 一日で60人は、緊急事態宣言解除後の最多記録であった。
 菅官房長官は29日の会見で「直ちに、再び宣言を出したり、県をまたいだ移動の自粛を要請したりする状況にあるとは考えていない」と述べている。
 しかし、西村経済再生担当相は「東京の感染状況は、正直嫌な感じだ」と述べ、感染経路の分析などを進める考えを示している。
 東京都では、24日に55人の新たな感染が確認されて〝50日ぶりりの50人台だ”としてニュースになった。
 その後、25日に48人、26日は54人、27日57人と高止まり状況が続き、28日の60人は緊急事態宣言解除後の最多記録更新となった。29日も58人の感染が確認されている。
 政府や都知事は、気にならないのだろうか?・・・
 東京の58人を年代別にみると、20代が32人、30代が14人で若年層に偏っている。
 ホストクラブやキャバクラなど接待を伴う飲食店の従業員など「夜の街」関連の感染者は32人、感染経路が不明な人は24人いたことが分かった。
 この1週間の感染者363人のうち、夜の街関係者の感染は43%にあたる157人を数えたが、その7割が新宿の歌舞伎町あたりに集中していることも判明した。
 東京都の担当者は「20代、30代による夜の繁華街での感染が多いが、市中に感染が広がっている訳ではない」と話している。
 都には、今のところ休業要請を求める考えはなく、医療体制の維持に重点を置いて検討するとしている。
 最近は、ホストクラブやキャバクラなどの「夜の街」ばかりでなく、職場や家庭内、グループでの会食などで感染するケースがあることが分かり、〝3密の危険性”が改めて指摘されているように思う。
 埼玉県の大野元裕知事は、28日までの2週間で県内の感染者が88人に上ったことを発表した。
「感染者88人のうち45人が、東京都内で感染した疑いがある。東京都内での飲食や繁華街へ出掛けることは、出来る限り避けていただきたい」と強く訴えた。
 全国的にも、東京との関りで感染者が増加する傾向がみられると言われている。
 他府県から東京の「夜の街」へ行くということは、コロナウイルスを持ち帰る恐れが十分にあるという捉え方である。
 1カ月の間に100人以上の感染者が出たのは東京の他、福岡県の176人、北海道の156人と神奈川県の106人であった。
 この4都県で全国の8割以上を占めていると知ると、改めて驚いてしまう。
 北海道小樽市の飲食店3店で〝昼カラオケ”をした客ら3人のコロナ感染が確認された。
 市の保健所は、客3人のうち2人は70代の女性で、このうち1人が肺炎を発症していると発表した。
 小樽市の迫俊哉市長は28日、市内の飲食店に日中のカラオケ営業の自粛を呼びかけた。
 福岡・中洲の歓楽街ではコロナウイルス感染者の調査が難航している。
 今月キャバクラ店の客や従業員9人の感染が判明した福岡市は、クラスターが疑われる店の店名を感染者が明かさないため調査が難航している。
 9人のうち8人が調査に対し「店名明かすメリットを感じない」とか「理由も含め、言えない」などと述べ調査に協力しないため、濃厚接触者の特定も出来ず困惑しているのだ。
 国立感染症研究所の脇田隆字所長は「感染経路が追えない感染者によって市中感染が広がることを非常にに警戒している」と述べ、「厚労省が29日から、無症状の人も含め、感染者や濃厚接触者の全員がPCR検査をするように改められたことは評価できる」と話している。
 しっかり検査して流行拡大の状況を見極めつつ対策をすることが重要なのは言うまでもない。
 川崎市の保険安全研究所の岡部信彦所長は「ウイルスはゼロにはならない。このウイルスを極端に恐がることはないが、楽観してもいけない。少しづつ日常生活を戻していくのがベスト」だと語っている。
 大坂大のベンチャー「アンジェス」は、大坂大と共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、有効性と安全性を確かめる臨床試験(治験)を、いよいよ今日30日から開始する。
 新型コロナウイルスワクチンの治験は、日本国内では初めてのことである。
 アンジェスによると、「治験」は大坂市立大付属病院で実施され、まず30人にワクチンを接種する。
 10月頃には治験参加者を500人程度に増やし、早期承認を目指していくとしている。
 治験は通常、第3段階まで行われるそうだ。
 使用されるの「DNAワクチン」という世界でも実用化された例がない新しいタイプのものだ。
 複製したウイルスのDNAの一部を体内に取り込んで免疫を作る仕組みだそうだ。
 ウイルス本体を培養する必要がないから安全性が高いというメリットもある。
 製造期間やコストも抑えられるとして注目されているという意味で画期的だ。
 ワクチンは、治療薬と違って健康な人に投与するものなので、ウイルスを撃退する善玉抗体だけでなく、病気を悪化させる悪玉抗体が生じることもあるので難しいのだ。
 治験が始った今、私は吉村大阪府知事の言葉を思い出している。
 「ワクチンが出来ればコロナとの戦いは大きく変わる。7月からの治験は医療従事者から開始して、9月には実用化して、年内に10万人~20万人に打てるようなスケジュールです」・・・
 「治験」の成功を願ってやまない!


nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。