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草木塔 №66 [ことだま五七五]

柿の葉 17

               俳人  種田山頭火

   自嘲
 
 影もぼそぼそ夜ふけのわたしがたべてゐる

 冬木の月あかり寝るとする

 ひよいと芋が落ちてゐたので芋粥にする

 しぐれしたしうお墓を洗つていつた

 秋ふかい水をもらうてもどる

 ひとりの火をつくる

 生きてしづかな寒鮒もろた

 草はうつくしい枯れざま

 藁塚藁塚とあたたかし

『草木塔』 青空文庫

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