草木塔 №66 [ことだま五七五]
柿の葉 17
俳人 種田山頭火
自嘲
影もぼそぼそ夜ふけのわたしがたべてゐる
影もぼそぼそ夜ふけのわたしがたべてゐる
冬木の月あかり寝るとする
ひよいと芋が落ちてゐたので芋粥にする
しぐれしたしうお墓を洗つていつた
秋ふかい水をもらうてもどる
ひとりの火をつくる
生きてしづかな寒鮒もろた
草はうつくしい枯れざま
藁塚藁塚とあたたかし
『草木塔』 青空文庫
2020-06-13 08:39
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