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私の中の一語一会 №211 [雑木林の四季]

                新型コロナウイルスは目に見えないテロリストである
      ~人と人の接触を8割減らせば、感染者は15日で減りはじめる・・・!~

       アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 生物学者で青山学院大の福岡伸一教授は「世界中の国と地域を混乱に陥れている新型ウイルスは“目に見えないテロリストだ”と語っている。
 ウイルスは、電子顕微鏡でしか見ることが出来ない極く小さな粒子で、生物でもなければ無生物でもなく、その中間に漂う奇妙な存在だという。
 専門家でさえよく分かっていない存在のようだが、一旦人間に感染すると時間をかけて数を増やし重症化した人の命を奪ってしまう・・確かに恐ろしいテロリストだといえる。
 ウイルスは目に見えないから、誰がウイルスを持っているか分からないというのは厄介なことだ。
 いつの間にかウイルスに感染していて、発症しないだけの人が結構いるというのも問題である。
 そういう人は「自分は大丈夫だ、ウイルスには負けない」と思うかもかも知れないが、発症していないだけで、“感染している”ことを忘れてはならない。
 発症しなくても感染していれば他人に移すリスクが大いにあるからだ。
  ウイルスの感染経路は人と人の接触であることが分かっている。
 感染者の咳やクシャミはウイルスを含んだ飛沫をまき散らす。この飛沫を直接浴びて感染するのが「飛沫感染」である。
 咳やクシャミが出る人がマスクをすることは、飛沫の飛散を防ぐ効果はあると思ってよい。
 つり革や手すりなどに触れた手で目や鼻、口に触ってしまい感染するのが「接触感染」だ。
 外出すれば、電車やバスのつり革、エスカレーターの手すり、ドアノブなどに触れる機会が多くなる。
 ウイルスは目に見えないから、手にウイルスがついていても分からない。
 人は平均して1時間に23回も自分の顔に触れているという論文があるのをご存知だろうか。
 無意識に顔を触っている人がマスクをすれば、接触感染を防ぐのに役立つとしたらマスク着用も無駄ではない。
 通信アプリ大手LINEが、全国の利用者を対象に3月31日~4月1日に行った調査結果によると、感染予防のため多くの人が“手洗い”や“手・指の消毒”に取り組んでいることが分かった。
 2450万人余りから回答を得たが、手洗い、うがい、アルコール消毒を行ていると答えた人が85.6%もいた。
 咳やクシャミをする際にマスクをしたリ、ハンカチを口に当てると答えた人は74.4%と高水準だった。
 多くの人が基本的な予防策に取り組んでいると言えそうである。
 クラスターと言われる集団感染を防ぐため「密閉」(換気が十分でない密閉空間)、「密集」(パーティなど多数が集まる場所)、「密接」(バーやカラオケ店のような間近での会話や発声)など“3密が重なる場所”を避けて欲しいという対策は進んでいるとは言えなかった。
 感染症対策の専門家・神戸大の岩田健太郎教授は「予防のためマスクをしていても、近い距離での濃厚接触があれば感染してしまう」と話している。
 “マスクをしていれば安心”と思ってはいけないということだろう。
 近い距離で人と接する場所での集まり(密接と密集)は、感染リスクが増すと思ったほうがいい。
 感染者と濃厚接触していた人が一人でもいれば、ウイルスが飛散しないという保証がないからだ。
 大事なことは、そうした場所には近づかないことである。
 感染防止対策は、そうした概念をキチンと理解できるかにかかってくると岩田教授は述べている。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、依然として衰えをみせない。
 政府が重い腰をあげて、緊急事態宣言を発令してから昨日14日で1週間が経過した。
 東京では昨日、161人の新たな感染が確認されている。東京の感染者総数2319人になりダントツの1位である。
 宣言の対象区域になった東京、神奈川、千葉、埼玉、大坂、兵庫、福岡の7都府県では、外出自粛を市民に呼びかけると共に、人が密集する施設などへの休業要請では各自治体が足並みを揃えている。
 小池百合子都知事の声が連日、頻繁にテレビから流れている。
 休業要請と共に経済支援のガイドラインを示す小池知事の迅速な対応は、政府とは対照的に評判がいいというのは頷ける。だが、どの自治体も感染者増に歯止めがかかっていないのが現実である。
 共同通信が10~13日に電話による世論調査を行ったが、アベノマスクなど安倍内閣のコロナ対策は国民感覚と大きくズレていること分かった。
 緊急事態宣言のタイミングについて80.4%が「遅すぎた」と回答した。
 条件つき一世帯30万円給付の政府方針についても、「一律に給付すべきだ」という回答が60.9%と半数を超えていた。「金額を増やすべきだ」というのも10.7%あった。
 政府の休業要請に応じた企業や店舗への損失保証を巡る論議では、「補償すべきだ」に82.0%が回答して政府にNO!を突き付けた。
 安倍内閣の支持率も「不支持」43%で、「支持」の40,4%を上回ったのは当然だろう。
 4月1日に突如発表された「アベノマスク」は「評価しない」が76.2%もあり、コロナウイルス関連 の政策はことごとく裏目に出ていると共同通信は分析している。
 厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大教授は15日朝、「人と人との接触を減らすなどの対策を全くとらない場合、国内では約85万人が重篤患者になり、その約半数が死亡する恐れがある」という試算を公表した。
 この試算は、感染者一人が他人に感染させる平均人数を2.5人と仮定して行われれた。
 その結果,人工呼吸器や集中治療室での治療が必要になる重篤患者は15~64歳で20万1301人になった。
 65歳以上の重篤患者は、65万2066人と見積もって、致死率を成人で0.15%、高齢者で1%と想定すると、死亡者は重篤患者の半数(49%)約42万人になった。
 西浦教授は「この試算は全く対策をとらなかった場合の数字で、人との接触を減らすなど“対策をとる”ことで感染の流行を止めることが出来る」と述べている。
「市民一人一人が、この感染症はどのくらい重篤リスクがあるのか?、死亡リスクはどのくらいなのか?、医療のキャパシティはどうなっているのか?などを十分理解した上で流行対策を考えていく必要がある」と強調している。
 西浦教授は、ヨーロッパのように、感染者が急増する最悪のシナリオを想定したという。
「接触を8割減らすことが出来れば、15日で感染者が減り、1か月程度で感染を収束させることが出来る。
 6割減では新規感染者は現在と同じくらい発生し続ける。
 7割減だと感染収束まで2カ月かかる」とのこと。
 02~03年に流行したSARSは、感染するとほとんどが重症化した。だから感染者をすべて隔離すれば拡大を防げた。
 新縣コロナウイルスは、ほとんどが重症化しないとか無症状が多いため、かえって防ぎにくいという。
 “見えない感染拡大があって、突然見えるようになる”とても厄介なウイルスなのは確かなようだ。
 元鳥取県知事の片山善博さん(68)は、「安倍首相が今やるべきは、経済対策ではなくウイルス対策だ。
 生活や雇用などのセーフティーネットづくりが必要だろう。一日も早くウイルスを終息させて国民の命や健康を守るべきだ」と述べている。
 政府は、緊急事態宣言の発令以降、人と人の接触について「最低7割、極力8割減らすことを呼び掛けている」呼びかけるだけじゃダメだって分ってるだろうか?・・・


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