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浜田山通信 №234 [雑木林の四季]

反韓反中

               ジャーナリスト  野村勝美

 「インターナショナル」なる労働歌を聞かなくなって半世紀は経つ。私が学生の頃は毎日のようにデモに参加したが、必ず「起て飢えたる者よ、いまぞ日は近し」を歌ったものだ。その後、国連ができ、ヨーロッパにはEUができたが、国家間の戦争、内戦はどこかでとぎれることなく続いている。国家間、民族間にちょっとしたいさかいがあるとナショナリズムに火がつく。自分には非はなく、悪いのはすべて相手だ。日本人のかなりの部分に反中、反韓、あるいは嫌中、嫌韓の感情がある。とくに最近の慰安婦、徴用工、レーダー照射問題の、政府、メデイアのとりあげかたには、韓国文在寅政権に対する反感が露骨だ。
 徴用工問題は1965年の日韓請求権協定でかたづいていると日本政府はいう。そもそも請求権協定は、日韓基本条約の付属協定で、当時、日韓両国で反対運動が盛り上がった。韓国では、たった5憶ドルで35年間の植民地支配を取り消しにするのかという、朴軍事政権への反対運動だが、この時期、ベトナム戦争が進行中であり、韓国としてはなんとしても金が必要だった。当時の国際情勢はおくとしても、たったの5憶ドル、500億円ちょっと。あまりに少なすぎる端した金ではないか。
 戦前私の小学校では4人の朝鮮人同級生がいた。校区が場末の貧乏区域だったので、頭に荷物をのせたチマチョゴリのアボジは見慣れていた。部落の子も10人以上いた。皆仲良しだった。チャンコロ、鮮人と大人たちはいい、学校で、先生が「朝鮮の人は半島の人といいなさい」と教えた。姓氏は和名に変えられ、、学校では朝鮮語を禁止した。日本人と同じ天皇陛下の臣民とされ、戦後には戦犯として処刑された人たちもいる。
 日本としては徹底的に韓民族に謝罪しなければならないのに5憶ドルでケリがついていると言い続け、なおかつ反韓反中である。ドイツをみよ。ヒトラーのやったことに対していまだにその罪を追求、被害民族、国家に対して謝罪をつづけている。いまでこそヨーロッパ全体にイスラム難民に対する民族主義的排斥運動が起こっているが、ドイツ、、フランスを中心にヨーロッパ連合としてまとまることができたのもナチスに対するドイツ国民の批判断罪による。
 日本は、戦後5年目に始まった朝鮮戦争で敗戦のどん底から立ち直った。朝鮮半島での不幸な事態を踏み台にG7とかG20とか東京オリンピック、大阪万博と浮かれている。
 文在寅韓国大統領がせっかく新年の記者会見で「日本は謙虚に」と言ったのに日本政府は反発するだけ。拉致問題、米朝関係をかかえる北朝鮮などさっそく1939年の「国家総動員法」に基づく国民徴用令で840万人が強制動員された問題を日韓交渉でとりあげると言ってきている。
 いままでの嫌中、嫌韓でいくならまちがいなく日米韓から韓は抜けて、韓は中朝に近づいていく。天皇じゃないけれど日本人の血には朝鮮、中国のそれが混じっている。昔は近攻遠交などといったが、いまや近交遠交でしょう。

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