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浜田山通信 №230 [雑木林の四季]

アメリカ・ローンリー

                      ジャーナリスト  野村勝美

 アメリカの中間選挙は予想どおり、上院ではトランプ大統領の共和党が過半数を維持し、下院は民主党が逆転した。トランプは「とてつもない成功だ。皆に感謝する」とツイートした。事前調査では下院で共和235、民主193と、共和党が42人も優勢だったのが、共和200、民主222と逆転して、これから予算も通せなくなる惨状だ。新聞が当初「トランプ政権に打撃」と大見出しを掲げたのも当然だろう。
 ところがトランプ強気のツイッターから日本のメデイアの反応は変化する。トランプはフロリダやテキサスの知事選、上院選に全力をあげ、それが2年後の大統領選挙に効果をあげるのだからOKだというのである。全米で女性やマイノリティの人たちが草の根の運動に発ちあがり、期日前投票や投票率が10数%も上昇、50%に近づいた。女性や若者の票は出口調査によると7割方民主党だった。
 アメリカ通の政治評論家は、全米で重要な5、6州の上院と知事選を共和が制したのだから、トランプが大成功だというのは当然だと言う。私はアメリカのこともヨーロッパ、トルコ、サウジ、イエーメン、アフガン、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、アベ日本のことも判らぬことばかりだが、どうもアメリカ内の変化の見方は大分違うように思えてならない。
 難民、移民問題だって、選挙中、ホンジュラス、グアテマラからの難民キャラバンをTVが毎日追いかけ、アメリカは軍隊が阻止などと移民阻止の壁建設とともに毎日大キャンペーンを展開した。ヨーロッパでもイタリア、オーストリア、ハンガリー、ポーランドとあちこちにミニトランプが生まれ、EUはいまにも解体するかのようだ。第一次世界大戦から百年目、世界が分断してまたまた植民支配をはじめ、アメリカ・ファーストのトランプはイランあたりで核戦争を始めるかもしれない。クワバラ、クワバラである。
 それにしても16年のトランプ大統領の誕生を日本のジャーナリストでたった一人当てた木村太郎は、今回は上院はもちろん下院も共和党が大勝利すると大見えを切った。何しろ経済がすばらしくよい、雇用もよい、若者の賃金もあがっている、コアな支持者だけではない、民主党の影響下にある人たちもトランプファーストだといっているとTVで言っていたが、今度はみごとにはずした。私はこの前の大統領選挙でひとりトランプ勝利を予言した時、この通信でも彼のことをほめて書いたことがある。それは彼が当時東京新聞にコラムを持ち、極めて客観的冷静な見方の評論を発表していたからだ。しかし今回はいけない。あそこまで堂々と確信を持って共和党が上、下院とも勝つと言い切った以上、いさぎよく弁解どころかトランプの広報部長のようなみっともないまねをすべきではない。
 それにしても開票直後、司法長官を解任したり、記者会見でCNN記者をしめだしたり、かと思えばロス郊外で元海兵隊が銃を乱射して市民12人を殺したり。これではアメリカファーストどころかアメリカ・ローンリーになる。、

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