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私の中の一期一会 №146 [雑木林の四季]

都議選は「都民ファースト」が優位か、
         内閣支持率の低下で逆風が吹き荒れる「自民」は苦戦。
  ~続々明るみに出る安倍政権のほころび、全てが都議会自民党には逆風になるのだ~

          アナウンサー&キャスター 藤田和弘                

 東京都議選の投開票日7月2日が、いよいよ目前に迫ってきた。
  今回の選挙は「小池都知事対自民党」の対決という構図がはっきりしているだけに、選挙の結果によっては国政にも大きな影響が及ぶのは確実である。
 小池都知事は「古い議会を新しい議会に変えるチャンスがやってきた」と訴えて、“忖度の政治”や“隠蔽体質“の議会はもう要らないと強調している。
 選挙終盤の情勢を取材してきたという時事通信は、自民党を離党した小池知事が代表の「都民ファーストの会」が予想通り優位に戦を進めていると報じている。
  都民ファースト、公明党、生活者ネットワークなどの“小池都知事を支持する勢力”が議会定数127の過半数、64議席を確保するのは確実だろうとみているのだ。
  JNN(TBSニュース)が都民を対象に世論調査を行った結果も、“都民ファーストの会”と“自民党”が激しく競り合う展開ではあるが、情勢は都民ファーストがやや有利というところだろう。
  今回の選挙に「関心がある」、「ある程度関心がある」を合わせると都民の80%超が関心を示していることも分った。投票率が高くなることも予想される。
  選挙終盤の今、投票先を決めている約4割の都民の中で、「都民ファーストの会」が40代以上の中高年層を中心に無党派層にも支持を広げて26.7%を占めた。30代以下の自民党支持層は25.9%となっている。
  差は僅差で、情勢としては激しく競り合う展開という表現になった。
  前回自民に投票した人で“今回も自民に入れる”と答えた人は、約半数に留まっている。都民の4分の1以上が都民ファーストに投票すると回答していることも分った。
  小池都知事の支持率は66.5%と高い水準を保っている。
  都議選告示の3日前に発表した“市場移転”の方針は、豊洲と築地の両方を活かしたいという新しい視点だが、これについても「評価する」が54.9%で「評価しない」を上回った。
  安倍政権を擁護する姿勢が鮮明な読売新聞の調査でさえも、都民ファースト優位の数字が並んでいる。
  投票先は、都民ファースト26%、自民党 23%、共産党8%、公明党7%、民進党4%。
  自民支持者の24%、無党派層の31%が都民ファーストを選んだとも伝えている。
  小池氏が自民党に離党届を提出して都民ファーストの会代表に就任したことで、自民支持層が割れたことが支持の低下につながったという分析である。
  都議会に最も取り組んでほしい政策は、「医療、福祉」で31%と最多であった。豊洲市場の移転問題は7%にとどまり、都民は生活に密着した政策を重視していることが浮き彫りになった。
 前回の選挙で59人全員が当選を果たした自民党は、安倍内閣の高い支持率が背景にあったからだが、今回は内閣支持率の低下が自民党に逆風となっている。
  42の選挙区に60人の候補者を擁立した自民党は、現有の57議席を大きく減らすだろうと言われているのだ。
  政治ジャーナリストの角谷浩一さんは「各党の議席数は、投票率がどうなるかでかなり変わってくる。50%以下なら自民・公明が勝ち、50%を超えると都民ファースト、共産が伸びると思う。民進党は、蓮舫代表の進退に影響する結果になるかも知れない。全ては無党派層にかかっている」と予想した。果たして投票率はどうなるだろうか。
  加計学園問題への対応の拙さや「共謀罪」の強行採決で支持率が急落している安倍首相は26日、都内で自民党の候補者応援に駆けつけたが、自民党へのヤジが多い街頭演説は“やりづらい”として自民党支持者が多い“屋内”へ逃げ込んで演説したそうだ。
  演説では「売り言葉に買い言葉。私の姿勢に問題があった・・・」などと言い訳もしたという。己の傲岸不遜を棚に上げ、全て他人のせいにしてコソコソ逃げる“人間性の貧しさ”を情けなく思う。
  小池支持勢力が優位ではあるが、その差は僅差だ。まだ投票先を決めていない人が6割前後を占めているという情報もある。
  浮動票をより多く獲得するためには、総理大臣が自ら応援に駆けつけるのが最も効果的ではないのか。
  だが、「応援に入らないほうがいい」という声が官邸幹部から出るようではオシマイだろう。
  選挙期間中唯一の日曜日だった25日は、都内の自宅で一日中過ごしたというのだから・・・
  内閣支持率の下落という逆風の影響を受けて苦戦している自民党の候補者たちに、突然、予想もしない“突風”が吹きつけた。
  評判の悪い稲田朋美防衛相が、27日に板橋区の自民党候補の集会に出席して、信じられない応援演説をしたのである。
  「防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と支援を訴えたシーンがテレビニュースに何度も登場したから、政府や与党の幹部は驚いたに違いない。
  公職選挙法では、公務員の地位を利用した選挙運動を禁止している。自衛隊員は選挙権の行使以外は政治的行為が出来ないと定められている。
  稲田氏は政治家であると同時に弁護士だから、「知りませんでした」とは言えない筈。それなのに防衛省、自衛隊としてお願いしたのだから呆れる。安倍内閣の閣僚自らが犯した公職選挙法違反を疑われる失態である。
  菅官房長官は例によって“撤回し、謝罪したから問題ない”とお決まりの「問題ない」を口にして稲田氏を擁護した。安倍首相も大臣続投を認めて任命責任には触れていない。
  逆風はさらに吹き荒れる。29日発売の週刊文春が、自民党の下村博文幹事長代行が文科相だった13年と14年に、加計学園から200万円の“違法献金”を受けた疑いがあるという記事を掲載したのである。
  下村氏の後援会「博友会」の収支報告書に献金の記載がなく、政治資金規正法に違反しているという訳だ。下村氏は記者会見で「加計学園から政治寄付もパーティ券の購入もしてもらったことはない」と疑惑の否定に大汗をかく事態となった。
  週刊文春の記事によれば、下村事務所の13年と14年の“日報”にはそれぞれ“加計学園、1,000,000”と書いてあるのだ。
  下村氏は「加計学園から献金は貰っていない。事実無根で選挙妨害だ」だと不快感を露わにした。
  加計学園は、“当時の秘書室長が下村氏の事務所で計200万円を渡したことを認めた”と共同通信は報じている。
  下村氏は安倍首相の最側近で都議選の司令塔でもある。この時期のスキャンダルは都議選に大きなマイナスになることは避けられない。
 次々と出てくる失言や失態に、自民党のベテラン議員は「どうしてオウンゴールが続くのか?」と嘆いているという。
  なり振り構わず加計学園問題から逃げまくる安倍首相だが、首相続投に拘り続けることは確かだ
  「築城3年、落城1日。この気持ちを呼び起こし戦い抜く」・・最近、安倍首相はこうもらしたという。
  ポスト安倍の一人岸田文雄外相は「首相もいつかは終わる。終わった後、我々が何をすべきかだ」と語った。“安倍城落城の1日”は案外早く来るかもしれない。私は、フトそんな気がした。


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笠井康宏

藤田さん、こんばんは。安倍政治にやっと終止符が打てる感じがしてきましたね。しかし、小池さんの都民ファーストと言うのも何処か胡散臭く感じてしまいます。築地市場の豊洲移転も結局、両方に良い顔をしたいから、築地も残す結果になって一番迷惑をしているのは現場で働いている方だと思います。都民ファーストでなく「小池ファースト」のように思います。選挙に勝ったから後は宜しくと言わんばかりに代表を辞任するのも、無責任過ぎると思います。都民ファーストの圧勝は民主党が勝利した時に似ている感じがします。どっちに転んでも、ろくな結果になりませんよ。私から一言「ダメだこりゃ。」
by 笠井康宏 (2017-07-10 00:24) 

笠井康宏

藤田さん、おはようございます。安倍チルドレンの一人といわれる豊田真由子が秘書への暴行、暴言で被害届を出されましたね。何とも酷いこの女。行動まで「安倍」そっくりではありませんか。安倍首相のやりたい放題を見てエスカレートしたと言っても過言ではありません。正に安倍チルドレン。行き付けのラーメン店主の話によると新座から出ているといい、他の客がスマホで記念撮影までしていたと店内は豊田の話で盛り上がっていました。安倍首相の責任は重大です。「埼玉の恥」豊田真由子を早く逮捕して貰いたいものです。
by 笠井康宏 (2017-07-14 03:49) 

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