禅趣墨蹟行 №22 [文芸美術の森]
第二十二図 山居(十五首の内⑩)
画 傅益瑤
解説 曹洞宗大本山永平寺
《紙本墨画彩色》105×49 『道元和尚尚廣録』第十、108
三間茅屋既風涼
鼻観先參秋菊香
織限銅晴誰辨別
越州九度見重陽
三間の茅屋(ぼうおく)既に風涼
鼻観先(ま)ず参ず秋菊の香り
鉄眼銅晴誰か弁別せん
越州九度重陽(ちょうよう)を見る
山間に小さな茅屋を建てて、涼しい情景を満喫しながら暮らしているけれども、いち早く秋を知らせる菊の香りが、鼻に漂ってきます。すでに九回もの菊の節句を繰り返していますが、この香りは、鉄や鋼のように固く枯れきったこの眼にも、見えないことはありませんと言っています。
人間の身体は年を取っていくけれど、仏道修行によって得たものの見方は、決して年をとることがないことを説明しています。
『禅趣墨蹟行』大本山永平寺
2014-03-31 19:31
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