SSブログ

禅趣墨蹟行 №22 [文芸美術の森]

第二十二図 山居(十五首の内⑩)                                                     

                                              画 傅益瑤
                                                        解説 曹洞宗大本山永平寺

禅師墨蹟行22.jpg

             《紙本墨画彩色》105×49 『道元和尚尚廣録』第十、108

  三間茅屋既風涼
  鼻観先參秋菊香
  織限銅晴誰辨別
  越州九度見重陽
    

      三間の茅屋(ぼうおく)既に風涼
      鼻観先(ま)ず参ず秋菊の香り
      鉄眼銅晴誰か弁別せん
      越州九度重陽(ちょうよう)を見る

 山間に小さな茅屋を建てて、涼しい情景を満喫しながら暮らしているけれども、いち早く秋を知らせる菊の香りが、鼻に漂ってきます。すでに九回もの菊の節句を繰り返していますが、この香りは、鉄や鋼のように固く枯れきったこの眼にも、見えないことはありませんと言っています。
 人間の身体は年を取っていくけれど、仏道修行によって得たものの見方は、決して年をとることがないことを説明しています。

『禅趣墨蹟行』大本山永平寺


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0