玉川上水の詞花№3 [アーカイブ]
イヌカキネガラシ (あぶらな科)
エッセイスト 中込敦子
梅雨入り前後の湿った上水堤のへりで、イヌガラシに似ているが草丈が50~80センチと高くほっそりしている野草に出会った。
黄色い4弁の頭花はカキネガラシより少し大きめだが、直径は1センチぐらい。図鑑によるとイヌカキネガラシでヨーロッパ原産の一年草で昭和初期に渡来。市街地の道路脇に多く見られるそうだ。明治末期に渡来した説もある。
上水堤では日照不足なのかあまり茎葉を張ってないが、長さ7~10センチの細長い線形の葉や茎が横に張り、利用価値がないのでその名前が付けられたとのこと。茎先がやたら折れているように見えたが、実はそれが果実だった。長さ3~4センチで、マッチの軸ぐらいの太さだ。
ハナナ(菜の花)などアブラナ科特有の黄色の4弁花は目立たないが、控え目な可愛さを持っており、周囲に繁茂している下草の端っこに棲家を見つけて、懸命に花を咲かせている姿が忘れがたい。 『もぐら通信』
2009-06-30 23:32
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