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浦安の風№2 [アーカイブ]

マンション群を見ながら考えたこと

                 ソーシャル・オブザーバー  横山貞利

 

 新興都市・浦安は東京のベットタウンです。JR京葉・新浦安駅から東京駅までの所要時間は、各駅停車で20分弱、快速では15分くらいにすぎませんから大変便利なところです。

 便利さがよければ、当然そのリアクションがあるもので、南風が吹き荒れますと運転休止になることが多いのです。特に荒川の長い鉄橋では、南風が横風になって車体を持ち上げてしまう危険があります。

 ところで、地元で新町と言われている京葉線より海側一帯は、この10年くらいの間に高層マンションが立ち並び、絵葉書で見るハワイ風な雰囲気を漂わせています。マンションは一戸当たり80㎡~100㎡超で、販売価格は平均5500万円6500万円くらいで結構完売したようです。

 それにしても30年ローンで毎月の返済額はいくらくらいになるのでしょうか。全く見当もつきません。そのうえ、マンション管理はデベロッパーの子会社が経営する管理会社です。すべてオートロックのうえ24時間ガードマンが常駐しているのですから、管理費は少なくも月々2万円くらい支払っているのではないでしょうか。他人事ながら考えてしまいます。

 問題はこの不況です。リーマン・ショック以来、日銀短観、鉱工業生産指数、1~3月期GDP速報値などの経済指標を見ていると、いまや、この国の経済の実体は底割れ寸前の状況と言ってもいいでしょう。それ故、やっと手に入れたマンションを手離さざるをえない人も出てきているのではないでしょうか。08年度の補正予算で定額給付金の支給や09年度補正予算でエコポイントつき商品の購入の奨励などというバラマキ政策で済むような事態ではないでしょう。もっと根本的な経済構造の変革をもたらすような政策を打ち出して、それを3年~5年を目途に敢行する様な大胆な発想がないと解決できないのではないでしょうか。

 それにしても、またぞろ「外需だのみの経済から内需主体の経済体質にしなければ、いつも同じ轍を踏むことになる」という声が聞こえてきます。しかし、そんなことは1986(昭61)年、中曽根内閣当時に提出された「前川レポート」で指摘されて以来何度となく言われてきたことです。今更何だ、という気がします。「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」の譬えの通りです。

 産業分野でみても、例えば自動車離れが進んでいます。2ヵ月ほど前の新聞に「若ものの50%は車は要らない」という調査結果が掲載されていましたし、わたしが住んでいる団地ではこれまで外部の駐車場を10台前後常に確保していましたが、2月には不要になりました。現在、中国やインドなどが大きな市場になっていて、今後も需要が見込めますが、少なくも国内市場ではいまがピークで、今後の車市場は縮小していくのではないでしょうか。また、薄型デジタル・テレビにしても、20117月には全面デジタル放送になりますから、それまでに買い替えないとテレビが見られなくなります。その後はどうなるのでしょうか。

 これらはほんの一例ですが、すでに経済の質的変革が求められているのです。それに対応した経済政策が見えてきません。麻生首相は「政局より政策」とことある毎に言われます。しかし、昨年度補正予算、本年度(09)本予算、そして補正予算とたてつづけに国会に提出しました。しかし、一番肝腎な近い将来の経済展望が見えてきません。さてどう導いてくれるのでしょうか。多弁な麻生首相です。不図、「巧言令色鮮仁」という言葉を思い出しました。

 
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