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玲子の雑記帳2009-05-16 [アーカイブ]

  5月14日と15日の2日間、東京地裁立川支部で行われた模擬裁判を体験してきました。来週21日にいよいよ裁判員制度がスタートするとあって、この間各地で模擬裁判が開かれています。今春八王子から引っ越してきたばかりの立川支部ではもっとも遅いこの時期の開催になったのでした。昨年、裁判所の職員がこの制度の説明に女性センターに来たおり模擬裁判への参加協力を求められて協力の意思表示をしたのですが、4月に呼び出し状なるものをみてうろたえ、とりあえずは当日出席の50人の枠には入っただけで、まさか6人のうちの一人に専任されるとは思っていませんでした。なにしろ最後はコンピューターのくじで決めるのですからね、誰だって自分が当たるとは思っていない。

 情に流されやすい人間としてはどれだけ正しい判断ができるのか自信がない、いったいプロの裁判官と一緒に素人がどこまで自分の意見を言えるのか、死刑のような量刑はとても怖くて下せない、等々、いろいろ疑問のあるところでしたが、今回は模擬ということもあって、まずは新しい裁判所を見てみようというところから入りました。

 6人の構成は主婦、現役の会社員、施設相談員、法律事務所職員、リタイアして料理学校に通っている男性等さまざま、2日間の裁判員の経験はなかなか興味深いものでした。法廷で壇の上から検察、弁護側の論告をきいたり、被告とのやり取りを聞くのは思っていた以上に消耗するもので、数十分ごとに休憩に入るのは贅沢でも怠けているわけでもなく必要なことだとわかりました。判決のため3時間もの評議に耐えられるのかと最初は思ったのですが、実はそれよりも短時間法廷に座っていることのほうがしんどいのです。高齢者は辞退できるというのもむべなるかなです。

 評議の間に自分の考えをまとめていく作業はそれなりに貴重な体験だったが、本番は辞退したいというのが6人みんなの感想です。基地跡地の国有地に国の機関が次々建設されて付近ははすっかり様変わりしていますが、その雄姿とはうらはらに食事をする場所が十分にない、アクセスがかなり不便、といった物理的な不備も指摘されました。難解な法律用語はもっとわかりやすくしてもらいたいし、2日間の模擬体験は裁判所側にとっても有意義だったとのことです。

 模擬とあって、今回の案件は被告が罪を認めていてその点の争いがないなど、比較的わかりやすい裁判になっていました。それでも量刑の判断は裁判員によって差が出ました。決定は多数決なのでその点荷が軽いという気はします。感情を排し、提出された証拠だけにもとづいて判断するという、めったにない経験をしました。それでも、被告が事件を起こす要因となった被害者の言動が、被告の罰を考慮するうえで酌量の余地はあっても、被害者の言動そのものが罰を受ける仕組みにはなっていないことになんとなくすっきりしません。。極論すれば、法律はいじめをうけても我慢しなさいとしかいわない。目ざすべきはいじめは悪いと誰もがみとめる社会ではないのかと思えてなりません。(裁判員制度とは全く別のはなしです。)

 


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