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雑記帳2023-4-15 [代表・玲子の雑記帳]

2024-4-15
◆2024年最初の遠出は上越・下越を巡る旅でした。

最初におとずれた糸魚川は誰もが知る翡翠の産地です。日本列島を東西に分かつ「糸魚川ー静岡構造線」が通る糸魚川には、約5億年前に生まれたヒスイを初め、多種多様な岩石があります。海岸で見つかる石の種類は日本一だそうです。火成岩、堆積岩、変成岩・・・

中で、ヒスイは新潟県が国内随一。約6500年前から世界最古のヒスイ文化がさかえていたといいます。東北を旅したとき、ヒルイを求めて古代から豊かな交易があったことが実感されたことを思い出しました。

ヒスイと聞けば、ばくぜんと緑の石を連想しますが、実はヒスイは緑の石はめったにありません。殆どは白い石だそうです。たちよったフォッサマグナミュージアムで、糸魚川の海岸で石拾いをするときにヒスイを見分ける特徴をおしえてもらいました。ヒスイは密度が高くて重いこと、固くて割れにくく、他の石より角ばっていること。そして、ヒスイは細かい結晶があつまってできているので、光を当てると、キラキラ光るのだそうです。

2016年の糸魚川の大火をおぼえている人も多いでしょう。おりしも日本海の季節風、フェーンの風にあおられて街の中心部は焼失。7年経って復興なった今は、新しい街並みにうまれかわっていました。

糸魚川は江戸時代、100万石の加賀藩の宿場町でした。
1652年には本陣が置かれ、本陣となったのが今に続く酒造「加賀の井」さんでした。
1650年創業の加賀の井酒造は、軟水の多い酒造界では珍しく、仕込み水に中硬水を使っているのが特徴。先祖が探し当てた自社井戸はいまも大切に使い続けて、大火の折には避難した人たちの飲み水にもなったということです。軟水とは異なる「まろやかで力強い味」をうたっていました。大吟醸山田錦はアルコール度17度だそうですが、お酒に縁のなかった私でも飲めました。
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火災の教訓を残すためにあえて燃えた蔵をのこしてある。
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これ全部試飲しました!

この旅のもう一つのテーマは「新潟の豊かな食文化」を味わうことでした。
宿の夕食はまさに、新潟の海の幸がいっぱいでした。

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 前菜 紅ずわい蟹甲羅盛り、ひすい豆腐、蛍烏賊麴漬け
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お造里 鯛、鰤、細魚(さより)、鰆
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火の物 めぎすつみれ汁、かんずりをそえて
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箸休め 真昆布蕎麦
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進め肴 幻魚とめぎすの干物
幻魚は日本海の深海魚。海から上がったときは透明。冬、寒風干しにして干物にする。

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台の物 黒毛和牛とのど黒のせいろ蒸し
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留椀 こくしょ汁(のっぺ汁の糸魚川版 冠婚葬祭の折に供される)

糸魚川市にはわずか10体の仏像を展示する小さな美術館があります。その名も「谷村美術館」。当地の実業家の谷村繁雄氏が蒐集した彫刻家・澤田政廣の作品を展示するために、谷村氏が建築家・村野藤吾に設計を依頼したという、作品と建物が一体となって鑑賞できる美術館でした。

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入口を抜けると、シルクロードの遺跡、敦煌の石窟寺を思わせる建物が出現します。そこへ一直線に延びる日本風回廊を美術館へと進みます。回廊は法隆寺をイメージしたのだそうです。

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砂漠の向うにシルクロードをイメージした建物
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法隆寺をイメージした回廊

館内には、湾曲した半円形の部屋、洞くつのような部屋の中に、弥勒や観音などの仏像が1体ずつ安置されています。人工の照明は入場者の足元を照らすためで極力抑えられ、作品の照明は天井からの自然の光です。光は作品と見る者を優しく包むこんでくれるようです。(館内写真はとれないので、パンフレットから1枚)


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自然光は時間や天候によって変化するので、その時々に仏の印象も違ってみえるかもしれません。季節によっても違うでしょう。小さいながらもう一度おとずれたいと思わせる美術館でした。

美術館に隣接して庭園がありました。
遠くの山並みを借景にして、広大な空間に川や築山を設けた見事は造りはどこかで見たような・・・。作庭家の名を聞いて合点がいきました。この庭を造った造園家・中根金作は足立美術館を造った人でした。足立美術館は海外の観光客に人気があり、世界で最も人気のある美術館のひとつです。
庭は中に入ることはできず、室内から鑑賞するようになっています。室内に置かれた大きなテーブルは他ならぬヒスイでした。

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庭園の入口には、自然石の大観音像(全長8m、約90t)が立てられています。
人の手がくわわっていないのに、見る角度によって人の顔に見える石です。バスが海際を走る今回の旅では、実はそんな岩をいくつも見かけました。

上越市高田は夜桜で有名です。
日本に三大〇〇があまたある中で、桜について言えば、三大夜桜は高田城址、上野公園、弘前城。三大桜スポットは弘前、吉野、高遠のこと。ちなみに三大桜とは、山梨の神代桜、根尾の薄墨桜、三春の滝桜をいうそうです。

例年なら、4月上旬のこの時期には満開の桜を見ることができるそうですが、今年は3月が寒かったため全国的に開花が遅れ、高田公園でも桜は未だのようでした。それでも桜祭りは開催されていて、園内に200店あるという屋台は大にぎわい。地元愛にあふれるボランティアのガイドさんが高田城の案内をしてくれました。

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堀に掛かる極楽橋から三の櫓を望む
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流石新潟、堀には錦鯉

高田に城が築かれたのは徳川家康の六男忠輝が入封したとき。豊臣との抗争が激化する中で前田を牽制するためだったといいます。突貫工事で4か月で築かれた城には天守閣も城につきものの石垣もなく、60haを越える広大な城郭にあるのは、櫓と、石垣の代わりにめぐらされているのは土塁です。

外堀を埋め尽くす蓮の花は、元は、明治になって困窮した家臣達の食用に植えたものでした。当時、品種として食用にはいまいちだった蓮が、今では東洋一と呼ばれて、観光の目玉になっているのです。
蓮の堀に掛かる橋からは、はるかに妙高山の雪形を仰ぐことができます。ゴールデンウィーク前後に見られる跳ね馬の形をした雪形は、昔は農作業の目安になりました。今年は雪が少ないので、4月初めにもうそれらしい姿がみえました。

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お昼をいただいたのは百年料亭「宇喜世」でした。140年前の創業以来守られて来た建物の一部はは国登録有形文化財になっています。合併によって上越市になった高田は、明治時代に陸運の駐屯地があったおかげで、料亭文化の名残もあるのでしょう。

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153帖の大広間
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仲三階  勝海舟も泊まったという一番小さい4畳半の部屋
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 国指定の有形文化財の北門
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箱御前
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3段のうちの一段目

新潟の食を訪ねる旅はあと1日あるのですが、佐渡島の食紀行は次回に。


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