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雑記帳2024-1-1 [代表・玲子の雑記帳]

2024-1-1
◆明けましておめでとうございます。

2009年に創刊した『知の木々舎』は、今年は丸15年、5月には16年目にははいります。
ご縁を頂いた執筆者は100名を越え、いまも月2回の更新は変わらず、毎回20点ほどの記事を掲載しています。
創刊当初から原稿を寄せてくださっている執筆者もいれば、創刊当初からの熱心な読者もいらっしゃいます。
この間には亡くなられた方もいらっしゃいますが、その度に新しいご縁が生まれました。
武蔵野の雑木林が豊かなくらしを育んだように、「くらしの中に句読点」を掲げて、今年も武蔵野の地からの発信を続けます。

◆清春芸術村は、山梨県北杜市にある芸術文化複合施設です。
清春白樺美術館、安藤忠雄の光の美術館を始めとし、アトリエ、茶室、図書館など複数の施設が開設されています。

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清春白樺美術館は、武者小路実篤や志賀直哉ら白樺派同人による美術館構想を、親交のあった吉井長三が私財を投じて実現したことで知られています。
銀座に画廊をもつ吉井は、廃校になっていた清春小学校を訪れて、八ヶ岳や南アルプスの山々に囲まれ、遠くには富士山をも望むその景観に魅了されたといいます。のちに桜の季節に友人の小林秀夫や白洲雅子らと共に訪れ、その後押しもあってこの地を購入たというエピソードが残っています。

白樺派は文人だけでなく、画家や思想家等様々なジャンルの芸術家が集っていました。印象派は彼らを通じて日本に紹介されたのでした。
小学校跡地にふさわしく、グランド周辺に何本となく植えられていた桜の木がそのまま残されて、春には美しい光景が見られます。私がたずねたのは12月中旬、一本の冬桜が満開でした。

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村のシンボルであるラ・リュージュの建物は1981年に芸儒家たちの集合アトリエとして建てられました。1900年のパリ万博に建設されたパビリオンと同じ設計です。アーギュスト・エッフェルが芸術家のアトリエ兼住居として設計した建物が万博でパビリオンとして使われ、万博終了後、シャガールやモジリアニなど20世紀を代表する画家たちのアトリエになったことに因んでいるのです。エッフェルの名はこれも万博の遺産、エッフェル塔に残っているのはご存知の通りです。

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ラ・リュージュ
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エッフェルと螺旋階段

一番面白いと思ったのが『撤』と名のついたツリーハウスです。
一本足の茶室を支える檜は清治村に植わっていた樹齢80年の檜を倒してつかったものだそうです。地上4m、室内は1.7坪の究極の茶室です。名前は哲学者の谷川徹三からとったそうです。ツリーハウスは、キャンピング大流行の今なら特に珍しいことではありませんが、以前四国の中津万象園を訪ねて、江戸時代、殿様一人用の茶室が内海を見下ろす岩のてっぺんにあったのを思い出して、昔から人のあこがれだったのかもしれないと思っています。いみじくも名付けた『轍』に因んで、独りになれば人は哲学する気分になるのかもしれません。

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茶室『轍』

ルオーの礼拝堂は20世紀最大の宗教画家であるルオーを記念して建設された礼拝堂。入口ドアの上にはルオー自身の制作した美しいステンドグラスが飾られています。光の美術館は、展示室に人工照明はなく、季節や時間とともに変化する自然光のみで作品を鑑賞するしくみになっています。設計者は安藤忠雄。

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安藤忠雄・光の美術館
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白樺の林を抜けてルオー礼拝堂へ。
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清春白樺美術館は企画展中なので菅愛撮影禁止。外観だけOKでした。

芸術村の複数の建物は、一度にたてられたのではなく、何年もかけて拡充されてきました。
設立当初のコンセプトどおり、芸術家同士、あるいは訪れた人同士が交流できる場になっているようです。

おりしも、清原芸術村といくつかの美術館や神社をつないで、山梨国際芸術祭がひらかれていました。
近年の多様性重視の文化は実は細分化や分断を招き、孤独や閉塞感をもたらしていると言われます。八ヶ岳のフォッサマグナの分断に位置する北杜市が、分断を抱えながらも豊かな生態系を築いている八ヶ岳から、多様と連帯を両立するヒントを得ることは出来ないかと生まれた芸術祭です。

その会場の一つ、中村キースへリング美術館は、2007年に設立された新しい美術館です。

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キース・ヘリングは、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアなどと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト。わずか31年という短い生涯で、希望と夢を残していった伝説のストリート・アーティストです。彼の名を知らなくても町のどこかで彼のイラストを見た人はたくさんいるのではないでしょうか。
傾斜のある、迷路のように辿る館内は、現代のポップアートの展示を更に面白くさせ、子ども連れの家族の姿も見られました。

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清原白樺美術館が先駆けとなって、北杜市には芸術家のアトリエや美術館が次々に誕生しました。平山郁夫シルクロード美術館はJR小海線の甲斐小泉駅のすぐそばにあります。ここにはシルクロードに魅せられた画家の1万点に及ぶコレクションが収納、展示されています。豊かな自然に恵まれて、北杜市は今、進化するアートタウンとして注目されています。

◆国営昭和記念公園のお正月です。

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こもれびの里長屋門
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こもれびの里古民家の正月飾り
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日本庭園楓風亭から池を望む
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お正月の生菓子も「松」に
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水鳥の池


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