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こふみ会へGO七GO №121 [ことだま五七五]

こふみ句会へGO七GO(こふみ会・句会ものがたり改め)№121
「花火」「シャワー」「向日葵」「ゆ・か・た」 
                                 俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和5年7月の句会≫の案内状が送られました。

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こふみ会の皆さま、こんにちは。
今年もいよいよ、きょうから7月です。早いですね。
もう、あたり前のように異常な気象ですが、なんとか、いい夏にしたいものです。

7月の幹事、一遅です。
今月は、せっかくの7月ですから、
ネット句会ではありますが、こふみ会伝統の「ゆかた会」としたいと思います。
ということで、兼題を、「ゆかたテーマ」にいたしました。
皆さま、各自、勝手にゆかたをお召しになって、よろしくお願いいたします。

●兼題:
① 花火(大会でも庭先でも、ゆかたが最も似合うシーンです)
② シャワー(季語とします。まあ本来、行水ですが、現代的に。)
③ 向日葵(ゆかたの柄によくありそうな、というだけですが)
④ ゆ・か・た(上5、中7、下5のアタマに使って作句。季語は各自で)

●投句
投句される方は、7月10日(月)までに、一遅まで、お願いいたします。
●それから、トピックですが、今月から、久々に新入会員が加わりました。
 下戸さんの推薦で、蕃茄(ばんか)さんです。
 むずかしい俳号ですね。トマトの漢名だそうです。
 蕃茄さん、よろしければ、そのうち皆さんに自己紹介など、どうぞ。
 それから、投句、選句などで不明なことがありましたら、
 今月の幹事、一遅に、なんでもメールでおたずねください。

ではでは、今月も、素晴らしい投句をお待ちしてます。以上、一遅でした。

※選句は20日までに、幹事までお戻しください。

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【当日寄せられた全作品】は下記のとおり。16名64句

【花火】
1.タワマンと背比べする花火かな  (華松)
2.2B弾鳴らして逃げる塾帰り  (すかんぽ)
3.湯あがりの父の楽しみ花火かな  (玲滴)
4.夕長し聞こえぬ花火病院食  (孑孑)
5.老ひとり 線香花火の終い方  (鬼禿)
6.旅宿の遠くに聞こゆ揚花火  (なつめ)
7.闇の底くらげの如き遠花火  (虚視)
8.一人の夕 花火の音も 消えたあと  (紅螺)
9.散り落ちぬ 花火に鎮まる 隅田川  (蕃茄)
10.君の瞳の中の花火の消えにけり  (矢太)
11.長距離のバスの窓から遠花火  (下戸)
12.帯締めやる十四の胸よ遠花火  (弥生)
13.遠花火 事なき事を好しとせむ  (尚哉)
14.遠花火勿忘草のごとく咲く  (茘子)
15.その一瞬喜びか悲しみか花火見る  (一遅)
16.球場の花火で今年も夏を知る  (兎子)

【シャワー】
17.シャワー後の少年シャボンの匂いして  (弥生)
18.頼りなきシャワーの窓のプルメリア  (なつめ)
19.朝シャワー ムスクの匂い消えるまで  (尚哉)
20.プールサイドシャワーがハシャぐビキニかな  (茘子)
21.虚の汗流すシャワーや白き朝  (孑孑)
22.初合羽 シャワーの雨音 子ははしゃぎ  (蕃茄)
23.七月や 熱いシャワーで 迷い捨て  (紅螺)
24.花に水私にシャワーで蘇る  (兎子)
25.流したしシャワーで今日の恥までも  (華松)
26.覚醒す熱きシャワーの千の針  (虚視)
27.篠突くシャワーの中にいる倖せ  (鬼禿)
28.シャワー浴ぶ午前3時の東京タワー  (一遅)
29.シャワー流すあの事もその事もこの事も  (矢太)
30.砂粒の流れてゆくやシャワー室  (下戸)
31.シャワー浴ぶ児にまとわるや光の輪  (玲滴)
32.放り脱ぐ・靴・シャツ・ズボン・水シャワー  (すかんぽ)

【向日葵】
33.向日葵やひとの目盗んで笑いけり  (下戸)
34.向日葵に暗示掛けられ黄色好き  (華松)
35.ウクライナの向日葵蜂蜜こがね色  (弥生)
36.向日葵の背比べかな三姉妹  (なつめ)
37.北を向く向日葵どこかにいませんか  (矢太)
38.向日葵たち軍隊ごっこかつまらぬ  (孑孑)
39.向日葵の 背丈超えたか婚外子  (尚哉)
40.向日葵の 迷路はいつか ラビリンス  (紅螺
41.あの向日葵の絵は一絵描きの魂  (鬼禿)
42.小向日葵 顔突合せ 背比べ  (蕃茄)
43.ひまわりの故郷に戦火はつるのはいつ  (玲滴)
44.ひまわりを見上げる道路反射鏡  (すかんぽ)
45.廃校の空向日葵もひとりぼっち  (茘子)
46.向日葵もうな垂れてるよ夏の夜  (兎子)
47.向日葵の群れ咲いて静かに海を目指す  (一遅)
48.種熟れて向日葵黒き首(こうべ)垂れ  (虚視)

【ゆ・か・た】
49.結いありてかたらいは夏のたのしみに  (玲滴)
50.夕立に蚊も逃げ惑う旅の夜  (兎子)
51.夕まぐれカナカナの声谷越えて  (弥生)
52.夕涼み鐘に送らる高瀬舟  (茘子)
53.幽霊が蚊に刺されて蹈鞴(たたら)踏む  (孑孑)
54.由々しきは肩の痛みや田の青さ  (華松)
55.夕立に 片恋手と手 たずさえて  (蕃茄)
56.夕蝉や 髪梳く人と 旅の宿  (紅螺)
57.ゆきずりの肩擦れあうも他人船  (鬼禿)
58.夕立や傘なし金無し大義無し  (一遅)
59.誘蛾灯 角打ち集(たか)るも たかが虫  (尚哉)
60.夕暮れの刈草踏みて立ちこめり  (なつめ)
61.夕凪や海岸通り旅の果て  (虚視)
62.誰も彼も振り向いてゆく浴衣かな  (矢太)
63.友情は学級のまま山車を曳く  (下戸)
64.夕月に影をかさねて旅の宿  (すかんぽ)

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【天句の鑑賞】
「天」に選んだ句とそれに関する鑑賞短文を簡潔に書くというこふみ句会の約束事。

●老ひとり 線香花火の終い方 (鬼禿)
鑑賞短文=身につまされます。しみじみと…(玲滴)
鑑賞短文=落ちそうで落ちない火の玉からの最後の輝き。幼い頃の記憶が重なりました。
(一遅)

●闇の底くらげの如き遠花火 (虚視)
鑑賞短文=花火とクラゲが似ていることを、初めて知りました。(華松)

●帯締めやる十四の胸よ遠花火 (弥生)
鑑賞短文=帯は半巾の献上でしょうか、母娘の静かな情景。(紅螺)

●シャワー後の少年シャボンの匂いして (弥生)
鑑賞短文=夏の日の一瞬が切り取られていて素敵。(茘子)

●シャワー浴ぶ午前3時の東京タワー鵜  (一遅)
鑑賞短文=出来ればこの景色に半月がかかってくれれば最高!なのですが・・。(鬼禿)
鑑賞短文=午前3時のシャワー。大都会の片隅でこんな暮らしもあるんですね。(弥生)

●砂粒の流れてゆくやシャワー室  (下戸)
鑑賞短文=幼い子らかその親たちか、その日の時間の経緯や声が見えます。若者たちの刹那の後かもしれないな。(孑孑)

●シャワー浴ぶ児にまとわるや光の輪  (玲滴)
鑑賞短文=海水浴場かプールの屋外シャワーでしょうか。ほとばしる水滴を「光の輪」とした見立てが秀逸で、シーンが活き活きと見えてきました。(すかんぽ)

●向日葵やひとの目盗んで笑いけり  (下戸)
鑑賞短文=人の目を盗んでいるのは私だろう。向日葵は笑っているだけなのだよ。怖い叙情句です。(矢太)
鑑賞短文=・・・面白い発想です。ウクライナの向日葵畑から一斉に起こる笑い声(尚哉)

●夕まぐれカナカナの声谷越えて(弥生)
鑑賞短文=夏の終わりに感じる、もの悲しくもありどこか懐かしくもある蜩の声。涼を感じました。(なつめ)

●由々しきは肩の痛みや田の青さ (華松)
鑑賞短文=由々しきは、が効いてますね。縛りの苦難を乗り越えてできた名句だと思います。(下戸)

●夕蝉や 髪梳く人と 旅の宿  (紅螺)
鑑賞短文=「ゆ・か・た」の兼題に、浴衣姿の見える情景を詠みこもうと、悪戦苦闘していたのですが、夕蝉や・・・の句は「ゆかた」を頭に入れながら、浴衣に着替えた2人の姿を詠まれていて、見事だと思いました。(蕃茄)

●友情は学級のまま山車を曳く (下戸)
鑑賞短文=「学級のまま」というのがなんともよいです。クラスの賑わい、仲間のノリ、はしゃぐ姿が目に浮かびます。(兎子)
鑑賞短文=久しぶりに帰った故郷では、こんな光景があちこちで見られるのだろうな。「友情は学級のまま」が心に沁みます。(虚視)

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≪今月の天地人≫

天=下戸さん 63点
  代表句=向日葵やひとの目盗んで笑いけり
地=弥生さん 50点
     代表句=帯締めやる十四の胸よ遠花火 
人=虚視さん 41点
     代表句=闇の底くらげの如き遠花火

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≪幹事より、ひと言≫

毎回、一覧が出て来ると、兼題に対する人それぞれの感じ方の違いが面白いですね。シャワーという、身近かで、どのようにでもイメージが膨らませられるものには、多様な句が出揃います。千の針と見る人もいれば、光の輪と捉える人、またそれぞれに共感する人、会員の皆さんの普段の暮らしぶりが垣間見えるようで、幹事をたっぷり楽しませていただきました。ありがとうございました。では、来月へ、バトンをお渡しいたします。(一遅)



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