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私の中の一期一会 №240 [雑木林の四季]

                阪神タイガースを変えた怪物ルーキー佐藤輝明の存在
  ~怪物に本塁打された田中将大は「投げミスではない。うまく打たれた」と語る~

               アナウンサー&キャスター  藤田和弘

  今年のプロ野球は、例年になくルーキーの活躍が目立つシーズンになっている。
 今最も注目を集めているルーキーは阪神タイガースの佐藤輝明(22)だと言っても過言ではないだろう。
 即戦力の逸材として評判が高く、昨年のドラフトの〝目玉だ”と言われていた。
 1位指名に4球団が競合したため抽選になったが、当り籤を引いたのは阪神の矢野監督であった。
 オープン戦で6本のホームランを放つなど、シーズン開幕前からその並外れた佐藤輝のパワーは注目されていた。
 身長186センチ、体重94キロという大柄な体格は嫌でも目につく。
 6月28日に発表されたオールスターファン投票で佐藤輝明は、外野手部門でセリーグ最多の43万5605票を獲得して選出された。
 新人がリーグ最多となる得票数を獲得したのは史上初めてだとか、改めて注目度が高かったことを示している。
 球宴でホームランを期待する声には「ホームランが出るように努力したい。一番見てもらいたいのはホームンンです」と話している。
 今月28日現在,69試合で打率277,打点47,本塁打19は大健闘だが、三振97は突出している。
 開幕から新人離れの活躍を見せる怪物ルーキー佐藤輝明について,金本知憲元阪神監督は「一年目でこれだけの成績を見せているのは立派で、見応えがある」と高く評価している。
 バットスイングの速さ、強さは魅力的だ。
 初球から思い切ってフルスイングができる。
 凄いスイングをするのと、アウトになり方のギャップが面白いと金本は言う。
 他の人が打てないようなボールをホームランに出来るのに、簡単なボールを凡打にしたリするからだとか・・
 一振りで球場の雰囲気が変わった感じになるのも面白い・・というか凄い。
 重心が後ろに残り気味にスイングするが、それでも飛距離が出る。
 後ろに残り過ぎて変化球をうまく拾えない時があるのに、変化球を上手くホームランにしたりする。
 欠点があるのに、あれだけホームランを打つ・・という不思議なバッターだ。
 横浜スタジアムでのベイスターズ戦で怪物ルーキーは、国吉投手の141キロカットボールを完璧に捉えた。
 打球は逆風をものともせずに右中間へ一直線!・・推定140メートルの大飛球は、最上部の鳩サブレの看板の上を越えて場外に消えていった。
 この日勝利投手になった藤浪晋太郎は、驚愕の一打について「ベンチでは全員引いていました。ドン引きです」と・・・
 5月28日、西武ライオンズとの交流戦では1試合に3本のホームランを放ち、怪物ルーキーは規格外のパワーを見せつけた。
 自己最多タイの5打点もマークして逆転勝ちのヒーローになったのである。
 2回に高橋投手のフォークをバックスクリーンへ叩き込む11号ソロは13試合ぶりの一発だった。 
 6回の打席では、インサイド寄りの直球をフルスイングして左中間スタンドに打ち込んでいる。
 5-7と劣勢で迎えた9回は打線が奮起して7-7-の同点に追いついていた。
なおも2死1,3塁とチャンスが続き、佐藤まで回ってきた。
 西武のピッチャー・ギャレットにカウント1-2と追い込まれたが、高めへ来たストレートをこれまた完璧に捉えた。
 打球は左中間スタンド上段に弾む13号3ランホームランになった。
 試合後矢野監督は「凄かった。これはもう俺の生涯で忘れることのできヘん試合になった。凄かった・・」と言葉少なにコメント。
 1試合にホームラン3本の佐藤輝明が並みの新人ではないことが分かる快挙で、長く語り草として残るに違いない。
 楽天との交流戦で、スーパールーキーは日本を代表する右腕、田中将大と初めて対戦した。
 2回表の初打席ではセンターフライに打ち取られていた
 2度目の対戦は4回に訪れたが、前の2人が続けて三振に打ち取られていた。
 ルーキーは臆することなく打席に入った。 
 ポンポンとストライクを取られた3球目・・
 スライダーがインコース低目に食い込んできた。
 怪物ルーキーは鋭く反応した・・打球はアッという間にライトスタンドに飛び込んでいた。
 田中将大は「ボールは投げミスではない.強いて言えばワンバウンドにしたかった。甘い球ではなかったがうまく打たれた」とコメントいている。
 田中はこの時「当然、感ずるものはあったが、それを言うと相手に伝わるので〝言わない”」と言った。
 自分の失投ではない球をホームランにした怪物ルーキーを褒めたかったのかも知れない。
 5月2日に甲子園で行われた広島戦では積極的休養をとった大山に代わり、佐藤輝明がプロ入り初の4番サードでスタメン出場している。
1回裏、いきなり1死Ⅰ,2塁の先制のチャンスが訪れたが4番佐藤は先発野村のチェンジアップに空振り三振に倒れチャンスを潰していた。
3回にも打席が回ってきたが、この時もチェンジアップを打てず、空振り三振に終わっていた。
だが、並みのルーキーではない佐藤照明は。3度同じボールにやられなかった。
野村に押さえられ、試合は1-3と2点ビハインドだが、無死満塁の好機に佐藤が打席に入った。
カウント2-2の5球目は真ん中低め、ボールゾーンに落ちてくるチェンジアップだ。 
当時の記事によると、打ちにいった怪物は身体は前に出されたが重心は残っていた。
片手でボールを拾ったようにも見えたが、カーンという乾いた快音を残して広い甲子園のライトスタンドへ・・・何と!満塁ホームランになったのである。
三塁ランナーだった近本は、驚いた顔で「あんなに飛んでいるんやと正直思った。片手みたいな形で打ってフェンス直撃?、抜けるか?と思っていたらあんなに飛んだ!スゲェなと思った」とコメントしている。
臨時で(?)4番に入った怪物ルーキーの満塁ホームランでチームは逆転で勝利した。
佐藤は「追い込まれた中で、しっかりボールについていけた。ホームランになって最高です」
佐藤輝明は、いつもマイペースでビビることがない性格らしい。我々にような昭和生まれとは違うのだろう。
阪神の選手は巨人との戦いになると意識過剰になって、〝普段通りの野球が出来なくなる”傾向があるという人が多い。
ルーキー佐藤にはそれが無いのである。
大柄な体格は威風堂々としているように見える利点もある。
サードの守備では、器用なグラブさばきも見事で、センスがいい。
スローイングにも自信を持っているようだ。
いつの日かそう遠くない日に「4番サード、佐藤」が誕生するかも知れないと私は思っている。
佐藤輝明のルーキーらしからぬプレーぶりは、タイガースというチーム全体にいい流れを作り出している。
怪物ルーキー佐藤に触発され、レベルアップにガツガツした雰囲気がチーム内に生まれている。
タイガースは間違いなく活性化したといえるだろう。
選手層も厚くなってきている。
阪神は佐藤輝明の他に、ショートの中野拓夢、先発左腕の伊藤将司というルーキーも一軍戦力になっている。
個々の意識は例年以上に高まっている筈だ。
阪神ファンの私としては、どうにも〝落ち着かないシーズン”になりそうである 


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