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猿若句会秀句選 №108 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集 108(2020年7月18日)

                 猿若句会会亭  中村 信

 階を蟻が追い越す老の足    柴田弘道
 電線の影さへ拾ひゆく暑さ    高橋 均
 霧雨や蜘蛛の巣白し庭の朝   原 健一
 献灯の仄と揺れをり宵の宮   児玉竹子
 見ても見ぬ振りして見たる裸体かな   丸本 武
 一体の仏像に礼風死す日   宮島久代
 前掛を外し迎へる神輿かな   川上登美枝
 白絣高下駄軽し石塀小路   古明地昭雄

◆猿若句会七月例会の特選句集です。句会として再開出来て二回目、出句の方は少しは馴れてきたか多様化が進んだようです。しかし選句力の方は鈍化してしまったのですか?
[短評] 例によって一句だけの短評[階を蟻が追い超す老いの足 弘道]から始めます。巻頭句ですが、正直なところ私には手に負えませんでした。句意も判りずらいが、その前に読み解く・判読に苦労しました。作句者は「階」に<きざはし>とルビを振っていますが、現代語として読むには役立ちません。<階>だけでは階段のどの部分をさすのかわかりません。「を」も部分をさすはずですがどの部分だかを余計分からなくしています。そして最終的には蟻が追い越してゆくのは「老いの足」だと云うのですがさらにわかりにくくしています。擬人化ならぬ足に老いを感じさせる擬体化(?)がますますわからなくしているようです。とりあえず、深読みならぬ勝手読みを試みてみます「階段を昇ろうとしたら、蟻が私の脇をさっさと上っていった。すっかり歳をとってしまったものだ」を仮に句意だと云うことにしておきます。無責任ですが強引に句意を拵えたことで勘弁してください。
  皆さまはどう解釈をして選句をおこなったのですか。宿題にしておきます。句会時点では選句力を発揮して巻頭句に選んだのです。思いおこしてみてください。
◆句会での特選以外の秀作・佳作については、新ブログ[パソコミ誌『あ』の電脳版]http://a-houshin.hatenablog.com/
に掲載しています。まだテスト版ですが、おいおい充実させてゆくつもりです。ご覧いただき・ご支援ください。


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