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往きは良い良い、帰りは……物語 №83 [文芸美術の森]

3月こふみ会の成績発表

            こふみ会同人  大谷鬼禿

3月4月「こふみ会」中止によって 兼題二題のみの投句・互選をネット上でやって見ました。選句の結果と作者を発表いたします。

◆兼題=動

天(8点) 踝のくるりと動き春立ちぬ (矢多) 
地(4点) ネジ巻き鳥が 突如動いて 春不穏 (弥生) 
地(4点) ブランコの動き残りて 春の宵 (虚視)  
地(4点) 春障子 影追いかけて 時動く(茘子)     
地(4点) しゃぼん玉弾けて時は動きけり(すかんぽ)    
 
原子炉が再び動く春の闇 (可不可)
ネジ巻き鳥が 突如動いて 春不穏 (弥生) 
足跡(くるぶし)の土動かすつくしんぼ (小文)
コロナ動き文明の脆弱 春寒し(一遅)
蛤汁 泡吐きカタと 動きをり(尚哉)
モゾモゾと動き出す朝 山笑う(珍椿)
桜鯛 動くを止めて 板の上 (紅螺)
踝のくるりと動き春立ちぬ (矢多) 
上野の西郷どん 3センチ動く 春一番(下戸)
ブランコの動き残りて 春の宵 (虚視)  
春障子 影追いかけて 時動く(茘子)     
一陣の風 桜花舞う我動けない(玲滴)
粍(ミリ)動かぬ母の寝息 聞く日永(美留)  
しゃぼん玉弾けて時は動きけり(すかんぽ)    

◆兼題=笑

天(12点) 遠ざかり行く笑いごえ月朧(虚視)  
地(9点) 爪を切る音高らかや山笑う(可不可)  

車座に笑みの連なる花見かな(すかんぽ)
山笑う打ちてし止まんコロナ風(小文)
春の夢 (笑)<カッコわらい>で  二度寝する(尚哉)
病室の窓 目を転ずれば山笑う(玲滴)
鰆しいたけレモン笑うよ  春ちらし寿し(下戸)
笑ふピエロの笑はぬ眼(まなこ)春の闇(弥生)
笑う山 双眼鏡の中にあり(紅螺)
山笑う 鳥獣虫魚 目覚めけり(茘子)
笑ひ合ふ友なし春休み長し(美留)
お濠端の喇叭水仙 呵呵大笑(一遅)
道端でむだ話する日永かな (珍椿)
嬉くてこらえ切れない 笑「合格」したの(鬼禿)
爪を切る音高らかや山笑う(可不可)  
遠ざかり行く笑いごえ月朧(虚視)  
お茶笑ふ窓笑ふ風笑ふ山笑ふ(矢多)



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