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浜田山通信 №250 [雑木林の四季]

グレタちゃん がんばれ がんばれ

                ジャーナリスト  野村須美

 9月9日関東を直撃した台風を私は何も知らずに昼頃起きた。私の寝室がマンションの凹んだ小さな庭に面しており、風の音も雨の音も聞こえない構造になっているからだ。起きて新聞をとりに玄関を出て驚いた。ドアの外は、前の小公園のイチョウの葉っぱがぎっしり道路まで落ちている。
 テレビをつけると千葉方面は、送電線の鉄塔が倒れたり。、倒木が電柱にひっかかったりで被害状況もわからないという。発表によると、千葉県から神奈川、静岡、茨城県にかけて50数万戸が停電、断水し、ガスも止まっていると。台風から5日たった13日現在10万8600戸の停電が続いており、政府の発表でも完全復旧まで1週間かかるという。内閣の改造などがあり台風どころではなかったのかもしれないが、東電はじめ県や自治体、政府も西日本の台風集中豪雨と比べるとのんきに構えていたのではないか。たしかにしばらく東京では台風被害にあっていないが、地球温暖化はどこでどんな異常気象をもたらすか判らない。アマゾンの森林火災はいぜんとして続いているし、アメリカの東海岸フロリダ沖のバハマ諸島は猛烈なハリケーンに襲われた。
 もう何年も前から北極海の氷山は解け、温暖化がすすんでいるというのに、温暖化そっちのけでロシアやアメリカは北極海開発の覇権争いに夢中だ。
 この状態を一番心配したのは、スエーデンの少女、グレタ・トゥーンベリさん、16歳。彼女は1年前から気候変動の危機を学校を休んで世間に訴えている。8月にはイギリス・プリマスからヨットで15日間かけて28日ニューヨークに着いた。30日には国連本部前での学生デモに参加した。トゥーンベリさんは国連本部で9月23日開催の「気候行動サミット」に招かれている。
 トゥーンベリさんはことしのノーベル平和賞の有力候補になっている。世界中で国家間あるいは民族間で争いが続いており、気候変動と並んで地球破壊の原因となる核戦争の危機もある。核の恐怖については、いくらアメリカファーストであろうが、ロシアファーストであろうが、人類もろとも地球が終わりになることを世界の指導者は知っている。しかし気候変動、異常気象にはほとんど無関心の様子だ
 エコロジー、環境問題が騒がれ始めてもう何年になるか。レーチェル・カーソン「沈黙の春」やヘンリー・ソロー「森の生活」、福岡正信「藁一本の革命」などを夢中になって読んでもう50年は経つ。福岡正信さんの農場のみかんを取り寄せて皆に配ったこともあった。しかしその後、本に書かれていたことはみな忘れ、無農薬の野菜や肉類を買ったり食ったりしたことはない。さすがに狂牛病が日本で見つかったときはギョッとしたが、それもいつか忘れ、いまや安いアメリカ、オーストラリア、スペイン産も平気で口にする。環境問題は先の短い年寄りは目をつむる。世界中のグレタちゃんたち、がんばれ、がんばれ。

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