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浜田山通信 №232 [雑木林の四季]

「ザ・ラスト・ガール」

                                     ジャーナリスト  野村勝美

 さすがは師走、ビッグニュースが目白押しでその中で一つだけとはまいらない。仕方がないので目についたいくつかを列挙する。  
 最大はなんといっても中国のファーウエイ問題。トランプさんがファーウエイのケータイなど使ったらアメリカ国民の個人情報から国家機密など全部中国に握られてしまうから使ったらダメだといい、アベさんなどただちに了解しましたと反応。続いてファーウエイの孟晩舟・最高財務責任者をカナダ政府に拘束させてしまった。カナダもアメリカとまるきり一体であるわけでなく、カナダの国技アイスホッケーの番組スポンサーにはファーウエイがなっているし、スマホも同社製がすでに入っている。中国も報復措置としてカナダ人2人を拘束。その後孟晩舟CFOは8億円の保釈金を払って仮釈放されたが、何が何やら私などには訳が判らない。判らないが、今後何年か続く米中の覇権争いがこんな形で始まったのだろうぐらいは判断できる。アベさんもとにかくトランプさんに何が何でもついていくしかないとタカをくくり、F35ステルス戦闘機150機だかを購入(1兆2600億円)、「どうもありがと」と礼を言われた。だけどいまや対中貿易は対米貿易より大分上回り、中国とも仲良くやっていかなければ日本はやっていけない。とにかくエライことになっている。
 おかげで日産のカルロス・ゴーン会長の問題はどこかに飛んでいき、デモ隊にやられ放しのフランス・マクロン大統領やルノーも反撃に出ている。怪し気といえば日本の官民ファンド産業革新投資機構(JIC)問題も突如として官と民の結束がくずれ、民間出の役員が辞表を提出。こんな機構がいつできてうまいことをやろうとしていたのか、これまでメディアもとりあげたことがないのではないか。官民のエライさんの金銭感覚は普通じゃない。
 こんな時ノーテンキにも内閣府は、2012年12月から始まる景気拡大が戦後2番目になったと発表。新聞もさすがにまともにとりあげるわけにはいかぬとばかり経済面で3段扱い。「神武景気」とか「イザナギ景気」とかいっていた頃はまだそうかなと思ったが、いまは毎年毎年悪くなる感じしかない。まあ年金生活者は受給年金は減るばかり、とられる保険料や生活費は上がるばかりだから当然だろうが、若い人たちをみても皆食うのがやっと。自動車や住宅を減税しようとしても、そんなもの買える若者はどれだけいることか。スケートの紀平梨花さん(16)やノーベル賞医学生理学賞の本庶佑京都大特別教授は明るいニュースだったが、私にいわせれば、同じノーベル賞受賞でも平和賞のコンゴ民主共和国(旧ザイール)の産婦人科医デン・ムクウエゲ氏(63)とイラク人女性ナデイア・ムラド氏(25)をもっと大々的にメディアはとりあげるべきだった。戦時性暴力問題は日本も前の戦争で慰安婦問題や中国での三光作戦での略奪暴行など負い目もあり、扱いが小さくなるのだろうが、だからこそより重大な問題であることを知らねばならぬ。『私を最後にするために(THE LAST GIRL)』、ぜひ読んでほしい。

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