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徒然なるままに №43 [雑木林の四季]

 安倍“改憲”は認められない

                        エッセイスト  横山貞利

 去る10月24日から開催されている臨時国会で、安倍首相は「憲法改正」を実施する意向を明らかにしたが、いま何故「改憲」なのかは明確にしていない。
 それはさておき、安倍首相が今回改憲すべき項目は以下の4項目である。
1、 自衛隊を憲法9条に明記する。
2、 緊急事態条項を新設する。
3、 地方自治体の合区解消。
4、 教育の充実。

「1、 自衛隊9条明記」については、5月3日の「憲法記念日」に、安倍シンパの会議の席でいきなり言い出した項目である。自民党員の中でも突然の発言に戸惑いがあったようであるが、安倍首相にとっては当為を得ているのであろう。
「2、 緊急事態条項の新設」は、自民党憲法改正草案に明記されていることである。
   これについては、以前連載していた「浦安の風」(Nо65~68)で4回に分けて「自民党・憲法改正草案を読んでみた」の4回目「第九章 緊急事態」で詳細に報告したが、この条項は「戒厳令」以外の何物でもない。すべての国家機能を内閣総理大臣に集約して委託することを目論んだものである。
「3、 地方自治体の合区」今更なにをか況やである。投票行動が2倍以上の格差の場合は違憲であるとの最高裁判決に鑑みて人為的に合区などと言うバカな発想が罷り通ったのだ。当然解消しなければならないだけのことで、恣意的に「合区」にしたご都合主義こそ民主主義を弁えぬテイタラクを意味するものである。何で憲法に書きこむ必要あるのか。
「4、 教育の充実」いまさら何を言うか。教育こそ国家の大計である。教育基本法を恣意的に改悪した内閣が、いままた何をやらかすか心配になる。
 以上4項目の条項を以て今国会で改正したいということらしいが「憲法を変える」ということはそんなに容易なことではない。一般的な法律を変えることは思いつきでも可能であるかもしれないが、国家の基本法はそんなに容易く扱ってはならない。
 安倍首相は、何故いま憲法を改正しなければならないと考えているのか、その「大義名分」を明確にしていない。「日本国憲法」が、1946年(昭和21)11月3日に公布され、翌年5月3日から施行されて以来、一度も改正されてこなかった。その「日本国憲法」を安倍首相自らの手で改正してみせるという自負心でしかない。「憲法」という国の根幹をなす基本法を安易に弄ぶ行為は許されない。総理大臣以下閣僚を含む国会議員には憲法順守の義務があることを無視している。
 第2次安倍内閣が発足して以来進めてきた法案について列記してみると、
    ① 特定秘密保護法
    ② 安全保障関連法
    ③ 改正刑事訴訟法(通信傍受対象拡大、規制緩和、司法取引導入など)
    ④ TPP関連法(医療などの市場化)
    ⑤ 共謀罪法
    ⑥ 働き方改革法
    ⑦ カジノ法
    ⑧ 労働者派遣法改悪(不安定雇用の常態化)
    ⑨ 原発輸出促進―トルコ、ベトナム、インドなど
その他、法案ではないが
○報道の自主規制強化、
○日本会議との一体化 などが顕著である。
こうして列挙してみると明らかに戦前回帰であり、安倍首相が目指して来た「戦後レジュームからの脱却」に成功したと言えよう。安倍首相には、まだ3年の自民党総裁任期にある。更なる戦前回帰に進んでいくのであろうか・・・。


      かやの木山の
             (歌 藤原義江  詞 北原白秋  曲 山田耕筰)
      かやの木山の
      かやの実は
      いつかこぼれて
      ひろわれて
     
      山家のお婆さは        
      いろり端           かやの実 かやの実
      粗朶たき 柴たき       それ 爆ぜた
      燈つけ            今夜も雨だろ
                    もう寝よよ
                    
                    お猿が啼くだで
                    早よお眠よ
 

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