SSブログ

私の葡萄酒遍歴 №21 [雑木林の四季]

 ワインへの道・・スペイン編 3 

                                ワイン・グルマン  河野 昭 

ペネデス

 地中海に面し、早くから海外の国々との交易の中心地であったスペイン北東部のカタル一二ヤ州、進取の気性に富み、創意工夫に優れ、 また仕事熱心な人々が多く、新しい品種の導入など、栽培や醸造にモダンな発想や投資が活溌に取り入れられ、スペインワイン革新の先駆的存在です。

最先端のワイン造りに挑戦
 カタルーニヤ州を代表する産地がペネデスで、バルセロナの南約40キロメートルにあるビラフランカ・デル・ペネデスを中心に広がっています,
 ローマ人の足跡が色濃く残り、古くから葡萄栽培とワイン造りが行われてきましたが、ペネデスといえば長い間、カバの中心的な産地としての方が有名でした。ステイルワインの産地として′上座が本格的になったのは1970年代に入ってからですく-当時、この地方で造られていたランシオ(酸化させた)タイプに飽き飽きしていたトーレスなど一部の革新的な生産者が、新しいスタイルと高品質なワイン造りに挑戦を始めました。-このため、スペインでいち早くステンレスタンクや温度調節装置を導入するなどの醸造所の近代化や低温発醇、酵母の改良、オークの新樽による発酵や熟成、瓶熟成の重視など、技術の革新をほかの産地に先駆けて行いました。また、葡萄畑では積極的に外来種や新栽培方法を取り入れるなど、さまざまな投資が行われました。、

多彩な葡萄から国際的品質ワイン
 ペネデスの栽培面積は約27000ヘクタールで、生産量は多いときには約45000キロリットルに達します。気候条件によって、地中海沿岸の平野部に広がるバホ・ペネデス、平均海抜200メートルの中間部のメディオ・ペネデス、平均海抜700メートルの小高い内陸部のより涼しい地域ペネデス・スペリオルの3つのゾーンに分かれています。土壌は沿岸部では砂地で、高度が上にいくほど石灰岩が多くなり、全体に水はけのよい土壌です。気候は全般的に地中海性気候のため温暖ですが、高地の冬は厳しく、遅霜の危険性もあります。生産者はこの気候条件の特徴を利用して、各地域に一番合ったスペイン産や外来種の葡萄を栽培しています。
 最近は酸味の生きたフルーテイな味が好まれるので、シャルドネ、ピノ・ノワール、チャレッロ、テンプラニーリョお栽培が中心と「なっています。造られるワインは赤、白、ロゼとヴァラエティ豊かで、単一の品種から造られたり、あるいはブレンドされる場合もあります。ロゼと白ワインは若飲みタイプとして売られることが多く、赤ワインはオークの小樽で熟成されるのが一般的です。ペネデスのシャルドネは上質なうえに、値段が手ごろなため好評です。また、テンプラニーリョとカペルネ・ソーヴイニヨンの組み合わせによるブレンドは国際的な品質を誇っています。

カタルーニヤ州のワイン
 カタル一二ヤ州には小さくて魅力的な原産地呼称が集まっています。地中海沿岸には、
ペネデスの南に、しっかりとした骨組みと濃厚な果実味の赤ワインが注目されるタラコナ、これまで無名ながらも将来の期待される、内陸部の山中にあるテラ・アルタやコンカ・デ・バルベラ、運河が敷かれ大規模な土地開発によって誕生したコステルス・デル・セグレ、カタル一二ヤの聖地モンセラット山のふもとでチャーミングなワインを産出するプラ・デ・パデス、またバルセロナの北の地中海沿岸には、爽やかな白ワインを産するアレーリヤとアンプルダン・コスタ・プラハがあります。いずれの産地もこの地方の国有種とともに外来種を栽培し、それぞれの長所をうまく組み合わせた新しいスタイルのワインを造り出すようになってきています。

21-1.jpg
21-2.jpg

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0