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地球千鳥足 №90 [雑木林の四季]

女性たちこそ鰹会社の心臓です! ~フィリピン共和国~ 

                    グローバル教育者・小川地球村塾塾長  小川彩子

  早朝の魚市場には魚の血と黄色い掛け声: 浜一杯に広がった市場は活気がある。フィリピンの南端で好位置、近代化されていない漁港ゆえ興味深々。船から魚を肩に担いだり台車に載せたりして搬入、1匹ずつ重さを測るのだから大変な肉体作業だ。青い魚が収穫の殆どで大魚はマグロ。並べられたマグロを見るのは見ごたえのある光景だった。漁船主は捕獲魚種の重量が判れば本日の収益の想像がつく。魚の血にまみれた作業員も同様、血と汗を多く体験した朝こそ幸せが実感できる。買い手も朝の市場に希望を託してやって来るのだ。隣の第2市場は引網で収穫した小型魚類中心、魚種選別から小売りまでと賑わいも格段。女性の黄色い掛け声が響く。筆者もバイヤーと間違えられ、「この鯖XXペソにするよ!」。警官はバイヤーのスリップ事故を見張る程度で閑らしく、暫し筆者を警護してくれた。

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                真剣な表情でマグロの品定めするバイヤーたち

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                  魚市場で計量を終えたマグロ、待つマグロ

33年振りのマッサージとパイナップル畑訪問:

 社長の運転で近郊観光、美食巡りの歓待を受け、マッサージにも連れて行かれた。33年前マニラで掏りの仕事場にのこのこついて行き、眠り薬を呑まされ、スリの妹君にマッサージを受けて以来だった。筆者の財布から紙幣を抜き取った掏り君に小銭を頂いてホテルに帰ったことを思い出したが、今回も快適に眠りに落ち、生きて目覚めた。掏られもせず! 広大なパイナップル畑も訪問、地面近く、茎のてっぺんに結実したパイナップルを番人がライフル抱えて見張っていた。怖い顔付きだったその番人、我々が立ち寄ったら相好を崩してパイナップルをプレゼントしてくれた。
ボイラーは鰹節会社の心臓だ!: 鰹節会社訪問記、前回は人の縁を中心に紹介した。工場見学をしたが、Head Removal(頭と腸の除去)では手袋無しの女性が多く、指を痛めないか心配だった。大型ボイラーの前で、「ボイラーは鰹節会社の心臓だ!」とジェフさん。だが筆者にはテキパキ鰹の頭と腸を抜く笑顔の女性たちこそがこの会社の心臓に思えた。

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               広大なパイナップル畑でライフルを抱えた番人さんと

異宗教間仲良く共生: 

 7100以上の島からなるフィリピンには100以上の民族グループがあり、文化も言語も島によって異なるという。国民の殆どがカトリック系キリスト教徒だが、筆者訪問のミンダナオ島にはイスラム系が多い。ベールを被った女性が他教の信者と仲良く共生している。なお、モスレムの女性もベール着用の義務は無いそうだ。

空港職員から身の上話:

 出発直前、マニラ空港で職員が乗客の荷物に銃弾を入れ、客は危険物所有の嫌疑で抑留されたと報道された。緊張の待ち時間に荷物係りが「貴女の荷物重量過多だけどOK」と微笑んだ。暫くの後搭乗口で再会したら、「通勤にはジープニーやトライシクルを何度も乗り継ぎ2時間近くかかる」等、生活苦を訴えた。トライシクルというのはオートバイが原動力、箱型のサイドカーが横に付き客6人を乗せられる、認可を得た個人車だ。マニラはジープニーが多いがジェンサンでは小回りの利くトライシクルの数が凌駕し深夜まで走っている。働き甲斐のある車で競争社会に這い上がろうとする若者の姿が垣間見えた。格差社会で富が一部に集中すると言われるフィリピンだが、訪問したM会社の塀外には仕事待ちの人が常時座っていた。漁港ジェンサンには仕事があるのだ。活気溢れるトライシクルと鰹節会社の皆さま、また会う日まで!

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                         トライシクルにトライ 

(アメリカ、Angle Press. Inc発行、Weekly Jangle第236回、「女性たちこそ鰹会社の心臓です!~フィリピン共和国②~」に修正を加えたもの)。


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