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浜田山通信 №102 [雑木林の四季]

クオーター民主主義

                                  ジャーナリスト  野村勝美

 住井すえさんが昔書いていたエッセイの中で、暑中見舞いの見舞いの文字が目にさわる、冬は寒ければ寒いほどよいし、夏も暑ければ暑いほどよい、農作物には暖冬や冷夏は困るのだから<厳寒大慶><大暑祝着>と書きたい、と言っていたが、年をとり熱中症が我が身にふりかかるとついクーラーをかけてしまう。我が家のクーラーは、設置して35年になるが、まだ健気に冷たい空気を送ってくれる。電気代がバカにならんからもっと安上がりの新しいのに取りかえろと子供は言うが、なに年に4、5日しかつけんのだからとそのまま使っている。
 原発は、大飯を除いてとまっているが、電力会社も政府も節電しろとはいわない。原発推進派は、運転再開のためには、しばらくは黙っていれば、反対派は少なくなると、何もかもがまんの子を決め込んでいる。そのかげでフクシマの高濃度汚染水とやらはいまも海へ流れ込み、いまだに何をどうしたらよいのかさっぱりわからない。にもかかわらず、日本の原発は安全だからと世界中に売り込みに行く。この神経の図太さは、なんといったらよいのか、ただ呆然とするのみだ。
 選挙も、原発推進の自民党が一人勝ちした。私は09年の政権交代の時、自民党はもう再起不能とこの通信にも書いてしまったので政治のことにはふれないでおこうと思っているが、その後も何やら書いている。選挙は、有権者がいま何を考えているかが判るよい機会だ。戦前には想像もつかなかった。いや想像するだけでも罪になりかねない人民主権の権利行使の機会なのだから私は有権者になってこの方、一度も棄権をしたことがない。そしてその都度がっかりすることの方が多かったが、いつもまあこんなものだろう、しょうがないか、で今日まできた。
 要するに選挙はある種のお祭り、のようなもので、威勢のいい者は、ミコシをかつぐし、おもしろがっている者は、ぞろぞろ山車についていく。私はこの参院選挙は投票率50%をきるのではないかと推測していた。もう何回も前から期日前投票をやっているが、今回は投票にきていたのは私一人だったし、メディアの予想は皆同じだったから。それで投票日の7月21日夕、浜田山小学校へ見物に行った。子供連れがぞろぞろときていた。こりゃへたすると50%台の上の方かもと思っていたら、東京は53、51%、全国平均52、61%。因みに比例代表の各党得票率は、自民34、68%、民主党13、40、公明14、22など。自民・公明合わせて50%に届かない。投票率が半分、得票率が半分、つまり全有権者の25%得票で政権が取れるクオーター民主主義。全面委任をうけたとは思わないでほしい。有権者は何となくどこへ入れれば自分が得するか損するかで投票行動を決めている。戦後日本人の行動基準は損得計算つまり経済至上主義にあった。
 


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