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浜田山通信 №90 [雑木林の四季]

ユートピア島

                                 ジャーナリスト  野村勝美

 今年は楽しく生きるぞと誓ったのだが、どうも新聞を見ると楽しい記事など何もない。アルジェリアの天然ガスプラントで日本人技術者10人が殺される。政府はインフレターゲット2%を決定。去年の貿易赤字、過去最大6兆9273億円。橋下サンの大阪市立高校いじめ被害生徒の自殺。忘れろ、忘れろといっても、新聞まで見ないわけにいかず(TVは去年秋口からしまい込んだのでいやな奴や嫌いな連中の顔を見ないで助かるのだが)まったく人間サマの世の中は困ったことばかりだ。
 私個人は新聞記者時代もその後も世界のどの国とも直接の関わりはなかったが、身内や知り合いには、アルジェリアで被害にあった日揮のエンジニアだった人もいる。わが師戸井田道三先生の甥の方は、たしか外国でのプラント建設にも従事したし、私の孫娘の義父はアフリカやインドネシアの繊維工場建設で外国暮らしが長かった。浜田山の人見街道沿いに住んでいた夫婦仲のよい宮田さんという方もアラビア半島の国に半年おきくらいに出張していた。
 途上国の成長にそれなり貢献し感謝もされたのだが、近年イスラム原理主義が台頭し、地下資源の開発や工場プラントの建設は、米英メジャーや日本、ヨーロッパ大国の利益、金儲けだとなってから雲行きが怪しくなった。日本でも国内の開発は終わり、海外に進出せざるをえなくなり、それも利益を出すためには派遣の技術者を送り込むしかない。いま原発の売り込みが同じ轍を踏んでいるが、もっとひどいメにあうだろう。過激派に殺されたかアルジェリア軍の攻撃でやられたか、命あっての物種、テロとの戦いなどといわずにさっさと引き揚げてくればよい。
 アルジェリアや隣のモロッコは終戦直後みた「外人部隊」「望郷」「商船テナシテイ」「カサブランカ」などで少知っているだけでいまは何も知らない。いくらアフリカは資源大国だからといって、もう日本が行くことはない。中国にまかせておけばいい。
 日本国は世界一の借金大国で、いままでは国内の銀行が国債を買っていたが、それが怪しくなった。デフレを何とかしなければと金融緩和をどんどんすすめ、インフレ目標2%なんて決めてしまう。おかげで円安が進み、輸出関連株が上がり、やがて景気がよくなり、産業界はもうかって賃金も上がるのだそうだ。
 一方で消費税は増税する。電力料金は上がる。石油や天然ガスが円安で上がり、小麦粉や大豆まで値上がりすれば、すべての物価は2派@銭とどころではない。アベノミックス万々歳だが、貧乏人や老人はたまったものではない。もう経済大国の夢は捨てて、こじんまりとつつましく生きて行けばよい。少子化はどうやっても進む。しばらくすれば「ユートピア島」が実現しますよ。


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