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妖精美術館 №11 [文芸美術の森]

ジョン・シモンズ  John Simmons  l823-1876

                                 妖精美術館館長  井村君江

1823年ブリストル生まれのジョン・シモンズは1850年代から60年代にかけてクリフトンの細密画家として活躍。1860年代、妖精の女王ティタ一二アを「理想の女性美」の象徴とし、描き続けることによってその名が知れわたるようになった。
当時、ティタ一二アをヌードで描くことが流行ったが、ジョン・シモンズのティタ一二アは、金髪をなびかせて気品を保ち、極めて見事に仕上がっている。ヌード作品が禁止されていた19世紀のヴィクトリア朝時代の中で、「妖精はヌードだ」として描いたシモンズの妖艶なティタ一二ア像が人気を博したのはうなづけるだろう。

(憩うティターニア)1872年
ジョン.jpg

                45×54.5cm    うつのみや妖精ミュージアム蔵

『夏の夜の夢』2幕1場で妖精王オーベロンが語るセリフ「花園にはじゃこうバラが咲き、プリムローズやスミレが風に揺れ、スイカズラ、じゃこうバラ、野バラが覆うベッドにティタ一二アは踊り疲れ、眠りへ落ちていく」がモチーフ。
夜、花、星、光の中に金髪のヌードを配置するのはシモンズが好んだ構図である。ヴェールをまとって横たわるティタ一二アの背の薄い羽ときらめく暁の明星。ブロンドの髪、飾りの宝石、空の星が互いに
触発し、効果的である。

『妖精美術館』フェアリーカンパニー


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