角さんの話 №14 [ふるさと立川・多摩・武蔵]
角さんの話
立川市民俗の会会長 三田鶴吉
酒は百薬の長
酒は毒だとかなんとかいうが、適度に飲めば薬でな―
百薬の長というじゃあねぇか。両手を開いて、中指と中指
を合わせると大きなオチョコができる。それがおとなで一合
かな。これぐらいだけ毎晩飲めば薬だあけれど、おかわり
をしすぎるからいけねぇな。
鳥の声
鳥の声は聞きようでいろいろに聞こえるものだよ。「頬
白(ほおじろ)」の鳴き声は「一筆啓上仕る おせん泣かす
な 馬肥やせ」と聞こえるというが、この辺の者は「馬肥 やせ」なんちゅう身分の高い人はいねぇから 「天辺十六、
二朱負けた」と啼(な)いているというだぁよ。
これはなあ "一天、地六、二朱負けた" といことだよ。
丁半博打(ばくち)のサイコロは、上が一になったら下は必ず六だよ。
サイコロは一と六、二と五、三と四の組み合わせで、合わ
せて七になるようにできてる丁と半の組み合わせだよ。
だあから、必ず、どっちかが負けるようにできている賭(か)けご
はするなよ、と教えたのが、この頬白の鳴き声だあよ。
『角さんの話』けやき出版
2010-04-11 12:33
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