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自由を求めるチベットは今№6 [雑木林の四季]

自由を求めるチベットは今 第6号 平成22年1月後期 

                                 雪蔵山十善院住職 小林秀英

  「世界平和巡礼 in 上野の森」を終了しました。1月11日(月・祝)が展覧会の最終日でしたが、その前日の1月10日(日)に「結願の巡礼」を行い、巡礼の最終回としました。私を含めて5人の僧侶が導師先達を勤め、およそ30人のチベット支援者が参加をしてくれました。展覧会も最終日前日とあって大変な賑わいを見せており、入館待ちの列ができていましたが、かえって沢山の方々にチベットの悲劇を訴えることができたと思っています。

 巡礼を支えてくれた友人の井川師が法螺貝を吹くと、何事かと一斉に注目が集まりました。毎回巡礼に参加してくれていたH氏から、願文を読んだらどうですかと提案を受けていたので、最終回には願文を読もうと準備をしていました。私は正月の間、高幡不動に出仕し、初詣の方々に法話をしているものですから、声が嗄れてかすれてしまっています。そこでやはり巡礼を支えてくれた天台宗の白戸師にお願いをして、願文を読み上げて頂きました。願文は縦書きですが、横書きに書き換えて紹介をします。

聖地チベット展表白
  敬って大恩教主本師釈迦牟尼仏、仏法守護の諸天善神に申して言さく。現在上野の森美術館において開催中の「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展は、その深遠にして高邁なるチベット仏教の真髄を伝えるものではなく、中国共産党のプロパガンダの一環なり。悲しいかなチベット国民は、千数百年に及ぶ真摯な仏教信仰を破壊され、灰燼と化した寺院僧院の数六千ケ寺以上、殺戮されたチベット国民の数百二十万に及ぶ。その多くが心の平安を求めて精進している僧侶尼僧なり。

 この恐ろしき罪を犯したるものこそ中国共産党に他ならず、他の誰もその罪の肩代わりをすること能わず。早く懺悔の心を起こし、仏法と人間を敬う心を起こすべし。

 ここにチベット支援者心を一にして、般若心経、光明真言を読誦し奉り、チベット人諸精霊位を慰め、仏教国家チベット再建の早からんことを祈念し奉る。

 平成二十二年正月十日 沙門秀英敬って白す


 白戸師が願文を読み上げると感極まったのか、チベット支援者の中には泣き出す者までいました。また美術館の入館待ちの人々の中には合掌して巡礼の列を拝んでいる人たちがいます。展覧会の期間中美術館の前に陣取って、様々な抗議運動を展開していたチベット支援者と共に、巡礼も大きな役割を果たし得たと実感した瞬間でした。

 1月23日(土)から展覧会は、大阪歴史博物館に移動します。東京での抗議運動を受け継いで、大阪でもチベット支援者と僧侶の連携による抗議運動が継続される予定です。


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