知の木々舎
地球千鳥足№1

流パーティーにやって来ていた。大スクリーンには日本から持参された琴欧洲や佐渡が嶽部屋の相撲風景が映し出された。ブルガリアでは当時17の高校に日本語クラスがあり、それらの高校では茶道も教えているということで、大パーティーでは日本側ブルガリア側とも着物姿でお点前をした。筆者は交流会で英語への通訳を頼まれていたが、現地に日本語が流暢な通訳がおり、また大学や高校の日本語教師が来ていて英語を介する必要性は少なかった。ブルガリア全土から集まった客たちは鳥取県の物産、長芋かまぼこ、わかめ、干柿、「東郷」という銘柄の高級吟醸酒などを嬉しそうに賞味し、交流パーティーは盛況だった。文化は幅も奥行きも深いものだが、初回として茶道と食文化紹介を中心に据えたのは正解に思えた。

 交流会後、聖ソフィア教会を訪れた。首都ソフィアの名はここに由来するという。ビザンツ様式とロマネスク様式の初期キリスト教会堂はとても心の安らぎを覚える古い建物だ。その壁の一角に目が止まった。叡智の神、聖ソフィアから三人娘が生まれている。「愛」、「信頼」、「希望」という三人娘だとか。わが意を得た。まこと、叡知がなければえてして猜疑心の塊となり信頼も愛も生まれず、したがって希望ではなく絶望に見舞われがちだ。足元の日常生活において、地方や国、国際政治において、人間の全ての営みにおいて叡智は愛、信頼、希望の母ではなかろうか、としみじみ思った。教育の重要性を意識せずにはいられなかった。(アメリカ、Angle Press. Inc. 発行、Weekly Jangle 第19回、「琴欧洲の国はマロニエの花盛りだった」に加筆し、修正を加えたもの)  


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(雑木林の四季)09-07-26 12:07


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