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衆院選結果を受けて [雑木林の四季]

新たな政局の展開の前に

           永田五郎    

10月27日第50回衆議院総選挙が行われた。 その結果は、
      政党名         獲得議席数     増減             比例区票数     増減
   自民党      191 議席     55議席減        1458万票       555万票  減
    立憲民主党     148 議席     50議席増        1156万票          7万票  増              
   国民民主党     8 議席      1議席増           617万票        358万票 増
   公明党              24 議席     8議席減          596万票        114万票  減
   日本維新の会     38 議席     6議席減          510万票         300万票  減
   日本共産党         8 議席      2議席減          336万票          80万票  減    

自民党は大敗、公明党も敗北。立憲民主党と国民民主党が躍進した。 
選挙結果を見て行くには比例区の得票数を検討すると分かりやすい。各政党の支持率では、自民党が31%台、立憲民主党が9.2%。、日本維新の会が3.4%。 公明党が4.4%、共産党が2.9%、国民民主党が 2.3%、特に支持している政党がないが34% 
選挙の結果を左右するのは,特に支持している政党がないという無党派の動向だ。

無党派のかなりの票は自民党を支持してきていた。しかしスキャンダルが起きると、自民党の一党単独優位は崩れる。550万票と55議席を失った。その票はどこへいったのか。それまで自由民主党にに集まっていた票が、受け皿としてどうも国民民主党に多く流れたのではないか。同党は自由民主党と政策面で大きい隔たりはない。、
有権者の選択は厳しかった。しかしそれでも第一党だ。自民党は不安定な機軸政党なのだ。
自民党が姿勢を正して反省すると票は戻るだろう。来年7月の参議院選挙はその結果となるだろう。

立憲民主党は55議席を増やした。大勝利だ。しかし比例区の得票数はほぼ同じ。どうも その勝利は、立憲民主党への支持が増えたのではなく自由民主党の失策によるのではないだろうか。立憲民主党の地方下部組織の基盤は弱い。この勝利を安定して維持して行くには、それを強化していくことがなにより大切だ。

国民民主党は、立憲民主党に比べて,穏和な主張をするから、影がい薄く見えることが多い。地方組織、党員もいないから組織力は脆弱だ。組織の強化が望まれる。日本最大の労働組合の連合の考え方、方針と近い。連合は労使協調を基本線としている。立憲民主党と競り合いながら、体力をつけるのが一番の課題だ。
そして政党は時に協調により自らの政策を実現するのも賢明な方策だ。
自民党が協力(連立?)を求めるのは,自然の成り行きともいえる。

公明党は背景に信者数827万世帯を誇る創価学会をもち、選挙での不敗神話を守って来ていた。それに変化が見えてきていた。前回の選挙ですでに700万票台に落ち込んでいたのだ。それがさらに今回100万票の消失だ。
また埼玉14区では国民民主党の鈴木義弘氏が70608票、公明党代表石井啓一氏が60249票と1万票の差をつけられて落選した。これまでの公明党の組織力からは考えられない事態だ。創価学会会員の高齢化による会員の減少と若い信仰二世の継承に陰りが見えるという世評がうすずける。 

日本維新の会は、一時期支持か増えていたのが、急速に停滞。300万票を失ない,43議席から5議席減らして38議席となった。党内で馬場代表が敗戦の責任をとって辞任すべきとの声が出ている。

共産党はさきごろ新たに田村委員長を起用して選挙に臨んだが、先回の410万票から80万票減らした336万票に低落、これまでの8議席を6議席に減らした。最盛時には40万人を数えた党員も,現在は27万人、その3分の1は65歳以上の高齢者だという。若い戦力たりうる日本民主青年同盟、,略称民青も1万人にとどまる。共産党、共産主義とは関係なくなったというロシアだけれど、ウクライナ侵略は旧ソ連のイメージと重なる。中国も,習近平の神格化がすすむ。香港の民主化を強権で抑圧し、独裁化、思想統制下の専制国家だ。圧倒的な共産主義に対する不信感,、恐怖感がある。凋落する日本共産党に明日はあるのだろうか。

自民、公明両党合わせても。 215議席。 過半数の。 233議席には。18議席足りない。
石破内閣を続けていくには、野党のいずれかと連携、連立する必要がある。 それなしには政権運営が難しい。
まず、衆議院選挙の特別国会は11月11日に開かれ。 首班指名選挙が行われる。 野党はそれぞれの党首を首班に指名すると言っている。 
衆議院には17の常任委員会と8の特別委員会がある。これらの委員会の委員長を与党で確保するのは難しい。野党も一定数を占めることになる。そうなると、自民党の主張を押し出した強気の委員会運営はできない。野党と協調せざるを得ない。それに加えて石破総理の党内基盤は強くないと言われている。内閣独自の政権運営は望むべくもない。  

11月1日現在。与野党の間で、さまざまな会合、会談が開かれている。
国民民主党は、連立には参加しないが、個別の問題ごとに自民党と話し合って 協力して行くことにしたいとしている。 

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