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こふみ会へGO七GO №133 [ことだま五七五]

こふみ句会へGO七GO  №133
「雷」「青嵐」「海月」草笛」
                     俳句・こふみ会

幹事さんから、≪令和6年7月の句会≫の案内状が送られました。

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こふみ句会のみなみなさま

拝夏お見舞い申し上げます。
七月こふみ句会のご案内です。

兼題四つ。
  雷
   青嵐
     海月 
       草笛 

七月十五日までに投句いただきたく。
もちろん英愛さんも参加されます。
必ず、矢田、蕃茄の二幹事宛に送句してください。

※選句の締め切りは7月22日とします。

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案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は英愛さん喪加わって17名68句。

【雷】

1 鳥葬の祈りの声す雷やまず  (紅螺)
2 遠雷に覚ゆ亡き猫二七日(ふたなのか)  (蕃茹)
3 雷遠くあした抜く歯を磨きをり   (彌生)
4 遠雷や鼾となりて山を越え  (八傘)
5 ゴロゴロと猫ひざのうえ遠き雷  (虚視)
6 脳血脈を闇に描いて雷走る  (矢太)
7 一瞬の雷過ぎてあとの月  (玲滴)
8 雷が荒川上流照らしたり  (華松)
9 軽雷や関東平野の果てに居り  (下戸)
10 雷が窓ガラス揺らす目が醒める  (兎子)
11 遠雷や静かに眠る母の息  (なつめ)
12 雷を孕みて燃ゆる竹生島  (尚哉)
13 雷鳴長駆して今 真空管の中  (鬼禿)
14 遠雷や離婚届けに判を押す朝  (一遅)
15 電脳を叩きのめすやはたた神  (すかんぽ)
16 雷の音が枕に残る夜明け前    (茘子)
17 遠雷に傘たたむ手の安堵かな  (英愛)

【青嵐】

18 バス停ごと私をさらって青嵐  (下戸)
19 青あらし烏天狗が騒ぎだす  (すかんぽ)
20 青嵐めまいのなかに森を嗅ぐ  (虚視)
21 草原に青嵐走る日が暮れる  (兎子)
22 稜線を蹴散らす天狗青嵐  (なつめ)
23 青嵐親子帽子を押さえ合い  (蕃茹)
24 妻恋う魂嬬恋きょうも青嵐  (彌生)
25 青嵐大波小波の草千里  (茘子)
26 青嵐もっと暴れよ若者よ  (尚哉)
27 青嵐御堂の灯り横になり  (華松)
28 この人に決めたと感じた日青嵐  (一遅)
29 老木を抱いて踊る青嵐  (矢太)
30 蜘蛛の巣を揺らしはげしく青嵐  (紅螺)
31 ゲリラ豪雨の中 青嵐探す脳天気  (鬼禿)
32 三婆の姉妹旅する青嵐  (玲滴)
33 青嵐の肉体が跳ぶ体育館  (八傘)
34 青嵐にカーテン揺れて手紙来る  (英愛)

【海月】

35 くらげの傘 時計の針や 止まりけり  (英愛)
36 海月の子近づいてきて去っていく  (下戸)
37 臓も腑も透けて気楽な水海月  (紅螺)
38 確固たる海月の浮き足我よりも  (蕃茹)
39 天空の闇夜に浮かぶ海月かな  (なつめ)
40 湘南の浅瀬ぬるめる海月姉妹  (八傘)
41 人間(じんかん)を海月のやうに漂ひて  (華松)
42 満月なんか屁のカッパと海月笑ふ  (矢太)
43 あまたなる海月ゆらゆら海昏れる  (彌生)
44 潜水艦海月引き連れ湧き上がる  (虚視)
45 海月舞ってカンブリア紀の海想う  (尚哉)
46 空想癖の海月は今日もプカプカと  (一遅)
47 水くらげ人に海あり月のあり  (すかんぽ)
48 好物は中華海月の胡瓜もみ  (玲滴)
49 兵士らは海月となりて故郷に  (茘子)
50 ぷかぷかり海月みたいに夢を見る  (「兎子)
51 クラゲ見て「海月」と書きし夜の海  (鬼禿)

【草笛】

52 草笛を鳴るまで鳴らす姉·妹  (紅螺)
53 草笛はプレリュードなり金婚式  (英愛)
54 草笛や古き写真の笑顔揺れ  (蕃茹)
55 草笛や巻いてみようか鳴るだろか  (八傘)
56 草笛に蘇る日々少年期  (茘子)
57 草笛も見様見真似の帰省かな  (尚哉)
58 草笛に呼ばれ応える鳥の子ら  (なつめ)
59 草笛やこんがら童子の子守唄  (鬼禿)
60 草笛の吹けぬまま日の暮れてゆき  (虚視)
61 葉脈を震わせて鳴く草の笛  (矢太)
62 旅の宿遥かに聞くは佐久の草笛  (玲滴)
63 ここにきて草笛吹いていいんだよ  (下戸)
64 草笛はひゅーひゅーひゅーと夜を呼ぶ  (兎子)
65 草笛は光子と共に七十年  (華松)
66 草笛とメンコと石がポケットに  (彌生)
67 出涸らしと妻に云はれて草の笛  (すかんぽ)
68 聴こえます記憶の底に父の草笛  (一遅)

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【天句の鑑賞】
青嵐大波小波の草千里  茘子
紅螺選 壮大な景が浮かびます 一瞬にして読む人をいい気分にさせる句と思いました 

兵士らは海月となりて故郷に  茘子
鬼禿選 今回68句中 あの海月の写真を見て8月の重さ・悲しみまで詠んだ句はこの一句の み。私は来年も思い出すでしょう。クラゲが水兵帽に見えて来ました。 
華松選 7月・8月は亡き人々を思います。無念にも海に沈んだ魂が、海月に変化してでも 帰って来てくれますように。 

草笛に蘇る日々少年期  茘子
彌生選 夏は少年にとっては夢、夏休みに川遊び虫取り、楽しい事がいっぱい。 草笛もその一つ。過ぎさった少年期を想う哀切。 

青嵐めまいのなかに森を嗅ぐ  虚視 
英愛選 青嵐の激しさが「めまい」という感覚で表現され、その中で「森を嗅ぐ」という嗅覚 的描写が鮮やかです。視覚、触覚、嗅覚が融合し、青嵐の中にいる臨場感が伝わって きます。自然の力強さと人間の感覚が見事に調和した秀逸な一句です。 

潜水艦海月引き連れ湧き上がる  虚視 
矢太選 戦下のアゾブ海の心象風景だろう。悍ましく、美しい。 
すかんぽ選 スケール感がすごい。スペクタクル映像が目に浮かびました。 

鳥葬の祈りの声す雷やまず  紅螺 
一遅選 故人の喜びか、はたまた無念か、見事なシチュエーションで雷を捉えましたね

雷遠くあした抜く歯を磨きをり  彌生
玲滴選 遠く雷の音を聴きながら歯を磨く、その歯が明日抜く歯だという意外性。でもあるよ なあと思わせる。ありふれた日常にふと老いを感じさせる句でした。 
茘子選 情景と気持ちが浮かびます。久保田万太郎を彷彿とさせます。 

一瞬の雷過ぎてあとの月  玲滴 
虚視選 微かに耳に残る雷鳴と共に見る、冴え冴えとした空に浮かぶ月。 厳しく美しい光景が眼前に展開しました。 

三婆の姉妹旅する青嵐  玲滴 
蕃茄選 にぎやかで、楽しげで、華やかな旅の一コマと青嵐。お互いに相まって、酷暑が続く 中に、爽やかな夏を感じられました。 

遠雷に傘たたむ手の安堵かな  英愛 
尚哉選 安堵したのは手。この一文字で、句がきゅっと引き締まりました。 
下戸選 視点が遠くから、手元まで動いてきて、心の安堵で止まる。この視点の動きがいいで すね。 

青嵐もっと暴れよ若者よ  尚哉 
兎子選 Z世代の、若者の、優しいけれど物足りない。もどかしい気持ち、よくわかります。 

遠雷や鼾となりて山を越え  八傘 
なつめ選 雷と鼾の取り合わせが豪快で面白いです。 遠くで太鼓を鳴らす雷神が尻尾を巻いて山を越えるほどの大鼾なのです。 隣で寝ている人にとってはたまったものではありませんが… 

老木を抱いて踊る青嵐  矢太 
八傘選 実写を超えて、互いの畏敬を表す老青二世代が共存する、芸術世界か競技世界の夢と 見做したい。 

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【今月の天地人】】

【総合天】43点 茘子さん 
     代表句=兵士らは海月となりて故郷に
【総合地】41点 虚視さん 
     代表句=潜水艦海月引き連れ湧き上がる
【総合人】36点 紅螺さん 
     代表句=臓も腑も透けて気楽な水海月

【天句】29点 雷遠くあした抜く歯を磨きをり(彌生) 
【地句】26点 臓も腑も透けて気楽な水海月(紅螺) 
【人句】22点 遠雷に傘たたむ手の安堵かな(英愛) 

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【幹事よりひと言】

英さんの句が、ついに「人」を獲得。「天」を持っていかれちゃう日は近い予感 です。そろそろ休んでもらいますかね。次月の幹事さん、どう思う?一任します。 (矢太) 


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