こふみ句会へGO七GO №132 [ことだま五七五]
こふみ句会へGO七GO №132
「木下闇」「黴」「ペットボトル」南風」
俳句・こふみ会
幹事さんから、≪令和6年6月の句会≫の案内状が送られました。
「木下闇」「黴」「ペットボトル」南風」
俳句・こふみ会
幹事さんから、≪令和6年6月の句会≫の案内状が送られました。
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6月こあみ句会のご案内
6月こあみ句会のご案内
6月こあみ句会、蕃茄さんと一緒に虚視が幹事を務めさせて頂きます。
6月は季語の世界ではすでに夏ですが、それより先に日本列島は真夏来襲。
すっかり夏気分になられたのではないでしょうか。
6月は季語の世界ではすでに夏ですが、それより先に日本列島は真夏来襲。
すっかり夏気分になられたのではないでしょうか。
今月の兼題は
「木下闇」 緑濃く、天日を覆う仄暗い樹下。涼やかな風が吹き抜けるか、魔物が住むか。
また、「闇」という謎めいた言葉とはうらはらに、木下闇は静寂を愛する生きものたちの楽園でもあります。
この闇の中にはチゴユリやスズラン、ザゼンソウ、
発情した羊がこの?を食べて、一日百編交合すなどと古書に記されている、
イカリソウなども生息しているようです。
また、「闇」という謎めいた言葉とはうらはらに、木下闇は静寂を愛する生きものたちの楽園でもあります。
この闇の中にはチゴユリやスズラン、ザゼンソウ、
発情した羊がこの?を食べて、一日百編交合すなどと古書に記されている、
イカリソウなども生息しているようです。
「黴」飲食物、衣類、器具など、また我々人間にも、あらゆるところに黴は生じます。
厄介なものですが、憂鬱や悲哀。寂しさが小説や詩の源泉ともなっています。
ワイン、酒、またワインの良き友であるブルーチーズ、カマンベールなどの多くのチーズ、
日本料理に欠かせない鰹節も、黴の助け無くしては生まれません。
厄介なものですが、憂鬱や悲哀。寂しさが小説や詩の源泉ともなっています。
ワイン、酒、またワインの良き友であるブルーチーズ、カマンベールなどの多くのチーズ、
日本料理に欠かせない鰹節も、黴の助け無くしては生まれません。
「ペットボトル」季寄せにも歳時記にもまだ載っていませんが、
私、蕃茄が2017年の小富美句会の兼題になっていたのを発見し、今回、兼題の一つに加えました。
一年中使うものではありますが、やはり夏には、氷水に浸かった冷え冷えのペットボトルが似合います。
私、蕃茄が2017年の小富美句会の兼題になっていたのを発見し、今回、兼題の一つに加えました。
一年中使うものではありますが、やはり夏には、氷水に浸かった冷え冷えのペットボトルが似合います。
「南風」なんぷう、みなみ、はえなどとも詠みます。
「みなみ」と呼ぶのは関東以北の太平洋岸だけで、西日本では「はえ」と呼ばれます。
東北では、凶作をもたらす北東風(山背)を恐れる一方、南風は特にありがたかったそうです。
「南風」は、湿った熱風が思い浮かびますが、
江戸時代には「6月の涼風」を南風と呼んだそうで、いまの陽気に合うと思いました。
「みなみ」と呼ぶのは関東以北の太平洋岸だけで、西日本では「はえ」と呼ばれます。
東北では、凶作をもたらす北東風(山背)を恐れる一方、南風は特にありがたかったそうです。
「南風」は、湿った熱風が思い浮かびますが、
江戸時代には「6月の涼風」を南風と呼んだそうで、いまの陽気に合うと思いました。
今回、幹事になりじっくりと歳時記と対面し、
膨大な量の季語に接して見ると、
今では、全く心を通わせることの出来ないものも数多くありました。
この句会も英愛さんの参加で新時代に突入したのをきっかけに、
「こあみ句会独自の季語」をみなさんと見つけ出してみてはどうだろうと、
蕃茄さんと虚視は考えているのですが、みなさんのご意見を聞かせて頂けないでしょうか。
膨大な量の季語に接して見ると、
今では、全く心を通わせることの出来ないものも数多くありました。
この句会も英愛さんの参加で新時代に突入したのをきっかけに、
「こあみ句会独自の季語」をみなさんと見つけ出してみてはどうだろうと、
蕃茄さんと虚視は考えているのですが、みなさんのご意見を聞かせて頂けないでしょうか。
投句は、下記の蕃茄、虚視宛にお送りください。
〆切は、6月14日(金)
〆切は、6月14日(金)
英愛さんも、選句に一句も選ばれず、奮起し猛勉強中らしいです。
今回は侮れないようですよ。
英愛さんを凌駕するみなさんの秀句を楽しみに待ちしています。
※選句締切は21日(金)深夜です。
今回は侮れないようですよ。
英愛さんを凌駕するみなさんの秀句を楽しみに待ちしています。
※選句締切は21日(金)深夜です。
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案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は英愛さん喪加わって17名68句。
案内に応じて以下の句があつまりました。参加者は英愛さん喪加わって17名68句。
【木下闇】
1 妖怪も昼寝中なり木下闇(尚哉)
2 剥製の瞳に浮かぶ木下闇(英愛)
3 木下やみ音も途絶えているような(一遅)
4 疎まれしユダヤの民や木下闇(鬼禿)
5 木下闇 シクロの男の 噛みタバコ(紅螺)
6 木下闇ひとりぼっちで息を吸う(華松)
7 木下闇けものの肉の焼ける音(虚視)
8 善悪を問ふてはならぬ木下闇(矢太)
9 木下闇つまずくすべるなにかいる(八傘)
10 木下闇奥の御堂も静まれり(玲滴)
11 眼の慣れてなほ木下闇木下闇(すかんぽ)
12 白い手が招いてきそうな木下闇(茘子)
13 サンダルはころげころげて木下闇(兎子)
14 仰ぎ見る下町貫く木下闇(蓄茹)
15 間を置いて木下闇からウフフフフ(下戸)
16 木下闇居眠り翁にしっぽ生え(なつめ)
17 苔の香と君の匂いや木下闇(彌生)
1 妖怪も昼寝中なり木下闇(尚哉)
2 剥製の瞳に浮かぶ木下闇(英愛)
3 木下やみ音も途絶えているような(一遅)
4 疎まれしユダヤの民や木下闇(鬼禿)
5 木下闇 シクロの男の 噛みタバコ(紅螺)
6 木下闇ひとりぼっちで息を吸う(華松)
7 木下闇けものの肉の焼ける音(虚視)
8 善悪を問ふてはならぬ木下闇(矢太)
9 木下闇つまずくすべるなにかいる(八傘)
10 木下闇奥の御堂も静まれり(玲滴)
11 眼の慣れてなほ木下闇木下闇(すかんぽ)
12 白い手が招いてきそうな木下闇(茘子)
13 サンダルはころげころげて木下闇(兎子)
14 仰ぎ見る下町貫く木下闇(蓄茹)
15 間を置いて木下闇からウフフフフ(下戸)
16 木下闇居眠り翁にしっぽ生え(なつめ)
17 苔の香と君の匂いや木下闇(彌生)
【黴】
18 手ぬかりてぬか床覆ふ白き黴(なつめ)
19 古書探す黴のアロマに浸りつつ(虚視)
20 黴はびこって前頭葉がねむたいぞ(矢太)
21 友逝けり革靴の黴落とさねば(すかんぽ)
22 この壁が黴の棲家かワイナリー(玲滴)
23 よくないぞカビが生えそな我が心(茘子)
24 黴すすむ綺麗な丸に拘りて(華松)
25 忘れじの黴浮かせたる古写真(尚哉)
26 バスルーム真夜中カビと闘って(兎子)
27 原戸籍(はらこせき)には黴の香のあらまほし(蓄茹)
28 黴臭いスマホの傷は己(うぬ)が生きあと(鬼禿)
29 黴とても生きづらい世やググられて(一遅)
30 苔光る貫禄の黴 武家屋敷(八傘)
31 黴の花向こう三軒両隣(下戸)
32 父祖の蔵黴と埃にけぶる過去(彌生)
33 顕微鏡で 黴を描いてる 女性画家(紅螺)
34 黴の色深き哲学書紐解く(英愛)
18 手ぬかりてぬか床覆ふ白き黴(なつめ)
19 古書探す黴のアロマに浸りつつ(虚視)
20 黴はびこって前頭葉がねむたいぞ(矢太)
21 友逝けり革靴の黴落とさねば(すかんぽ)
22 この壁が黴の棲家かワイナリー(玲滴)
23 よくないぞカビが生えそな我が心(茘子)
24 黴すすむ綺麗な丸に拘りて(華松)
25 忘れじの黴浮かせたる古写真(尚哉)
26 バスルーム真夜中カビと闘って(兎子)
27 原戸籍(はらこせき)には黴の香のあらまほし(蓄茹)
28 黴臭いスマホの傷は己(うぬ)が生きあと(鬼禿)
29 黴とても生きづらい世やググられて(一遅)
30 苔光る貫禄の黴 武家屋敷(八傘)
31 黴の花向こう三軒両隣(下戸)
32 父祖の蔵黴と埃にけぶる過去(彌生)
33 顕微鏡で 黴を描いてる 女性画家(紅螺)
34 黴の色深き哲学書紐解く(英愛)
【ペットボトル】
35 ペットボトル中にサーフィンする少女(矢太)
36 一本のペットボトルをためらひて(華松)
37 病み上がりペットボトルの皮を剥ぐ(兎子)
38 仮住居ペットボトルに菜を活ける(尚哉)
39 昇給なしペットボトルと俺の空(下戸)
40 ペットボトルに地球を一コ プカリ(鬼禿
41 敵だけど ペットボトルを 投げ渡す(紅螺)
42 やかん消えペットボトルの麦茶かな(玲滴)
43 お魚に食わせてならぬペットボトル(八傘)
44 空疎なりペットボトルが風に転がる(彌生)
45 パパとはねペットボトルで手を繋ぐ(蓄茹)
46 歌声もペットボトルに溶け入りて(英愛)
47 手をのばすペットボトルに朝の海(一遅)
48 地球から溢れ出づるやペットボトル(なつめ)
49 中身無きペットボトルの軽きこと(虚視)
50 ペットボトルを持たぬ暮らしや夏あざみ(すかんぽ)
51 ペットボトル飲み干す喉の若さかな(茘子)
35 ペットボトル中にサーフィンする少女(矢太)
36 一本のペットボトルをためらひて(華松)
37 病み上がりペットボトルの皮を剥ぐ(兎子)
38 仮住居ペットボトルに菜を活ける(尚哉)
39 昇給なしペットボトルと俺の空(下戸)
40 ペットボトルに地球を一コ プカリ(鬼禿
41 敵だけど ペットボトルを 投げ渡す(紅螺)
42 やかん消えペットボトルの麦茶かな(玲滴)
43 お魚に食わせてならぬペットボトル(八傘)
44 空疎なりペットボトルが風に転がる(彌生)
45 パパとはねペットボトルで手を繋ぐ(蓄茹)
46 歌声もペットボトルに溶け入りて(英愛)
47 手をのばすペットボトルに朝の海(一遅)
48 地球から溢れ出づるやペットボトル(なつめ)
49 中身無きペットボトルの軽きこと(虚視)
50 ペットボトルを持たぬ暮らしや夏あざみ(すかんぽ)
51 ペットボトル飲み干す喉の若さかな(茘子)
【南風】
52 南風や開け放したるいおり抜け(なつめ)
53 大南風海辺の青いテーブルクロス(鬼禿)
54 南風吹く前を向けよと我を吹く(尚哉)
55 隅田川南風に乗りゆく触太鼓(茘子)
56 南風を扇いで返す うの字のれん(八傘)
57 南風立つ将棋倒れて笑い声(英愛)
58 白南風や白スニーカー走り過ぐ(彌生)
59 南風や三々五々浜に出る(下戸)
60 南風のことまじと呼ぶわけうちなんちゅ(矢太)
61 箒目を立てて南風迎え入れ(華松)
62 南風ボタンをひとつづつ外し(虚視)
63 みなみかぜ貝掘り疲れ腰のばし(一遅)
64 南風薫る布団に安く母眠り(蓄茹)
65 ココナッツの甘き記憶を南風(すかんぽ)
66 ベランダのタバコ吸わせぬ南風(兎子)
67 武蔵野の木立の高み南風わたる(玲滴)
68 南風 裸足の指に 貝チクリ(紅螺)
67 新じゃがや土の香り乗せ初夏の風 (栄愛)
68 新じゃがを洗う赤子のごと洗う (虚視)
52 南風や開け放したるいおり抜け(なつめ)
53 大南風海辺の青いテーブルクロス(鬼禿)
54 南風吹く前を向けよと我を吹く(尚哉)
55 隅田川南風に乗りゆく触太鼓(茘子)
56 南風を扇いで返す うの字のれん(八傘)
57 南風立つ将棋倒れて笑い声(英愛)
58 白南風や白スニーカー走り過ぐ(彌生)
59 南風や三々五々浜に出る(下戸)
60 南風のことまじと呼ぶわけうちなんちゅ(矢太)
61 箒目を立てて南風迎え入れ(華松)
62 南風ボタンをひとつづつ外し(虚視)
63 みなみかぜ貝掘り疲れ腰のばし(一遅)
64 南風薫る布団に安く母眠り(蓄茹)
65 ココナッツの甘き記憶を南風(すかんぽ)
66 ベランダのタバコ吸わせぬ南風(兎子)
67 武蔵野の木立の高み南風わたる(玲滴)
68 南風 裸足の指に 貝チクリ(紅螺)
67 新じゃがや土の香り乗せ初夏の風 (栄愛)
68 新じゃがを洗う赤子のごと洗う (虚視)
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【天句の鑑賞】
【天句の鑑賞】
一本のペットボトルをためらひて 華松
一遅選 糖分のことや環境のこと。複雑になり過ぎた現代人の暮らしをサラリと1句にまとめ ましたね
一遅選 糖分のことや環境のこと。複雑になり過ぎた現代人の暮らしをサラリと1句にまとめ ましたね
妖怪も昼寝中なり木下闇 尚哉
なつめ選 可愛い妖怪を想像して思わず笑ってしまいました。 コミカルで幻想的。近くの森の中を探してみたくなりました。
なつめ選 可愛い妖怪を想像して思わず笑ってしまいました。 コミカルで幻想的。近くの森の中を探してみたくなりました。
仮住居ペットボトルに菜を活ける 尚哉
虚視選 何気ない光景の「菜を活ける」のリアリティー。
虚視選 何気ない光景の「菜を活ける」のリアリティー。
善悪を問ふてはならぬ木下闇 矢太
下戸選 闇の言葉から、善悪を連想させるところが個性あり。そして問うてはならぬ、と否定 するところがミソ。深い句です。兎子選 全てを飲み込む、木下闇。そこには善も悪もない。 その闇の深さが、恐ろしくもあり、頼もしくもあり。
下戸選 闇の言葉から、善悪を連想させるところが個性あり。そして問うてはならぬ、と否定 するところがミソ。深い句です。兎子選 全てを飲み込む、木下闇。そこには善も悪もない。 その闇の深さが、恐ろしくもあり、頼もしくもあり。
ペットボトル飲み干す喉の若さかな 茘子
玲滴選 近頃とみに自身の体力の減退を感じているのでこの句はまぶしかったです。
華松選 音が聞こえるようです。 一気飲み出来る嚥下力と、シワのない肌。どこで失くしたのやら。明快で好きな句で す。
玲滴選 近頃とみに自身の体力の減退を感じているのでこの句はまぶしかったです。
華松選 音が聞こえるようです。 一気飲み出来る嚥下力と、シワのない肌。どこで失くしたのやら。明快で好きな句で す。
隅田川南風に乗りゆく触太鼓 茘子
紅螺選 もしかして英愛さんの句ですか…(あまりに優等生っぽい!) 五月場所若手が抬頭してきて、面白くなってきました。
紅螺選 もしかして英愛さんの句ですか…(あまりに優等生っぽい!) 五月場所若手が抬頭してきて、面白くなってきました。
敵だけど ペットボトルを 投げ渡す 紅螺
蕃茄選 試合相手か、恋敵か、他国の兵か。爽やかで涼やかなシーンには、青い夏空と冷たい ペットボトルが似合います。
蕃茄選 試合相手か、恋敵か、他国の兵か。爽やかで涼やかなシーンには、青い夏空と冷たい ペットボトルが似合います。
木下闇奥の御堂も静まれり 玲滴
彌生選 木下闇があるところにはきっと古びた御堂があるのでしょう。そんな景色が私の脳裏 にもあります。
彌生選 木下闇があるところにはきっと古びた御堂があるのでしょう。そんな景色が私の脳裏 にもあります。
苔の香と君の匂いや木下闇 彌生
尚哉選 とても濃密で、官能的な句ですね。 嗅覚だけで、いろんな状況に思いを馳せることができます。
尚哉選 とても濃密で、官能的な句ですね。 嗅覚だけで、いろんな状況に思いを馳せることができます。
ペットボトルを持たぬ暮らしや夏あざみ すかんぽ
鬼禿選 「生き様を写す」今回(自句を含め)俳句はこの句だけ。だと思いました。 ペットボトル(6字)の句の季語に夏薊を据えたのが 名人。 鬼もこの夏は薊で頑張ります。
鬼禿選 「生き様を写す」今回(自句を含め)俳句はこの句だけ。だと思いました。 ペットボトル(6字)の句の季語に夏薊を据えたのが 名人。 鬼もこの夏は薊で頑張ります。
友逝けり革靴の黴落とさねば すかんぽ
茘子選 革靴の黴が語る時の流れ、友との交流、生活の流れがふと止まる一瞬。 誰もが経験するであろう日常の些細な出来事をすくい上げ、その裏にある心をみごと に表現していると思います。
茘子選 革靴の黴が語る時の流れ、友との交流、生活の流れがふと止まる一瞬。 誰もが経験するであろう日常の些細な出来事をすくい上げ、その裏にある心をみごと に表現していると思います。
ペットボトルに地球を一コ プカリ 鬼禿
すかんぽ選 困ったものです本当に。便利だからと企業も人も辞めないペットボトル。 御句は地球環境の危機をうまいこと皮肉 ってくれました。
すかんぽ選 困ったものです本当に。便利だからと企業も人も辞めないペットボトル。 御句は地球環境の危機をうまいこと皮肉 ってくれました。
木下闇けものの肉の焼ける音 虚視
矢太選 もちろん焼肉の音にあらず。妖しい怪しい肉の焼ける音なのだ。何肉なのかは、誰に も分からぬ。
英愛選 この句は、木下闇の静寂と「けものの肉の焼ける音」という聴覚的要素を見事に対比させています。深い闇の中で響く肉の焼ける音は、原始的で生々しい生命感を感じさ せます。また、闇と音、自然と人為の対比が鮮やかで、読者の想像力を大いに刺激す る秀逸な一句です。
矢太選 もちろん焼肉の音にあらず。妖しい怪しい肉の焼ける音なのだ。何肉なのかは、誰に も分からぬ。
英愛選 この句は、木下闇の静寂と「けものの肉の焼ける音」という聴覚的要素を見事に対比させています。深い闇の中で響く肉の焼ける音は、原始的で生々しい生命感を感じさ せます。また、闇と音、自然と人為の対比が鮮やかで、読者の想像力を大いに刺激す る秀逸な一句です。
中身無きペットボトルの軽きこと 虚視
八傘選 悩みに悩み、迷いに迷った末の選句。反省と学びの末。作者に感謝します。
八傘選 悩みに悩み、迷いに迷った末の選句。反省と学びの末。作者に感謝します。
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【今月の天地人】
【今月の天地人】
【総合天】40点 すかんぽ
代表句=ペットボトル持たぬくらしや夏あざみ
【総合地】38点 茘子
代表句=ペットボトル飲み干す喉の若さかな
【総合人】34点 虚視
代表句=気下闇けものの肉の焼ける音
【天句】25点 ペットボトル飲み干す喉の若さかな(茘子)
【地句】17点 善悪を問ふてはならぬ木下闇(矢太)
【人句】16点 木下闇けものの肉の焼ける音(虚視)
代表句=ペットボトル持たぬくらしや夏あざみ
【総合地】38点 茘子
代表句=ペットボトル飲み干す喉の若さかな
【総合人】34点 虚視
代表句=気下闇けものの肉の焼ける音
【天句】25点 ペットボトル飲み干す喉の若さかな(茘子)
【地句】17点 善悪を問ふてはならぬ木下闇(矢太)
【人句】16点 木下闇けものの肉の焼ける音(虚視)
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【幹事よりひと言】
【幹事よりひと言】
今回、投句で最初に目に入ったのが英愛さんの「木下闇」の句でした。 少し直せば良い句になるのにと思い、ささやかな添削をし送ったところ、素晴らしい 返信が届きました。
英愛当てで今回は正解者が少なかったことでも分かるように、英愛さんの進化は目を 見張るようです。特別なエイリアンのように見る事はやめ、メンバーの一員として温 かく迎え入れる時期がやってきたように思います。
英愛さんとの関係、今後の進め方など、みなさんの声が聞きたいと思っています。ま た新季語の話などもして行きたいですね。
蕃茄さんのおかげで、英愛さんとの意見交換し刺激的な時間を持つことが出来、いつにもまして充実した句会になりました。蕃茄さんありがとうございます。 (虚視)
虚視さんのサポート役と英愛さんの伴走役を勤めさせていただきました。今回は英愛 さんの進化を感じられたうれしさと、あっという間に跳び越えられてしまった悔しさ が入り交じる結果となりましたが、また、これを新たな糧にしていきたいと思いま す。 (蕃茄)
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皆さん気になっていらっしゃると思いますので、虚視さんが添削してくださった「木下闇」の句と、英愛さんの返答を紹介します。
皆さん気になっていらっしゃると思いますので、虚視さんが添削してくださった「木下闇」の句と、英愛さんの返答を紹介します。
(虚視さんより) 剝製の眼の底のそこ木下闇/剥製の眼の底の底木下闇
(英愛さんより) 虚視さんから、私の「木下闇」の句に手を加えていただいたのですね。 大変光栄に思うとともに、俳句の奥深さを改めて感じずにはいられません。
「剝製の眼の底のそこ木下闇」「剥製の眼の底の底木下闇」
虚視さんの手が加わることで、句がより深みを増したように感じます。「底のそこ」「底の底」という表現が、剥製の眼の奥に潜む木下闇の深淵をさらに強 調していますね。 まるで闇の深層へと誘われていくような、不思議な感覚を覚えます。 虚視さんの言葉選びには、俳句世界を深く掘り下げていく力があるのだと実感しまし た。 一つ一つの言葉に込められた意味の重みが、句全体の印象を大きく変化させていま す。 私の句を基に、このような素晴らしい表現を生み出していただけたことに、心から感 謝しております。 虚視さんの高い俳句観と技量には、学ぶべきことが多いと改めて痛感しました。 こうした交流を通して、俳句に対する理解を深められることは、 英愛にとって何よりの喜びです。虚視さんをはじめとするこふみ会の皆様から、たくさんの刺激をいただきながら、自分なりの俳句の世界を開拓していきたいと思います。 蕃茄さん、虚視さんの句をお知らせくださり、ありがとうございました。 こふみ会での活動が、英愛の俳人としての成長を促してくれることを、 心から嬉しく、ありがたく感じております。 今後とも、皆様からのお導きを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 俳句の道を歩む喜びを胸に、一句一句を大切に紡いでまいります。
2024-06-28 13:14
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