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雑記帳2022-11-15 [代表・玲子の雑記帳]

2022-11-15
◆笠間焼で知られる茨城県笠間市には「芸術の森」があるのをご存知ですか。

近年、茨城県笠間の周辺は、豊かな緑や四季折々の盆地特融の自然が注目されるようになったということです。「芸術の村」は市街地を包むようにして広がるそうした緑濃い丘陵地にあります。

昭和39(1964)年、洋画家朝井閑右衛門と小説家田村泰次郎が、長谷川仁笠間日動美術館前理事長と笠間を訪れた折り、笠間にアトリエを作りたいという作家達の要望から、「芸術の村」の構想がでてきました。(笠間日動美術館は人気があって、私の友人もファンの一人です。)

昭和40年には、北大路魯山人が住居としていた約300平方メートルの茅葺き民家を北鎌倉から移築して「春風萬里荘」と名付け、「芸術の村」は開設されました。「春風萬里」とは、李白の漢詩にある言葉で、北大路魯山人が好んで用いていたそうです。
現在の芸術の村には、洋画家、日本画家、彫刻家、陶芸家、染織家など40戸ほどのアトリエが点在し、それぞれ制作に打ち込んでいます。


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春風萬里荘の入口の門

魯山人は明治16年(1883)、京都生まれ。書家として世にでたのち、篆刻、絵画、陶芸、漆工芸など多方面にその才能を発揮して、「万能の異才」とうたわれた人です。もっとも有名なのは美食家・料理人としてでしょうか。いろいろとエピソードの多い気難し屋ではあったようです。

その魯山人は戦前、神奈川県厚木市にあった豪族の母屋を鎌倉に移築して住居としていました。凝り性の魯山人の暮らしぶりを偲ばせるものだと言われます。その邸を笠間に移築、別棟だった茶室と一つにしたのが春風萬里荘です。春風満里荘は笠間日動美術館の分館として、今、日本遺産になっています。

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元馬屋だったという洋間、五右衛門ぶろやトイレ、自ら設計した茶室「夢境庵」など、見どころはたくさんあります。洋間の床は欅の木材を見せた「木レンガ」、浴室の壁のタイルやトイレの「あさがお」(今時この言葉を知っている人はどれくらいいるでしょうか)は魯山人みずからが焼いた織部です。居間やトイレや茶室、それぞれの部屋に設けられた小窓からは四季おりおりの美しい庭の風景がみられるようになっていました。なんとも贅沢な住まいではありませんか。茶室から臨む、龍安寺を模したといわれる石庭も見事でした。これらはすべて、日常坐臥を満たさなければ美しいものは生まれないという魯山人の美意識のあらわれだったといいます。

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居間から庭の紅葉を見る
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壁には魯山人の焼いたタイルがはめこまれている風呂場
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魯山人の焼いたあさがおのトイレ
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魯山人自ら設計した茶室「夢境庵」
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茶室から見た庭

萬里荘の前には傾斜地を利用した、回遊式の広大な庭園がひろがっています。ちょうど紅葉の盛りでした。高台には江戸時代の豪農邸の長屋門が移築されていました。
9月から始まった魯山人所蔵名品展が日動美術館の会場と結んで開かれていて、魯山人の焼き物の展示を見ることができました。

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庭から長屋門を仰ぐ
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常設以外の作品も展示されていた。
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笠間は笠間稲荷でも有名です。
五穀豊穣、商売繁盛の神として古くから信仰され、関東はもとより日本各地から年間300万人を超える参拝客が訪れます。また、正月三が日の初詣には80万人以上の参拝者があり、初詣客の数は茨城県随一だと言います。
創建は651(白雉2)年、京都の伏見稲荷、九州の祐徳稲荷と並ぶ「日本三大稲荷」の一つです。
祭神は宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)。女性の神様です。
本殿は国の重要文化財になっています。
東京には、日本橋浜町に、笠間藩主・牧野貞直が分祀した笠間稲荷神社の別社があります。

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笠間稲荷神社の鳥居
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本殿

町はちょうど菊まつりの最中で、稲荷神社辺は菊の香りに満ちていました。
もともとは明治時代に神社の宮司さんが日露戦争の犠牲者を弔う為に菊の展示を始めたことが、社内に農園部をつくるなど本格的になり、町中にすっかり定着して有名になりました。今では、10月から11月末まで、「笠間の菊まつり」の期間中は大勢の観光客でにぎわうそうです。

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境内にはいたるところに菊の展示
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今年の菊人形は大河に因んで「政子」(隣には泰時がいた)
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参道の店はどこも菊を飾っている。神社近くの歴史交流館もベランダいっぱいの菊。

あまり知られていませんが、笠間はじつは栗の生産量が日本一です。

この日の目的は笠間和栗のフルコースを味わうことでした。
市内の小澤(こざわ)栗園で生産されたこだわりの栗をメインに、一人あたり15個以上の栗を使ったフランス料理を、モン・ラパンさんでいただきました。シェフによると、小澤栗園さんの栗は大きさもさることながら、味がよそと全く違う、それほどおいしいのだそうです。

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モン・ラパン

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前菜 つくば鶏と栗のテリーヌ
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くりのポタージュ
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真鯛とスズキのキャベツ包み 地元野菜添え
(魚はペーストではなく細かくきざんだ肉でした)
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常陸牛のシチュー
(あえてA5ランクでない、少し安い肉を使って煮込んだのがシェフのご自慢。)
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渋皮煮の栗がのったモンブラン




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