私の中の一期一会 №264 [雑木林の四季]
世界中から敬愛された英国のエリザベス女王。19日の国葬に反対の声は一つもない。
~麻生副総裁に「理屈じゃねえんだよ」と迫られ、首相が国葬に決めたってホント?~
アナウンサー&キャスター 藤田和弘
英国のエリザベス女王は9月8日、滞在先のスコットランド・バルモラル城で96歳の生涯を閉じた。
死因は明らかにされていないが、英王室は「安らかに息を引き取った。」と発表している。
70年余に及ぶ在位は、英国の歴代君主としては最長であった。
多くの人に敬愛された女王は、英国民はもとより世界中の人々に喪失感を抱かせたのではないだろうか。
女王が長く住まいとしたバッキンガム宮殿前には続々と多くの市民が集まり、涙を流しながら国歌を歌い「英国の母」を失った悲しみの声があちこちで聞かれたと報じられた。
トラス新首相は8日夜、「我が国は女王の治世で成長と繁栄を遂げた。英国が偉大な国であるのは女王のお陰だ」と功績を称えた。
女王の棺はスコットランドからロンドンのウエストミンスター・ホールに移されてきた。
女王の国葬は19日午前11時から、ウエストミンスター寺院で行われるが、国葬前に4日間ほど一般国民の弔問が可能になるとBBC放送が伝えている。
尚、国葬当日は休日になるので国を挙げて弔意を表す日になるだろう。
世界中から寄せられた弔意は数えきれないほど多い。
女王の夫フィリップ殿下と血縁関係にあるスペイン国王のフェリペ6世は「女王の死はとても悲しい。だがその 威厳と勇気そして国民への献身により、史上最高の女王の一人として記憶されるだろう」と哀悼の言葉を捧げた。
ノルウエーのハラルド国王は「女王陛下は1世紀近くに亘りイギリス連邦のためにその生涯を捧げ、良い日も悪い日も、幸せな時も悲しい時もイギリス国民に寄り添ってこられた」と弔意を表した。
オランダのアレキサンダー国王は「今は深い悲しみの中にいます、女王が忘れられない程の貢献をされた両国の交友関係に感謝しています」と声明を発表した。
国連のグテーレス事務総長は「リーダーシップと献身で世界中から敬愛された女王の逝去に深く悲しんでいる。女王は国連のよき友であり、人々を勇気づける存在だった。生涯にわたる献身は長く人々の記憶に残るだろう」
ロシア軍と戦っている最中のウクライナからも、ゼレンスキー大統領の「女王逝去の報に深い悲しみの中にある。ウクライナ国民を代表してイギリス王室とイギリス国民、イギリス連邦の加盟国の皆様に心から哀悼の意を表したい」というメッセージが届いた。
バイデン大統領は「女王の治世は優雅さと気品に満ちていた」と声明を出し、19日の国葬にジル夫人と参列することを明らかにした。
イギリス留学の経験がある天皇陛下は、皇后陛下と一緒に女王の国葬に参列することを明らかにし、「深い悲しみで心より哀悼の意を表します。女王陛下の残された多くの功績と御貢献に心からの敬意と感謝を申し上げます」と述べられた。
フランスのマクロン大統領は「この悲しみの中に私たちはイギリス国王、王室、国民と共に、女王を失った深い悲しみにくれる全ての人達に哀悼の意を表する」と述べた。
「君臨すれども統治せず」が原則の英国の国王は国家への奉仕が基本と言われる。
20年4月、コロナ禍で戸惑う国民に「私たちが団結し、強い意志を持ち続ければ病を必ず克服できます」と国民に呼びかけたテレビ演説は2400万人が視聴したという。
女王との最後の別れには多くの国から、多くの人がロンドンを訪れることだろう。
女王の国葬に反対する声など全く聞こえてこない。
それもその筈、トラス新首相はチャンと英国議会の承認を得ていたからである。
岸田首相も参列の意向を示していたが、天皇、皇后両陛下が参列されることになったため、首相は参列を見送ることになった。
複数の世府関係者によると、英国からの招待状が国家元首2人分しか届いていなかったため見送らざるを得なかったのが真相だと分かった。
それにしても、岸田首相が閉会中審査で行った「安倍氏国葬の正当性」についての説明は、同じ発言を繰り返し“どこが丁寧な説明か!”と新聞に皮肉られる始末。
国葬に反対する国民を納得させることは出来なかった。
安倍氏と旧統一教会と関係についても「本人は亡くなられている」として実態を十分に把握することは限界があると逃げの答弁をした。
安倍氏に世界各国から弔意が寄せられており、それを受けるには国葬が適切だなどという説明は、何度も聞かされた耳にタコである。
安倍氏は旧統一教会と密接過ぎる関りが明らかになっていて、国民の多くが「そんな人が国葬にふさわしいのか」と疑問を抱くようになった。
エリザベス女王の国葬が決まった時、SNSに「本物の国葬」というワードが飛び交ったそうだが、確かに安倍氏の国葬には無理があると思う。
岸田首相は、政府・自民党葬を考えていたが、麻生副総裁に「国葬にしろ」横槍が入ったという。
その際「理屈じゃねえんだよ!」と迫ったとか・・・
ネットで見つけた情報だからフェイクかも知れないが、あの人なら如何にも言いそうなセリフではないか。
27日の国葬に欠席する外国の要人が解ってきた。
アメリカのバイデン大統領、トランプ前大統領、英国のジョンソン前首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのシュメルツ首相、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、カナダのトルドー首相は“?”だ、
インドのモディ首相は最初出席だったが“?”になったようだ・・・
主だった国の首脳が来ないとなれば、当てにしていた弔問外交は不発に終わるだろう。
報道各社9月4日現在
国葬に “賛成” “反対”
文 春 16% 76%
TBS 42% 45%
NHK 36% 50%
時 事 30% 47%
共 同 45% 53%
日 経 43% 47%
読 売 38% 56%
国葬に反対する市民グループの署名運動が5日までに集まった数を発表した。
40万4258筆・・・
ルポライター鎌田慧さんは「短期間に40万を超える署名が集まり、いかに不満が渦巻いているかを証明している。強引で拙速に力任せにやることは認められないという民主的な感覚が日本人の根っこにある表れだ」と語っている。
ロンドンの「本物の国葬」の準備は静かに進んでいることだろう。
2022-09-13 08:28
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