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過激な隠遁~高島野十郎評伝 №67 [文芸美術の森]

ノート 6

    早稲田大学名誉教授  川崎 浹

花見客も来なくなりけり此の日頃
薬師の塔のうるはしきかな

色の名稱をすてヽしまふ.色といふ言葉もすてヽしまふ.焉実はそれからだ

夢の中に夢の世界を追ひ廻してゐる
それが藝術の流孤思想、 - 文化.

科学をやってゐると自分の頭が目茶苦茶になる、
その目茶苦茶になるのを感じないドン感者が科学的天才といふ奴等
その目茶苦茶の孤獨感に迷信的、狂信的に得意になってゐるのが世の科学者達

塩と砂糖で味が出来る、地獄と極楽で味になる、と言って地獄と極楽と別けたら食にならない.

生れた時から散々に染め込まれた思想や習慣を洗ひ落せば落す程冩実は深くなる.
冩実の遂及とは何もかも洗ひ落して生れる前の裸になる事、その事である.

『過激な隠遁~高島野十郎評伝』 求龍社


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